著者
川上 雄気 岡田 啓 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.455, pp.57-62, 2011-02-28

大規模自然災害発生時の臨時アドホックネットワークシステム"スカイメッシュ"では,気球の揺れ等が原因の通信品質劣化やリンク瞬断が発生し,アプリケーションの1つであるカメラを用いた遠隔モニタリングにおける映像配信でもそれらに伴う映像品質劣化が確認されている.本稿では,映像配信元ノードからの映像を経路中の中継ノードに蓄積しながら,宛先ノードに届ける蓄積中継型映像配信方式を提案・実装し,従来の配信元ノードと宛先ノートで直接コネクションを形成するEnd-to-End方式との比較を行った.ネットワークエミュレータを用いて再現したランダムロス,バーストロス環境下で品質比較実験を行った結果,ランダム,バースト共にスループットにおいて蓄積中継方式が優れていることを示す.
著者
渡辺 尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.68, pp.25-30, 2011-05-19

近年,無線LANに加えて,アドホックネットワーク,センサーネットワーク,メッシュネットワークなどの固定の通信インフラを仮定せずその場で設置する無線ネットワークとその応用が注目されている.本稿では,アドホックネットワークのメディアアクセス制御(MAC)を中心に述べる.特にスマートアンテナを用いた空間利用効率の向上手法と新たな問題点の解決法およびテストベッドによる実験について述べる.さらに,将来のネットワークのあり方として時間空間周波数資源の極限利用を目指す方向性についても述べる.
著者
猿渡 俊介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.68, pp.31-36, 2011-05-19
参考文献数
42

本稿では,オープンソースのソフトウェア無線ツールキットであるGNU Radioの仕組み,応用例,課題について紹介する.既存のソフトウェア無線の多くがFPGAで無線の物理層の処理を行っているのに対し,GNU Radioではパーソナルコンピュータ上で動作するPythonで無線の物理層の処理を行う.GNU RadioはC++で提供されたライブラリとPythonを密に連携させることでPythonの持つ簡便性,柔軟性を最大限に生かしつつもパーソナルコンピュータの性能を引き出すことに成功している.GNU Radioの登場により多様な専門背景を持つユーザが電波を簡単に扱えるようになったことで,広い分野で多くの研究成果が生まれ始めている.
著者
岡田 啓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.139-141, 2011-10-19

アドホックネットワークは臨時的に構築されるネットワークであり,インフラストラクチャがなくても端末のみで構築することができるネットワークである.メッシュネットワークは集中管理を行う特別な制御局が存在しなくても相互接続を可能とするネットワークである.本稿ではアドホック/メッシュネットワークに関する要素技術としてルーチング技術を概説し,これを活用した具体例として,協力中継のためのルーチング技術,経路ダイバーシチを紹介する.
著者
大和田 泰伯 井上 真杉 大西 真晶 森野 博之 実藤 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.143-146, 2011-10-19

Internet of Things (IoT), M2Mなど物同士が通信を行う社会におけえる通信基盤インフラとして,もしくは地域における情報流通基盤インフラとして,我々はNerveNetを提案している.NerveNetでは,基地局内データベースによるネットワーク内のデータ蓄積・同期,コンテキストに応じた情報配信,マルチパスの構築とリンク切断時の自動パス切換え,遅延を許容する通信からリアルタイムな通信まで,ユーザアプリケーションの要求に応じて様々なネットワーク機能を提供する情報流通基盤技術である.本稿では,NerveNetを用いたリアルタイム広告配信システムと,北海道岩見沢市にて行なった住民参加型の実証実験について紹介する.
著者
池田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.308, pp.21-26, 2012-11-14

近年,移動体通信のトラヒックは飛躍的に増加しており,高いシステム容量と耐障害性のある柔軟なネットワークが要求され国内外を問わず多くの研究が行われている.無線メッシュネットワークは学術や産業団体の両方から多くの注目を集めており,コスト効率の高い広帯域無線接続を提供する重要なネットワークインフラとなっている.本稿では無線メッシュネットワークのメッシュルータ配置問題へのアプローチ,無線メッシュネットワークの研究動向,そしてこの分野での将来の方向性について述べる.
著者
三浦 龍 井上 真杉 浜口 清 大和田 泰伯 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.406, pp.51-56, 2013-01-17

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築している.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また,距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
藤井 輝也 太田 喜元 中島 潤一 宮島 春弥 徳永 光芳 杉田 洋祐 表 英毅 林 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.19-24, 2013-05-09

