著者
水田 邦子 飛梅 圭
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、TMEM16E遺伝子の機能および生理的役割を分子細胞生物学的手法により検討し、TMEM16E関連遺伝性疾患発症の分子メカニズムを解明することを目的とした.その結果,TMEM16Eノックアウトマウスでは明らかな表現型が認められず,他の筋ジストロフィー関連分子の代償性活性化により相殺されている可能性が予想された.さらに,ヒト筋芽細胞のin vitro分化の系において,TMEM16E蛋白が筋管細胞のみならず分裂期の筋芽細胞においても高発現していることを発見したことから,筋分化とは別に細胞周期依存的にその発現が調節されることが予想された.
著者
東森秀年
出版者
広島大学歯学会
雑誌
広島大学歯学雑誌 (ISSN:00467472)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.125-129, 2003-06-01
被引用文献数
1
著者
大島 武
巻号頁・発行日
1994

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成6年3月25日授与 (甲第1242号)
著者
曽根 由明 神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.243, pp.47-50, 2009-10-15

2009年9月20日から8月24日までオーストリアのウィーンで開催されたECOC2009における、光ネットワークのアーキテクチャ技術、制御技術関連の発表技術の概容について報告する。
著者
牛川 憲司 板垣 英二 丸山 雅弘 半田 桂子 大塚 大輔 下山 達宏 関 博之 小澤 幸彦 山口 真哉 滝澤 誠 片平 宏 吉元 勝彦 石田 均
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.74-82, 2005
参考文献数
19
被引用文献数
3

症例は54歳, 男性。平成7年頃に糖尿病と診断されていたが放置していた。平成13年8月末より腰痛を認め, その数日後より右下肢に浮腫が出現した。さらに左下肢にも浮腫を認めるようになったため同年9月20日当科入院となった。身体所見では両下肢の圧痕性浮腫と両側の側腹部に表在静脈の怒張を認めた。胸部〜大腿部造影CTでは, 肝静脈流入部より中枢側ならびに腎門部より末梢側の下大静脈は正常に存在していたが, 肝静脈流入部から腎門部にいたるまでの下大静脈は欠損しており, 著明に拡張した奇静脈および半奇静脈が描出された。なお, 腎門部より末梢の下大静脈は第3腰椎レベルで下行大動脈の背側を横切り半奇静脈に連なっていた。さらに, 両側の大腿静脈, 外腸骨静脈, 総腸骨静脈および腎下部下大静脈, そしてそれに連なる半奇静脈の血管内腔には器質化した血栓が連続性に充満していた。また, 胸腹部MRAでは腹腔内に側副血行路と考えられる無数の静脈が描出された。以上より, 広範な深部静脈血栓症を伴った肝部から腎部におよぶ下大静脈欠損症と診断したが, 本例は側副血行路の著明な発達, 増生により両下肢の浮腫は保存的治療のみで自然に軽快した。下大静脈欠損症では, 血管の走行異常による血流うっ滞をきたす可能性があるにも関わらず実際に静脈血栓症を合併することは稀である。本例において広範な深部静脈血栓症を合併した原因としては, 高度の腰痛により食欲不振をきたし脱水傾向となったことから血液粘稠度が増加し, その状態で臥床状態が続いたこと, それに加えて合併する糖尿病による凝固亢進状態が関与した可能性が考えられた。
著者
大村 華子
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、どういった国内外の要因が、国家の限りある予算を安全保障と社会保 障する際に影響を与えているのかを明らかにすることを目的に進められた。分析の結果、議会で左派が多く、選挙制度が比例代表制であるほど社会保障費の割合は高まり、そうではない場合に、安全保障費の割合が高まることが明らかになった。研究の成果は、2012 年3 月には海外査読誌への投稿し、査読を受けているところである。
著者
谷本 潤 萩島 理 成田 健一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

一連の風洞模型実験,Large Eddy Simulation(LES)に基づく数値実験により,建築物を主体とする地上の粗度要素が大気境界層下端への熱・空力学フォーシング(強制力)として如何に作用するかに関して,その素過程解明の端緒を得た.[流体物理科学への貢献]また,都市キャノピーモデルへの適用,更には街区内歩行者レベルの温熱環境予測評価大系への応用を念頭に置き,上記の熱・空気力学フォーシングを実際には複雑系である都市や建築の幾何形状を適切にパラメータライズすることで,バルク輸送係数としてモデル化した.[都市環境工学への貢献]
著者
長谷川 勝巳
巻号頁・発行日
2002-03

Supervisor:赤木 正人
出版者
静岡県林業技術センター
雑誌
静岡県林業技術センター研究報告 = Bulletin of the Shizuoka Prefecture Forestry Technology Center (ISSN:09162895)
巻号頁・発行日
no.34, pp.25-30, 2006-03

