著者
山崎 歩
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、青年期以降に発症した1型糖尿病患者のもつ課題を患者側、医療者側の両側面から明確化することを目的とした。青年期以降に発症した患者および、支援を実践している糖尿病看護認定看護師にインタビューを実施し、得られたデータを質的に分析した。その結果、身体的変化の読み取りや、状況にあわせた療養上の対処、療養に関わる経済的問題が明確化された。また、患者ではインスリン注射や血糖測定に伴う身体的苦痛も課題として示された。今後は、結果を基に量的調査へと発展させるとともに、課題を踏まえた支援体制構築の必要性が示唆された。
出版者
Newsweek
巻号頁・発行日
0000
著者
河越 龍方 水木 信久 大塚 正人
出版者
横浜市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

ベーチェット病原因解明のための新規 HLA-B51 トランスジェニックマウスの作製に関する進捗および成果について: ベーチェット病の原因についてはいまだよくわかっていない。しかし、人種を越えて、ヒトの主要組織適合抗原である HLA(human leukocyte antigen)の特定のタイプ、HLA-B51と顕著に相関していることが知られている。しかし HLA-B51がどのように疾患に関わっているのかそのメカニズムは謎のままである。そこで今回、新規に HLA-B51 トランスジェニックマウスの作製をおこなった。
著者
本多 明生 神田 敬幸 柴田 寛 浅井 暢子 寺本 渉 坂本 修一 岩谷 幸雄 行場 次朗 鈴木 陽一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.93-101, 2013

Senses of presence and verisimilitude are affected differently by temporal asynchrony between audio-visual components of audio-visual content. To investigate whether this result is valid more generally, we conducted an experiment using a clip of western orchestral music. Results revealed that the sense of verisimilitude is more sensitive to audiovisual synchronicity than to the display size, whereas the sense of presence is more sensitive to the spatial size than the temporal property. These findings corresponded well with those of the previous study, which indicated that the sense of verisimilitude is distinguishable from the sense of presence. Furthermore, we discussed important considerations related to measurement for Kansei information such as the sense of presence and verisimilitude.
著者
寺本 渉 吉田 和博 浅井 暢子 日高 聡太 行場 次朗 鈴木 陽一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-16, 2010
被引用文献数
11

We used a questionnaire to investigate how non-researchers conceptualize sense of presence. Respondents were 108 students with no professional education related to engineering or virtual reality. More than 90% of the respondents knew of the term, but they tended to use sense of presence not only to refer to a subjective experience of being there in a mediated environment, but also to refer to an experience that makes them feel excited or as having an extraordinary experience in an actual environment. Factor analysis revealed four sense of presence components: evaluation, impact, activity, and mechanicalness. Events with high presence were likely to be evaluated as preferred, impressive, and dynamic. Furthermore, the participants estimated that distal and proprioceptive sensors such as vision, audition, equilibrium, and kinesthesis were closely related to a sense of presence. These results suggest that sense of presence is not a single and simple concept for non-researchers, but is instead an ambiguous and the multidimensional construct with modality-selectivity. These aspects of sense of presence must be considered in specifying physical factors for high presence and establishing objective measures of sense of presence.
著者
宇田川 幸大
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

平成24年度は、これまでの調査・研究で得られた成果を踏まえ、活字論文化のための作業や研究成果の公表を重点的に行った。また新たな資料収集・分析も行い、これまで充分に検討してこなかった東京裁判の被告たちの戦争責任観・戦争観・戦後社会観についても活字論文化の作業を行った。これまで作業を行ってきた日本側の裁判対策の内容や審理での弁明、検察側の方針と審理での立証内容、そしてこれらが判決に与えた影響については、弁護側と検察側の関係資料や『極東国際軍事裁判速記録』(全10巻、雄松堂書店、1968年)などの資料を再度検討しつつ作業を進めた。海軍側の裁判対策と審理での動向については、研究論文が近く公表される予定である。東京裁判の被告の戦争責任観・戦争観・戦後社会観については、既に研究論文として研究成果を発表している。なお、「通例の戦争犯罪」に関する検察側・弁護側の立証・反証内容、及び判決での言及内容について、平成24年度は、これまで充分に検討出来ていなかった大蔵省、企画院、木戸幸一などの弁明内容についても明らかにすることが出来た。平成24年度は本研究課題の最終年度に当るが、3年間の調査・研究の結果、(1)東京裁判における日本側の戦犯対策過程と対策内容の全容、(2)検察側の戦争犯罪追及方針の全体像(特に「通例の戦争犯罪」に関する方針)、(3)日本側の戦犯対策が、内容によってはかなりの程度「成功」する場合があり、審理過程や判決に大きな影響を与えるケースが存在したこと、(4)外務省関係被告(特に重光葵)について、裁判審理や報道が裁判後の権力基盤温存や「復権」への追い風となった可能性があること、(5)東京裁判の被告たちの戦争責任観・戦争観・戦後社会観の一端、がそれぞれ明らかになった。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1914年05月22日, 1914-05-22
著者
小笠原 康悦 石井 智徳
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

