1 0 0 0 OA 笑いと看護

著者
小林 廣美
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.20, pp.62-69, 2013-08-31

看護師の「笑い」の効用は、「患者さんを主役」にし、「あなたを受け入れます」につながる。つまり、「患者さんの主体性の発揮」と「その人が持っている可能性の発揮」につながる。患者さんの治癒過程の中で、患者さんの一番身近にいる「キーパーソン」である看護師が笑顔で対応するということで、他部門や保健・医療・福祉との人的環境の中で連携がスムーズになり、健康上の問題の解決につながりやすい。また、病気のために基本的ニーズが満たされなくなった時の援助は笑顔の看護師さんだと安心して頼むことができる。看護師は「笑い」の効用を認識し、看護の場面において、患者さんが笑える場の環境づくりも重要である。生命を脅かされている場面、苦痛が生じている場面、日常生活が自分でできない悲しさなど、患者さんが体験する場面を共有し、共に乗り越えていくその先には、患者さんの笑顔が見えるっその笑顔に会いたくて日々看護している。
著者
浦上 裕子 川村 光毅 鷲沢 嘉一 日吉 和子 チホツキ アンジェイ
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.209-219, 2013-08-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
29

音を聴覚的に認識し, ハーモニー, 音韻, 旋律など音楽を認知することで前頭前野が活動し行動が起こる。本研究は音楽大学学生5名,音楽専門家1名, 非音楽大学生5名 (21–25歳: 男9女2) を対象とし60 ch脳波を用いて安静閉眼時, 「新世界より」「レクイエム」聴取時, イメージ時の脳活動を計測し, 音楽認知の神経基盤を明らかにすることを目的とした。Morlet waveletによる時間周波数解析を行い, 各周波数帯域の平均信号強度をroot mean squareとして求め成分比較を行った。音楽聴取時は無音安静閉眼時に比べ, δ, α, β, γ活動に有意な減少を認めた。γ活動の減少が最も大きく, 全脳部位で有意に減少した。音楽家は音楽聴取時・イメージ時ともに前頭部γ活動が減少, 非音楽家はイメージ時には前頭部γ活動が増加した。音楽家と非音楽家のγ活動の差は, 音楽という経験による意識や注意, 情動の統合や潜在記憶の差を反映する可能性がある。
著者
三島 彰
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第25回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.89-92, 2011 (Released:2014-07-17)

(1)モータ・インバータシステムのEMC理論 (2)自動車機器への適用 事例を題材として (2)-1 車載用14Vモータインバータの開発事例 (2)-2 車載用オンボード電源のEMC対策&設計
著者
吉井 和佳 後藤 真孝
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-10, 2011-07-20

本稿では,和音系列に対する統計的言語モデルとして,ノンパラメトリックベイズ理論に基づく n グラムモデルについて述べる.従来の経験的なスムージングに基づく n グラムモデルには,主に三つの問題,すなわち,理論的な裏付けがなく改善が困難であること,n の値を一意に指定しなければならないこと,考慮する和音の種類 (語彙) は恣意的に決めざるを得ないこと,が存在した.これらの問題を解決するため,我々は語彙フリー無限グラムモデルを提案する.このモデルは,あらゆる音の組合せを和音として許容するため語彙が不要で,和音系列中の各和音が異なるコンテキスト長 (理論上は無限でもよい) を持つことを許容する.ある和音系列が与えられた上で,次の和音を予測するときには,n の値を一意に決めることなくあらゆる可能性を考慮できる.また,これまで観測したことがない和音が出現したとしても,その和音のゼログラム確率 (構成音の同時出現確率) をこれまで観測してきた和音の構成音に基づいて計算することで,適切に n グラム確率を推定することができる.実験の結果,従来の n グラムモデルよりも低いパープレキシティを達成することが分かった.This paper presents a novel nonparametric Bayesian n-gram model as a statistical language model for symbolic chord sequences. Standard n-gram models based on heuristic smoothing have three fundamental problems―that they have no theoretical foundation, that the value of n is fixed uniquely, and that a vocabulary of chord types is defined in an arbitrary way. To solve these problems, we propose a vocabulary-free infinity-gram model. It accepts any combinations of notes as chord types and allows each chord appearing in a sequence to have an unbounded and variable-length context. Our experiments showed that the perplexity obtained by the proposed model is significantly lower than that obtained by the state-of-the-art models.
著者
天野 皓己
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

