著者
中根 洋治 奥田 昌男 可児 幸彦 早川 清 松井 保
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.22-37, 2012

本稿では,静岡県の赤石山脈の南端にある,我が国の代表的な尾根を通る秋葉古道を研究対象とした.この古道について,中世以前のことがこれまで明らかにされていないので,その成立過程と果たしてきた役割などを研究した.秋葉古道は時代と共に黒曜石・巨石信仰・塩・修験道・秋葉信仰・戦いの道などに使われてきたが,文献調査,現地踏査及び聞き取り調査により,その成立過程とともに浜松市を代表とする遠州と飯田市を代表とする南信州を結ぶ古道の役割についても研究した.その結果,最古の道は兵越峠を越えていたこと,そして,時代が下がるにつれて利用されたルートが低い位置に推移していること,また秋葉古道の役割として,物や人の運搬に関することおよび信仰などのために使われてきたことを明らかにした.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1931年11月02日, 1931-11-02
著者
橋本 宇一 木原 博 安藤 良夫
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.357-363, 1964-04-25 (Released:2011-08-05)

The first nuclear power station in Japan (Advanced Calder Hall type, 166 MW electric) is now under construction at Tokaimura.Construction of several new nuclear power stations will begin within a few years and also building project of the first nuclear powered ship (6500 G.T.) has been started in 1963.Al-killed steel plates 8094 mm thick were manually welded for Tokai reactor pressure vessel and its steam raising units were constructed with 5474 mm thick boiler plates using both submerged arc and manual welding. JPDR is a small BWR (12.5 MW electric), and the inner surface of its pressure vessel was stainless steel cladded by submerged arc process.Researches on the welding of the nuclear reactor have been extensively carried out by Japan Welding Engineering Society and also each industrial plant is doing its own researches. The study on the effect of irradiation on the properties of materials has been just started.
著者
梁 琳娟 田口 真奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42093, (Released:2018-10-12)
参考文献数
7

近年,中国ではICTを活用した日本語教育が盛んになっている.中でも「沪江(Hujiang,フージャン)」(https://www.hujiang.com/)は,2015年時点で,登録者数8000万人を突破し,有料サービスの利用者数も300万人を超えるなど,現在,中国におけるもっとも大規模な語学教育プラットフォームであるといえる.しかし,本プラットフォームがどのような教授機能を有するかなど,日本語教育環境としての本プラットフォームについて明らかにされたものはほとんどみられない.そのため,本研究では文献調査ならびにユーザーインタビューによりその教授機能を明らかにするとともに,沪江のオンライン日本語教育のプラットフォームとしての可能性について論じた.
著者
ITO Rui AOYAGI Toshinori HORI Naoto OH'IZUMI Mitsuo KAWASE Hiroaki DAIRAKU Koji SEINO Naoko SASAKI Hidetaka
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2018-053, (Released:2018-08-24)
被引用文献数
7

Accurate simulation of urban snow accumulation/melting processes is important to provide reliable information about climate change in snowy urban areas. The Japan Meteorological Agency operates a square prism urban canopy (SPUC) model within their regional model to simulate urban atmosphere. However, presently, this model takes no account of snow processes. Therefore, in this study, we enhanced the SPUC by introducing a snowpack scheme, and the simulated snow over Japanese urban areas was assessed by comparing the snow depths from the enhanced SPUC and from a simple biosphere (iSiB) model with the observations. Snowpack schemes based on two approaches were implemented. The diagnostic approach (sSPUCdgn) uses empirical factors for snow temperature and melting/freezing amounts and the Penman equation for heat fluxes, whereas the prognostic approach (sSPUCprg) calculates snow temperatures using heat fluxes estimated from bulk equations. Both snowpack schemes enabled the model to accurately reproduce the seasonal variations and peaks in snow depth, but it is necessary to use sSPUCprg if we wish to consider the physical processes in the snow layer. Compared with iSiB, sSPUCprg resulted in a good performance for the seasonal variations in snow depth, and the error fell to 20 %. While iSiB overestimated the snow depth, a cold bias of over 1°C appeared in the daily mean temperature, which can be attributed to excessive decreases in the snow surface temperature. sSPUCprg reduces the bias by a different calculation method for the snow surface temperature and by the inclusion of heated building walls without snow; consequently, the simulated snow depth is improved. sSPUCprg generated a relationship between the seasonal variations in snowfall and snow depth close to the observed relationship, with the correlation coefficient getting large. Therefore, the simulation accuracy of snowfall becomes more crucial for simulating the surface snow processes precisely by the enhanced SPUC.
著者
杉浦 広幸 酒井 創
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.211-219, 2016-05-15 (Released:2016-05-13)
参考文献数
17

