著者
林原 慎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.117-127, 2013

本研究の目的は,日本の高学年児童における,1)英語学習動機の因子構造,2)海外経験の有無,性差,学年差による英語学習動機の比較,3)英語学習動機に影響を及ぼす要因,の3点を明らかにすることであった.812名の5・6年生を対象とした研究の結果,英語学習動機は,「有用性」,「内発的」,「交流欲求」,「不安回避」の4因子で構成されていた.また,児童の海外経験の有無別の比較では,「不安回避」のみで海外経験がない児童に比べて海外経験がある児童の方が有意に高かった.男女別の比較では,「有用性」,「内発的」,「不安回避」の3因子で,女子の方が男子よりも有意に高い結果となった.学年別の比較では,5年生の方が6年生よりも「内発的」と「不安回避」において有意に高い結果となった.さらに,学校要因は4つの因子全てに影響を及ぼしていることなどが共分散構造分析によって明らかになった.
著者
坪根 由香里 田中 真理
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.111-127, 2015-09-30

本稿の目的は,第二言語としての日本語小論文の「内容」「構成」の評価が,評価者によって異なるのか,もしそうならどのように異なるのかを検討し,その上で「いい内容」「いい構成」がどのようなものかを探ることである.調査では,「比較・対照」と「論証」が主要モードの,上級レベルの書き手による6編の小論文を日本語教師10名に評価してもらった.その結果を統計的手法を用いて分析したところ,「内容」「構成」ともに,異なる評価傾向を持つ評価者グループのあることが分かった.そこで,上位4編の評価時のプロトコルから「内容」「構成」に関する部分を抜き出し,それを実際の小論文と照合しながら,各評価者グループの評価観の共通点・相違点について分析した.その結果から,「いい内容」の要因は,1)主張の明確さ,2)説得力のある根拠を分かりやすく示すこと,3)全体理解の助けになる書き出し,4)一般論への反論であることが分かった.視点の面白さと例示に関しては評価が分かれた.「いい構成」は,1)メタ言語の使用,2)適切な段落分けをし,段落内の内容が完結していること,3)反対の立場のメリットを挙げた上で反論するという展開,4)支持する立場,支持しない立場に関する記述量のバランスが要因として認められた.本研究で得られた知見は,第二言語としての日本語に限らず,第一言語としての日本語小論文の評価にも共有できるであろう.
著者
坪根 由香里 田中 真理
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.111-127, 2015

本稿の目的は,第二言語としての日本語小論文の「内容」「構成」の評価が,評価者によって異なるのか,もしそうならどのように異なるのかを検討し,その上で「いい内容」「いい構成」がどのようなものかを探ることである.調査では,「比較・対照」と「論証」が主要モードの,上級レベルの書き手による6編の小論文を日本語教師10名に評価してもらった.その結果を統計的手法を用いて分析したところ,「内容」「構成」ともに,異なる評価傾向を持つ評価者グループのあることが分かった.そこで,上位4編の評価時のプロトコルから「内容」「構成」に関する部分を抜き出し,それを実際の小論文と照合しながら,各評価者グループの評価観の共通点・相違点について分析した.その結果から,「いい内容」の要因は,1)主張の明確さ,2)説得力のある根拠を分かりやすく示すこと,3)全体理解の助けになる書き出し,4)一般論への反論であることが分かった.視点の面白さと例示に関しては評価が分かれた.「いい構成」は,1)メタ言語の使用,2)適切な段落分けをし,段落内の内容が完結していること,3)反対の立場のメリットを挙げた上で反論するという展開,4)支持する立場,支持しない立場に関する記述量のバランスが要因として認められた.本研究で得られた知見は,第二言語としての日本語に限らず,第一言語としての日本語小論文の評価にも共有できるであろう.
著者
亀甲 武志 岡本 晴夫 氏家 宗二 石崎 大介 臼杵 崇広 根本 守仁 三枝 仁 甲斐 嘉晃 藤岡 康弘
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-8, 2014-04-25 (Released:2016-05-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

To clarify the reproductive ecology of the endangered cyprinid Honmoroko, Gnathopogon caerulescens, endemic to Lake Biwa, the occurrence of eggs in inlets, sex ratio and monthly changes in gonad somatic indices (GSI) were investigated in the Nishinoko lagoon, adjacent to Lake Biwa, from March to May, 2012. Eggs of Honmoroko were found on gravel and vegetation in two inlets, suggesting that not only the reed zone of Lake Biwa and its lagoons but also inlets of the lagoons are important spawning habitats of that species. The sex ratios of individuals collected in the two inlets were more malebiased (11.2–32.1 : 1) than that in the reed zone of the lagoon (1.5–2.7 : 1). The GSI of males gradually decreased as the breeding season progressed, those of females not showing any significant statistical changes, except for individuals collected around the reed zone and inlet in April. It was concluded that males remain in inlets and the reed zone during spawning, whereas females migrate to the inlets only for spawning, subsequently returning to the reed zone until the next spawning session.
著者
細田 尚
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.412-419, 2009-12-15 (Released:2010-06-23)
参考文献数
9

