著者
小山 博
出版者
宮崎県総合博物館
雑誌
宮崎県総合博物館研究紀要 (ISSN:02879425)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.67-86, 2014
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔡 佳瓴 蔦 瑞樹 藤田 かおり 粉川 美踏 荒木 徹也
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.196-201, 2011-05-15 (Released:2011-06-30)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3 6

糊化させた米のパンの品質への影響を評価するため,小麦粉パン,米粉パンに加え,糊化させた米粉を添加したパン(糊化米粉パン),お粥を加えたパン(お粥パン)を調製し,それぞれの形状,粘弾性係数,および気泡パラメータを計測した.(1) お粥パンが最も膨張し,糊化米粉パンも小麦粉と同等に膨張したことから,糊化処理した米の添加によってパンの膨張が促進されることが分かった.(2) 糊化させた米を添加したパンは,小麦粉,米粉パンより粘弾性が低い,つまり柔らかいことがわかった.(3) 4種類のパン試料の気泡構造は同一であったことから,粘弾性の差は気泡壁(固相)の違いに依るものと推察された.以上より,糊化処理をした米粉または米の配合が15%の場合,グルテンなどの品質改良剤や,特別な前処理なしで従来の小麦粉100%のパン,または米粉パンより膨張性が良く,柔らかい食感を持つパンを調製することが可能であることが確認された.
著者
大藤 紀子
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.3-33, 2007-12-17

フランスは,テロに対する法的対応措置を採る上で,80年代当初から「安全」と「自由」という二つの憲法上の権利の間で「調整」を図ってきたが,9.11事件以降,国内に目が向けられ,かつ予防政策に力点が置かれる中で,「自由」に対する制約は,次々と拡大する傾向にある.「テロ」は,抑止・予防すべきものという観点から,刑法典の上でも明確な定義を欠いたまま,刑の加重や刑事手続の通用等において,特別ないし例外的な扱いをされている.この扱いは,「テロ行為」の「特有の性質」,犯罪の深刻さ,重要性に由来するものとされるが,「安全」と「自由」との従来からの二律背反関係に,別の視点を導入することの必要性を導くものである.本稿は,関連する憲法院判決を随時参照しつつ,「安全」と「自由」のバランスについて考察した後,フランスにおけるテロ対策の法的枠組および近年採られたテロの予防措置について概観し,問題提起を試みるものである.
著者
杉野 英治 岩渕 洋子 阿部 雄太 今村 文彦
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.4_40-4_61, 2015 (Released:2015-08-24)
参考文献数
28

2011年東北地方太平洋沖地震津波の発生及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力発電所の津波リスク評価のためには、将来発生する津波の規模は既往最大を上回る可能性があることを前提とした、確率論的津波ハザード評価手法の高度化が必要である。同地震津波の発生以後、このような概念に基づく津波想定が提案されている。そこで、千島海溝から日本海溝沿いのプレート間地震に想定される津波波源を対象に具体的な適用方法と事例を示し、既往最大を基本とする従来の津波想定と比較することにより、津波想定に係る不確実さの取扱いが確率論的津波ハザード評価結果に及ぼす影響・効果を示す。
著者
村田 良二
雑誌
じんもんこん2005論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.63-70, 2005-12-16

本稿では、ミュージアムの業務支援とミュージアム間での情報共有を目標として、東京国立博物館で開発した「ミュージアム資料情報構造化モデル」について述べる。これまで国内のミュージアムにおいて情報共有や情報の標準化が困難であった原因に対して本モデルが提案する解決方法を論じた後、本モデルの特徴的な側面を具体的なデータとともに例示しながら説明する。またあわせて今後の作業と展望を論じる。
著者
井戸 大輔 佐野短期大学非常勤 Sano College
出版者
佐野短期大学
雑誌
佐野短期大学研究紀要 (ISSN:1347488X)
巻号頁・発行日
no.22, pp.27-40, 2011-03-31

