著者
神田 敬 杉本 孝公 上野 健一 萩野谷 成徳 堀 晃浩 川島 儀英
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.241-250, 2008-04-29
参考文献数
13

プロ野球球場として有名な千葉マリンスタジアム(千葉県千葉市)では他球場に比べて強風が頻発する.本研究では,千葉アメダスデータを解析し,暖候期に卓越する強風の原因は,関東以北に位置する低気圧や寒冷前線通過時に吹き込む南西風が,粗度の小さい東京湾上から直接千葉市沿岸に侵入するためである事を特定した.また,現地観測により,海側から吹き込む風系は千葉アメダスと幕張で良く一致している事を確認した.次に,スタジアムのようなドーナッツ型の建築物周辺で発生する気流系の特徴を,大型風洞を利用した実験により明らかにした,作成したスタジアム模型の内部には明瞭な逆流が発生し,順流との境界およびスタジアム後面で乱れの大きな領域が発生した.逆流域の範囲は模型前方の粗度や屋根の高さに依存していた.現地観測により,スタジアム内では実際に逆流が発生している事を確認した.
著者
レザーイ アリレザー
出版者
名古屋大学
雑誌
国際開発研究フォーラム (ISSN:13413732)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.175-196, 2013-03

Language is born out of actual societal relationships. As swear words are a part of language, it goes without saying that these can be used as one portal to investigating the non-material culture of a community. This article examines how the concept of 'phallus' can be used as an indicator of concepts of 'masculinity' in a culture, and how ideas of both of these appear in sexual swear words. This article will focus on why Japanese language does not possess the same sexual swear words that hint violating a man or the women in his family, as appears in many languages in the Middle East(e. g. Arabic, Persian, Turkish) and Mediterranean regions(e. g. Italian, Spanish, French).
著者
一ノ瀬 俊也
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.131, pp.51-84, 2006-03

戦場における佐倉歩兵第五七連隊の行動は、いくつかの連隊史や回想録で比較的よく知られている。しかし、兵士たちの平時の日常生活、意識については不明な点も多いように思われる。本稿は一九三四(昭和九)年に連隊のある上等兵がほぼ毎日書いていた日記帳の内容を分析して、連隊の兵士が毎日どのような訓練・生活を送っていたのかを再構成することを目的とする。日記の筆者は(おそらく)三三年一月現役入営し、翌三四年七月一九日除隊している。日記帳にはこのうち三四年一月一日から除隊後の同年八月一八日までの記述がある。具体的に千葉での演習・勤務、富士山麓での演習、対抗競技と連隊への帰属意識、日常の衣食住、私的制裁、連隊と地域社会との関わり、といった諸テーマを設定して、兵士たちの〈日常〉の再構成に努めるとともに、彼らが自己の所属する軍隊をどうみていたのか、それは帝国軍隊の支持基盤たりえたのか、といった問題にも展望を示したい。なお、参考資料として、本日記の全文を連隊生活とは直接関係のない除隊後のものを除き、翻刻した。The activities of the 57th Sakura Infantry Regiment on the battlefield are relatively well known from a number of regimental histories and memoirs. However, little is known about the daily life and thoughts of soldiers during peacetime. The aim of this paper is to reconstruct the daily training and life of soldiers in the regiment from the study of a diary written virtually everyday by a private first class in the regiment in 1934. The diarist most likely took up his position in January 1933 and then left the regiment on July 19, 1934. The diary contains entries from January 1 through August 18, 1934, by which time he had been discharged from the regiment.This paper attempts to reconstruct the daily lives of soldiers and covers the topics of exercises and duties in Chiba, exercises at the foot of Mt. Fuji, competitive sports and loyalty to the regiment, everyday clothing, food and shelter, un-offirial forms of punishment, and the relationship between the regiment and the local community. It also takes a look at how the soldiers regarded the regiment they were attached to and whether this constituted support for the Imperial Army. It may be noted that this diary, with the exception of the part following the writer's discharge from the regiment which is not directly related to the daily activities of the regiment, has been republished in full to provide background information.
著者
辻 洋志 臼田 寛 高橋 由香 河野 公一 玉置 淳子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.63-71, 2016-03-20 (Released:2016-06-07)
参考文献数
40

目的:現在,日本では少子化に伴う労働力不足を補うために外国人を採用する企業が増加している.米国では移民労働者の労働衛生に関する研究が進んでいるが,日本においてはほとんど報告がない.本調査は,米国における移民労働者の労働衛生の現状と課題,および取り組みを明らかにすることを目的とする.方法:米国誌に掲載された移民労働者の労働衛生に関する先行研究論文をレビューし,米国での移民労働者に対する労働衛生の現状と課題,および取り組み事例の調査を行った.結果:米国では移民労働者の労働衛生は主に健康格差という側面で研究されていた.先行研究レビューにより,健康格差に影響を及ぼすもしくは可能性のある因子は7つに分類された.カッコ内は各因子に対するキーワードを示す.1.職業選択(有害業務,業務上負傷,休業,ブルーカラー,低出生体重児)2.教育(学歴,ヘルスリテラシー,衛生教育),3.文化(配慮,コミュニティー人材),4.環境(劣悪環境,地域差,環境変化)5.アクセス(言語,統計,労災補償,医療保険,受診自粛),6.感染症(結核,エイズ,フォローアップ),7.差別(人種,暴行,ハラスメント).また,共通した課題として移民労働者のデータ不足が指摘された.取り組みの事例調査では企業や地域団体が複数の因子に対して組み合わせて対応することが行われていることがわかった.考察:米国では移民労働者の労働衛生研究が多く行われている.しかし,調査対象である移民労働者のデータが不足していることが課題となっている.先行研究レビューの結果,多くの論文が健康格差を取り上げていた.健康格差に影響を及ぼすもしくは可能性のある因子は7つに分類する事ができ,各因子のキーワードに関連した取り組みが求められていると推察された.取り組みの事例調査では企業や地域団体が複数の因子に対して組み合わせて対応することが行われており,社内外の労働衛生従事者は,7つの因子すべてに着目した柔軟な対応が求められている.日本でも健康格差の原因となりうる因子に関するデータの蓄積および研究の推進と共に,企業や地域の取り組みが喫緊の課題である.
著者
阪本 浩 永井 康平 坂田 弘 江草 拓
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.373, pp.93-102, 1986-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
2

