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著者
三宅竜子 著
出版者
政教社
巻号頁・発行日
1911
著者
中原 精一
出版者
朝日大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

1994年4月下旬に、世界注視の中で、南アフリカの総選挙が行われた。直前まで、白人右脈やイニカタ自由党の厳しい抵抗があって、多くの死者が出た。一時は投票が危ぶまれたが、蓋を開けてみると、整然としかも熱気溢れ選挙風景が、南アフリカ全土で展開された、南アフリカが1909年にイギリスの自治国として憲法を成定して以来、85年間この国では白人が政治、経済、社会を支配してきた。アフリカ人には議会に代表者を送る権利もなく、法律によって、生活の細かいところまで厳しい制限を受けていた。いわゆるアパルトヘイトである。今回の選挙はこのアパルトヘイト体制を解消して、人種協調社会の確立をめざす、新しい憲法の制定のための議会を発足させるためのものであった。しかも、アフリカ人にとっては初めての投票であったから、整然と熱気溢れた選挙風景であったのは、当然のことであった。この研究は、アパルトヘイト体制が崩壊を始めた.1990年以降の憲法政治の推移を観察しながら、総選挙後の政治、社会の状況を展望する研究であった。選挙の結果はは、白人政党の国民党の善戦で、ANCが憲法制定の主導権を取る3分の2の議席を確保できなかった。しかしこれは人種協調社会をめざす南アフリカにとっては、穏当な結果であったと思う。それでも実際政治では、ANCが責任を負うのであるから、初代アフリカ人大統領マンデラを中心に推進されることになる。政策としては、復興開発計画(RDP)によって行われるが、問題はその財政的な保障である。さらに、アパルトヘイト時代の後遺症として、土地の再配分と賠償問題、低所得層のアフリカ人の住宅建設、それにアパルトヘイト時代の解放運動家たちに対する犯罪の摘発など、難問が山積しているこれらは、これらはの研究の対象である。
著者
三輪 哲 山本 耕資
出版者
Japanese Association For Mathematical Sociology
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.63-84, 2012

本稿は,パネルデータに基づき,階層帰属意識の分析をおこなうものである.第1の目的は,とりわけ世代内階層移動の効果に着目して,個人間効果と個人内効果とを峻別しながら階層的地位の影響を読み解くことである.第2の目的は,マルチレベルモデルを応用したパネルデータ分析(Hybrid Model)の事例を示すことである.4波分の「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(JLPS)のデータを使用し,固定効果モデルとHybrid Modelによる実証分析がなされた.次いで,モンテカルロシミュレーションにより,両モデルの推定の性能の比較検討がなされた.実証分析の結果,世代内階層移動と階層帰属意識との関連が見出された.また,同じ測定による変数であっても,個人内の回帰係数と個人間の係数とでは,異なることがしばしばあった.さらにシミュレーション結果によって,固定効果モデルと比べて,Hybrid Modelはほぼ同等と言えることが明らかにされた.この結果は,Hybrid Modelの使用がパネルデータ分析における有用な選択肢となることを示唆するように思われる.
著者
中澤 渉
出版者
Japanese Association For Mathematical Sociology
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.23-40, 2012