The study of the retail trade was taken up as "retail business condition" "retail commerce morphology" conventionally, and a study to theorize the development process has been accomplished.In addition, a retail business condition was any kind of principle, and the reexamination of the precedence study was performed by a critical mind whether watched development as if it was looked in the inspection of "wheel of retailing", and the accumulation of the study has been done.Furthermore, the retail business condition development theory has been taken up as retail innovation theory.I think the precedence study graspes the development process of the retail business condition as retail innovation, and it may be said that I was going to clarify a factor and structure of the retail innovation.The study of the retail trade tends the management of the retail business organization to be taken up as retail or retail management, and the accumulation of the study of the system about the retail marketing of our country is thin, and it is thought that the development of the study is expected in a meaning to compare with the marketing theory of the manufacturing industry when I remove an above-mentioned the theory study of retail business condition development.Therefore, in this article, it is based on above-mentioned keyword and tries the reexamination of the retail trade type as the beginning of the systematic study of the retail marketing.
著者
樋口 広芳
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.24, no.97-98, pp.15-28, 1975-12-30 (Released:2007-09-28)
参考文献数
20
被引用文献数
4 2 17

1972年4月から1975年3月まで,南伊豆地方のヤマガラと三宅島のヤマガラの採食習性に関する比較研究を行なった。調査は主として次のようにして行なった。まず採食場所•食物•採食方法などをそれぞれいくつかの種類に分け,毎月一定回数一定のコースを一定の速度で歩きながらその種類別に観察数を記録していき,のちに時期毎の観察総数で割り,それぞれに対する時期別の観察頻度を算出した。調査結果の概略は次のとおりである。1.採食場所 冬季以外は両地域のヤマガラ共,枝葉に集中して採食する傾向が見られたが,この場合,南伊豆ヤマガラでは森林の上中部を,三宅島ヤマガラでは森林の中下部を利用することが多かった.また三宅ヤマガラでは南伊豆ヤマガラに比べて地表部を利用することが多く,特に秋冬季にはそれが著しかった(Table1, Table 2)。両者の採食場所に見られたこれらの違いの原因は,一部は調査環境の違い(これは両者の生息環境の選好性の違いにも基ずいている)に,一部はその生息環境の選好性の違いと関連した近縁種シジュウカラとの生息関係に, また一部は両者の食習性の違い(特に三宅ヤマガラにおける冬季のシイの実食)にあると考えられた。2.採食方法 両地域のヤマガラ共,枝葉についている木の実をとる時には「つりさがり法」と「とびつき法」を,枝葉の昆虫をとる時には「つりさがり法」を最も多く用いていた。(Table3)。食べる時には両者共,木の実の場合には両脚で,昆虫の場合には片脚で必ず押えた。また昆虫を押える際に主にどちらの脚を使うかは,両地域のヤマガラ共それぞれの鳥で決まっているように思われた。このように採食方法に関しては両地域のヤマガラの間で相違よりもむしろ類似の方が目立ったが,この習性は生息場所が変っても殆ど変ることがない,ヤマガラという種に共通のものであろうと考えられた。3.食物 南伊豆ヤマガラでも三宅ヤマガラでも, 4月から7月頃までは昆虫など動物質のものを多く食べていたが,秋冬季には木の実など植物質のものにもかなり依存していた(Table4,Table6)。この傾向は特に三宅ヤマガラで著しく,この島のヤマガラでは殊にスダジイの堅果を多食するのが非常に目立った。シイの実に対する依存度に見られたこの違いは,島という生態的多様性に乏しい環境下にある三宅ヤマガラの方が,食物の不足しがちなその時期に南伊豆ヤマガラよりもこの実に多く頼らざるをえない状況にあるため,と思われた。4.貯 食 この習性は両地域のヤマガラで見られたが,観察のしやすさも影響してか,三宅ヤマガラで見る機会が多かった。三宅島ヤマガラでは貯蔵行動は8月から2月までの間見られ,対象となっていた食物はスダジイやエゴノキなどの堅果であった(Table8)。また冬から春にかけて彼らが食べていたシイの実は,その殆どすべてがこの貯えていたものであると考えられた。貯蔵行動は飼育下では南伊豆ヤマガラでも三宅ヤマガラでも同様に見られ,これは生後1週間以内に野外の巣から持ち帰り親鳥の行動を見せずに飼育していた鳥でも見られたことから,学習を経ずして現われる行動であることが推察できた。
著者
奥山 眞紀子
出版者
日本小児科学会
雑誌
日本小児科学会雑誌 (ISSN:00016543)
巻号頁・発行日
vol.114, no.12, pp.1988-1995, 2010-12-01