著者
片山 裕 白石 隆 清水 展 中野 聡 リヴェラ テマリオ アビナーレス パトリシオ
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

2007年4月から2010年3月の3年間に及ぶ海外学術調査であり、フィリピンにおいてマルコス政権の独裁体制に参加したテクノクラートへの聴き取り調査と、当時の資料を発掘・データベース化を行った。インタビューは、合計16名を対象に、延べ36回にわたって実施された。インタビューは映像・音声・文書の形で、デジタル化された発掘資料(シックスト・ロハス文書、アーマンド・ファベリア文書)とともにフィリピン大学付属図書館で保管され、しかるべき時期に一般に公開される。
著者
小木曽 加奈
出版者
長野県短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では発芽玄米酒粕を食品加工へ利用することによって3つの付加価値を見いだすことができた。1つは製パン時に発芽玄米酒粕を10%添加した場合、膨らみが大きく、柔らかさが持続し、良い焼き色になるという物性の利点である。2つ目はパンの「コク味」と「塩味」が強くなる傾向を見出した。この呈味は主に発芽玄米酒粕中の有機酸によるものであった。有機酸を計算化学的に検討した結果、その「コク味」が妥当である可能性を示唆した。3つ目、パンの香気性はイソアミルアルコールなどの量が増えたことによりその増強がなされていた。以上のことから発芽玄米酒粕の高付加価値化がなされた。
著者
川田 順子 神崎 正人 吉川 拓磨 前田 英之 村杉 雅秀 大貫 恭正
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.620-625, 2014-07-15 (Released:2014-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

胸腺腫合併重症筋無力症に対し,ロボット支援下拡大胸腺―胸腺腫摘出術を施行した症例を経験したので報告する.症例は50歳女性.右眼瞼下垂と両上肢筋力低下を主訴に近医を受診し,精査の結果,重症筋無力症(MGFA class IIa)と診断された.精査加療目的に当科紹介受診.胸部computed tomographyで前縦隔に46×35 mmの腫瘤を認めた.手術は左胸腔よりアプローチし,ダヴィンチサージカルシステムを用いて行った.ポート作成後,胸腔内に二酸化炭素を送気した.左横隔神経の前方で縦隔胸膜を切開し,胸腺左葉下極より上極まで剥離した.その後,対側である右縦隔胸膜を切開し,右横隔神経に注意しながら胸腺右葉も下極から上極の順に剥離し,胸腺および胸腺腫を摘出した.病理診断はtype B2,正岡分類I期であった.二酸化炭素送気で,左胸腔アプローチでも良好な視野の下に安全に手術を施行することができた.
著者
橘 正芳
出版者
明治鍼灸大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

ラットを用いて不快ストレスとして尾に電撃ショックを、快ストレスとして頭頂部に温灸刺激を与えた場合の鼻粘膜の杯細胞の分泌機能を組織化学的に検討した。体重約200グラムのWistar系雄性ラットを3群に分けた。第一群には、拘束ゲ-ジ内に入れ尾に15ボルト(最大3.4アンペア)の直流を5秒間与え、30秒休止後再び与える周期を60分間続けた。第二群は麻酔下に両側耳介を結ぶ線と正中線との交点に、カマヤミニを用い5壮温灸刺激を与えた。第三群は無処置対照群とした。各群とも断頭後、鼻中隔を摘出し10%緩衝ホルマリンにて24時間浸漬固定したのち、30分水洗し実体顕微鏡下に鼻粘膜を剥離した。これを3%酢酸水に5分間、ついで1%アルシアン・ブル-(pH2.5)に10分間浸漬した。さらに3%酢酸水に5分間浸漬し、5分間水洗したのち実体顕微鏡下に鼻尖部から後方6〜8mm部の鼻粘膜上皮を剥離した。これをスライドグラス上で伸展しグリセリンに封入した。これを光学顕微鏡にて400倍で観察し、画像計測システムを用いてアルシアン・ブル-に染まった部分の面積率を産出した。その結果アルシアン・ブル-に染まった部分、すなわち杯細胞内の多糖類が、電撃ショックにより有意に増加し、温灸刺激群では逆に有意に低下することが明らかとなった。本研究によりストレスは上気道の分泌機能に影響を与える。しかもその種類、すなわち快ストレスであるか不快ストレスかにより、反対方向の影響を与えることが明らかとなった。これらは恐らく自律神経系や、内分泌を介して起こる現象であり基礎医学的に興味深いが、臨床的にも温灸刺激が不快ストレスの悪影響を取り除く可能性を示唆しており興味深い。
著者
渡辺 裕
出版者
東京大学文学部美学藝術学研究室
雑誌
研究 (ISSN:09163379)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-112, 1984-03-25
著者
大橋 文人 小谷 猛夫 大西 堂文 片本 宏 仲田 恵利香 Fritz-Zieroth Bernhant
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.875-876, 1993-10-15
被引用文献数
7

