著者
寳田 穂 武井 麻子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.32-41, 2005-05
被引用文献数
3

背景:各国で薬物乱用・依存に関する問題は深刻であるが、日本も例外ではない。しかし日本において、薬物依存症者への看護の意義や限界は明らかになっていない。目的:薬物依存症で精神科病院へ1回の入院を体験した人の語りを通して、入院体験の様相を描き出し、入院中の看護の意義・限界を明らかにする。方法:半構造化インタビューによる帰納的研究。5名の語りを再構成し分析した。結果及び考察:入院前、対象者は恐怖と孤立無援感の中で切羽詰まった状況にあった。入院によって、精神症状や身体状態は改善したが、処方薬や他の患者・スタッフとの関係で苦痛を体験していた。しかし、怒りや苦痛を最初から表現しなかったり、「仕方ない」と諦めた対象者が多く、孤立無援感は癒されていなかった。薬物依存症での初めての入院においては、「安全感」の回復と、「人間的つながり」の提供が必要であろう。
著者
木戸敏郎著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
2006
著者
村尾 美明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.268-270, 1992

厚さが変化する薄膜の干渉色は青〜赤のスペクトル順ではなく薄青,白,茶,青,黄,となっている。この干渉色の見え方を計算で求め,実際にパソコンの画面上で表示して現実の干渉色に一致することを確かめた。また,虹が出たとき,主虹の下と副虹の上が白っぽく見えるがこれもパソコンシュミレーションで示すことができた。色の見え方の指導にはパソコン画面での色の重ね合わせが有効である。
著者
太田 貴之 オオタ タカユキ 小池 翔太 コイケ ショウタ KOIKE Shota
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.249, pp.37-44, 2012-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第249集「社会とつながる教員養成に関する実践的研究」藤川大祐編"Practical Research on the Teacher Training Connected with Society" Report on Research Project No.249近年、コンピュータの処理能力の発達によって、情報工学は発展した。情報工学の一つに位置づけられる最適化問題は、巡回セールスマン問題やスポーツスケジューリング問題など、社会の諸問題を解決することに役立っている。中学生や高校生にとって、最適化問題が社会の諸問題に応用されていることを学習することは意義があると考えられる。そこで本研究では、最適化問題である「最長片道切符」を事例として取り上げ、中学生にタブレット端末(iPad2)を用いて問題などに取り組ませる授業プランを作成した。そして、その授業を中学校の選択数学「社会を読み解く数学」の中で実践し、その有効性と課題を明らかにした。その結果、本授業が生徒に情報工学の発展や最適化問題の社会での応用について興味を持たせたり、理解させたりすることに寄与したことが明らかになった。
著者
澤谷 由里子 藤垣 裕子 丹羽 清
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.281-291, 2014-02-26

「経済のサービス化」という社会の構造変化が進んでいる。しかしながら,サービス・イノベーションの実態調査では,サービスの雇用および経済規模に対してサービスにおける研究開発活動の貢献が過小評価されている。本研究では,これまで製造業においてイノベーションの原動力となってきた理工学,主に情報技術を基礎とした研究開発が貢献したサービス・イノベーション事例を分析した結果を報告する。製品開発を目的とする研究からサービス研究へ移行した研究開発者に対しアンケートおよびインタビュー調査を行い,製造業のサービス化によって研究開発者の行動がどのように変化するのか,顧客と研究開発者との価値共創による研究開発の成果について明らかにする事を目的とする。調査の結果,顧客とのコラボレーションによって研究開発者の行動が変化し,顧客の使用価値視点からのサービス・システムの創造を重視し,新しい研究領域を作り出す行動(使用価値を出発点とする新規研究開発)を示すようになることが示唆された。また,サービス研究において研究開発者によって創造された成果は,技術だけではなく,顧客の使用価値の具現化のために技術をサービス・システムに埋め込むための統合・デザイン手法や顧客やサービス組織の保持する知識から得られた現場知にまで至る事が示された。
著者
氏田 壮一郎 玉田 俊平太
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.292-302, 2014-02-26

