著者
松浦 好治 鈴木 賢 宇田川 幸則 樋口 範雄 BENNETT F. G. Jr. 姜 東局 岡 克彦 外山 勝彦 小川 泰弘 角田 篤泰 増田 知子 中村 誠 佐野 智也 SHEE Huey-Ling HWANG Ren-Hung DING Xiang-shun LEE Heejeoung
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、日中韓台・漢字文化圏の法情報について、深い相互理解と比較法研究の推進を目的とし、次の成果を得た。法情報共有の環 境整備として、各国研究者と共同で、中韓台法令とその英訳の対訳約14万文、英文官報の画像と日英対訳約16万文を集積するとともに、4法域法令用語標準対訳辞書の項目候補約13,000語の検討を推進した。また、日本法令の機械翻訳や文書構造化の手法を開発した。一方、分かりやすい法情報の提供事例として韓国とEUを調査するとともに、特定分野の理解を促進する法情報パッケージLawPackの例を構築した。また、地方自治体例規約98万本を蓄積・横断検索するシステムeLenを開発した。
著者
金谷 まり子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.47-60, 2010 (Released:2011-03-28)
参考文献数
47
被引用文献数
1 1

多くの顔を持つと言われる間歇性外斜視の治療は古くて新しい問題である。 運動面では、せっかく手術をしても、術前、術後の視能矯正的管理がきちんと行われていなければ、多くの症例に戻りが見られ、手術を繰り返している症例も多い。一方視能矯正訓練においても、感覚面の状況をきちんと把握できず、見かけの輻湊訓練等のみを行っていることにより、せっかくの効果を得られていないことも多い。間歇性外斜視の治療においては、感覚面の治療なくしては、間歇性外斜視から、外斜視状態(tropia)をなくした外斜位(phoria)への完全治癒はあり得ないと考える。間歇性外斜視における感覚面で重要なのは、耳側網膜抑制状態であり、そのため、間歇性外斜視の感覚面の視能矯正的検査においては、この抑制状態をきちんと検査、把握することが大切である。 この感覚面の状態把握が大切なことは、今も昔も変わらず、間歇性外斜視の視能矯正的検査の基本である。したがって、1996年の日本視能訓練士協会の講演会シンポジウム「間歇性外斜視」の「間歇性外斜視の視能矯正的検査法」でも述べたことが基本である。その基本的視能矯正的検査を振り返り、特に、間歇性外斜視の病態像の中心である抑制状態の把握、治療方針決定に重要な眼位(最大偏位量)測定方法、その偏位量測定には欠かせない固視視標の重要性と意義、そして抑制検出にもつながる視能矯正的輻湊検査の理論と検査内容の把握について述べた。
著者
倉田 益二郎
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, 1939-11-10
著者
上田 哲也 堤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.98, no.74, pp.7-12, 1998-05-22

イットリウム・鉄・ガーネット薄膜に沿って伝搬する表面静磁波において, ダークソリトンの生成およびその波形の時間発展を理論的および実験的に調べている.実験においては, 背景の明るい負のパルスを入力し, 出力パルス波形の入力電力依存性を調べると同時に, ダークソリトンの対を観測している.また, 有限差分ビーム伝搬法(FD-BPM)を用いて, 非線形シュレディンガー方程式を数値的に解くことにより, パルスの時間発展を調べている.最後に両者の結果を比較し, 検討を行なっている.
著者
池田 博樹 松本 正行 長谷川 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

ファイバ中の光ソリントンには、異常分散領域における明るいソリトンと正常分散領域における暗いソリトン(ダークソリトン)の2種類がある。ダークソリトンは(1)明るいソリトンよりもファイバの損失や増幅器雑音、さらに隣接パルス間の相互作用の摂乱に対して安定に振舞う、(2)自己誘導ラマン効果によって振幅が減衰しパルスが消滅する、等の特徴をもつ。明るソリトンの伝送特性は、フィルタによって制御できることが示されているが、背景波を伴うダークソリトンをフィルタによって制御することは困難である。ここでは、ダークソリトンの振幅(くぼみの深さ)と速度がお互いに関連していることに着目し、非線形増幅を用いて振幅を制御することによってダークソリトンの速度をコントロールする方法を提案する。
著者
澤田 健一 戸田 裕之 長谷川 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-09-05

ダークリトン(暗いソリトン)は、明るいソリトンに比べて光増幅器雑音をはじめとする線形波や隣接ソリトンとの相互作用の影響が少ないため、より伝送容量が増大できると考えられている。我々は、前回対称駆動マッハーツェンダー変調器によるダークソリトン通信用光源について報告した。今回、この光源を用いたダークソリトン通信の検出方法の比較検討を行ったので報告する。
著者
丸山 章博 児玉 裕治 長谷川 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