It is an increasing concern that the depletion of dissolved oxygen (DO) concentration at the bottom layer of the northern-part of Lake Biwa with 100m in maximum depth has been worsen in recent years not only due to eutrophication in water but also the effects of global warming such as the raise of air temperature during winter. Many research have been carried out by various organizations to clarify the mechanism of DO depletion near the lake bottom and to propose the countermeasures. This article firstly describes the seasonal variations of the vertical water temperature and water quality distributions to explain the fundamental features of heat and mass transfer occurring in the northern part of Lake Biwa throughout the year. Since it is well known that the thermal convection during the cooling period is the main mechanism of DO transfer from the surface to the lake bottom, the mixing processes caused by thermal convection are shown using the results of a 3D CFD simulation. Then, the electrolysis of water at the lake bottom for the restoration and DO recovery is introduced as one of the countermeasures proposed by Lake Biwa Environmental Research Institute, Shiga Prefecture. The simulation results of O2 bubble plumes with the dissolution into lake water are also shown under the conditions of laboratory and field experiments.
著者
大和 浩
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.133-140, 2013-10-01

「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に沿って,諸外国では包括的な喫煙対策が進められている.一方,わが国では職場の受動喫煙防止対策さえ十分には達成されていない.労働安全衛生法の一部を改正し安全配慮義務という観点から受動喫煙防止対策を義務化する法律の改正案は,2012年11月16日の衆議院の解散により廃案となったことから見送られた状況となっており,一刻も早い国会への再提案が望まれる.本稿では,企業が自主的に判断して取り組むべき職域の喫煙対策について解説する.
著者
矢野 和成
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.421-425, 1988

東シナ海とジャワ海から得られた1新種フトシミフジクジラを記載した.本種は吻端から第1背鰭棘までの長さが, 棘から尾鰭上葉起部までの長さより明らかに短いこと, 尾鰭の長さが頭長よりも短いこと, 鱗は非常に小さく棘状であり, 体側面ではほとんど規則正しく配列しているが, 頭部背面の眼間付近および腹部では明瞭に配列していないこと, 生きている個体の体色は上方部では紫色がかった黒色, 一方腹部, 腹鰭上方部の斑紋, 尾鰭の斑紋は濃い藍色をしていること, 腹鰭上方部の斑紋が後方部で幅が広いこと等で他種と容易に区別される.
著者
Taketo Kojima Ikumi Kawajiri Jun-ichi Nishida Chitoshi Kitamura Hiroyuki Kurata Mirai Tanaka Hiroshi Ikeda Takeshi Kawase
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Bulletin of the Chemical Society of Japan (ISSN:00092673)
巻号頁・発行日
pp.20160093, (Released:2016-05-24)
被引用文献数
8

A series of 2,3-diphenylphenanthro[9,10-b]furans were prepared by the reactions of phenanthrene-9,10-dione with two equivalents of benzylidenetriphenylphosphoranes as a key step. The bis(4-bromophenyl) derivative can be readily lithiated by the action of n-butyllithium in diethyl ether. The corresponding 4-trimethylsilyl and 4-methylthio derivatives were obtained by quenching the dilithio derivative with trimethylsilyl chloride and dimethyl disulfide, respectively. The Buchwald–Hartwig amination of the bromide with diphenylamine afforded the diphenylamino derivative in a good yield. Crystallographic analysis of the parent diphenyl derivative reveals that the phenanthrofuran moiety has a slightly twisted helicene-like structure, and the compound forms a columnar stacking in the crystal. The phenanthrofurans display intense blue fluorescence both in CH2Cl2 and in the solid state. Their electrochemical properties obviously indicate high HOMO energy levels of the furans, as predicted by the density functional theory calculations.
著者
馬場 一彦
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.15-18, 2010-01-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
9

抗がん剤新薬の開発が困難になっているなか, 既存の抗がん剤にドラッグデリバリー技術を適用して, 有効性を高め, 副作用を低減する開発研究が積極的になされている。すでにLHRHアナログやドキソルビシン塩酸塩リボソーム製剤はがん治療の標準的ガイドラインに採用されている。また, 既存の抗がん剤の利便性を改善した製剤として, アルブミン結合型パクリタキセルナノ粒子製剤も上市されている。本稿では, これらのDDS製剤の物理化学的および臨床面での特徴を紹介する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.291, pp.77-84, 1999-04-05

