著者
吉田 紘行
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科 基盤科学研究系 物質系専攻
巻号頁・発行日
2006-03-23

報告番号: ; 学位授与年月日: 2006-03-23 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(科学) ; 学位記番号: 修創域第1600号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科物質系専攻
著者
岡 知子 仲井 邦彦 亀尾 聡美 佐藤 洋
出版者
SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.163-168, 2004

母親の食事由来の低濃度メチル水銀の胎児期曝露が,その後の児の発達に与える影響を検証する疫学的調査として良く知られているのは,デンマーク領フェロー諸島前向き研究(Faroe Islands Prospective Study)とセイシェル小児発達研究(Seychelles Child Development Study:SCDS)の2つである。両研究は,曝露量,対象集団の規模,および神経発達の検査法が比較的類似しているにも関わらず,結果的にはSCDSではフェロー諸島で認められた様な小児の神経・認知・行動への影響は見出されていない。本稿では調査の背景となったセイシェル共和国の自然と人々,生活様式,を紹介するとともにこれまでの調査の主要な結果をまとめ,SCDSの位置づけなどを考えてみた。
著者
栗原 良将 加藤 潔 石川 正 藤本 順平 近 匡
出版者
高エネルギー加速器研究機構
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
1999

本グループにより開発されている、GRACEと呼ばれるファインマン振幅の自動生成プログラムを改良し、QCD(強い相互作用を記述する場の量子力学的理論)の高次補正効果を取り入れたイベント・ジェネレータ(仮想事象生成プログラム)を作成するための研究を継続して行った。平成14年度までに、QCDの高次効果を含む計算を効率よく行うためのGRACEの改良を行い,3点相互作用までのループ補正を含んだ実効相互作用関数をGRACEに加えるとともに、QCDに特有の赤外発散を取り除き安定した数値計算を行うための「主要対数項差し引き法」を開発した。引き続き,平成15年度においては4点ループ補正(ボックス・グラフ)の計算を行うための開発を行った。4点ループ積分では,次元正規化法により赤外発散を取り除く方法を採用し,そのための積分公式を用意した。これは,複雑な分子を持つループ積分を解析的に行い,超幾何関数で表現するもので,この超幾何関数を次元正規化法による特異点(極)の周りで展開することにより,必要な積分の値を得ることができる。従来の方法に比べ、計算時間が短く、数値的に安定となる利点がある。また,GRACEによる散乱振幅の生成も,次元正規化法に適合するように改良し,ボックス・グラフを含むループ補正の振幅を自動的に生成できるようになった。現在,この方法を,格子+ジェット生成反応や重いボソン(Wボソン・Zボソン)+ジェット生成反応に応用し,ループ補正を含んだイベント・ジェネレーターの開発を行っている。また,ツリー近似によるイベント・ジェネレーターであるGR@PPAにおいても,取り扱うプロセスの数を増やして,より実用的なものにして,広く実験グループに公開した。
著者
杉浦 淳吉 吉川 肇子
出版者
特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.87-99, 2009-08-25

本研究では,事例研究として地球温暖化問題をテーマとしたボードゲームである「キープクール」を取り上げ,その導入の評価を検討する.ゲーミング体験の評価について,教育・学習場面の対象者のみならず,そのゲーミングの実施主体の評価も含めて検討した.すなわち,ゲーミングを,導入時の評価,導入の決定と準備,そして実践・評価,の3つのプロセスに整理した.また,ゲーム経験者が別の場面でゲームを実施するプロセスについて検討した.ゲーム経験のある実施主体が,プレーヤに対して何を評価させようとしたのかについて,評価項目および実践方法から検討された.さらに,ゲームの実施中および実施後におけるゲーム体験の評価に関する手法の事例について議論した.以上から,ゲームの意義や評価のポイントは,実施主体が持つゲーム体験の評価の基準によってもまた,決まってくることが示唆された.

1 0 0 0 カイ = Kai

出版者
ノーザンクロス
巻号頁・発行日
2008
著者
松崎 欣一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.161-188, 1972-01

一 はしがき二 吉沢氏失踪事件の経緯三 吉沢氏失踪事件の背景 (1) 伝馬町の土木工事費請負 (2) 南鐐二朱銀の借用四 むすび
著者
相原 孝俊 松澤 俊明 福島 E.文彦 フレーゼ マーク グアラニエリ ミケレ 玉田 守 広瀬 茂男 三浦 有信
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp."1A1-H01(1)"-"1A1-H01(3)", 2008-06-06

We developed weight balanced which we calling "Portable Field Arm". The arm has a reach of 3 meters, possesses 5 Degrees of Freedom, and is easily assembled /disassembled. Because of its compact body, it's easy to transfer. It is a multi purpose arm but in this paper we show configuration as a evaluation setup for metal detectors. This paper explains the arm's mechanism and its positioning accuracy.
著者
洗 津 山田 浩也 遠藤 玄 デベネスト パウロ グアラニエリ ミケーレ 風間 裕人 長友 一郎 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp."1A2-P20(1)"-"1A2-P20(2)", 2013-05-22