昨年度までの研究結果をふまえ、本年度は茨城県の富栄養淡水湖(北浦)において高アナモックス活性地点が形成される要因を底層水中の硝酸イオン濃度に注目して検討した。2005年8月から2007年10月まで行った長期観測のデータ解析およびアナモックス細菌の16S rRNA遺伝子を標的とした定量PCR法によるアナモックス細菌数の定量を行い、環境因子との関係を解析した。上記の期間中、おおむね2ヶ月に1回程度北浦のKU3, KU4およびKU6の3定点において堆積物を採取し、(1)アナモックスおよび脱窒の潜在活性測定、(2)水質測定、(3)定量PCR法によるアナモックス細菌数の定量を行った。結果、アナモックス潜在活性は季節によらずKU3地点で最も高く、ついでKU4地点でKU3地点の1/2から1/3、そしてKU6地点では0に近い値であった。底層水中のNO_3^-濃度を測定した結果、KU3地点では通常250μM以上であったがKU4地点では半減し、KU6地点ではさらに低い濃度であった。堆積物間隙水中のNO_3^-濃度も同様にKU3>KU4>KU6の順に減少した。アナモックス細菌数は16S rRNA遺伝子コピー数としてKU3地点では堆積物1cm^3あたり3.8-6.0×10^7コピーとKU4地点の2倍、KU6地点の25倍のコピー数が検出された。ここで、KU3地点における季節変動を調査した結果、底層水中のNO_3^-『濃度は夏季、特に6月に減少し、2006年、2007年ともに60μM以下であった。堆積物間隙水中のNO_3^-濃度も同様に夏季に減少した。一方、アナモックス潜在活性は他の季節と比べてやや低いものの、両年6月にも検出された。また、アナモックス細菌の全細菌に対する存在比も両年6月に減少する傾向は認められず、アナモックス細菌は常に存在していた。以上の結果から、KU3地点ではアナモックス細菌群集が安定に維持されていることが明らかとなり、高いNO_3^-濃度条件を経験することがアナモックス細菌群集形成要因の一つである可能性が示唆された。

1 0 0 0 OA ウグイの養殖

著者
岩本 光一 叶木 彦治
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-16, 1983-01 (Released:2013-10-08)
著者
Wu Meng-Ling Hung Ting-Hsuan Su Hong-Ji
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.176-178, 1997-06-25

台湾のバナナには5つのタイプのモザイク病が発生しており,それらから分離されたCMVはカウピーとNicotiana glutinosaにおける病徴およびモノクローナル抗体の反応から,3系統(B-CMV-1〜3)に分けられた。B-CMV-2は強毒系統であった。B-CMV-3は病原性が弱く,強毒のB-CMV-2と重複感染した場合にも病徴を軽くすることから,自然界において弱毒ウイルスとして干渉効果を示している可能性が示唆された。
著者
渡辺 俊 坂本 淳二 藤川 昌樹 谷村 秀彦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

平成13年度には、渡辺が筑波大学のワークステーション上にインターネットマップサーバーを立ち上げた。これに谷村・藤川らが1999年度、2000年度に関連研究で実施した中国国内の類例となる伝統的都市の現地調査データに基づくデジタルアーカイブスの移植を行った。アーカイブスの内容は、調査対象地区の平面図・立断面図のベクトルデータ、住民アンケート調査データベース、QuickTime VRによるパノラマ映像、三次元ヴォリュームモデル、景観写真のフォトアルバムなどである。これらの基盤をもとに、2月に北京清華大学にて研究会を実施し、現段階における国際リモートコラボレーションの有効性について検討を行った。平成14年度には、まず谷村がこれまでの研究成果を、「北京四合院住区の現状とその再生」として論文にまとめた。渡辺は、住民アンケート調査データベースをGISの空間データにマップすることで、空間分析を可能とした。これらのデータを下に、藤川・上北らが、それぞれの視点から日本建築学会の論文としてまとめた。一方、現在の日本・中国間の回線速度では、十分なパフォーマンスを得ることが困難であることも確認された。最後に、2月末に藤川が北京清華大学にて海外共同研究者である譚副教授と共同研究の総括を行った。
著者
佐藤 佳州 高橋 大介
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.135-142, 2011-10-28

