著者
竹ノ下 弘久
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.17, pp.202-213, 2004-08-10 (Released:2010-04-21)
参考文献数
24
被引用文献数
1

This paper aims to clarify the causal relationship between Chinese migrants' education and their income in Japan. I focus on the comparison between educational attainment in China and that in Japan. The result of my research shows that educational credentials obtained in Japan have a significant effect on the income of Chinese migrants and that there is a significant mutual relation between their Chinese and Japanese educational credentials in terms of income determination.

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出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.237-251, 2002-10-31 (Released:2009-02-10)
著者
小森 悟 黒瀬 良一 高垣 直尚
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

風波水槽に界面活性剤を微量に混和させた溶液を満たし,その水面上に風を吹かせることにより,水面波の測定実験を行った.その結果,界面活性剤の影響は低風速域において特に顕著で,風波の発生を完全に抑制すること,また,砕波が生じる高風速域において界面活性剤は砕波を促進することが確認された.さらに,直接数値計算法を用いることにより,表面張力の低下は風波の波高を増加させること,このため界面活性剤による風波の抑制作用は表面張力の低下によるものではないことを明らかにした.また,粘性の変化も確認できなかったため,このような抑制作用は,マランゴニ効果によって引き起こされていると考えられる.
著者
中嶋 省志
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

商品名サホライドには優れた根面う蝕予防効果が認められている。しかし根面や歯肉が黒くなるという審美的問題があり。本研究では黒くならない根面う蝕の予防剤(象牙質ミネラルの脱灰抑制とコラーゲン分解の抑制)の開発に繋がる探索研究を行った。その結果、フッ化亜鉛に最少量の塩酸を加えた溶液に、サホライドの濃度の約1/5という低濃度フッ素にもかかわらず、これと同等レベルの脱灰抑制効果を認めた。また処置面で着色は認められなかった。一方、コラーゲンの分解抑制効果に関しては、サホライドに匹敵するような十分な効果は得られなかったが、今後、より高い濃度での評価や塗布方法を改良することでこの目標を達成したい。
著者
草山 太郎
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪ソーシャルサービス研究 (ISSN:13466399)
巻号頁・発行日
no.1, pp.75-83, 2001-03

Little attention has been given to the sexuality of disabled persons, although it is a crucial part of their personal self-identity. The issue of masturbation, in particular, has completely been ignored by the study of disability. Whether or not should disabled men be helped to masturbate? If they should be helped, who should help them, and how? In order to explore these questions, the present study made long unstructured interviews with two carers who have experience in helping disabled men to masturbate, that is, "masturbation aid". The study concludes that these two carers distinguish the "masturbation aid" clearly from other bodily aid or care for disabled men.
著者
内山 秀樹
出版者
静岡大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

「すざく」銀河面データにより、天の川銀河拡散X線放射の空間的揺らぎを測定した。統計誤差を除くと、天の川銀河拡散X線放射と宇宙背景X線を合わせた表面輝度は~10パーセク程度の空間スケールで3.6~8.1% (1σ) 揺らぐことを明らかにした。この揺らぎは天の川銀河拡散X線放射が多くの暗い点源の集まりだとした場合の結果と大きく矛盾しない。また、数百パーセクスケールでの鉄輝線強度比の空間分布から、バルジと銀河面ではその拡散X線放射の起源が異なる可能性が高いことも明らかにした。天の川銀河拡散X線放射の研究を元に、「すざく」データを使った、高校物理で扱うボーア模型の学習教材を作成した。
著者
早川 昇太 豊田 規人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.185, pp.1-6, 2003-07-07
被引用文献数
1

我々は,三すくみの利得関係を持つ3つの戦略を格子型に配置するパターンにおいて,さまざまな利得の差を設けその状況変化を調べた.その結果,自身の利得の高低だけではなく自身の天敵や餌となる戦略の利得との対比が重要な意味を持つことを発見した.またある一定の状況において,3つの戦略を併せ持った「渦巻き・箱型」集合戦略が場を支配することを発見した.また,周期的な変化になるまでのフェイズ数にも大きく差があることがわかった.
著者
神谷 徳昭 鈴木 大郎 森 和好
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

