著者
末吉 昌宏 前藤 薫 槙原 寛
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.171-191, 2003-09
被引用文献数
7 2

茨城県北部の温帯落葉樹林の二次林、混交林、自然林に調査地を設定し、皆伐後の二次林回復時における有弁類を除く双翅目短角類の種数・個体数を通年で調査した。その結果、41科441種余りを見い出し、それら短角類群集の種構成は森林の成熟に伴って変化する傾向にあることが明らかになった。植食性、菌食性、腐食性、捕食性および捕食寄生性といった短角類の多様な食性を代表する分類群としてミバエ科、トゲハネバエ科キイロトゲハネバエ属、ハナアブ科、クチキバエ科、キアブ科、キアブモドキ科、アタマアブ科が挙げられ、それぞれが森林の遷移に対して異なった応答を示すことが明らかになった。また、本研究では森林に生息する主要な短角類として、オドリバエ科、ハナアブ科、シマバエ科が挙げられ、そのうちハナアブ類群集の種構成は遷移の進んだ林齢の似通った二次林および自然林間では殆ど変化は無く、皆伐地、混交林、壮齢林のように異なる森林タイプで大きく異なっていた。そのため、ハナアブ科は様々な森林タイプを含む景観の多様性を評価するのに有用であると考えられる。

1 0 0 0 OA 天野氏譜録

著者
吉田嘉蔬 (恕庵) 編
出版者
吉田嘉蔬
巻号頁・発行日
1891
著者
駒木 和彦
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.13-18, 2010-06-15

ソフトウェア開発プロジェクトに定量的管理を導入しようとするとき,ソフトウェアの規模を見積もることが必須である.規模の尺度として代表的なのはファンクションポイントである.ファンクションポイント手法の中で代表的なのはIFPUG法である.IFPUG法は広く普及した手法であるが,世の中にはIFPUG法で計測が難しいソフトウェアがある.そのようなソフトウェア開発プロジェクトにおすすめできるファンクションポイント計測手法がCOSMIC法である.本稿ではCOSMIC法の計測手法と適用にあたっての留意点を紹介する.
著者
中川 大介 山口 恵介 藤本 忠博 村岡 一信 千葉 則茂
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.350-361, 2001-07-25
被引用文献数
2 4

近年, コンピュータグラフィックスにおいて非写実的なレンダリング法の研究が盛んに行われている. 本論文では, 挿し絵やテクニカルイラストレーションなどに用いられているペン画を取り上げ, 与えられた濃淡画像からペン画調画像を生成する手法について提案する. ペン画の基本的な技法には, 線で表す線描法と, 点の集まりで表す点描法がある. 線や点のサイズが表示デバイスの解像度に依存していると, 低解像度のデバイス(モニタなど)では線や点が連結して模様が認識されるアーティファクトの発生がさけられない. 本手法では線描の画像生成に1/fノイズによる揺らぎを与えた平滑化直線と呼ぶ濃度分布を持つ直線を用い, 点描の画像生成に平滑化点と呼ぶ濃度分布を持つ点を用いることでアーティファクトの発生を低減させることできる.
著者
藤原 綾子 Fujiwara Ayako
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第二部 (ISSN:03865746)
巻号頁・発行日
no.27, pp.p381-390, 1984

大学生の衣服の一つであるジーパンに関する意識や実態が10年前と現在でどう変わったのかを明らかにする目的で昭和47年の琉球大学教育学部学生を対象に行った調査と昭和57年本学教育学部学生を対象に行った調査を比較検討して次の結果を得た。1)10年前と現在の学生を比較すると男子はほぼ同程度の着用があるが,女子は減少してた。この原因は女子の他の服(ワンピースやスカート)への移向が大きいためである。2)ジーパン愛用の理由として,10年前の学生が男女共に,丈夫で季節に関係なく着られるという経済的理由をあげたのに対し,現在の学生は,汚れても気にならず,手入れが容易であるという実用的な理由をあげていた。3)ジーパンを着用できる時,場所,場合として,10年前の学生は日常的な時や場所だけを考えていて冠婚葬祭の場は絶対にいけないと考えているのに対し,現在の学生は入学式,卒業式まで着用してよい,そして時には結婚式などの着用も考えている。現在の学生にとっては入学式や卒業式はもはや日常的な時,場所になっているようである。4)ジーパンという衣服を10年前の男子学生は年中着用できる衣服,作業服ととらえているのに対し,現在の男子はどこへでも着ていける衣服ととらえ,衣服観は10年前と現在で大きく変化している。女子学生は10年前,現在とも大きな変化はなく,性差を意識せずに着られる衣服,季節に関係なく着られる衣服,遊び着,作業着としてとらえている。5)全体としてジーパンは10年前から現在まで,実用的な衣服であって,ファッショナブルな個性を表現する衣服ではないようである。おわりに本調査に御協力下さいました本学教育学部花城梨枝子先生,卒業生の島袋睦枝さんに深く感謝申し上げます。
著者
中園 眞人 山本 幸子 大内 裕子
出版者
山口大学工学部
雑誌
山口大学工学部研究報告
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.49-57, 2003-10