近年,ゲームプログラミングの分野において機械学習は急速に発展しており,評価関数の重みの決定,探索深さの調整,モンテカルロシミュレーションにおける指し手の予測など,幅広い課題に対して有効であることが示されている.現在のゲームプログラミングにおける機械学習は,あらかじめ評価項目(特徴)を用意し,プロの棋譜などを基にその重みを学習するというものが主流である.このような手法は,人間では調整できないような膨大な数の特徴に対しても,自動的に適切な重みを算出できるという利点がある.一方で,学習に用いる特徴自体は人間が手動で設計する必要があり,性能を決定する大きな要因となっている.現在,特徴の設計に関しては,人手による試行錯誤的な調整が行われているが,機械学習に有効な特徴を手動で生成することは一般的に非常に困難な問題である.本論文では,この問題を解決するため,特徴の自動生成と機械学習の重み付けを組み合わせることにより,有効な特徴を生成する手法を提案する.具体的には,機械学習の反復計算の過程に特徴の生成を組み込むことで,性能の向上を目指す.実験の結果,提案手法が現在ゲームプログラミングの分野で用いられている各学習手法において有効であることを示した.
著者
佐藤 真史 穴田 浩一 堤 正義
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.110-113, 2013-11-01

囲碁の局面評価には様々な種類があり,そのために用いる特徴も同様である.一局を通して利用できる評価関数の構築には,それらを同じ形式で表せる必要がある.本論文で提案する評価写像の一般形のモデルである戦術写像は,xy 座標表現や石同士の相対位置,また連のダメ数など多岐にわたる特徴をグラフ理論の価数などを用いることで同一の演算で表現する.さらに,そのモデルの応用の一つとして,特徴の自動生成アルゴリズムを構築し,その有用性を検証する.
著者
石原 亨 手林 慎一
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

スワインソニンなどのインドリジジンアルカロイドは、マメ科植物に感染するエンドファイトや病原菌が生産する二次代謝産物である。本研究では、その生理・生態学的役割を明らかにすることを目的とした。まず、新たな分析法を確立した上で、生物活性について調べた。その結果、スワインソニンは鱗翅目昆虫の生育を抑制することを見出した。スワインソニンはムラサキツメクサの防御応答も抑制することがわかった。したがって、スワインソニンは、植物への感染や共生において多面的な役割を果たしていることが示唆された。加えて、スワインソニンの生合成は前駆物質のリジンの生合成と協調的に制御されていることも明らかにした。
著者
芳賀 猛 後藤 義孝 上間 亜希子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

牛属はパピローマ(乳頭腫)が最も多く見られる家畜で、その病原体であるパピローマウイルス(PV)のゲノム型と病態との関係を解析した。本研究により、以下の成果が得られた。[1]牛属のヤクの皮膚乳頭腫から新規のPV型を発見し、ヤクの学名 (Bos grunniens)にちなみ、BgPV-1と命名された。[2] これまで皮膚の乳頭腫病変からしか見つからなかったBPV-10を舌病変部から発見し、BPV-10 の新たな病態を明らかにした。[3]我々が発見したBPV-12の感染病変部に、全長ゲノムにあわせて欠損ゲノムが存在していることを発見し、BPV病変に見られる欠損ゲノムの初めての報告がなされた。
著者
秋田 雄志 荻野 隆彦
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.71-79, 2005
参考文献数
13
被引用文献数
6

鉄道の安全性を維持し、さらに向上するにはリスクの概念を採り入れた目標管理が必要である。本論文は、最初に過去50年間に発生した日本の鉄道の致死事故を分析し、事故の規模に応じた事故死リスクの実績を示す。次に、鉄道における事故死リスクを、自発的行為の結果を含む事故死リスクR_Aと被災による事故死リスクR_Bに分け、それぞれに対して許容リスク水準R_<A1>とR_<B1>、および広く受容されるリスク水準R_<A2>とR_<B2>の指標値を提案する。また、他の輸送機関における致死事故のリスク実績との比較等により、提案する水準の妥当性を考察する。
著者
和田 匡史
出版者
国士舘大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

スポーツ選手における身体加温がサーカディアンリズムに与える影響を調べ、疲労回復に貢献するかどうかを調べた。被検者に生活習慣記録機(ライフコーダ GS、スズケン社製)を入浴時以外常に装着させ 1 週間記録し、睡眠-覚醒リズムの分析を行った。スポーツ選手の全身浴による入浴(温水温度:42℃、10 分間)はシャワーによる入浴(温水温度:42℃)よりも、睡眠時間の改善、睡眠潜時の短縮と睡眠効率を向上させる結果が得られた。これは全身浴による身体加温によって体内のストレスタンパク質が高められ、睡眠による疲労回復を向上させた可能性が考えられた