林齢21年生のスギ林分で,2003年11月から2004年10月にかけて各月の満月と新月に間伐対象木を各15本ずつ伐倒し,生材含水率及び生材密度,全乾密度を計測して同一月内変動,季節変動について検討した。満月と新月に伐倒した生材含水率の平均値は,辺材,心材ともに両日間でいずれも有意差が認められず,同一月内におけるスギ生材含水率の変動は極めて小さいものと考えられた。また,スギ樹幹中の含水率は個体間のばらつきと比べて各月間や季節間における変動が小さく,生材含水率に限れば伐倒時期の違いが製材後の乾燥処理等に及ぼす影響はほとんど無いと考えられた。
著者
樋上 弓子 樋上 茂 竹内 裕美 生駒 尚秋
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4Supplement3, pp.S174-S176, 2000-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
6

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) の気道閉塞部位は軟口蓋部と舌根部が多く、声門部が原因となることはまれである。われわれは睡眠中のみに声門開大障害が生じたOSASの1例を経験したので報告した。症例は68歳男性で主訴はいびきであった。内視鏡検査では、覚醒時の声帯の可動性は良好であったが、睡眠中には吸気時に声門は閉鎖し、呼気時も声帯の開大は副正中位までに制限されていた。中咽頭食道内圧測定では、無呼吸時の中咽頭圧は全く変動しなかったが食道内圧は最大-23.0cm H2Oまで陰圧化し、舌根部以下の狭窄が示唆された。中枢性疾患の合併を伴わず、特発性Gerhardt症候群と診断した。
著者
大師堂 経明 大場 一郎 相沢 洋二 小松 進一 小原 啓義
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

この計画は総じて予算の割に目標が高いために、あちこちで資金難の問題にぶつかるが、とにかく直径20mφのパラボラアンテナ64台の働きをする装置が1億円強でできあがり、観測結果が出始めた。早稲田大学が開発したこの観測装置については、URSI(国際電波連合)総会(1990プラハ)の招待講演で報告し、各国の関係者はその安さに驚いていた。安く建設できた理由は、干渉計のデザインにあたって電磁波の基本的性質(エルゴ-ト的信号と非エルゴ-ト的信号)にまでたちもどって検討を行い、十分時間をかけて試験的研究をおこない、その成果をふまえて大型化するというプロセスをとったからである。手間をかけて開発し、アルゴリズムの最適化を行ったということである。広い視野を高い感度でマッピングするために小型のアンテナを多数、狭い範囲に配置する計画をカナダのドミニオン電波天文台、米国国立電波天文台/NRL、などがもっている。早稲田大学のプロジェクトと似た計画であるが、方式としては従来のフ-リエ合成干渉計のアルゴリズムを使うため100億円以上かかりそうで実現は簡単ではない。以下では1991年5月に提出した交付申請書(今年度の研究実施計画)のうち何が実現でき、何ができなかったかを記す。またできなかった部分についての対策と今後の見通しについて述べる。(*)位相を精密に測るためには、各アンテナに正確なロ-カル信号を送る必要がある。現在8台あるがそれぞれでは1次元像しか得られない。その装置を作る予算が足りないので、民間の財団などへ申請中である(本度の研究実施計画1991年5月)。→山田科学財団より600万円の研究助成が得られ、必要なロ-カル信号発信器64ー8=56台のうち半分ほどをつくるめどがついた。現時点でできる最善のことは、必要な56台全部をつくり、支払いのできない部分についてはメ-カ-から貸与を受け、後日支払を行うやりかたである。成果としては、まず1次元のうち2素子を使って天の川にある超新星の残骸カシオペアAの干渉じまが得られ、1991年10月の日本天文学会で発表した。この天体は、その膨張速度を逆算すると今から250年前にカシオペア座で爆発したはずであるが、世界のどこにもその記録が残っていない。引きつずき、カニ星雲(1054年に爆発した超新星の残骸で、藤原定家の名月記に記録がある)、はくちょう座A(銀河系の外にある電波銀河)、オリオンA(銀河系中の大きな電離水素領域)などの干渉縞が受信された。さらに2素子から8素子への拡張も比較的スム-ズに実現でき、1991年12月には8素子1次元大型アレイにより上記天体の微分像の直接合成に合功した。つまり毎秒2千万枚のカニ星雲やカシオペアA微分像が世界で初めて得られた。これらの結果はリストにあげた論文として報告した。また多くの新聞社、テレビ局の取材を受けた。(*)パルサ-サ-ベイ用の分散消去フィルタ-の概念設計を行う。→これは非エルゴ-ト的信号も観測できる早稲田大学干渉計でなければできないプロジェクトである。概念設計をすすめた結果、既存のパラボラアンテナをそのまま用い、既存のディジタルレンズのほぼ2倍の規模の処理システムでパ-クスを上回る感度でミリ秒パルサ-のサ-ベイが可能であることがわかった。すなわち空間・時間フ-リエ変換を行い、その結果を2乗積分した後に周波数・時間領域で2次元FFTを行う方法(2+1+2次元FFT)である。このシステムは移設が簡単であり、ワイヤ-をたらしただけの14mφの簡易球面アンテナを110m四方に64台展開するだけで、アレシボを上回る感度でパルサ-を捜すことができる。総経費は3億円で、現在、特別推進研究に応募している。これが実現すると世界最大の集光力をもつ電波望遠鏡となり、多くの連星ミリ秒パルサ-を捜していまだに実現されていない強重力場中での一般相対論の検証に貢献できるであろう。
著者
Naoyuki Sugano
出版者
日本大学歯学部
雑誌
Journal of Oral Science (ISSN:13434934)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-5, 2012 (Released:2012-03-30)
参考文献数
24
被引用文献数
4 23

