著者
清野 聡子 足利 由紀子 山下 博由 土屋 康文 花輪 伸一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1136-1140, 2002-10-10 (Released:2010-03-17)
参考文献数
10

生物相や環境変遷の自然史文献がない海域では, 環境の基礎情報が決定的に不足しており, 管理や保全の計画の立案のための基礎情報がない. 瀬戸内海西部周防灘は豊かな生態系に恵まれているが自然史情報が欠落している. 大分県中津干潟では市民が中心となり研究者が支援する環境調査活動が行われている. その結果にもとづき, 無堤地区の海岸環境保全策の提言が行われた. 港湾開発時の環境アセスメント結果は広く公開されなかったため, 干潟の広域的な情報が含まれていたが活用され得なかった. 地域住民の主体的な調査は, 地元での環境学習や永続的環境管理の動機付けとなる. 今後は官学民の調査の各々の特性を活かした補間関係による情報の重層化と活用が不可欠である.
著者
黒木 三郎
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3-4, pp.29-65, 1986-03-31
著者
大槻 公一 狩屋 英明 松尾 公平 杉山 貞雄 保科 和夫 吉兼 崇彦 松本 明久 坪倉 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.721-723, 1987-08-15
被引用文献数
4

1984年11月〜1985年3月の間に山陰地方4カ所および鹿児島県1カ所に飛来した数種の渡り鳥の新鮮な糞便からインフルエンザウイルスの分離を行った。コハクチョウでは377検体から2株 (亜型はH9N2とH3N6), ウミネコでは30検体から2株 (H13N6), オナガガモでは284検体から1株 (H11N3), 計5株のウイルスが分離された。鹿児島のナベヅル材料は, 陰性であった。
著者
清水 美知子
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.135-154, 2003-03-30

本稿は,両大戦間期の日本における<女中>イメージの変容を,第一次世界大戦後に登場した「派出婦」(=家庭などに出向いて家事手伝いに従事する臨時雇いの女性)に焦点をあてて考察するものである。第一次世界大戦後,都市部では女中不足が深刻な社会問題となりつつあった。女中が見つからない,居着かない。そんな女中払底への対応策のひとつとして打ち出されたのが「派出婦」という臨時雇いの女中のシステムである。1918年,東京・四谷に「婦人共同派出会」が設立された。派出婦は,申込者の依頼内容に応じて適任者が派遣されるしくみ。賃金は従来の女中にくらべると割高だが,必要なとき必要なだけ雇えるという利点もある。「派出婦」はその後,家庭の手不足を補う労働力として,都市部を中心に急速に広まっていった。女中になることを"奉公に上がる"といったように,日本の女中は行儀見習や家事習得という修業的な性格を有していた。これに対して派出婦は,雇用期間や勤務時間,仕事内容が前もって決められるという点で,従来の女中とは大きく異なった。そこには"修業"という側面はない。主従関係から契約関係へ。「派出婦」の登場により女中は,"職業人"としての第一歩を踏み出すことになったのである。
著者
小山 聡子
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.17-31, 2011-08-31

ミクロレベルのソーシャルワークや心理臨床アプローチに寄せられる各種の批判を踏まえて,社会福祉教育における相談援助演習がそのカリキュラム冒頭で強調する「自己理解と他者理解」「他者とのコミュニケーション能力」等の涵養につき,今後のあり方を探るため,(1)各接批判動向を整理し,(2)ソーシャルワーク教育に果たす演劇的手法の意味を確認したうえで,(3)A女子大学社会福祉学科人間関係コース導入授業で演劇的手法を取り入れたグループワーク実践の結果を分析した.社会構成主義,障害理解の社会モデル,臨床心理批判等を踏まえるなら,導入の授業場面で起こった,(1)認知と体感の統合,(2)評価なしの空間における自由な振る舞いの発見を,単に個々人の気づきや変容志向のみに還元しないことが重要である.演劇的手法を取り入れたグループワークが,大局ではソフトな集団管理と価値の押しつけにならないよう,変わるべき制度のあり方とセットで論じることをはじめとする教育実践への示唆を得ることができた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.30-33, 2000-09

「●ナレッジ・ニュース第28号● 本日でポータル(入り口)サイトのアクセス数が5388件を超えました。ご活用誠にありがとうございます。今週の新着情報は…」。 毎週水曜日、明治生命保険で営業の支援に携わる約300人の「ファイナンシャル・プランナー(FP)」に、こうした電子メールによるニューズレターが届く。
著者
坂田 豊 小田 良雄 安達 信一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.57-58, 1992-02-24