光ソリトン通信において、周波数フィルタリングや同期変調などの伝送制御技術は、伝送距離の伸長およびビットレートの向上に画期的な役割を果たしている。一方、ダーク・ソリトンは、増幅器雑音や隣接ソリトン間の相互作用による影響がブライト・ソリトンの場合に比べて小さいため、より高速な光ソリトン通信への応用が期待されている。本報告では、隣接ダーク・ソリトン間の相互作用はソリトン列に同期した位相変調によって抑圧できることを示す。
著者
柏木 謙
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では、周波数軸上での強度・位相変調による光パルス合成技術を利用して、ダークパルス、特にダークソリトンの合成とその非線形光学応用について検討を進めた。まずは、光パルス合成が可能な素子である光パルスシンセサイザを用いて、ダークパルスを高精度に生成する技術を開発した。続いて、光パルスシンセサイザで合成したダークソリトンを正常分散ファイバに伝搬させて、理論通りの光強度でソリトン伝搬することを実験的に示した。さらには、高強度では高次ソリトン圧縮によりパルス幅が減少すると共にスペクトルが拡大することを確認した。
著者
木村 友美 小出 大介 折井 孝男
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.135-144, 2013-02-20 (Released:2013-04-10)
参考文献数
37
被引用文献数
5

IT 技術の発展とともに,日々の診療や病院経営,その他の一次目的のために電子的に蓄積される医療情報は飛躍的に増加している.日常診療下での薬剤の使用実態や有用性・安全性を対象とする薬剤疫学研究において,データベースはもはや欠かせないツールであり,その二次利用は規制当局,企業,アカデミアのいずれにおいてもようやく一般的に認められるようになってきた.医療情報データベースを薬剤疫学研究に活用するためには,まず医療システムやデータソースならびにその限界点をよく理解する必要がある.本稿では 2012 年 10 月現在,筆者らが把握している範囲で,本邦で薬剤疫学研究に利用可能なデータベースを,各データベース保有者の確認および許可を得て,その特徴や活用事例と共に紹介する.(薬剤疫学 2012; 17(2): 135-144)
著者
小澤 道子 森 明子 久代 和加子 桃井 雅子 片桐 和子 堀内 成子 園城寺 康子 菊田 文夫
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.28, pp.39-49, 2002-03
被引用文献数
1

本学は1995年度入学生より,改訂カリキュラムを採用した。改訂カリキュラムの特徴として,自学自習能力の育成,統合化学習の推進,科目配置の順序性があげられる。本報告は,改訂カリキュラム導入期の3年間における卒業時点での学生側から見たカリキュラムの満足度と教科カリキュラムの順序性,統合性に対する評価の推移を知ることを目的とした。調査方法は,調査日を卒業式前日とし,質問紙を配布しその場で回収をした。質問紙の構成は,教科カリキュラムの統合性を知るために「総合看護・看護研究II」と履修した科目との関連,教科目の順序性,カリキュラムの満足の度合,授業や教育システム,教育支援に対する評価などである。その結果は,次の如くである。(1)『総合看護・看護研究II』(いわゆる卒業論文)にこれまで履修した教養科目・基礎科目・専門科目の,各科目の関連のあるものを科目の出現率で検討すると,3年間とも基礎科目と専門科目の出現率が高く,教科カリキュラムの統合性が支持されていると解釈できる。(2)改訂カリキュラムでは,看護へめ高い志向をもつ学生に,あえて1年次では,教養科目に力を入れる科目配置にした。しかし3年間とも学生は,入学次から看護学の科目を求めていた。入学年次に教養科目と看護学の科目をどのように配置していくのかが課題として残された。(3)カリキュラム全体に対する満足度は,3年間ともその高い順に「総合看護i看護研究H」,「専門科目群」,「実習科目群」であり,全体の平均は,5段階の4:「やや満足」から3:「どちらでもない」の間に分布じた。(4)カリキュラム運用に間しては,「専門的知識が身につく」「自分の視野を広げるのに役立つ授業が多い」等が3年間ともに肯定的回答が高く,また,「本学の学生として経験したことは肯定的にとらえている」とした学生は,9割以上を占めていた。一方,「情報処理関係の教育が充実している」には,否定的回答が年次毎に徐々に増加していた。今後とも加速的に変化する情報技術革命に対する設備投資という大きな側面と,日常的な維持管理への対応の側面の両面からの取り組みが急務な課題であろう。以上,カリキュラムの受け手である学生側の3年間の評価は,一部に年次差が見られたが,総じて,カリキュラムの統合性と順序生が受け入れられ,満足できるものとして示された。そして,より実効あるカリキュラムのためには,このような評価活動の重要性が再認識された。
著者
氏原 鋹
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.42-43, 1931-04
著者
福村 裕史 西尾 悟 福村 裕史 KUDRYASHOV Igor
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、ナノ領域の振動スペクトルを空間選択的に得ることを目的とし、測定システムの開発を行うと同時に、システムの動作確認のための分子系の開発も行った。測定システムは、走査型プローブ顕微鏡とラマン分光計を組み合わせたものである。ラマン励起は488nmの半導体レーザーにより行い、検出器には冷却型電荷結合型素子を用いた。走査型プローブは、白金イリジウム合金ワイヤーを機械的に先鋭化させ、その表面に化学的還元反応により銀をめっきして作製した。プローブ先端の銀粒子の大きさは電子顕微鏡観察により100-300nmであることを確認した。空間分解能を調べる標準試料を検討するため、レーザーを用いたナノ構造体作製に取り組んだ。最初にペリレン誘導体に355nmのパルスレーザーを照射しナノ構造体の作製を試みたが、ポリインなどの副生成物が生成することが明らかとなった。チオフェン誘導体を用いた場合には、光重合反応によって空間選択的高分子化が起こることを確認した。これを利用して導電性ポリチオフェンからなるグレーティング構造体を355nmのレーザー光の干渉パターン照射により作製した。最適条件では線幅約2μm、間隔約3μm、高さ平均200nm程度の格子ができた。この構造体について、表面増強ラマンスペクトルの測定を行った。チオフェン環の伸縮に帰属される1400-1550cm^<-1>の平均シグナル強度について10x10点のスペクトル強度マッピングを行ったところ、グレーティング構造を明瞭に確認できた。最終的に50nm程度の分解能があるということを示唆するデータが得られた。
著者
藤原 綾子 Fujiwara Ayako
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第二部 (ISSN:03865746)
巻号頁・発行日
no.27, pp.p369-380, 1984