本稿では,日本ではまだ利用例の少ないパネル・データ分析が,社会学においてなぜ重要なのかが説明される.回顧法の調査でも時系列データをつくることはできるが,曖昧な記憶による不確実な回答で信頼性が低下したり,サンプルの選択バイアスが生じるという問題がある.特に社会科学の重要な課題である因果関係の解明には,時間の経過に伴う変化の情報が不可欠であり,パネル・データでなければ精度の高い分析はできない.さらに通常の最小二乗法では,観察できない異質性と独立変数との相関の存在から,不偏推定量を求めることができない可能性があるが,計量経済学的固定効果推定により因果効果の純粋な取り出しが可能になる.さらにマルチレベル分析の集団平均センタリングを応用したハイブリッド・モデルの紹介を行い,個人間と個人内の変動を同時に推定できることを示す.最後にパネル・データ分析を行う上での今後の課題をまとめる.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
斎藤 峻 和泉 博之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、嚥下反射と同様な反射経路を持つと考えられる、顔面における体性-副交感神経反射性血管拡張反応の中枢機序を検討した実験方法としては、ネコを全身麻酔導入後、ウレタン-クロラロース-パンクロニウム-人工呼吸下にて麻酔を維持した。脳定位固定装置に固定後、開頭し、三叉神経脊髄路核に同芯円電極を挿入して、三叉神経脊髄路核に電気刺激を行った(2ms、100μA、10Hz、20s)。反射性血管拡張反応は舌神経を中枢性に電気刺激(2ms、30V、10Hs、20s)して起こした。血管反応は下唇をレーザードップラー血流計で測定した。その結果、1)三叉神経脊髄路核の電気刺激は下唇の血流を増加させた。2)舌神経刺激による反射性血管拡張反応は三叉神経脊髄路核へのLidocaine(2%;1μ1/site)注入により可逆性に抑制されkainic acid(10mM;11μ1/site)により非可逆性に抑制された。しかし、下唾液核電気刺激(2ms、30V、10Hs、20s)で生じる反応はこれらの薬剤注入では全く抑制されなかった。3)唾液核にLidocaineを微量・注入すると、反射性血管拡張反応は可逆的に抑制された。4)舌神経及び三叉神経脊髄路核刺激によって起こる下唇の血管増加反応は共に自律神経節遮断薬(Hexamethonium,1mg/kg)により有意に抑制された。以上の結果から、三叉神経脊髄路核は舌神経刺激により生じる体性-副交感神経反射性血管拡張反応を中継していることが示唆された

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出版者
相模書房
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, 1937-04
著者
杉山 満丸 津田 豊
出版者
農業土木学会
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.159-167, 1990 (Released:2011-03-05)
著者
真山 茂樹 石川 依久子
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

珪藻における葉緑体核様体の分布様式をDAPI蛍光染色法を用い16属50種について調べた。その結果Pinnularia,Nitzschia,Stauroneis以外の属の種では葉緑体核様体の分布様式はリング型であったが,これら3属ではリング型の核様体以外に葉緑体内に顆粒状にあるいは線状に多数散在するするDAPI蛍光が認められる種も存在した。Pinnularia種のDAPI蛍光顆粒は,DNase処理により蛍光を消失するため,DNA含有体であることが確証された。また共焦点レーザ顕微鏡による観察,およびテクノビット法を用いた観察から,このDNA含有顆粒は葉緑体の内部に存在することが確証された。さらに,透過型電子顕微鏡による細胞切片の観察から,これらDNA含有顆粒はチラコイド層が継続した部位に相当することが示唆された。また,これらの部位にはいかなる膜構造も認められなかった。細胞から葉緑体を単離し,さらに顆粒状構造体を単離した。この構造体のサイズは単離されたリング型の核様体の個々のビーズ状核様体と等しく,またプロテアーゼK処理によりDNAが拡散した。以上のことより葉緑体内に多数分散する顆粒状構造体はDNAがタンパク質と複合体を形成している核様体であると考えられる。Pinnulariaではリング型の葉緑体核様体のみをもつものが11種,リング型と分散型を併せ持つものが9種,分散型のみ持つものが1種認められたが,後2者はP.sect.PinnulariaとP.sect.Divergentissimaにのみ観察された。また,Nitzschia sigmoideaの葉緑体には短冊形のピレノイドが多数存在することがプロピオンカーミン染色によって確認された。このピレノイド断面は薄いレンズ型であった。また間接蛍光抗体法および免疫電顕法により,この部位におけるRubisco局在が確認された。本種の葉緑体の周辺部には核様体は存在しなかったが,ピレノイドの両側に線状に配列するDNA含有領域,すなわち核様体が存在した。珪藻の葉緑体核様体の配置は被殻同様多様であり系統を反映していることが考えられる。
著者
中野 朋子
出版者
(財)大阪市文化財協会
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度は、結髪師の南登美子氏とともに、大阪歴史博物館所蔵『御ぐしあげ』のうちの7種、つまり「水からやっこ」「まるわ」「三徳わげ」「たてひょうご」「ばひわげ」「よこひょうご」「やよい」の再現を実施、この再現で平成16年度からの再現数が22種となった。結髪再現に臨んでは、それぞれの髪型の特徴および結髪手順や技術的側面等に関する充分な協議を行い、途中、手直しの必要な箇所等についても随時確認・修正を行いつつ制作をすすめた。それらの再現過程はできる限り、デジタルビデオおよび写真による撮影をおこない、今後予定している風俗史研究の検証資料として蓄積した。また平成17年度までの再現作業によって確認できた技術的事項の整理と再検討はじめるとともに、ポーラ文化研究所所蔵「容顔美艶考」等の調査を行ない、結髪と連関性の高い「化粧」の問題について考察を深めた。3月には、結髪再現の検証と基礎研究の成果報告を兼ねて「日本髪の源流を探る-江戸時代の大坂の結髪再現-」を開催し、自髪を使用した場合の結髪の手順等を確認するとともに、江戸時代の大坂の結髪文化の豊かさを広く知ってもらう機会とし、70人を超える観覧者の参加を得るとともに、自髪の結髪工程を確認しながらの撮影を行うことができた。なお、本研究の遂行過程において調査・検討を加えた大坂関連の錦絵から得た新知見を論文としてまとめ発表した(「錦絵に描かれたアットゥシ-大坂へもたらされたアイヌ風俗-」(『大阪歴史博物館研究紀要』第5号、2006年)。今後は、本研究で再現された結髪雛形および結髪工程の記録を博物館において積極的に公開することを予定している(平成19年秋頃)。また、蓄積された調査結果をもとに、江戸時代後期の大坂風俗に関して再検討を加え、成果を論文として報告していく。
著者
池上 弘樹 石黒 亮輔 佐藤 大輔
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

