著者
原田 昌武 細野 耕司 小林 昭夫 行竹 洋平 吉田 明夫
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.193-199, 2010-08-31
被引用文献数
1

Temporal changes in dilatational strain and the activity of low-frequency earthquakes around Mt. Fuji and Hakone volcano are investigated. It is shown that both cumulative strain and cumulative number of low-frequency earthquakes around Mt. Fuji have been increasing since the end of 2006. The tendency is more notable for relatively larger earthquakes rather than smaller earthquakes. The b value for earthquakes during the period after November 2006 is significantly smaller than the b value during the period from January 2004 through October 2006. These facts suggest that the crustal stress surrounding the source region of low-frequancy earthquakes has been increasing. We think this is the cause of the dilatational strain observed around Mt. Fuji. On the other hand, a clear relationship is not seen between extensional strain events observed three times since 2001 and the activity in low-frequancy earthquakes around Hakone volcano.

1 0 0 0 博物館研究

出版者
日本博物館協会
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, 1943-08

1 0 0 0 武蔵野

出版者
武蔵野文化協会
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, 1930-03
著者
土井 順一
雑誌
相愛国文 = Soai kokubun (ISSN:09160108)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.10-28, 1988-03
著者
温 笑トウ
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

本研究は、支配株主の行為規制をめぐり、とくに支配株主との利益相反が問題となる不公正ファイナンスの場面を取り上げ、日本、アメリカ及び中国の現状規制とその背景にある諸社会条件を分析した。日本における支配株主の行為規制は、少数株主の自己救済に求めることを伝統とするアメリカと、国家や行政による審査・認可に委ねることを伝統とする中国の中間に位置付けられるが、いずれの面においてもうまく機能していない可能性があり、資本主義の本質と日本の現状法体制など観点からすると、救済手段の拡大とその前提となる開示情報の充実がより適切な解決方法ではないかと考える。その具体的な方法、本研究の各論文の中に議論されている。
著者
渡邉 顕彦 伊藤 博明 平岡 隆二 Tunberg Terence O. Schirg Bernhard
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究期間中に1)P.Palumbo (1573) Non Recedat Volumen Legis Huiusの背景および近世初期日本における受容について、2)ヴァティカン写本(MS. Reg. lat. 426)の最後部にあるラテン語寸詩および叙事詩断片計4点の内容および源泉について、3)B.Pereira (1640) Paciecidos Libriの背景や内容について、調査や発表を行った。特に2)の、近世初期日本人神学生によって筆写されたのではないかと推定される擬古典ラテン語詩4点が、1588年にリスボンで刊行された書籍から採られているとほぼ同定できたことが最大の成果である。
著者
戸倉 英美 葛 暁音
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究は我が国の雅楽が、中国では失われた唐代音楽の原型をかなりの程度保存していることに着目し、これを資料に、中国文学史に於けるいくつかの重要課題の解明を試みたものである。主要な研究方法は、雅楽に関する戸籍・古楽譜・絵画・面・衣装などあらゆる資料を精査し、中国側の文献の記述と対照することである。平成9年度および10年度、葛暁音・北京大学中文系教授(平成9年4月より11年3月まで東京大学大学院客員教授)を共同研究者に迎えて研究を進めた結果、葛教授が離任するまでに中国語で30万字に及ぶ草稿『日本雅楽和隋唐楽舞-隋唐五代楽府文学背景研究-』を完成させたほか、昨年度は2篇、本年度はさらに2篇の論文が中国の学術雑誌に掲載された。本年度は、11年5月より6月に戸倉が北京を訪問、12年2月から3月は葛教授が来日し、各自の研究成果をもとに草稿の完成・出版を目指して徹底した議論を行った。しかし新たに大きな課題が発見されたため、12年度内の共著出版はやや困難な情勢となった。平成10年秋、筆者は研究の過程で、ケンブリッジ大学教授L.ピッケン博士とそのグループが日本雅楽と唐楽に関する極めて専門的な研究を行っているという情報を得た。平成11年7月、筆者はケンブリッジを訪問し、初歩的な調査を行った結果、欧米ではすでに1950年代より、音楽専門化による日本雅楽の研究が始まっている事実を知った。彼らの研究成果は、これまで日中の専門化によってその当否を十分検討されたことがなく、しかもその主張には日中の学者の見解と大きく異なる点が少なくない。そこで欧米の研究成果を検討し、我々の研究を全面的に見直すことが不可欠であると痛感した。同大学図書館において資料を収集し、帰国後は鋭意読解を進め、研究の早期完成を目指している。
著者
畑 憲治 可知 直毅 市河 三英
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.7-17, 2006-03-31