製品開発において価値形成は,重要な経営課題である。価値形成には,顧客ニーズに合致した便益を製品の中に同化するプロセスが必要であり,市場の顧客ニーズを認識する過程が重要となる。本研究では,価値形成を実現する手法を探るため,「もみ味」という感覚的で曖昧な便益を実現するマッサージチェアの開発プロセスを分析した。事例分析の結果,「共創同期プロセス」と「仮想顧客同期プロセス」の二つの開発モデルに分類することができた。前者は,試用者などの共創相手とともに開発を行うことで正確な顧客ニーズの把握を目指すプロセスである。後者は市場に精通したマネージャーが仮想顧客となり,そのイメージに基づき価値形成を実施するプロセスである。この両プロセスの違いは顧客ニーズを収集する対象にあり,共創同期プロセスは共創相手に仮想顧客同期プロセスはマネージャーにその収集対象を設定している点である。市場における顧客ニーズとの乖離のリスクを回避する場合は共創同期プロセスが有利であり,革新的な製品開発や短期間に低コストで開発したい場合,仮想顧客同期プロセスが効率的である。
著者
南崎 紀子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.270-275, 2011-07-01

新事業や新製品の開発現場では,知財部門との協働・連携は欠かせない。開発の初期から上市に至るまでの各段階で,各種の情報調査,出願・権利化,障害特許対応などの知財アクション,知的財産戦略の策定など様々な知財機能が関わってくる。事業サイドで新事業・新製品開発を担当する部門から知財機能に期待することは,高品質な実務に加えて,情報分析やアドバイス,提言といった戦略策定に関わる支援機能である。本稿では,情報部門から,事業部門に異動して,異なった視座から見た知財機能への期待を,特に情報調査機能を中心に述べる。
著者
和田 英一
雑誌
夏のプログラミング・シンポジウム2012「ビューティフルコード」報告集
巻号頁・発行日
pp.83-90, 2013-01-11

これまで出会ったプログラムで, これは素晴らしいと思ったもの, うまく出来たと感じたものはいくつもある.そのうちで比較的簡単な小数の十進二進変換, 横方向の和のアルゴリズムなどの優れている例を述べた後, 特にセルオートマトンのプログラミング技法のいくつか, 中でもLife Gameの生死判定, Hashによる高速計算などを紹介する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.385, pp.28-35, 2007-06

「2年前の指導が、私の人生を変えました。あの経験がなければ、今の自分はありませんね」。笑顔でこう話すのは、長野県上田市でイタリア料理店「リチェルカ」を経営する善治清光氏だ。 そんな彼も2年前は、人材教育がうまくいかず、頭を抱えていた。店は、繁華街からはかなり外れた場所。だからこそ、料理はもちろん接客も良くなければ、お客はリピートしてくれない。
著者
木津純子
雑誌
小児内科
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.362-365, 2011
被引用文献数
1
著者
藤澤 三佳
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.374-389,483, 1992-03-31 (Released:2009-11-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1

精神病は、その病歴者に、あらゆる社会的規範を逸脱するという、非常に大きく、かつ特殊なスティグマを付与し、その結果、病者はすべての点で「社会」から排除される。そこには、いわば「予言の自己成就」ともいわれる過程がみられる。本稿では、病者当事者にとってのアイデンティティの問題やそこからの解放の問題をとらえるにあたり、患者会の会報への投稿文の記述から、 (1) 精神病のもつ、社会性にまつわるスティグマの性質について、従来からの諸研究を検討しながら考察し、 (2) そのスティグマ付与の結果として、入院中や退院後をとうして社会性をもつことが困難になるという、いわゆる「予言の自己成就」過程について示し、 (3) 精神病のスティグマを付与された当事者が社会性喪失というスティグマからの解放を試み、社会を再び模索する過程、 (4) その解放への試みにも内在するスティグマの増大に関して考察する。
著者
軽部 彰宏 齋藤 史子 長尾 大輔 田村 大輔 尾野 夏紀 木村 菜桜子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-8, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
12