インターネット・メール・サーバーの事実上の標準。それが,フリーソフトの「sendmail」である。企業ユーザーはもちろん,大手インターネット接続事業者(プロバイダ)の多くもメール・サーバーにsendmailを採用している(表2-1)。 個人向け接続サービスを提供するベッコアメ・インターネットの運用技術部白濱健氏は,長年のメール・サーバー運用経験からこう証言する。
著者
河村 聡人
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

The result of a test particle simulation will be presented and discussed as a possible interpretation on Interstellar Boundary EXplorer (IBEX) observations of InterStellar Medium (ISM) Oxygen. Due to the physical characteristics of Oxygen atom, neutral Oxygen had interacted with Hydrogen-dominated Heliosphere before they were observed by IBEX, and such Oxygen may contain some information of Heliospheric structure within its flux distribution over the sky. In order to understand this observation, we must classify the particles based on their histories of interactions with Heliosphere. We provide a unique classification on the test particles which makes the simulation result provide an insight on the IBEX observations.
著者
岡澤 敦司
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

我々は,進化的に光合成能を失った全寄生植物および腐生植物について,その光シグナル伝達経路を光合成を行う植物と比較した場合に,どのような相違点が存在するかを明らかにすることを目的として研究を行っている.その相違点は,これらの植物が光合成能を失ったことに関連する遺伝子の変化によってもたされていると考えられ,この遺伝子の変化を明らかにすることによって,植物の光シグナル伝達経路に重要な情報が得られると期待されるからである.本課題では,特に光シグナル伝達経路の最上流に位置する光受容体,フィトクロムA(PHYA)に着目して研究を行った.三種の寄生植物および一種の腐生植物についてそのcDNAをクローニングし,光合成を行う高等植物との配列比較を行った.その結果,光合成植物では保存されているアミノ酸において残基の置換が観察された.特に,実験室レベルでも栽培が可能であるヤセウツボのフィトクロムA(OmPHYA)についてさらに詳細に研究を行った.その結果,OmPHYAは光合成を行う植物のPHYAと同様に,光によってその発現量ならびに局在が制御されていることが明らかになった.さらに,OmPHYAの機能を調べるために,これをシロイヌナズナのPHYA欠損変異株より調整したプロトプラスト内で一過性に発現させた.このプロトプラストに遠赤色光を照射し,この条件でPHYAによって誘導される遺伝子の発現量を測定した.この結果,OmPHYAは一部の転写因子の発現を誘導出来るが,PHYA二よって誘導される光合成関連の遺伝子の発現を誘導出来ないことが明らかになった.これらの実験によって,光合成能の喪失に伴う,PHYAの機能変化が明らかになり,光シグナル伝達経路の解明に光合成を行わない植物を用いることの有用性が示された.
著者
HIRAI Akiyo KOIZUMI Rie
出版者
日本言語テスト学会
雑誌
日本言語テスト学会研究紀要
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-20, 2008-09-20

Among different types of rating scales in scoring speaking performance, the EBB (Empirically derived, Binary-choice, Boundary-definition) scale is claimed to be easy to use and highly reliable (Turner & Upshur, 1996; 2002). However, it has been questioned whether the EBB scale can be applied to other tasks. Thus, in this study, an EBB scale was compared with an analytic scale in terms of validity, reliability, and practicality. Fifty-two EFL learners were asked to read and retell four stories in a semi-direct Story Retelling Speaking Test (SRST). Their performances were scored using these two rating scales, and then the scores were compared by using generalizability theory, a multitrait-multimethod approach, and a questionnaire delivered to the raters. As a result, the EBB scale, which consists of four criteria, was found to be more generalizable (i.e., reliable) than those of the analytic scale and generally assessed the intended constructs. However, the present EBB scale turned out to be less practical than the analytic scale due to its binary format and because it had more levels in each criterion. Further revisions seeking a better scale for the SRST are suggested.
著者
野津 翔太 野村 英子 石本 大貴 本田 充彦
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