Despite its important role in the control of periodontal disease, mechanical plaque control is not properly practiced by most individuals. Therefore, adjunctive chemical plaque control using chlorhexidine and antibiotics has also been suggested as an additional therapeutic strategy to augment mechanical plaque control. However, the additional effects of adjunctive antibiotic therapy are small, and topical chlorhexidine therapy is not without side effects. Given current limitations, new approaches for the control of biofilm are required. The new therapeutic approaches discussed in this review are divided into two categories: probiotics and vaccines. Probiotics is an interesting new field of periodontology research that aims to achieve biological plaque control by eliminating pathogenic bacteria. In addition, passive immunization using egg yolk antibody raised against periodontal pathogens may be an effective approach for the treatment of periodontitis. Further study to evaluate the possible effects of these biological plaque control methods against periodontal disease is warranted. (J Oral Sci 54, 1-5, 2012)
出版者
京都大学附属図書館
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.号外, 1983-10

京都大学附属図書館報
著者
Shigenobu Inami Masamichi Takano Masanori Yamamoto Daisuke Murakami Kenichiro Tajika Kenji Yodogawa Shinya Yokoyama Norihiko Ohno Takayoshi Ohba Junko Sano Chikao Ibuki Yoshihiko Seino Kyoichi Mizuno
出版者
一般社団法人 インターナショナル・ハート・ジャーナル刊行会
雑誌
International Heart Journal (ISSN:13492365)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.725-732, 2007 (Released:2007-12-27)
参考文献数
25
被引用文献数
34 70

It has been reported that green tea consumption reduces the risk of coronary artery disease and cardiac events. Catechin is a major constituent of Japanese green tea and an antioxidant. Lipids and oxidization of low-density lipoprotein cholesterol (LDL-C) play important roles in atherosclerosis. Therefore, we evaluated the effect of catechin intake on the lipid profile and plasma oxidized LDL. The study population consisted of 40 healthy adult volunteers (10 men, 30 women). Catechin was extracted from green tea leaves. The subjects were randomly divided into two groups, a catechin group (n = 29) and a control group (n = 11). In the catechin group, catechin (500 mg: equivalent to 6 or 7 cups of green tea) was administered orally. Venous blood samples were obtained before eating a meal at the start and after 4 weeks without any lifestyle modification. Plasma oxidized LDL assay was performed with a sandwich-type enzyme immunoassay using anti-oxidized phosphatidylcholine monoclonal antibody. The baseline lipid profiles and tea consumptions were similar between the two groups. Plasma oxidized LDL was significantly decreased after catechin administration (from 9.56 ± 9.2 to 7.76 ± 7.7 U/mL, P = 0.005), while plasma LDL-C, triglyceride, and HDL-C concentrations did not change. Catechin decreased the plasma oxidized LDL concentration without significant change in plasma LDL concentration. The mechanism of the beneficial effects of green tea on coronary artery disease might result from a decrease in plasma oxidized LDL.
著者
Junko Sano Shigenobu Inami Koji Seimiya Takayoshi Ohba Shunta Sakai Teruo Takano Kyoichi Mizuno
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.665-670, 2004 (Released:2004-06-25)
参考文献数
38
被引用文献数
52 91

Background Green tea, a popular beverage in Japan, contains many polyphenolic antioxidants, which might prevent atherosclerosis. This study was designed to determine whether the consumption of green tea is proportionately associated with a decreased incidence of coronary artery disease (CAD) and the cardiovascular and cerebrovascular prognosis. Methods and Results The study group comprised 203 patients who underwent coronary angiography (109 patients with significant coronary stenosis and 94 patients without). Predictors for CAD were analyzed and the patients' cardiovascular and cerebrovascular events were followed. Green tea consumption was significantly higher in patients without CAD than in those with CAD (5.9±0.5 vs 3.5±0.3 cups/day; p<0.001). An inverse relationship between the intake of green tea and the incidence of CAD was observed (p<0.001). The green tea intake per day was an independent predictor for CAD based on a multivariate logistic regression analysis (odds ratio: 0.84 and 95% confidence interval: 0.76-0.91). In contrast, the green tea intake was not a predictor of cardiovascular and cerebrovascular events based on the Cox proportional hazard model. Conclusions Green tea consumption was associated with a lower incidence of CAD in the present study population in Japan. Therefore, the more green tea patients consume, the less likely they are to have CAD. (Circ J 2004; 68: 665 - 670)