2015年におけるマツカサの放射性セシウム汚染を,ゲルマニウム半導体検出器とオートラジオグラフィーで調査した。2015年採取のアカマツの灰色マツカサにおける137Cs濃度は,2013年の予想1)に反して2011年と同程度の高濃度汚染であった。アカマツの灰色マツカサの137Cs濃度は,2011年に空間線量率が高かった場所で高濃度の傾向があった。高濃度汚染マツカサ表面のオートラジオグラフィーを行うと,不規則な強いスポットが観察された。福島のアカマツの灰色マツカサは,2015年以降もしばらくは高濃度の放射性セシウムに汚染のものが含まれると思われた。
著者
上澤 美鈴 加我 宏之 下村 泰彦 増田 昇
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.263-268, 2009

本研究では,小学校校庭の土運動場と芝生運動場におけるビデオ撮影調査を通じて,休み時間の児童の行動を捉え,校庭の芝生化が児童のあそびの種類や身体動作に与える影響を探った。結果,校庭の芝生化によって児童のあそびの種類が多様化し、あそびに含まれる身体動作も活性化していることが明らかとなった。特に,芝生運動場では,面積規模に関わらず,「あたる」や「押す・押さえる」などの児童同士が接触る動作や「座る」,「寝転ぶ」や「転ぶ・転がる」などの地面に接する動作が誘発されていることが明らかとなり,芝生の校庭は児童の身体能力の向上や健康に効果を発揮しているものと考えられる。
著者
吉川 泰弘 久和 茂 中山 裕之 局 博一 西原 眞杉 寺尾 恵治 土井 邦雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2002

研究目的:内分泌撹乱化学物質の神経発達に対する影響の研究は比較的新しく、まだ遺伝子レベルや個体レベルの影響評価がランダムに報告されているに過ぎない。特にげっ歯類から霊長類にわたる一貫性のあるリスク評価研究はほとんど行われていない。本研究ではラット、サル類、チンパンジーの個体を用いて環境化学物質代謝のヒトへの外挿を行う。またラット胎児、げっ歯類・霊長類の神経培養、マウス・サル類のES細胞などを用いて、さまざまなレベルで環境化学物質の影響を解析する。高等動物の比較生物学を得意とする獣医学領域の研究者が研究成果を帰納的に統合しヒトへの外挿を行い、内分泌撹乱化学物質の神経発達に対するリスク評価をすることを目的とした。研究の経過と成果ラットを用いたビスフェノールA(BPA),ノニルフェノールなどのエストロゲン様作用物質、及び神経発達に必須の甲状腺ホルモンを阻害するポリ塩化ビフェニール(PCB),チアマゾール、アミオダロンなどをもちいて神経発達への影響を評価した。主として神経行動学的評価を中心にリスク評価を行い、その結果を公表した。また齧歯類を用いた評価を行うとともにヒトに近縁なサル類も対象に研究を進めた。その結果、(1)齧歯類は神経回路が極めて未熟な状態で生まれるのに対し、霊長類の神経系は胎児期に充分に発達すること、(2)BPAや甲状腺ホルモンの代謝が齧歯類とサル類では著しく異なること、(3)妊娠のステージにより、BPAの胎児移行・中枢神経への暴露量が異なることが明らかになり、齧歯類のデータを単純に、ヒトを含む霊長類に外挿することは危険であることが示唆された。サル類を用いたリスク評価ではアカゲザルでダイオキシン投与により、新生児の社会行動に異常が見られること、BPA投与では暴露された次世代オスのみがメスの行動を示す、いわゆる性同一性障害のような行動を示すこと、甲状腺ホルモンの阻害作用を示すチアマゾールでは著しい神経細胞の減少と分化の遅延が起こること、PCBの高濃度暴露個体から生まれた次世代では高次認知機能に低下傾向が見られることなどの、新しい研究結果を得た。