著者
中山 和弘 有森 直子 小松 浩子 藤井 徹也 高山 智子 石川 ひろの 佐居 由美 的場 智子 宇城 令 戸ヶ里 泰典
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

Webの情報に翻弄されず、むしろその情報をより活用できるために、患者・家族・国民のヘルスリテラシーの向上を支援するWebサイト(『健康を決める力』(http://www.healthliteracy.jp/)を作成・公開・評価した。コンテンツは次の6つの内容でできている。1.健康のためには情報に基づく意思決定を、2.「信頼できる情報」とは何か、3.知りたい情報はインターネットで、4.コミュニケーションと意思決定、5.健康を決めるのは専門家から市民へ、6.健康を決めるために市民が出来ること、である。
著者
内山 映子 秋山 美紀 花井 荘太郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ITを活用したコミュニケーション支援ツールの利用が、介護サービス提供者と認知症患者の家族との間のコミュニケーションを増加させ、ひいては家族のストレス軽減に寄与するか、また介護サービス提供者のコミュニケーションに要する手間を従来方式以上に増加させないかを実証により検討した。その結果、コミュニケーションが増加した事例からは、ストレスの軽減に有効な可能性が示された。また日々の業務の中でITツールを利用する際にサービス提供者が要する所要時間は、読み書き含めて1件あたり平均7. 5分で、紙媒体と比べても業務上の過大な負担とはならないことが示された。
著者
鈴木 圭 小川 博 天野 卓 安藤 元一
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.13-18, 2008-06-15
被引用文献数
3

ニホンモモンガPteromys momongaの巣箱利用率から本種の環境嗜好性を評価した。丹沢山地に548個の巣箱を設置し樹上性哺乳類全般の利用状況を調べた。巣箱利用率の高まる8月から10月における巣箱内の痕跡から,林相,水場の遠近および標高が本種の巣箱利用度に及ぼす影響を検討した。本種の巣箱痕跡率は広葉樹・モミの天然林において0.4%,スギ・ヒノキ人工林で0%,および天然林と人工林がパッチ状に混在する林で3.9%であった。一般線形モデルによる解析を行ったところ,本種は天然林と人工林の混在する環境を好んで生息し,水場の遠近や標高による影響は見られなかった。他方,山地林に普遍的に生息する樹上性ノネズミであるヒメネズミApodemus argenteusはこれらの環境要素に対して嗜好性を示さなかったことから,上記の嗜好性がニホンモモンガの特徴であることが推察された。
著者
武末 純一 伊庭 功 辻川 哲朗
出版者
古代学協会
雑誌
古代文化 (ISSN:00459232)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.257-268, 2011-09
著者
梶田 正巳
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

「動きイメージ」の認知的機能を研究することが基本的目的であった。「動きイメージ」は単語の認知処理である記憶実験によって検討した。そのためにカタカナ語をその筆順を示すことで、「動きイメージ」の効果を検討することになった。すなわち、「動きイメージ」をディスプレイに示すソフトウエアを利用して「動きイメージ」を生成することになった。しかしながら、初年度から、参照モデルがないために、以前には予想もしなかったいろいろな問題、テーマに遭遇した。単語刺激であるカタカナ語の筆順は、ストローク間を一定のtime-intervalでコントロールして、「動きイメージ」を生成した。しかし、単語刺激のカタカナを見た被験者は、筆順の「動きイメージ」がやや不自然に見えるという問題が発生したのである。この不自然さが、かえってカタカナ語の認知に大きな影響を及ぼすために、いかに不自然さを縮減することが出発点となった。すなわち、文字の「ストローク」を自然な動きにするために、カタカナ語の各ストロークを異なったタイム・インタバルによって制御することが不可欠になり、基礎的な実証的研究をしなければならなくなった。そこで、カタナカ語を大人に書いてもらい、ストロークごとの「動きの速さ」を反映した「動きイメージ」を作成しなかればならなくなった。厳密には、不可能であるが、新しい基礎研究を実施することになった。すなわち、カタカナ語を書かせて、文字のストローク毎に動きの速さを測定した。多くの被験者のカタカナ語の筆順の動きを集めて、ストロークの速さの概要を把握することにした。ここで明らかになったことは、「自然な筆順の動きイメージ」は、学校の教育過程で習得され、具体的には、文字学習の過程と一体になった実践的研究をすることは不可欠になった。こうした問題意識にかわって、当初と違って大きく深まった。しかしながら、単語の「動きイメージ」は、その認知処理過程に「生成処理」と同じ効果を持つであろうという理論は、関連研究をレヴューすると間違っていないので、理論編を学会誌に発表することにしている。
著者
佐々木 健一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