超流動3HeのA相では、クーパー対が3Heという中性原子で構成されているにも関わらず、磁場と軌道角運動量の間に微弱な相互作用が生じ、マクロな性質に影響を及ぼす可能性がある。この現象の検証を行うため、超低温高磁場冷凍機と実験セルの整備を行った。これと同時に、3He-4He混合液表面に出来る3He薄膜の研究を行った。この3He薄膜では、上下の面はきれいな表面であるため、明確な検証実験が可能と考えられる。この3He薄膜の性質の解明のため、3He-4He混合液上の電子の移動度測定を行った。移動度の詳細な解析により、3He準粒子は表面で3He薄膜との間で異常な散乱をしている事が明らかになった。
著者
藤江 康彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.21-31, 2000-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

教室談話には, 課題解決においてフォーマルともインフォーマルともとれる, 「両義的」なタイプの発話をみいだすことができるだろう。本研究は, 一斉授業の話し合い場面において, 子どもの両義的な発話が, 教師にどのように対応され, 授業の展開にどのような意味をもつのかを明らかにした。小学5年の1学級 (24名) で行われた社会科単元「日本の水産業」の発話記録に対し, カテゴリーの数量的分析と発話事例の解釈的分析を行った。カテゴリーの数量的分析では, 教師は子どもの両義的な発話に選択的に対応しており, つぶやきやいいよどみであっても積極的に受容していることが明らかになった。発話事例の解釈的分析では, 次の点が明らかになった。1つには, 課題解決の活動において, 子どもの両義的な発話生成と教師のねらいとの間に論理展開上のズレが生じると, 教師は追究を行い, 教師のねらいに課題解決を方向づけていた。2つには, 教師の授業進行への戸惑いとして子どもの両義的な発話が生成されると, 教師は一度同調し, 話題を先取りすることで授業進行の主導権を維持していた。3つには, 抽象度が高い内容を扱ったため授業進行が停滞すると, 教師は自ら両義的な発話を導入することで, 子どもの両義的な発話を誘発し, 授業進行を活性化させていた。以上より, 子どもの両義的な発話は教師から対応されることで, 課題解決の促進や授業進行の円滑化に貢献することになるといえる。