オンラインシステムのインストール作業の1つにシステムの動作条件を定義した制御文ファイルの作成がある.この制御文ファイルの規模は通常のオンラインシステムで数MBとなり、正しく設計するには専門家の持つ知識が不可欠である.専門家の知識とは個々の整品の数千ページにわたる膨大なドキュメントやドキュメントに記載されないような各製品間のノウハウであり、これらを修得するには数年を費やす.一方、専門家が関係しないインストールの場合、1システムの構築作業が5~10人で3~4ケ月に及ぶこともある.ノウハウをドキュメントで管理する方法もあるが、ドキュメントの持つあいまい性のため品質の低下が想定され、またメンテナンスも行われなくなる.上記の問題点の解決をねらい、専門家の持つ知識を体系化し、技術者間で共用できる様にツール化し試作したのが本ツールである.本書は・専門家の知識とは何か・その知識をどの様に体系化(表現)するか・試作ツールの構成および特徴・使用結果と今後の課題の順で書かれている.
著者
松浦 雅人 大久保 起延 泰羅 雅登 小島 卓也
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は日本大学医学部倫理委員会の承認を受け、対象者はすべて文書と口頭にて研究の主旨を説明し、インフォームドコンセントの得られたpaid volunteerである。視標誘導性サッケード、アンチサッケード、視標追跡眼球運動、注意喚起時の追跡眼球運動の4課題を、健常者21例、統合失調症18例、てんかん16例、てんかん性精神病9例に行い、課題遂行中の機能的MRIを撮像した。課題呈示と眼球運動のモニタリングにはVisible Eyeを用い、MRI装置は通常の1.5T臨床用装置を用い、EPI法を用いて3mm厚で全脳を撮像した。各40秒間の課題遂行と40秒間のbaselineを5回繰り返すbox-carデザインとし、画像解析にはSPM99を用いた。健常者は,サッケード課題遂行時に前頭眼野,補足眼野,頭頂眼野が賦活され,アンチサッケード課題遂行時にはさらに前頭前野,および線条体-視床の賦活が増加した.これは,要求される課題負荷量の増加に応じて脳賦活量も増大した結果で、生理的賦活増加現象と考えられる.追跡眼球運動遂行時には左側の前頭-頭頂眼野が賦活され,注意喚起時には右側前頭-頭頂眼野の賦活が増加した.統合失調症は、サッケード課題遂行時にすでに前頭前野を含む前頭葉皮質の過剰賦活がみられ、前頭葉の機能効率低下あるいは容量低下があると考えられた。また、アンチサッケード課題による線条体-視床の賦活はみられず、皮質下の機能低下が示唆された。さらにアンチサッケードで左半球皮質の賦活増加がみられず、注意喚起で右半球の賦活増加がみられず、左右半球側性化障害も示唆された。一方、てんかん群でも皮質の過剰賦活や生理的賦活欠如がみられたが,てんかん性精神病群ではこのような所見は明らかでなく,てんかん性精神病の神経回路障害は統合失調症のそれとは異なると考えられた.
著者
原 俊雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.364-370, 2006

粒子加速器は,素粒子物理学・原子核物理学の基礎研究のみならず,物性科学・生命科学そして粒子線医療等,広い分野で利用されている。荷電粒子の加速技術と軌道制御技術は,高校物理の電気学と磁気学で学ぶ内容に密接に繋がっている。高校物理と荷電粒子の加速および軌道制御技術との繋がりを明確にし,高校物理教育の教材として粒子加速器技術を活かす試みを行ったので報告する。
著者
瀬川 裕司
出版者
明治大学教養論集刊行会
雑誌
明治大学教養論集 (ISSN:03896005)
巻号頁・発行日
no.395, pp.75-95, 2005-03

主演・監督作『シューパラスト・ピンクス』で成功を収めたのち、エルンスト・ルービチュは映画監督、映画俳優および舞台俳優として順調な進路を歩んでいく。1922年末にハリウッドに向けてドイツを発つまでのあいだに、彼は『シューパラスト・ピンクス』の作品世界をさらに発展させた一連の喜劇映画と、それらとはかなり毛色の異なる歴史大作とを次々に発表して世界的な注目を集めることになるが、ここではまず現存する喜劇映画に対象をしぼって彼の映画監督としての成長過程を観察することにしたい。1.『陽気な監獄』(1917)<ストーリー>自宅で朝食をとっていたアリーツェは、昨夜外出していた夫アレックスの姿が見あたらないことに気づき、女中のミツィと豪邸を捜し回る。

1 0 0 0 OA いけばな

著者
笹岡 隆甫
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.181-186, 2013-09-30 (Released:2014-10-29)
参考文献数
2

Nowadays a word of “IKEBANA” has been recognized all over the world like KABUKI and CHANOYU, and greeted with interest and respect. Although the deed of arranging flowers is common among people globally, only Japanese people have sought philosophical implications in arranging flowers, which lead to view of universe, or meaning of life, and IKEBANA has made unique development in Japanese culture. IKEBANA resembles cosmetics significantly. IKEBANA is an epitome of natural scenery, however, just bringing natural forests into house is not IKEBANA. Like cosmetics, human beings artificially arrange flowers and bring out the intrinsic beauty the flowers originally have. The hidden beauty of the well-balanced curved branch is come out from strictly selecting and removing leaves from the thick branch. I would like to deliver the following two points; one is that IKEBANA is logic, another is that IKEBANA is philosophy.