著者
左 毅 北 栄輔
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.80-90, 2010-10-25

株価予測のために,過去データを用いた時系列分析に基づくモデルがしばしば用いられる.これらのモデルでは,予測したい株価を過去の株価などと残差の線形和で近似し,分布には正規分布が仮定される.しかし,実データに関するいくつかの知見によれば,株価収益率の頻度分布は必ずしも正規分布しないことが示されている.そうであれば,ホワイトノイズに基づくモデルでは精度良く予測できない可能性がある.そこで,本研究では,ベイジアンネットワークを用いる方法を示す.ところで,ベイジアンネットワークは離散的な値だけしか扱うことができないので,クラスタリング手法を用いて株価を離散値に変換する.解析例では,日経平均株価とトヨタ自動車株価をとる.解析結果より,収益率を適切に離散化すれば,相関係数解析や平均二乗誤差において,一般的な時系列分析モデルよりも精度良く予測できることが分かった.Time-series prediction algorithms are very often employed for predicting the stock price. In the algorithms, the stock price is assumed to be the weighted summation of the past stock price and the residual. The distribution is assumed to follow the normal distribution. However, recent results show that the stock price fluctuation dose not follow the normal distribution. Therefore, in this study, the Bayesian network is employed for the stock price prediction. The Bayesian network can deal with the discrete numbers alone. For the use of clustering algorithm, the stock price, which is expressed in the continuous number, has to be transformed to the discrete number. NIKKEI stock average (NIKKEI225) and TOYOTA Motor Corporation stock price are considered as numerical examples. The results show that the prediction accuracy of the present algorithm is better than that of the time-series prediction algorithms in the correlation coefficient analysis and the prediction error if the stock price is appropriately transformed to the discretized number.
著者
蒲沢 和也
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004-03

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1894号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2004/3/4 ; 早大学位記番号:新3769
著者
松中 久美子 甲田 菜穂子
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一般成人3,000人、住宅管理業者128件、法的に職場受け入れ義務を負う施設・事業所1614件を対象に補助犬法の周知度などを尋ねた。すべての対象者において、法の内容はほとんど知られていなかった。一般成人においては、法についての知識または関連知識があるほど補助犬との共存意識が高かった。補助犬使用者に対して、住宅居住者としての受け入れは限られており、職場受け入れもほとんど進んでいないことが明らかとなった。
著者
桜井 光寛 鈍宝 敬之
出版者
日本香料協会
雑誌
香料 (ISSN:03686558)
巻号頁・発行日
no.199, pp.85-94, 1998-09
被引用文献数
1
著者
高橋 伸彰
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.131-138, 2005-08
被引用文献数
1

チョコレートのおいしさについての官能評価による検討結果を紹介した。記述的評価法による分析では、風味や食品テクスチャーに関する約20種類の評価用語が抽出され、これに基きチョコレートの風味の分類を行なうとともに、嗜好との関係についても考察を行った。また、時間-強度曲線法を導入し、摂食中のチョコレートの風味の経時的変化を評価した。チョコレートのおいしさを考慮するに際しては、付着や残留といったような咀嚼物のレオロジーや物理化学的性質も考えあわせなくてはならない。
著者
海尻 賢二
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

最初は検査プロジェクトに対していくつかの基準で似ているプロジェクトを選択し、プロジェクト間のデータ調整を行う事で最適な再利用ができるのではないかと考えた。そこで再利用の検討を行ったが、プロジェクトの特性の相違や、予測アルゴリズムの選択等に大きく影響する事がわかった。次に新たにデータマイニング手法を適用して、最適な予測器を見出すという手法を考えた。ソフトウェア欠陥予測ツールは訓練プロジェクト、利用するメトリクス、予測のアルゴリズムを決める事で予測器を作る。与えられた検査プロジェクトに対して適切な予測器を選ぶマイニング手法を提案し、その適切性を実証した。
著者
宗 正敏 宮崎 隆昌
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.270, pp.117-125, 1978-08-30
被引用文献数
3