斜頸および運動失調を主症状とした10歳のマルチーズ種犬に対し, 神経学的検査, X線検査, 血液・生化学的検査, および脳波検査とともに, MRI検査を実施した. MRI検査では, Gd-DTPAによるコントラスト増強T1強調像に, 後頭領域に信号強度の増加した腫瘤を認めた. 後頭下開頭術および小脳虫部正中切開術による生検診断では腫瘤組織は乳頭状増殖を示す悪性脈絡叢乳頭腫であった.
著者
OKAMOTO KEI KAMEZAKI Naoki
出版者
The Herpetological Society of Japan
雑誌
Current Herpetology (ISSN:13455834)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.46-56, 2014
被引用文献数
8 1

Morphological variations were analyzed for green turtles, <i>Chelonia mydas</i>, on the basis of 127 individuals captured in the coastal waters of Japan. They were explicitly divided into two groups by plastral coloration—the yellow type and the black type. To statistically assess the morphometric differences between these color types, analysis of covariance was performed for each of 28 external measurements using the standard straight-line carapace length (SCL) as the covariate. Results indicated that the yellow and black types significantly differ in ratios to SCL of distances from the nuchal notch to the outermost point of boundry between the 11th and the preceding (10th) marginals, and also to the boundary of the 11th marginal, last (fifth) vertebral, and last (fourth) pleural on both sides. Such morphometric covariations with plastral coloration in <i>C. mydas</i> sensu lato, as well as sympatric occurrences of the two color types in the Japanese waters, collectively support the validity of the black type as a distinct species, <i>Chelonia agassizii</i>.
著者
滝沢 光男 矢島 隆二 林 昌亮 坂口 孝
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.311-314, 1978-07-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

市販のプラスチック膜 (パラフィルム) を用いた微量測定法により, ラットのプロトロンビン時間を測定しQuickの方法による生理値と比較したとき, その相関係数は0.951と非常に高く, 本微量法は血液凝固能を検索する上で有効であることが確かめられた。またその応用例として, 名種実験動物におけるプロトロンビン時間について本法により検討したところ, ウサギの正常値は9.8秒と最も短かく, 次いでイヌ, マウス, ネコ, ラットの順に長くなり, その正常値はそれぞれ12.5, 13.3, 14.8, 16.0秒であり, モルモットの場合が最も長く25.3秒であった。
著者
澁谷 直隆 杉本 博之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.59A, pp.230-243, 2013 (Released:2014-03-14)

The governments of many communities have been trying to create their bridge maintenance planning. Generally their economic conditions are not good, the low maintenance costs and the smooth annual expenditure are required. For these requirements, the good approximation of the maintenance costs corresponding to the members and the materials of bridges are necessary. And also the real deterioration curves of the members of bridges are required. Some better models of these items are proposed in this paper with the improved GA process and make it possible to formulate the realistic BMS optimization problem. 300 really existed bridges problems are solved and show the effectiveness of the proposed optimization system.