原始惑星系円盤(以下、"円盤")は、⽐較的単純な分⼦種(e.g., H2O, CO, CO2, HCN)から複雑な有機物(COMs)まで様々な分⼦種を含む。最近ではSpitzer宇宙望遠鏡や、地上の⼤型望遠鏡(e.g., VLT, Keck)による⾚外線分光観測などで、⽐較的単純な分⼦種の様々な輝線が検出され始めている (e.g., Pontoppidan et al. 2010a&b, Mandell et al. 2012)。円盤はほぼケプラー速度で回転しているため、円盤から放射される輝線はドップラーシフトを受け広がっている。この輝線のプロファイル形状の解析から、輝線放射領域の中⼼星からの距離の情報が得られる。これまで我々は、円盤の化学反応ネットワーク計算と放射輸送計算の⼿法を⽤いて、H2O輝線プロファイルの観測から円盤内のH2O分布、特にH2Oスノーラインを同定する可能性を調べてきた。その結果、アインシュタインA係数が⼩さく、励起温度が⾼いH2O輝線を⽤いた⾼分散分光観測を実施する事で、H2Oスノーラインの位置を同定できる可能性が⽰されている(Notsu etal. 2016a, ApJ submitted & 2016b in prep.)。ここで円盤内では凝結温度の違いにより、分⼦種ごとにスノーラインの位置は異なると考えられる。その為、円盤ガス・ダスト中のC/O⽐は、中⼼星からの距離に応じて変化すると考えられる。例えばH2Oスノーラインの外側では、多くの酸素がH2Oの形でダスト表⾯に凍結する⼀⽅、炭素の多くはCOなどの形で円盤ガス中に留まるので、ガス中でC/O⽐が⼤きくなる。また、近年系外惑星⼤気のC/O⽐が測定され始めているが(e.g., Madhusudhan et al. 2014)、円盤と惑星⼤気のC/O⽐を⽐較する事で、惑星形成理論に制限を加えられる事が⽰唆されている(e.g., Oberg et al.2011)。そこで我々は、これまでの化学反応計算を発展させ、円盤ガス・ダスト中のC/O⽐や、⽐較的単純かつ主要な分⼦種(e.g., H2O, CO, CO2, HCN) の組成分布を調べている。同時に放射輸送計算も進め、C/O⽐などを同定するのに適した輝線の調査を進めている。その結果、同じ分⼦種のアインシュタインA係数(放射係数)や励起温度が異なる輝線を使う事で、円盤内の異なる領域のC/O⽐に制限を加えられる事が分かってきた。例えばHCNの場合、3μm帯の輝線では円盤外側、14μm帯の輝線では円盤内側の構造に迫る事が可能である。これは14μm帯の輝線の⽅が3μm帯の輝線と⽐べ、ダストの吸収係数が⼩さく励起温度が低いため、円盤内側のHCNガスが豊富な領域を追う事が出来るからである。本発表ではまずT-Tauri円盤の場合の解析結果を中⼼に報告し、将来の近-中間⾚外線の分光観測 (e.g., TMT/MICHI, SPICA) との関係についても議論する。また時間の許す範囲で、Herbig Ae星の場合の解析結果の報告と議論も⾏う。
著者
常徳 千夏 松井 聖 斉藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 北野 将康 橋本 尚明 角田 慎一郎 岩崎 剛 佐野 統
出版者
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.189-197, 2015

目的:関節リウマチ(RA)の治療は近年大きく変化しており,抗リウマチ薬に加え生物学的製剤が7種類使用できるようになった.このため,相互作用や副作用管理が急務となり.医療師全体で取り組む事が重要となってきている.今回,調剤薬局薬剤師の関わりの実情と問題点を把握し,今後の薬剤師の役割の方向性を考えるためアンケート調査を実施した.<br>対象:兵庫医科大学病院外来通院中RA患者のうち,平成25年3月~5月に当薬局に来局,本調査への参加に同意した70名を対象にアンケート調査を実施した.<br>方法:日常診療実態下における非介入試験 ①日常生活動作 ②関節リウマチ治療状況 ③精神的影響に関する状況のアンケートを実施した.<br>結果:メソトレキサート(MTX)に関しては,効果の理解度は86%と高かったが,用法の不便さを訴える回答がみられた.生物学的製剤については,注射へのストレスを感じないが67%で,効果を実感している回答も62%と半数を超えた.しかしながら,副作用への不安や,高額の医療費の負担の不安もあった.<br>結論:調剤薬局薬剤師として,MTXや生物学的製剤などの積極的な治療が必要な患者さんには,積極的に関わることで,個々の状況を聞き取り不安や問題の解決を目指すことにより,アドヒアランスの向上及び治療成功へのサポートを行って行くことが重要であると考える.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.175-177, 2003-11

とんだ1週間だった。金融業向け情報サービス会社、ラディアンス社の情報セキュリティ担当役員ロイド・ヘシオン氏もそう痛感している1人だ。ヘシオン氏は8月15日、インフォメーションウィーク誌の電話取材に対して「ひどい48時間だった」と述べ、「後でかけ直す」と電話を早々と切った。 混乱は8月11日の月曜日、MSブラスターの出現で始まった。