災害などで通信障害が発生している携帯電話サービスエリアを迅速に復旧させる様々な取組みが行われている。その取組みの一つとして、係留気球に非再生無線中継装置(リピータ)を搭載した係留気球無線中継システムを開発し、実証実験を実施した。本稿では開発した係留気球無線中継システムの概要について述べる。
著者
井上 真杉 大和田 泰伯 浜口 清 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄 三浦 龍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.25-30, 2013-05-09

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築した.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また、距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
河合 孔明 遊佐 直樹 峰野 博史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.113, no.130, pp.171-172, 2013-07-10

大規模災害からの復興において,通信インフラの迅速な復旧が課題となっている.ネットワークを短時間で構築する方法として無線メッシュネットワークが挙げられる.しかしながら,ノード間の通信を無線LANのみで行うため,障害物や距離,電波干渉による電波障害が発生する.一方,有線LANのみでネットワークを構築した場合,配線が必要なため敷設が容易ではない.加えて,安定した通信を行うためには,できるだけ多くのゲートウェイノードを利用する必要がある.そこで本研究では,有線/無線相互補完通信を用いたマルチゲートウェイメッシュネットワークを提案する.複数のNICを束ねて負荷分散や帯域向上を実現するチーミングを応用し,有線LANと無線LANが混在するメッシュネットワークを構築可能にした.ブータブルUSBで自動構築を行うように実装し,インターネット通信環境の80秒以内の構築を可能とした.また,有線と無線をマルチホップさせることでパケット到達率100%を達成可能であることを確認した.
著者
玄侑 宗久
出版者
大法輪閣
雑誌
大法輪
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.60-63, 2014-11
著者
青田 良紀 田中 康秀
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.71-79, 2006

The purpose of this study is to analyze factors of price determination and price difference of hotel rooms by hedonic approach, considering quality of hotel rooms supplied by strategic hotel owners, as IT online hotel room reservations have been penetrating. Specifically, using online hotel room reservation WEB sight data in Japan which are collected by simulation of reservation, we inspect companies' price strategy by hedonic price function. As a result of analysis, it is proved that high-grade impression, condition of location and convenience are large factors of price determination and price difference of hotel rooms.
著者
鳥谷 真佐子
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、1.研究力向上を導く戦略策定のための研究力分析指標提案、2.研究戦略策定・実施プロセスモデル提示を試み、大学における研究戦略策定・実施方法を体系化することにある。研究力分析に関わる組織、研究力分析を研究戦略に活かすプロセス、研究戦略実施に関する調査を行った。参考としてイギリスの研究評価制度の調査を行ったが、イギリスでは指標を用いた評価はピアレビューを行う際の参考としてのみ用いられていることが明らかになった。指標による評価は、被評価側の偏った行動を誘起しやすいため、自機関の分析のための指標利用と、研究機関への資金配分のための指標利用は、厳密に区別する必要がある。
著者
等々力 英美 大屋 祐輔 高倉 実 大角 玉樹 青木 一雄 佐々木 敏 勝亦 百合子
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

沖縄野菜を主体とした沖縄型食事介入による 1-2 年間の無作為割付比較試験を行った。 対象者は横浜東京在と沖縄在住の 40-60 歳代夫婦、合計 61 1 名であった。伝統的沖縄食事パターンによる短期の介入の後に、継続する情報介入を行うことで、血圧の減少が持続していた。薄味の食事摂取による集中的な教育効果と、情報介入による長期の働きかけの組み合わせは、減塩を含めた食事指導の有効なツールの1つになりうると考えられた。
著者
猪上 淳 飯島 慈裕 高谷 康太郎 堀 正岳 榎本 剛 中野渡 拓也 大島 和裕 小守 信正
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

北極の温暖化増幅に関して、低気圧活動の役割に着目した観測的・数値的研究を実施した。(1)シベリア域の低気圧活動の変動は、水蒸気輸送過程を通じて水循環・河川流量の変動に影響を与えるとともに、夏季北極海上の海氷を減少させる特有の気圧配置を左右する要素であること、(2)冬季バレンツ海やベーリング海の低気圧活動の変化は、近年の北極温暖化および海氷減少に影響する一方で、中緯度での厳冬を引き起こし、その予測には中緯度海洋の変動が鍵であること、(3)北極海航路上の強風や海氷の移流を精度よく予測するには、高層気象観測網の強化が必要であること、などを明らかにした。