沿岸漁業地域に於いて, 従来の(漁場〓漁村)という結びつきから(漁場〓市場)という結びつきが強くなり, 立地性の高い漁港に労働力・漁船・水揚が集中し, 結節点とし拠点性を向上させ市街化を進めている。この事は沿岸に立地し, 地先漁場ないしは後背林の管理・維持・生産によって等質であった沿岸漁村集落が, 地域中心的な拠点集落の形成によって次第に特定化していく。従来の家族労働・生産手段の総有共同慣行等によって, 平均的であった世帯経営に階層の分化がみられ, 等質性・自律性を次第に失なっていく。この様なプロセスに於いて, 各々の集落は均衡を保つ働きを有しながら, それぞれの立地に対応した遷移系列を用意している。そして基礎集落〓複合集落〓拠点集落という段階的構成に於いて複合集落が沿岸地域に於ける多元的な生活様式に適応した今後の集落の計画単位として考える事が出来よう。複合集落は(1)生活空間, (2)生産活動, (3)集団形成の面に於いては複合した単位と重層的な領域を持っている。沿岸漁村地域における地形・地理的条件を克服し, より広い地域全体と孤立しがちな個々の集落との間に, 一体的な地縁的連帯と有機的な産業上の連係, 連続的な生活環境に立ち, 関連性をもつ為には, (1)他の地域が必要とする出来るだけ専門的な産業を存在させ, 沿岸地域に於ける有機的な社会的分業組織の中で, 効果的なインパクトをもたせ, (2)関連地域との人的交流が行なわれ, 各々の専門的産業相互間の連係を円滑にし, (3)更にこれらの地域に従来存在した独特な教育・伝習を学校教育の充実と並行して, 季節的・年令的・職能的に対応した社会教育のシステムを整える事が, 地域住民相互の直接的接触を前提とした生業的連帯関係の成立を促がし, 地域の環境整備・集落計画の潜在的な素因となるものであろう。その事によって個々の漁村集落は次第に複合化していくものと考えられる。また複合集落は現存の沿岸漁村地域に於ける集落存在様式の内にみられるいくつかの複合形式があり, 志摩・熊野灘沿岸地域の生活環境の実態調査の結果, 次の様な性格が明らかになった。(1) 2つ以上の小集落(200戸・900人以下)が近接している場合は合併または吸収が進む。(2) 合併・吸収しながらも従前の生活基礎集団・生産基盤の核を残存する。(3) 単一的な生活基礎集団(血縁的・地縁的・生活縁的)生産基盤したもたない集落は対応性が低く停滞し他集落に依存する。(4) 集落の生産基盤(漁場・労働力・資金力)が後退すると出稼母村化・賃労働化が進み, 自律性を失なう。(5) 集落の規模が大きい場合, 発生的に本来の数個の基礎集落単位を含んでいる複合集落単位と考えられる。(6) 生産基盤の大きな集落に近接した集落は生活基礎集団を残したまま, 大きな集落との生産活動の協同協業化を進める。(7) 結節点(統一集落)はさらに高次の結節地域に依存し地域全体の生活・生産基盤の自律性が減少し中継点となる。(8) 単一集落は立地条件を克服して複合化し, 中間集落は生産形態に応じて分包し, いくつかの複合集落単位としてまとまり, 地域変動のインパクトを吸収し対応している。この様に複合集落は変動の要因と現象を同時に含みつつ変容している為に全体的に活性的であり, 外的な変化に柔軟に対応できる構造を持つと思われる。個々の集落が本来持っているポテンシャリティを有効に発揮させる為には群単位の複合の仕方や諸特性を考え, 類型別に集落特性や計画単位を見出し, それぞれに対応した機能作用を付加していく事が必要である。以上沿岸漁村地域の変動を複合集落の性格を中心に見てきたが, さらにそのIIに於いて, この複合集落単位の構成と類型的性格について, 具体的に展開することにしたい。
著者
林 宇一
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
演習林 (ISSN:04934326)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-39, 2011-03