Tomari-ohashi bridge is located at the Naha coastal way connecting four wharves of Naha Harbor, Okinawa. The type of this bridge is three-span continuous steel decked box girder of 170-meter center span. Tomari-ohashi bridge stands fifth in Japan as regards the length of center span of this type. This paper describes leading characteristics of the planning, designing, construction and erection method of Tomari-ohashi bridge, and also a detailed explanation is given showing wind tunnel test results and suppressing methods of wind-induced vibration, which requires particular investigations.
著者
菅田 勝也 佐藤 鈴子 永田 朝子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.75-81, 1997
被引用文献数
2

夜間介護を行うための睡眠中断が介護者の睡眠に及ぼす影響を調べる目的で, 45歳の女性を被験者として, 試行2夜に続き, 病院の個室で夜間介護をした3夜と介護をしなかった自宅での1夜の連続4夜, および2週間後に自宅で2夜, 計6夜の睡眠ポリグラフィを実施し, 以下の結果を得た.<BR>1) 非介護3夜の睡眠時間のレソジは356~367分と安定していたのに比べ,介護した3夜は日による差が大きく,271~391分であった.<BR>2) 介護のための睡眠中断は, 強制覚醒によるものではなかったが, 3夜とも睡眠周期のリズムに乱れが認められた.<BR>3) 介護第1夜と第2夜は睡眠率が低く, 各睡眠段階率が類似していたが, 介護第3夜は前の2夜よりもむしろ介護をしなかった夜の睡眠に近かった.<BR>4)入眠潜時は介護第1夜から非介護第1夜にかけて日毎に短縮し, 介護第3夜と非介護第1夜は, 被験者の通常の睡眠である非介護第2夜, 第3夜と比べても短かった.<BR>これらは, 夜間介護による疲労の蓄積の影響の大きさを示唆するものである.
著者
中澤 信彦
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.77-86, 2006-06

19世紀ブリテン思想史研究のマスターピースである『かの高貴なる政治の科学』の内容を約説し、本書のバーク研究およびマルサス研究における今日的意義を概括する。
著者
秋山 賢成
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.758-761, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)
参考文献数
1

1.はじめに昨今のコンピュータ・スマートフォン・テレビ向けなどゲームの進化の背景には,ハードウェアのスペック向上やソフトウェアの使い勝手向上などの,テクノロジーの急速な進化と普及が理由として挙げられる。ハードウェアは,例えば1年前の能力とはほぼ比較がで
著者
吉澤 剛 ファン・エスト・ リニー 吉永 大祐 田中 幹人 標葉 隆馬 小長谷 明彦
出版者
Chem-Bio Informatics Society
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.164-172, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)
参考文献数
38
被引用文献数
5

分子ロボティクスは環境の変化に適応し、自己組織化、進化できる人工的な分子システムの創成を目的とした学術領域である。本稿では分子ロボティクス技術の分野で責任ある研究・イノベーションをどのように促進するかについて検討する。そのためにまず、遺伝子組換え技術やナノテクノロジー、合成生物学やゲノム研究などの先進技術の日本における初期発展段階での社会的反応から教訓を得た。それは《適切な》専門家・ステークホルダーの発見と巻き込み、規制の更新、科学コミュニケーションにおける科学者および市民の巻き込みである。分子ロボティクスの社会的側面に関する学術的・社会的議論の現状として文献レビューや未来ワークショップ、シナリオワークショップを実施した。そこでは幾多の倫理的・社会的・政治的・文化的課題を提起し、次の数十年で起こる望ましい/望ましくないシナリオを描いた。Twitterのテキストマイニング分析では、幅広い市民において分子ロボティクスについての意識や関心、知識がまだ限定的であることを明らかにした。結論として、分子ロボティクスが責任あるイノベーションを可能にするには、分子ロボティクスの発展のスピードを掌握すること、技術的潮流を監視すること、テクノロジーアセスメントのための安定的な知識基盤を確立すること、そして分子ロボティクス研究者と社会科学者との持続可能な相互関係を構築することである。

5 0 0 0 OA 地球説略訳解

著者
リチャード・クオーターマン・ウェー 著
出版者
江藤喜兵衛
巻号頁・発行日
vol.巻1 亜細亜大洲図説, 1875

5 0 0 0 OA 史料大成

著者
笹川種郎 編
出版者
内外書籍
巻号頁・発行日
vol.第7, 1934
著者
ラオックス編
出版者
ラオックス
巻号頁・発行日
2000