ジーパン着用に環境や性別がどのように影響を与えているのかを明らかにするため,新潟の学生,沖縄の学生を対象に意識と実態について調査を行った結果,以下のようなことが明らかになった。1)ジーパンの所有率は両大学生とも高く,全体の99%の人が所有していた。女子にくらべ男子の方が所有率が高く,10本以上の所有者もいた。新潟と沖縄では地域差は明らかでなく個人差が大きい。耐用年数は3~5年で,若干女子の方が長く着用している。2)ジーパンの着用開始時期については新潟大,琉大ともに小学生と中学生の頃と答えた人が多い。3)着用頻度では地域差の影響はなく,男女間で異なり,男子が頻繁に着用している。4)主に着用する季節は,新潟の学生が合着,冬着であるのに対し,沖縄の学生は一年を通しての年中平均着であった。5)ジーパン生地としての14オンス綿デニムの保温力を他のスラックス生地と共に試験した結果,中程度の厚さをもつ紳士服地(ウーステッド)と同等の保温力を有し,コール天と大差はなく,冬の衣服として役立つことがわかった。6)洗濯の目安では,男女差が大きく、男子はかなり汚れてから洗濯する割合が高かった。7)着用理由としては,男女ともに汚れても気にならない,活動しやすしい,洗濯が簡単をあげていた。特に女子は活動しやすしいを強く意識している。両大学生ともジーパンを実用的な衣服として高く評価していることが明らかになった。8)ジーパンの着用が許される時,場所,場合として,日常的な行動範囲は八割以上の学生が許されるとみている。さらに非日常的な場である入学式や卒業式へもかまわないとみている学生が二割程度いた。9)ジーパン着用時の本人の気まずい経験では,男子が入学式,結婚式というような非日常的な行動範囲である時・場所をあげたのに対し,女子は日常的な時や場所をあげていた。10)ジーパン着用者から受けた不快な経験では,琉大の方が新潟大より高い比率がみられ,いずれでも女子の方が男子よりも高かったが,中でも琉大女子は全体の35%が経験者であった。その内容は汗くさい,汚れている等衛生的なことをあげていた。最後に,本調査に御協力下さいました,新潟大学の阿部好策先生をはじめ学生諸氏,および本学教育学部の学生諸氏,家政学科卒業生の島袋睦枝さんに深く感謝申し上げます。
著者
櫻井 孝志 立松 秀樹 山高 浩一 山本 貴章 有澤 淑人 川原 英之
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.234-239, 2003-03-01
被引用文献数
6

症例は84歳の女性。平成14年2月腹痛・嘔吐・下痢・血便を主訴に入院。既往歴として高血圧・狭心症・糖尿病があり内服治療中であった。便細菌培養にて病原性大腸菌O-1を検出, CT・下部消化管内視鏡検査にて下行結腸に壊死を伴う炎症を認め, 細菌性腸炎による脱水を誘因とした虚血性大腸炎と診断した。入院翌日のCEAが106.1ng/mlと異常高値を示し, 悪性腫瘍の検索を行ったが病変を認めず。26日後のCEA再検査では正常化していた。3月13日下行結腸切除術および人工肛門造設術施行した。病理診断上悪性所見を認めず, 免疫組織化学染色によるCEA局在も正常であった。検索上, 虚血性腸炎におけるCEA上昇は, 今らの1例報告のみであった。CEA高値を呈した機序は不明であった。発症時に細菌性腸炎に罹患していたことによるCEA産生活性化の可能性や, 膿瘍腔内に便汁が多量に貯留した可能性などの複合的な要素の関与が考えられた。