There are many vacant houses in rural districts, but these housing stocks are not used effectively. Then, it has the fear that the housing system for vacant houses isn't functioned efficiently. The purpose of this research is to clear the present role of the system. The investigation of the improvement of these houses and living style of the dwellers was done. The main systems can be sorted in three types and the difference of the contents of improvement and living style is analyzed.
著者
仲嶺 政光
出版者
富山大学地域連携推進機構生涯学習部門
雑誌
富山大学地域連携推進機構生涯学習部門年報
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-56, 2011-03

1908年3月に挙行されたある小学校の卒業式風景——「中央の人たちは信じないかも知れない……古風な装束をした一人の婦人が我子[孫]が證書を手に握つた刹那に、感極まつて、美しい聲で謡ひながら、踊出したのを見て、びつくりした。しかも外の來賓たちが、驚きもしないで、當り前のことだといはんばかりの顔付をして、すまし込んでゐるのを見せつけられて、なほさら奇異の感に打たれた」。本稿は、兵庫県豊岡小学校に所蔵されている『学校日誌』(1885年7月〜)を素材として、学校儀式の歴史的な変遷について考察するものである。
著者
Abe Noriyuki
出版者
東京大学大学院数理科学研究科
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号: 甲24978 ; 学位授与年月日: 2009-03-23 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(数理科学) ; 学位記番号: 博数理第333号 ; 研究科・専攻: 数理科学研究科数理科学専攻
著者
KANNO Atsushi
巻号頁・発行日
2005

Thesis (Ph. D. in Science)--University of Tsukuba, (A), no. 3659, 2005.3.25
著者
柘植 洋一
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.70, pp.57-76, 1976-11-30 (Released:2010-11-26)
参考文献数
34

This paper deals with the problems concerning the so-calld ‘Gutturalgesetze’ of Ga'az, the classical language of Ethiopia. Although we already have M. Cohen's outstanding article on this subject (Cohen, 1927), we don't think all the problems are given due solutions. So here we re-examine the matter to popose better solutions or interpretations or to support Cohen's views by giving certain additional proofs.To face with the problems first it is important to make it clear that in the vowel system of the language, the first order vowel of the Ethiopic syllabary stands in the opposition to the fourth order vowel by quality and not by quantity, and that these two vowels are not neutralised after a laryngal consonant as in Tigrinya, another Ethiopian language closely related with Ge'az.Cohen maintains that the first ‘Gesetz’ should be interpreted in two ways: allongement soppose and allongement reel. We reject his view and try to illustrate that the orthographical change reflects the sound change of a to a before a syllable-closing layngal, which had already begun by the sixth century. As for the second and the third ‘Gesetz’ we slightly modify Cohen's opinions and give some newly found evidenceLastly, laryngal verbs, i.e. verba mediae gutturalis and verba tertiae gutturalis, are treated. The question of the first and second person forms of the verba med. gutt. is never settled till we take the type p forms of the strong verbs into consideration at the same time. We make this point clear and proceed to submit an alternative solution. As to verba tert. gutt. we agree with Cohen. We also take up some relevant topics which he misses.
著者
Teare Keith W.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.269, pp.94-97, 1998-05-04

98年3月12日,米国で新しいインターネット・アドレスの提案がなされた。名称はRNS(real name system)。開発者であるキース・ティアー氏は,RNSをURL(uniform resource locater)に代わるWeb時代のインターネット・アドレスに位置付ける。
著者
荒木 幹也 嶋津 有宏 小保方 富夫 石間 経章 志賀 聖一 増渕 匡彦 杉本 知士郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.73, no.726, pp.622-630, 2007-02-25
被引用文献数
9