林業労働において,一般求職者の応募が増加傾向にあり,森林組合作業班員の雇用は一般労働市場における位置づけという側面から捉えていく必要がある。そこで,本報告では,兵庫県但馬地域内の7森林組合作業班員を対象に,現在の就労状態及び彼らが林業を職業としてどのように捉えているのかを明らかにすることを目的とした。具体的には,回答者の属性,回答者への森林組合の待遇,そして,回答者の森林組合の仕事に対する認識の3つの視点から把握した。結果,回答者は殆どが既婚者で家族と同居しており,新卒は少なく,殆どが1回以上の職業経験を経た転職者で,家族とのつながりが強く,地元就職志向が非常に強い事が示唆された。また,林業の自然を相手に出来る点が求職者を引き付け,危険な部分が求職者から敬遠される点であることがわかった。また,賃金の高低が林業の就職理由と離職理由の上位に位置しており,他の職業選択と同様,林業の職業選択や就労継続,仕事上の関心事として賃金が大きな影響を与えていることが示唆された。
著者
鶴見 武道
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.19-28, 2008-11-01

龍山村森林組合は,昭和53年に林業新規就業者の確保に乗り出し,研修体制を整備してきた。本論文では,平成10年度までに参入した林業新規就業者83人を対象に聞き取り調査を実施し,出身地と現住地および現在の職業等を把握した。これらデータから,出身地-現就業地-現職業の組み合わせで新規就業者を分類し,それぞれの特徴を分析した。その結果,龍山村森林組合在職者は指導班加入者の3分の1程度にとどまるが,林業への転出者を合わせた林業定着率は6割弱に達している。林業定着率は近隣地域で高く,その他地域,龍山村の順である。ただ,龍山村出身の非林業就業者も,役場等地域社会経済の枢要部分に転職し,地域コミュニティへの影響は大きい。その他地域では,在職率が低いものの林業定着率は標準的で,強い転出傾向がみられる。この要因として,専門知識と技術を活かして自己実現を図ろうとする欲求が強いことが推測される。また,林業転出先が出身地であるケースが多く,指導班での研修成果を地元の森林組合や林業経営に活かした結果も反映されている。
著者
清水 照夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.99, no.12, 1993-12-15
著者
高木 利久 高井 貴子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会研究報告会講演論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-18, 2001-05-19
被引用文献数
1

To substantially promote the integration of heterogeneous knowledge and to further facilitate the discovery of fundamental concepts or hidden structures in biological phenomena, we study genome ontology where biological knowledge is comprehensively reorganized and both the terminology and the concepts are unified across species. We try to establish such ontology of signal transduction and to recompile a dictionary of terms in the universe of living systems.
著者
渡邊 惺子 大竹 三郎
出版者
湘南工科大学
雑誌
相模工業大学紀要 (ISSN:02860910)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.9-16, 1969-03-31

By examining the variation of absorption by barium-sulfonazo III chelate in the presence of sodium salt, the optimum conditions in absorptiometric determination of barium with sulfonazo III have been investigated. The sulfonazo III, having two absorption maxima at 570mμ and 630mμ, makes a chelate compound with barium ion by the ratio 1 : 1 (absorption maxima : 590mμ, 640mμ). The absorvance at 640mμ, which changes itself markedly in proportion to the concentration of barium ion, may be diminished remarkably in the presence of sodium salt. The absorbancy, in this case, does not depend on the pH value, within the range of pH 1 to 10,but only depends on the concentration of sodium ion. And when barium ion is absent, sodium-sulfonazo III which has its absorption maximum at 635mμ, changes its absorbancy slightly proportionaly to the concentration of sodium ion. Such being the case, the caribration curve of barium, when a buffer solution containing sodium salt is added, has been found to be linear in wide range (&acd;3×10^<-4>M[Ba^2+]), so far as the concentration of sodium ion is high, but it has been observed to be curved in the region of [Ba^<2+>] over 1.5×10^<-5>M, when [Na^+] is 10^<-3>M (pH 4.7). In conclusion, it has been found that use of a buffer solution (pH 2.2) by monochloroacetic acid series and the concentration of sodium ion are to be adjusted between 0.02M to 0.1M, as the condition of quantitative detection of barium ion below 3.5×10^<-5>M at 640mμ.