著者
山内 健 坪川 紀夫
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

カーボンナノチューブ(CNT)は機械的強度に優れ、高い導電性と熱伝導性を有しているため、LSI配線への応用が期待されている。しかし、CNTは分子間力により凝集するため分散性に乏しく、ハンドリングが困難である。そこで、熱応答性高分子に着目して、熱応答性高分子をCNTにグラフトすることで、CNTへ熱応答性を付与でき、水中において低温では親水性により分散、高温では疎水性相互作用により凝集するスマートナノ材料の合成を検討した。得られた複合ナノ粒子は体温と同様の40℃程度の熱に応答して、溶媒中で分散と凝集を繰り返すことを見出した。さらにCNTは赤外光照射により発熱する性質を持つことを利用して、赤外光レーザーを照射してCNTを加熱することで、集積体の形成について検討した。その結果、赤外光レーザーによる局所加熱で、CNTを集積して、さらに2次元に配列することに成功した。
著者
中根 猛彦
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.56-79, 1993
著者
服部 良久
出版者
京都大学
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.91-211, 2004-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
三宅 尚
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

広島県江田島市において,山火事や植生の歴史記録と,水源地堆積物の微粒炭や花粉の記録との対応関係を調べることで,微粒炭や花粉の堆積様式を明らかにした.大きな微粒炭の堆積様式は山火事の大きさとそこからの距離によって説明でき,大きな微粒炭は近隣で起きた山火事の指標になることが分かった.山火事を契機とする植生変化は,集水域が山火事で焼けた水源地でのみ,花粉情報として記録されていた.本研究は,微粒炭・花粉記録から過去の山火事やそれに起因する植生変化を復元する際の基礎情報となるだろう
著者
荒川 雄介 竹川 真人 加藤 和夫 佐々木 整 志子田 有光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.391, pp.75-78, 2007-12-08
被引用文献数
6

工学系の学生実験はその専門分野を体験し、目的意識を高めるために重要な科目である。しかし学生の多様化に伴い、難解な実験書などへの追従が困難な学生が増加している。また、従来型のグループ実験による協調力の向上などの効果が必ずしも望めず、自律した学習や実験を行う能力の養成が優先と考えられる。本報告では、東北学院大学電子工学科で導入した個別実験方式とその支援システムの導入背景と構築、運用の実際などについてまとめる。
著者
弘中 健 澤井 省吾 田浦 健次朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.83, pp.71-78, 2007-08-03
参考文献数
17

本研究では実行時に動的に計算資源が変化するような環境で有効な,分散オブジェクト指向ライブラリを設計し,これを用いて簡潔な記述で大規模な計算資源で処理を並列するフレームワークを実装した.近年計算資源が着実に増えているが,決まった資源を継続的に使えることは少なく,実行時に追加・削除が出来ることが求められている.このような環境で並列分散計算を手軽に行うライブラリは稀である.既存の多くの実装は各拠点へのインストール,複雑な設定ファイルの記述などを必要とする.その中,大量なデータファイルに対して大規模な計算資源で並列に処理をしたいという要望が多い.このような要望に対し,従来のライブラリでは敷居が高く,生産性も低い.我々は Python スクリプト言語に分散オブジェクトライブラリ拡張を施した.このライブラリはインストール,設定ファイルの記述などは全く必要とせず,スクリプト言語で透過的に分散環境での計算を可能にする.また,このライブラリを用いて大量のファイルを入力に取り,並列に実行する処理の記述を容易にするようなフレームワークを実装した.このフレームワークでは,ユーザーは希望する処理のみを記述し,ネットワーク,資源の増減などの煩雑さから開放することで高い生産性を与えることが出来る.このフレームワークの有用性を実アプリケーションを用い,評価を行った.We propose a distributed object-oriented library that allows computation across computing resources in which node join and leave dynamically. Using this library, we implemented a framework that parallelizes job processing in the presence of joining and leaving nodes. Existing libraries that enable distributed computation requires node-based installation as well as preparing complex configuration files. This is a large overhead for application writers who want to parallelize or distribute computation. Additionally, we have witnessed an increasing demand for frameworks that allow easy parallelization of jobs that process an enormous amount of data. It is important that such applications can be written on-the-fly with very little programming and configuring. We implemented our library as an extension to Python, a mainstream script language. Our library does not require any installation or configuration files, and allows deployment across large resources with consideration of joining and leaving nodes. In the framework implemented on top of our library, jobs that take large data files may be parallelized with minimal coding, alleviating the user from worries with respect to network programming, and dynamic changes in resources. We evaluated this framework using a real-life application to show its effectiveness.
著者
一戸 渉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

〈和学〉とは近世期の日本に発生した、日本の古き文物をめぐる学問および、その学問に基づいて行われた文芸創作をも含んだ、多様な実践のことを指している。本研究では、さまざまな機関が所蔵する一次資料の調査と研究とを通じて、18世紀日本における〈和学〉という知的実践の史的展開を総合的に解明しようとしたものである。本研究の成果として、近世期の和学者たちの知的な交流のありようや、伝記に関する新たな知見を多く得ることができた。
著者
黒田 勉
出版者
白鴎大学
雑誌
白鴎大学論集 (ISSN:09137661)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.21-80, 2013-09
著者
松尾 ひとみ
出版者
静岡県立大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