For the decommissioning of the Fukushima Daiichi nuclear power plant, we need robot arms which have long and slender shape, wide motion range, and radiation-tolerant system. However, existing robot arms are not capable of satisfying those requirements. In particular, the extremely large torque generated by the arm weight is the most difficult problem in the development of such long and slender arms. Therefore, in order to satisfy those requirements, we propose a new robot arm named "3D CT-Arm". The 3D CT-Arm uses a "coupled tendon drive", in which the all joints are driven by motors located on the base through wires and pulleys, and the all motors support the torque on the base joint. Thus, the 3D CT-Arm can maintain its posture even when it extends the arm horizontally. In this paper, we introduce the concept of 3D CT-Arm and show the design and test of a prototype.
著者
植野 和文
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.76-76, 2003

本稿では明石海峡大橋の開通(平成10年4月)が津名町民の余暇活動に及ぼした影響を分析した。ここでの影響とは、本州への交通がより便利な陸上ルートに切り替わったことに住民の余暇活動がどのように反応したか、そしてその結果を彼らはどのように評価したのか、ということである。 調査は開通の4ヶ月前の平成9年12月と、開通の1年9ヶ月後の平成12年1月に、いずれも20歳以上の住民400人を対象に郵送調査法で行われた。設問では余暇活動の場所として提示した23地区から活動の領域ごとに重要な地区を複数(最多3つ)選ばせたうえで、それらを地理的条件、交通条件、余暇活動機会などを考慮して7地域(津名町、津名町を除く淡路地域、神戸・阪神、京阪地域、西・北地域、徳島県、その他全国)にグループ化した。活動の9領域における回答を地域ごとに合算し、それらをいずれかの領域で余暇活動を行っている有効回答者数で除した値を余暇活動水準とした。得られた知見は以下のとおりである。 第一に開通後の活動水準の変化でみる限り、大橋の影響はあまり大きくはない。それでも開通後に余暇活動が「神戸・阪神」「その他全国」で活発になり、「津名町」「京阪地域」を除く地域では活動水準の個人差が広がった。さらに余暇活動環境(神戸・大阪へのアクセス、公共交通サービス、余暇活動の利便性、余暇生活)のすべてにおいて満足水準が上昇した。ただし活動圏が地域的に分散する傾向はみられなかった。 第二に大橋を多用する人はそうでない人に比べると、島外での余暇活動が活発で、かつ活動水準の個人差も大きく、さらに活動圏が一層地域的に分散している。そのうえ余暇生活の満足水準が高い。 第三に大橋を多用する人でも活動圏が拡大した人はそうでない人に比べると、本州の一部地域で余暇活動が活発で、かつ活動の個人差も大きいが、活動圏の地域的な分散では差はみられなかった。さらに余暇活動環境のすべてにおいて満足水準が高い。 第四に余暇活動が本州で活発になっても、島内での活動水準と活動の地域分布は安定しており、活動が島外に流出して島内の活動が低迷するという現象はみられなかった。最 後に大橋は多くの地域で余暇活動水準の個人差を広げたが、このことは影響が住民均等に及ぶのではなく、余暇活動に対する彼らの態度や生活状件に依存することを示している。 同時にいくつかの課題も残された。第一に今回の分析では9領域の余暇活動を統合したデータを用いたが、余暇活動の領域によって活動圏や大橋利用の必要性が異なるため、余暇領域ごとの実践者を対象にした分析が必要である。 第二に今回の知見の一つは大橋が余暇活動の個人差を拡大することであった。これが住民一般を対象にした開通前後の影響分析で明瞭な結果が得られなかった理由の一つと考えられる。属性、生活条件、大橋の利用パターンなどをもとに調査対象を選別して影響分析を行う必要がある。 第三に余暇活動への影響には大橋の出現が活動を誘発する側面と、開通にともなって整備された島内外の余暇資源が活動を誘発する側面がある。いずれも長期的な観察が必要であるが、今回は開通後2年足らずの短期的な影響を分析したに過ぎない。得られた知見を仮説として継続的な調査と研究が必要である。 第四に調査で得られたデータの数が少なかったことが、いくつかの統計的検定を難しくし、影響分析の結果に曖昧さを残したことは否めない。上記の課題に応えるためには、十分なデータの確保に努める必要がある。
著者
馬塲 信倫
出版者
METEOROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
氣象集誌. 第1輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.465-474, 1891
著者
塚本 眞幸
出版者
名古屋大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
巻号頁・発行日
2012 (Released:2016-04-26)

脂質や炭化水素を生成する緑藻類を効率よく増殖させ、さらにその代謝活性を促進させることは、バイオエネルギーの創製に繋がる重要課題である。本研究では、近年、バクテリアの二次情報伝達物質として注目されている環状ジアデニル酸を取り上げ、同化合物およびこれを適度に化学修飾した誘導体が緑藻類の細胞増殖とその代謝活性に及ぼす影響を精査した。その結果、いくつかの誘導体で緑藻類の細胞増殖を20から30パーセント、光合成を40から50パーセント、促進することが明らかとなった。さらに、アデニン塩基のアミノ基の保護基は、生理活性に影響を与えなかった。このことから、標的化合物の合成経路を大幅に簡略化できることも見出した。