自己免疫疾患は、遺伝的要因、環境要因、時間要因によって引き起こされると考えられる。しかし、環境要因や時間要因を含む診断方法は確立されていない。NK細胞は、自然免疫系の細胞群として知られている。NK細胞は、腫瘍、感染防御の除去の観点から、細胞表面分子と受容体が検討されてきた。したがって、今まで、NK受容体およびNK細胞は自己免疫疾患に関与しているかどうかは不明であった。本研究では、NKレセプターおよびNK細胞が自己免疫疾患に関与するというオリジナルのアイデアに基づいて実験を行った。私たちの目的は、全身性エリテマトーデス(SLE)やI型糖尿病などの自己免疫疾患に対する診断指標のための新たなバイオマーカーを探索することであった。本研究では、自己免疫疾患モデルマウスにおいて、正常組織でほとんど発現しないNKG2Dリガンドが異常発現することを見出した。また、自己反応性T細胞がNKG2D分子を異常に発現していた。したがって、これらの結果は、NKG2Dリガンドは、I型糖尿病の新しいバイオマーカーとして利用可能であることを示唆している
著者
高木 二郎
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

新たに開発した貢献感尺度の職域における妥当性、信頼性、意義について、国内外の学会にて発表を行い、英語原著論文を発表した。いじめ、ハラスメントが自殺につながるメカニズムの検討において、それらは精神症状だけでなく、身体症状ももたらすことを見出し、国内学会にて発表を行い、英語原著論文を発表した。職場における自殺予防の検討において、職業性ストレスによる疲労感を抑える方法として、一酸化窒素に関する新たな知見を得、また、職業性ストレスは、精神的不健康だけでなく、身体的不健康も伴って自殺に影響すると考えられ、職業性ストレスの身体への影響についても知見を得、これらを国際学会にて発表し、英語原著論文を発表した。
著者
内間 直仁
出版者
千葉大学文学部
雑誌
千葉大学人文研究 (ISSN:03862097)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p91-163, 1992
著者
内間 直仁
出版者
千葉大学文学部
雑誌
千葉大学人文研究 (ISSN:03862097)
巻号頁・発行日
no.20, pp.p107-160, 1991
著者
鈴木 和男 大川原 明子 佐々木 次雄 山河 芳夫
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、半月体形成腎炎(CRGN)などの自己免疫疾患において、最近、正常時はほとんど血中に認められない好中球の顆粒酵素のMPOが自己抗原となり抗MPO自己抗体(ANCA)が血中に増加することが問題となっている。これらの疾患において、血中MPO活性と抗MPO抗体との相関関係についてわれわれはすでに報告してしてきている。特に、病初期の血中MPO活性は高値を示し、急性炎症像に類似している。自己免疫疾患の発症機序を明らかにするために、自己抗原となるMPOの蛋白質、活性とその抗MPO自己抗体の3者の測定系を確率する必要があった。昨年度までに、ウエスタンブロットにより半月体形成腎炎の患者血清は、MPOの59 kDaの長鎖と反応し、Endoglycosidase-Hで糖を切断したところ抗MPO血清は強く反応したことから、抗MPO血清はMPOの59 kDaの長鎖の糖結合箇所付近が反応部位と推定した。そこで、本年度は、59kDaの長鎖をいくつかの部分のフラグメントに対応するリコンビナントMPOフラグメントを作成した。当初は、GSTとの融合蛋白質として作成したが、目的のサイズより小さく切断されたフラグメントのみが出来たので、Hisx6と結合したフラグメントとして作成することを試み、目的とするすサイズのリコンビナントMPOフラグメントを検出する。キレートカラムによりリコンビナントMPOフラグメントを精製し、抗ヒトMPO抗体および患者血清を用いウエスタンブロットにより反応することを確認した。
著者
中谷 広正 菊池 浩三 田村 貞雄 伊東 幸宏 小西 達裕
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