研究報告書には、「モダン・ポストモダン」「ポピュラー(民衆的)」「日常性」「美術館」の4概念についての研究を収録する。それぞれについて、概念的定義を与え、歴史的な展開(事実と概念/理論)をたどり、今日的問題点を指摘している。また、「直感的・美的」「感情・情緒・感動」「感性・感受性」についての研究を継続中で、このうち、感情/感性に関する英文の論文を脱稿した。
著者
田中 俊行 グェン ミンティ 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1751-1761, 2011-11-01

インターネットの普及に伴い,Web上には商品やサービス(対象物)に対する多くの評判情報が蓄積されている.しかし,誰でも発信できるが故に,情報は膨大となり,それら全てに目を通すことは利用者にとって多大な負担となる.そのような背景から,レビューから意見を自動的に抽出する研究が盛んに行われており,意見を<対象物,評価視点(属性),評価値>の三つ組と捉え抽出する研究も行われている.しかしながら多くの研究は,評価視点や評価値の抽出に辞書を用いており,ジャンルごとに必要となる辞書の構築のためのコストは小さいとはいえない.また,単に辞書を用いてマッチングを行っただけでは,精度が上がらないのが現状である.そこで本論文では,教師あり学習を用いて,レビューサイトから意見を抽出する手法を提案する.提案手法は,従来の手法のように大規模な辞書をあらかじめ用意する必要がないため,コストを大幅に抑えることが可能である.実験の結果,辞書をあらかじめ用意しない既存手法と比較して,最大で適合率は約26%,再現率は約47%向上した.また,既存研究では個別の辞書を必要とするような他ジャンルに対して本手法を適用した結果,ほぼ変わらない精度で抽出することができ,他ジャンルへの適用の可能性を示すことができた.
著者
佐藤 大輔 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1773-1782, 2011-11-01

本論文では,閲覧中のWeb上のニュース記事に対する意見を個人のブログから収集し,その本文中の主張部分を抽出して提示するシステムの提案を行う.現在ニュースサイトにコメント欄が用意されているところは少なく,検索エンジンを用いても個人の意見のみを収集するのは容易ではない.そこで個人の意見を述べやすい場であるブログに着目してニュース記事に関連した意見を集め,主張を抽出する.本研究では主張とは意見の中で筆者が強く述べている主観的な部分を指す.開発中の主張提示システムの中で,本論文では主張抽出に焦点を当てる.主張抽出には人手により主張であるとされた文章から形態素解析を利用して特徴的な抽出ルールを設定した.本システムによりユーザはニュースサイトを閲覧すると同時に意見の多角的な見方が可能になり,より深い洞察が得られるようになる.評価実験において人手による正解との適合率を求めたところ70.0%となった.
著者
浜本 一知 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1812-1824, 2011-11-01

ライフログなどの個人情報を提供し,プロバイダより情報推薦などの個人サービスを受ける場合,多くの個人情報を提供することで更に品質の高い個人サービスを受けることができる反面,情報の漏えいや流用などによるプライバシ侵害の危険性も増える.そこで本論文では,ユーザごとに設定する希望匿名度に対応する属性を開示する前に,匿名度に影響を及ぼす二つの要素,(1)プロバイダのユーザ背景情報,(2)コミュニティの状況,をチェックし匿名度に反映させることで開示属性を調整し,結果,無用な情報開示を避けることを特徴とするプライバシ保護エージェントを提案する.(1),(2)それぞれにおいて,課題を分析し,解決への提案手法について述べ,(1)は事例モデルによる実験的机上検証,(2)は歩行者モデルを用いたコミュニティを想定し机上検証により,提案手法の妥当性と有効性を確認した.

1 0 0 0 OA 維新史八講

著者
吉田東伍 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1910
著者
中村 好男
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.164-168, 1967-12-25
被引用文献数
2 3

陸生ミミズとその生息環境である土壌との関係を明らかにするため,札幌付近の火山灰土,沖積土および泥炭土の各草地で,1966年5月から11月までの7か月間,毎月2回(11月だけ前半のみ1回),陸生ミミズの種類,5%ホルマリン固定標本の湿重量(現存量)および個体数を調査した。<br>調査はそれぞれの草地を周囲2mを除き6列9行計54の長方形区(1辺が5∼9m)に分け,各列から1区ずつ合計6区を毎回無作為に抽出して,各区から表面積25cm×25cm深さ30cmの直方体に土壌をとり,Hand-sortingによってミミズを取り出し,次の結果を得た。<br>1) 採集された陸生ミミズは,ツリミミズ科の2属3種とフトミミズ科の1属4種であった。<br>2) 三つの土壌型に共通な種類は一つもなかった。<br>3) 二つの土壌型に共通なものとして,火山灰土と沖積土には,サクラミミズ<i>Allolbophora japonica</i>が,火山灰土と泥炭土にはムラサキツリミミズ<i>Dendrobaena octaedra</i>が見られ,いずれの種類も両種の土壌において,成体,未成体ともにやや似た個体数の増減傾向を示していた。<br>4) サクラミミズは両種の土壌において,個体数は50%以上を占めていた。<br>5) 種類数は火山灰土で5種,沖積土で6種,泥炭土では1種であった。<br>6) 個体数の多い順は泥炭土,沖積土,火山灰土であり,現存量の多い順は沖積土,泥炭土,火山灰土であった。<br>7) 火山灰土と沖積土では個体数,現存量とも秋に多かった。泥炭土では個体数,現存量ともに5月,8月および10月に多かった。<br>8) 一般に泥炭土では種類数が少なく他の土壌では多いと言われていたが,今回の調査でもその事実が認められた。
著者
八田 洋章
出版者
国立科学博物館
雑誌
筑波実験植物園研究報告 (ISSN:02893568)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-33, 1995-12