平成24年度より由利本荘地区 (由利本荘市, にかほ市) で, 細胞診のみによる従来の子宮頸がん検診にHPV検査を併用したHPV併用検診が開始された。1年間で772名がHPV併用検診を受診し, 87症例 (11.3%) がHPV検査陽性であった。その後に精査受診し, 組織診断まで追跡可能であった64症例 (73.6%) の結果について示した。細胞診が正常でHPV検査が陽性であった症例の67.6%にCIN1以上の病変が認められ, CIN2以上が5例発見された。従来の細胞診のみで発見されたCIN2以上は9例であったが, HPV検査を併用することでCIN2以上は14例となった。子宮頸がん検診の精度を向上させるために, HPV併用検診を積極的に取り入れていくべきと考えられた。
著者
香川 真二 村上 仁之 前田 真依子 眞渕 敏 川上 寿一 道免 和久
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.B0148-B0148, 2007

【目的】本研究の目的は、動作の熟練した頚髄損傷(頚損)者の身体感についての語りから、理学療法について再考することである。<BR><BR>【方法】サイドトランスファーが獲得されているC6完全麻痺患者に自らの身体についての半構造化インタビューを行い、得られた患者の主観的側面を解釈し、考察した。尚、対象者には本研究の趣旨を説明し、学会発表への同意が得られている。<BR><BR>【結果】インタビュー結果の一部を示す。<BR>Th:「怪我した直後の身体ってどんな感じ?」Pt:「頚から下の感覚が急に鈍くなったから、足の位置とか手の位置がよくわからんようになったり、自分の体をどう認識していいかわからへんようになってました。初めて車椅子に座った時は、座ってる感覚なかったかな。車椅子にこう、くくりつけられているような感じ。今は、この感覚のない身体でも、微妙に感じがわかるんですよ。だから、この感じが座ってるっていう感じって。だから体で覚えるとかじゃなくて頭で覚えんとしゃーないっすね」<BR>Th:「リハビリして動作が上手になっていく時ってコツみたいなのがあるの?」Pt:「突然じゃなくって、間違えたり正解したりとかを繰り返すのも必要なんかなって。成功ばっかりじゃダメで失敗したからそこに何かをみつけていくみたいな。そんな風にして自分たちが頚髄損傷になってから今の状態があるんかなーって」<BR><BR>【考察】「自分はこうである」といった確信は、個人としての主体が現実の秩序を疑ったり、確かめたりしながら築きあげたものであり、自分自身の「客観」や「真理」を保障するものである。今回の結果から、頚損者では受傷直後に自己の「身体状況」における確信が破綻していることが明らかとなった。さらに、「車椅子にくくりつけられているような感じ」といった「知覚」も変貌していた。つまり、受傷前までほぼ一致してきた「身体状況」と「知覚」が一致しない状態に変化している。この不一致が動作獲得の阻害因子の一つになっていると考えられた。そして、動作が獲得されるためには失敗と成功の中に表れる「身体状況」と「知覚」の関係性から、何らかの秩序を見つけていく必要がある。理学療法においては、まず「身体状況」と「知覚」の一致を目的に運動療法を行わなければならない。そのためには、「身体状況」と「知覚」をひとつずつ確かめながら体験的に認識することが必要となる。具体的には、セラピストが言語により動作の内省を「問い」、患者は自己の身体で知覚されたことを言語で「表象」する。セラピストの支援で構造化されていく語りの中で、患者自身の体験が意味づけられ、「身体状況」と「知覚」の関係性を学習し、新たな身体における確信が再構築されると考えられる。<BR>