非結合代数系からのG(3),F(4) D(m,n)型の構成が端的な概要です。この構成は数理物理学と非結合的代数学の融合分野の研究です。それは歴史的に述べれば19世紀の末のカルタン、キーリング,フルビッツに起源をもつと考えます。勿論現代の数学として4元数、8元数、交代代数、ジョルダン代数の立場からルート系を用いないジャコブソン的な構成方法でフロイデンタールの伝統をうけつぎながら幾何学とリー代数に特に超リー代数の特徴ずけです。三項系代数系の分類とパース分解と南部恒等式の特徴を研究しました。
著者
奥 貞二
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
紀要 (ISSN:02865483)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-6, 2005-02-28

16世紀乱世の時代、フランスのボルドーの町の近郊で、とてもユニークな生涯を送ったユマニストで楽天家、高等法院評定官として活躍したのが、思想家ミシェル・ド・モンテーニュである。彼の中心思想・考え方・生き方の核心・骨組みは何かを問うのが、この論文の目的である。考察は、次の5項目について進められる。1. ミシェル・ド・モンテーニュの軌跡 2. ラ・ボエシの死 3. 自分を描く 4. 懐疑主義 5. エセー 6. モンテーニュの根本思想
著者
阿萬 弘行
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

投資家タイプごとに、ニュース情報に対する反応がどのように相違するかを明らかにするために、多種多様な情報ソースへの投資行動の反応を分析した。主な成果として、テレビ報道や企業広告による幅広い投資家層への情報量増加は、取引高を活性化することが示された。これは、投資家の注意力仮説と一致する。得られた結果は、決算などのハードなタイプの企業情報だけでなく、より一般向けのソフトな情報もまた、個人投資家の意思決定に影響を及ぼすという意味で、新たな知見である。
著者
平木 岳人
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

アルミニウム産業の持続可能な発展を指向し、アルミニウムドロス残灰についてその構造的および化学的特性について調査した。そこでは特に、ドロス残灰の簡易アップグレーディング法確立のため、粒径と構成相の関係について明らかにした。ドロス残灰は発生元によらず平均100-200μmの粒径であった。また種類によらず、粒径が大きくなるほど金属アルミニウム含有率は高くなり、窒化物および塩素含有率は低くなる傾向であった。メッシュサイズ200μmのふるいを用いた分離により、効果的に有価な金属アルミニウムを回収しつつ、リサイクルにおいて不純物となりやすい窒化物および塩素含有率を低減可能であることを示した。
著者
石川 哲郎 高田 未来美 徳永 圭史 立原 一憲
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-18, 2013-05-30

1996〜2011年に、沖縄島の266河川において、外来魚類の定着状況と分布パターンを詳細に調査した結果、13科に属する30種1雑種の外来魚類を確認した。このうち、温帯域から熱帯域を含む様々な地域を原産とする合計22種(国外外来種19種、国内外来種4種)が沖縄島の陸水域で繁殖していると判断され、外来魚類の種数は在来魚類(7種)の3倍以上に達していた。繁殖している外来魚類の種数は、20年前のデータと比較して2倍以上に増加していたが、これは1985年以降に18種もの観賞用魚類が相次いで野外へ遺棄され、うち10種が繁殖に成功したことが原因であると考えられた。外来魚類の分布は、各種の出現パターンから4グループに分けられた:極めて分布が広範な種(カワスズメOreochromis mossambicusおよびグッピーPoecilia reticulata)、分布が広範な種(カダヤシGambusia affinisなど4種)、分布が中程度の広さの種(マダラロリカリアPterygoplichthys disjunctivusなど5種)および分布が狭い種(ウォーキングキャットフィッシュClarias batrachusなど20種)。外来魚類の出現頻度と人口密度との間には正の相関が認められ、外来魚類の出現パターンと人間活動との間に密接な関係があることが示唆された。外来魚類は、導入から時間が経過するほど分布を拡大する傾向があったが、その速度は種ごとに異なっていた。特に、日本本土やヨーロッパにおいて極めて侵略的な外来魚類であると考えられているモツゴPseudorasbora parva、オオクチバスMicropterus salmoidesおよびブルーギルLepomis macrochirusの分布拡大が遅く、外来魚類の侵略性が導入された環境により異なることが示唆された。沖縄島の陸水域において新たな外来魚類の導入を阻止するためには、観賞用魚類の野外への遺棄を禁ずる法規制の整備と共に、生物多様性に対する外来生物の脅威について地域住民に啓発していくことが重要である。