聟島列島媒島において、野生化したヤギ(ノヤギ)排除後に侵入した外来樹種ギンネムの出現パターンに対する、ギンネムの種子散布能力、ギンネムが侵入した環境における他種の出現パターンや環境要因との関係を明らかにした。島全体を含む地域的な空間スケールにおけるギンネムの出現は、ギンネムの種子散布様式の制限をうけ、侵入をうけた群落の構造や種組成には依存しなかった。一方で、個々のギンネム群落の拡大過程を反映する局所的な空間スケールにおけるギンネムの出現は、ギンネムの種子散布能力だけでなく、草本群落の構造や種組成によっても制限されていた。
著者
成田 憲二 Mertia R.S. Kumar Shuresh 市河 三英 古川 昭雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF TROPICAL ECOLOGY
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.105-114, 1997-10-30

インドのタール膿内の轍地(年降水量150mm)および半乾燥地(同450mm)の草本植生において,ヒツジの被食が草本群集の構成と被度に与える影響を被食圧の勾配に沿って調査した。両調査地1ヘクタール当たり8,6,3頭とコントロールの4段階の被食圧のプロットを設定し,ヒツジの導入後の季節変化を種構成,被度について調査した。草本植生の被度,構成種数共に半乾燥地の方が高く,季節変化も少なかった。乾燥地の植生は被度の季節変動が大きく,ヒツジによる被食の影響は乾燥地でより強く現れた。乾燥地では,雨期中期に優占する一年生広葉草本Indigofera属の3種がヒツジの被食に応じて被度が減少し,この3種の変動だけで被食による群集全体の被度影響の92.5%が説明された。半乾燥地にもこれらの種が生育していたが被度も低く,また,被食圧に沿った被度の減少は見られなかった。
著者
市河 三英 小見山 章
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.337-343, 1988-08-01

御岳山の亜高山帯常緑針葉樹林で, 林内と形成後21年を経た林冠ギャップにおける稚樹の発生と死亡の過程を6年間追跡調査した。広葉樹は林内でも林冠ギャップでも毎年発生がみられた。シラベ(Abies veitchii LINDL), アオモリトドマツ(A.mariesii MASTERS), コメツガ(Tsuga diversifolia(MAXIM.)MASTERS), トウヒ(Picea jezoensis var.hondoensis(MAYR)REHDER)の各針葉樹の稚樹の発生年は同調していたが, 各々の種の発生数は大きな年次変動を示した。稚樹の死亡率は当年生から2年生にかけてが高かった。全齢個体群密度はこのため稚樹の発生年をピークに大きく変動した。稚樹の発生と死亡の過程は同じ種でも林内と林冠ギャップで異なっていた。林内のシラベ類とコメツガの個体群は個体の入れ替えを行いながら密度を平衡に保っていた。林冠ギャップのシラベ類とコメツガの個体群密度は6年間で増加の傾向を示した。今後, 林冠ギャップの林床の環境変化とともに, 各種稚樹の個体群密度や年齢構成も林内型へと変化していくものと考えられた。
著者
加藤 哲弘
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-12, 1983-06-30

In der hermeneutischen Asthetik Gadamers ist die Erfahrung der Kunst als die totale Vermittlung des Werksinns erfasst. Er kritisiert die vulgare Auffassung, Kunst unmittelbar und unbewusst zu erleben, und behauptet, dass diese Auffassung nichts anders als die Abstraktion von der Kunsterfahrung sei. In diesem Sinne kann man sagen, dass Gadamer die Asthetik gegen die Irrationalisierung schutzt. Aber Gadamers Hermeneutik hat auch ihre Grenze. Sie zeigt ihren parteilichen Charakter darin, dass sie durch die Rehabilitierung von Autoritat und Tradition die klassische Kunst privilegiert und damit die Moglichkeit schwerzuverstehender Kunst ausschliesst. In der Erfahrung der Kunst, wie Bubner in Bezug auf Kants Lehre von der asthetischen Idee erlautert, gibt es zwei konstitutive Momente, namlich die Herausforderung der Auslegung und die Ablehnung endgultigen Zugriffs. Daher reduziert Gadamer die Kunsterfahrung auf eines der beiden Momente, wobei notwendigerweise ein Moment auf Kosten der anderen geht. Es ist zwar richtig, die Kunsterfahrung als Vermittlung aufzufassen. Aber man darf nicht vergessen, dass diese Vermittlung unabschliessbar ist. Erst dadurch, dass man in diesen schwankenden Vermittlungsprozess der Kunst eintritt und darin bleibt, kann die reflektierende Bewusstmachung und Uberwindung der irrationalen Tradition in der Asthetik, die noch heute unsere Verfassung der Forschung bestimmt, erreicht werden.