It is very difficult to quantitatively recognize the tree shapes as three dimensional body, although we have been unconsiously looking at them abundant in our surroundings. Various features of response of trees to their environment cause slow progress of the study of tree architecture. This paper reviews an outline of studies in tree form and author's work on shrub architecture. Attention was paid to significance of seedlings on the architectural study, because the basic growth pattern and stem form are controlled by the genetic potential. The author also noticed some of shrub in which plant body is composed of many different-aged stems and they are renewing within 2-5 years sucessively. In these plants, it is possible to investigate in detail the process of shoot growth from sprouting to death after fruiting. The constructive process of shrubs architecture will be expected to prove by these approaches. We have examined ca. 30 species every year with special reference to the branching patterns of seedlings. Noteworthy results on seedling include that (1) seedlings initially may be show a species specific growth process under a genetic control; (2) then they strongly influence the later development of tree form; and (3) species having a similar tree form may have different ways of architectural development.
著者
高橋 義男
出版者
社団法人日本循環器学会
雑誌
日本循環器病學
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.182-186, 1935-07-01

Schultz氏Agranulocytoseの原因檢索の目的を以て,諸種球菌及び其毒素注射による家兎血液像の變化を精査せり.其成績によれば或種の球菌及び其毒素は注射により白血球減少を招來する事明となれり.而して殊に連鎖状球菌を長期に亙り反覆注射すれば著明なる白血球減少を惹起す.然れどもその減少程度は白血球數3000乃至4000にして,Schultz氏Agranulocytoseに見る如き極端なる白血球減少症が單に之等球菌感染のみによれりとは想定する事能はず.
著者
小林 弘明
出版者
公益社団法人日本航海学会
雑誌
航海 (ISSN:0450660X)
巻号頁・発行日
no.95, pp.77-80, 1988-03-25

船体の運動状態を重視するミクロな航行シミュレーションを実施する場合の船体運動の数学モデルを概説する。数学モデルとしては,船体に働く流体力を直接的に表現する流力モデルと,船体運動を操作量に対する応答方程式として表現する応答モデルがある。
著者
鈴木 健夫
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農藝化學會誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.37-39, 1987-01-15
被引用文献数
2

Abscisic acid (ABA) and ethephon at optimum concentrations (0.1,1ppm) promoted rooting of preformed primordia of Morus alba L.cv.Minamisakari hardwood stem sections (cuttings). At these same optimum concentrations, ethephon stimulated the onset of new shoot elongation, rooting and defoliation, whereas ABA delayed it. At 10ppm, ABA depressed new shoot elongation and defoliation greatly and at 50ppm, inhibited bud break completely. In contrast to this, 10ppm ethephon only slightly depressed new shoot elongation but markedly stimulated defoliation.
著者
Yoshinobu Kiso
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.471-475, 2011 (Released:2011-04-15)
参考文献数
28
被引用文献数
19 23

Arachidonic acid (ARA) and docosahexaenoic acid (DHA) are major constituents of cell membranes and play important roles in preserving physiological and psychological function. Recently, data from several studies have indicated that impairments in long-term potentiation (LTP), the process underlying plasticity in synaptic connections, are associated with a decrease in membrane ARA and DHA in aged rats; and treatment of aged rats with either of these polyunsaturated fatty acids (PUFAs) reverses age-related decrease in LTP and the decrease in membrane fatty acid concentration. This review focuses on our recent findings concerning the effects of ARA and DHA on the age-related decline in the function of the brain and cardiovascular system. ARA supplementation decreased P300 latency and increased P300 amplitude of event-related potentials in healthy elderly men. Cognitive impairments in patients with mild cognitive impairment (MCI) and patients with organic brain lesions were significantly improved with ARA and DHA supplementation. ARA and DHA supplementation also increased coronary flow velocity reserve in elderly individuals; this suggests beneficial effects of PUFAs on coronary microcirculation. In conclusion, ARA and DHA may be beneficial in preventing and/or improving age-related declines in brain and cardiovascular system function.