慶応3年(西暦1869)に起こった、伊勢神宮・秋葉三尺坊大権現などのお札降りを発端とした「ええじゃないか」を題材として取りあげ、歴史学研究支援機能をもつマルチメディアデータベースを構築した。ええじゃないかに関する各地の伝承や史料を収集した「ええじゃないかデータベース」をマルチメディア統合環境下で構築した。そして、ええじゃないかに関する全体像・具体像把握および仮説検定を支援する環境を構築した。具体的には、つぎの課題について研究をおこなった。1.「ええじゃないかデータベース」の構築・充実伊勢信仰や秋葉信仰を中心とする民間信仰に関する調査・史料収集を進め、データベースの充実を図った。歴史学方法論に基づくデータベース仕様を実現した。2.歴史学研究支援に適したユーザインタフェースの実装歴史学における様々な研究目的・スタイルに対して調整可能である汎用的ユーザインタフェースを実現した。また、そのための基盤技術である画像情報解析・文字情報解析・自然言語インタフェースに関しても各種技術を開発した。3.評価実験ええじゃないかに関する史料の抜粋をおこない、具体的な歴史学の仮説検証実験をおこなった。歴史学者から本システムを用いることによって、明確で客観的な仮説検証がおこなえるとの評価を得た。
著者
青山 雅史
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100014, 2013 (Released:2014-03-14)

1.はじめに 2013年4月13日に淡路島付近を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生した.この地震により,兵庫県淡路市で震度6弱,南あわじ市で5強を観測し,淡路市では液状化の発生が確認された.本発表では,この地震による液状化発生地点の分布を示し,液状化発生地点の土地条件(特に,液状化が発生した埋立地の造成(埋立)年代)に関する検討結果を述べる. 2.調査方法 現地踏査により,液状化発生地点を明らかにした.現地踏査では,目視による観察に基づいて液状化(被害)発生地点のマッピング,被害形態の記載をおこなった.現地踏査は2013年4月19~20日におこなった.現地踏査時には既に噴砂が除去され,噴砂の痕跡も消失していた地点も存在すると思われる.現地踏査で立ち入ることができなかった領域に関しては,新聞・テレビニュース等の画像を用いて,噴砂発生地点の抽出・地図上へのプロットをおこなった.また,現地踏査で立ち入ることができず,上記のような画像情報もない領域においても液状化が発生していた可能性はある. 液状化が発生した淡路市の埋立地の造成年代に関しては,国土地理院撮影・発行の空中写真,旧版地形図に加え,津名町史(津名町史編集委員会 1988)などに基づいて検討した.3.液状化発生地点の分布と土地条件 液状化は,淡路市の埋立地(生穂新島,志筑新島,塩田新島,津名港ターミナル付近)において発生し,埋立地以外の領域では確認されなかった.淡路市(旧津名町)では,1950年代末から60年代前半にかけて志筑港湾地区の埋め立てがおこなわれ,1971年度に兵庫県企業庁により津名港地区周辺における埋め立て事業(津名港地区臨海土地造成事業)が着手され,90年代末にかけて上記の埋立地が造成されていった.液状化発生の確実な指標となる噴砂(または噴砂の痕跡)は,それらの埋立地の多数の地点で確認された.特に,1970年代に造成された志筑新島と,1980年代前半に造成された塩田新島において,噴砂が多くの地点で生じていた.志筑新島と塩田新島では,グラウンド,空き地,太陽光発電所の敷地,住宅地,駐車場や道路のアスファルト路面のすき間などにおいて,噴砂が生じていた.噴砂の層厚は,ほとんどの地点で5 cm以下であった.空き地や緑地等でみられた噴砂孔の直径は10 cm以下であった.津名港ターミナルの駐車場アスファルト路面においても,噴砂が散見された.生穂新島では,淡路市役所周辺の駐車場,道路アスファルト路面のすき間や空き地などにおいて,噴砂がみられた.液状化に起因すると思われる構造物の沈下・傾斜は,志筑新島の住宅地の1地点においてのみ確認された.この他にも,液状化との関連は不明であるが,津名港ターミナルの岸壁付近において人工地盤(構造物間)にすき間や沈下が生じ,志筑新島のショッピングセンター周辺では地盤の変状(軽微な段差や波打ち)が生じていた.生穂新島では,噴砂が生じた地点周辺のアスファルト路面に軽微な変状が生じていた.