先天性心疾患の手術後に水分制限を受けたこどものストラテジーの構造を明確化し、口渇の苦痛を緩和するケアモデルの開発を目指して、6〜12歳の先天性心疾患で手術をうけたこどもを対象にグランデッドセオリーを用いて行った。その結果、水分制限を受けたこどものストラテジーの構造は、2つの次元「飲みたい-飲みたくない」、「飲める-飲めない」に沿って、6つのコアカテゴリーが点在する構造と、その構造を統合し<ちょうどいい飲水量の感覚>のコアカテゴリーが出来るという構造であった。ストリーラインは、こどもは術後、早期から<飲みたい時・飲みたくない時がある>と常に口渇が発生する訳ではないと気づいていた。同時に、<病院だと喉が渇かない>と、口渇の原因に環境温や活動量が関与すると冷静に分析できるまでに至っていた。やがて、食事の開始時に医療者から水分制限の説明をうけ、<測らないと飲めない>と飲水量を測定する未経験の飲水方法に困惑していた。こどもは、限定された範囲に飲水量を納める様々な試行錯誤の過程から、<大切に飲む>という口渇をコントロールし飲水する独自の戦略を開発していた。しかし、水分制限が緩和していく段階毎に、医療者と保護者に<飲むと悪いことが起こる>というメッセージを送られ、こどもは<飲みたいけどガマンする>と恐れ、少な目に飲水を自粛していた。こどもは、このような水分制限のある生活体験を約2週間経過すると、体験が蓄積し、こどもに<ちょうどいい飲水量の感覚>が芽生え、身体に必要な飲水量の目安が感覚で掴めるようになっていた。
著者
間島 隆博 高玉 圭樹 渡部 大輔 小林 和博
出版者
国立研究開発法人 海上技術安全研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

大規模災害に憂慮される帰宅困難者の輸送システムとして、路線網を自動構築する手法を研究した。ネットワーク成長法により初期路線集合を生成し、1つの路線を1つのエージェントと見立てたマルチエージェントシステムにより路線網を構成する手法を開発した。本手法はベンチマーク問題で最良の解を出力することに成功した。さらに、首都圏を対象とした大規模な問題に対し、複数の輸送モード(バス、水上バス)が混在した路線網を実用的な計算時間で出力できることが確認できた。また、コミュニティー抽出法を応用した初期路線集合の生成法、ハブスポークネットワークのハブとなる停留所の最適位置を求める手法も開発し、その特性を把握した。
著者
荻原 理 神崎 繁 納富 信留 FERRARI Giovanni BRISSON Luc
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

G. Ferrari, S. Obdrzalekを招き、東北大学にてシンポジウム「プラトンの神話」を開催した。『国家』第10巻の「エルの神話」における<あの世での、これから生きる生の選択>についての英語論文を国際プラトン学会大会(慶應義塾)で発表し(審査有)、改訂版を電子ジャーナル誌PLATOに掲載した(査読有)。『法律』第10巻の、死後の魂の再配置の話についての日本語論文をギリシャ哲学セミナー大会(専修大学)で発表し、同セミナー『論集』に掲載した。『法律』のこの話が置かれた文脈(宗教法)についての英語論文をシンポジウム「自由と国家―プラトンと古典的伝統」(オクスフォード大学)で発表した。
著者
服部 博
出版者
日本碍子
雑誌
日碍レビュー (ISSN:0549155X)
巻号頁・発行日
no.16, 1957-06
著者
丁 志映
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代から、家賃の高い都心部において、若年単身者を中心にシェアハウスが注目を浴びている。しかし、シェアハウスの急激な増加に伴い、法整備が追い付いていないことから、違法シェアハウスや脱法ハウスなどが社会問題になっている。そこで、本研究では、既存の建物を単身者向けのシェアハウスとして利活用している、フランス、ベルギー、スペイン、韓国における国際比較を通して、今後日本における「ストック型社会システム」の重要な構成要素としてシェアハウスを解明し、これらの制度や条件などの結果を踏まえて、最終的には単身者向けの「ストック型社会システムのモデル」の構築を行った。
著者
中込 さと子 柊中 智恵子 武田 祐子 佐々木 規子
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究プロジェクトの目的は単一遺伝子疾患や染色体異常をもつ人と家族の自助グループ(以下、遺伝サポートグループ)と看護職が、個人、家族、社会の健康問題を解決するための協働方法、それによりどのような変化がおこるかを探ることである。7疾患のサポートグループから協力を得、患者家族が抱える課題について、サポートグループと看護師のコミュニケーションを図る企画を行った。看護ケアに仲間支援を導入することが有効である可能性が示唆された。サポートグループと協働すべき課題は、生活に伴う症状管理方法の改善、本人や家族が抱える価値変容を支えること、ケア負担の軽減と親きょうだい亡き後の第二の生活環境の整備であった。