Atomization characteristics of an ultrasonic fuel injector using a micro nozzle array were investigated experimentally. Micro nozzles whose exit diameter is d=3, 6 and 9μm are mounted on a thin metal film. The number of the micro nozzle is 2.0×10^4. Using an ultrasonic oscillator, gasoline is periodically pushed out from the micro nozzles at the frequency of 63.6 kHz. A disk-type PZT is used as an ultrasonic oscillator, and the oscillation is amplified using a step-type horn. The input voltage is varied from 0 to 200 V. At the natural frequency, the oscillation amplitude of the horn is about 10μm. The droplet diameter and velocity are measured with a phase Doppler analyzer at 15 mm downstream from the micro nozzle array. For d =3μm, the Sauter mean diameter (SMD) is about 10μm, and the fuel flow rate is 0.023 cc/s. The SMD is much smaller when compared to conventional port fuel injectors. For d=6μm, the SMD is about 10 to 18μm, and the fuel flow rate is 0.055 cc/s. For d=9μm, the SMD is about 16 to 28μm, and the fuel flow rate is 0.41 cc/s. It is shown that, using the micro nozzle array, a uniform-diameter steady spray can be obtained without high-pressure fuel pump and nozzle type injectors.
著者
哈 布日 津田 誠 平井 儀彦
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.32-38, 2014 (Released:2014-01-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1

塩ストレスと同時に水ストレスが作物生産を低下させることが増えると指摘されているので,塩濃度と量が異なる土壌においてイネの水利用と乾物生産および根成長の関係を明らかにした.容量の異なるポットに1~10 kgの土壌を入れ,各土壌1 kgあたり1gと2 gの塩化ナトリウム (NaCl) を入れた溶液を土壌重の50%加える2区およびNaClを加えない区を設けた.耐塩性品種IR4595-4-1-13と普通品種日本晴を移植して,その後給水しなかった.葉身の伸長停止で成長が止まったものとし,その日のイネの乾物重とNa+含有率および土壌残存水分量を測定した.地上部と根の乾物重は土壌の量が多いほど大きく,土壌NaCl濃度が増えるほど低下した.地上部乾物重は,地上部Na+含有率の増加にしたがい低下した.土壌残存水分量は土壌の量とNaCl濃度が高いほど多かったため,蒸発散量は土壌NaCl添加によって低下した.そして地上部乾物重は蒸発散量に比例的に大となった.土壌残存水分含有率はNaCl無添加土壌では根が十分に成長して低い値であったが,塩濃度が高く量が多い土壌では根の成長が小さく土壌残存水分含有率は高かった.以上から塩土壌においてもイネの乾物生産は蒸発散量に比例的に大となると同時に蒸発散量の低下はイネ根の成長阻害によって利用できる土壌水分量が減少するためであると考えられた.
著者
山形 俊男 東塚 知己 升本 順夫 茅根 創
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

観測データ、モデル結果、サンゴ年輪解析の結果より、西インド洋の温暖化によって10年周期だったダイポールモード現象が2年前後に短周期化し、エルニーニョ/南方振動現象に代わってインド洋の気候を支配していることがわかった。また、大西洋南北ダイポールと亜熱帯ダイポールについては、新しいメカニズムを提唱することに成功した。さらに、インド洋熱帯域のセーシェルドームとその直上の海面水温の変動メカニズムを明らかにした。
著者
井口 利仁 吉岡 孝 五味 慎也 中井 肇 折田 洋二郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.1575-1580, 2003-11-01
被引用文献数
7

輸入脚空腸憩室穿孔に随伴した特異な腸石の1例を経験した.症例は75歳の男性.胃切除術の既往を有し,C型慢性肝炎治療のためursodeoxycholic asid(以下,UDCAと略記)を投与されていた.2002年3月12日,腹痛のため当院内科に入院,翌日腹膜炎の診断にて外科に紹介され緊急手術を施行した.前回手術ではBillroth II法で消化管再建されていた.輸入脚空腸穿孔により腸間膜膿瘍が形成され,膿瘍内に結石を認めた.空腸を部分切除し, Roux en Y吻合による消化管再建術を施行した.病理組織検査にて空腸憩室炎からの穿孔と診断された.結石は中核と外殻より構成され,中核の主成分はdeoxycholic acid.外殻はUDCAであった.胆汁酸腸石が中核となり,薬物が外殻を形成した混成腸石である可能性が示唆され,結石形成に空腸憩室とBillroth II法再建が関与したと考えられた.