著者
小林 義行 山本 修司 徳永 健伸 田中 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.47, pp.1-8, 1994-05-27
被引用文献数
3

複合名詞の解析は、実用的な自然言語解析システムの実現において、解決しなければならない困難な問題の1つである。本論文では、語の共起の統計的な情報とシソーラスを用いて日本語複合名詞の構造を解析する方法について述べる。語の共起関係は16万語の4文字熟語から獲得した。新聞、用語集から抽出した平均4.9の漢字からなる複合名詞を解析し、最終的に約80%の精度で解析することができた。Analyzing compound nouns is one of the crucial issues for natural language processing systems, in particular for the systems that aim wide coverage of domains. In this paper, we propose a method to analyze structures of Japanese compound nouns by using both statistics of word collocations and thesauruses. An experiment is conducted in which 160,000 word collocations are used to analyze compound nouns of which average length is 4.9. Finally, the accuracy of the method is about 80%.
著者
仁平 義明
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

1)急速反復書字によるスリップの発生メカニズム特に書字速度を独立要因とした実験結果から、急速反復書字によってスリップが発生する原因は、次のようなものから構成されることが明らかになった:(1)急速な書字では、活性化された書字運動プログラムのうちトリガ-すべき運動記憶の選択機構が障害される。(2)活性化された不適切な運動記憶の抑制機構も急速という条件によって同時に障害される。(3)運動記憶のネットワ-クを通じて不適切な運動記憶に波及した活性化の水準が時間的加重によって高進する。従ってトリガ-されやすくなる。(4)反復は自動的なトリガ-部分だけをくりかえすことになるため、選択機構の機能低下が生じる。2)スリップがあらわれるときの書字時間インタ-バルは短縮される傾向があり、「わりこみトリガリング」によってスリップが生じることが示唆された。3)ネットワ-ク内の活性化の波及・活性化は書字対象の文字とリンクしている単一の文字だけではなく、ネットワ-ク全体に波及することがスリップの出現様式から分かる。ネットワ-ク内の書字運動記憶には、このようにきわめて密接なリンクがある。4)文字の運動記憶は、単純なネットワ-ク構造になっているのではなく、文字のための違った種類の運動記憶からなる重層的なネットワ-クを形成している。
著者
Yoshimichi SATO
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.185-196, 2003-09-30 (Released:2009-01-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Although evolutionary game theory has been popular in social sciences, we have seldom checked its utility as a tool in sociology. In this paper I argue that evolutionary game theory is a good tool with which we study evolution of certain types of social order, but that it has a limitation when we apply it to the study of evolution of the division of labor. To prove the argument, I first adopt a working definition of social order as a self-enforcing relationship between action and expectation. Then I adopt the fictitious play and best reply assumptions rather than the hardwired strategy and replicator dynamics assumptions, because the former are fitter for analysis of the self-enforcing relationship. Third, I claim that the core of the division of labor is the creation of new roles and build an evolutionary game theoretic framework of evolution of the division of labor. Finally, I point out that a limitation of evolutionary game theory in the study of evolution of the division of labor as social order is that it assumes a finite set of possible actions, while evolution of the division of labor accompanies new actions. This limitation, however, shows us where to attack to make a breakthrough.
著者
竹崎 大輔
巻号頁・発行日
2008-03-25 (Released:2008-04-16)

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(工学)(課程) 学位授与年月日:平成20年3月25日
著者
沈 映玖
出版者
新領域創成科学研究科 環境学研究系 環境システム学専攻
巻号頁・発行日
2006-09-29

報告番号: ; 学位授与年月日: 2006-09-29 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第1924号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境システム学専攻
著者
高橋 和子 高村 大也 奥村 学
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.177-195, 2004-09-30 (Released:2008-12-22)
参考文献数
31
被引用文献数
1

社会調査において基本的な属性である職業は、通常、調査票に選択肢として職業コードを提示せず、自由回答法を含む複数の質問により収集したものを分析者が総合的に判断しコードを付ける。これは職業コーディングとよばれ、データを統計処理するためには必須の作業である。しかし、判断の中心となるデータが自由回答であることや職業のカテゴリ数が多い(約200)ことなどから、自由回答の分類と同様に多大な労力と時間を要するという問題が存在する。また、コーディングの結果に一貫性が欠けやすいという問題がある点も同様である。これらの問題を解決するために、自然言語処理技術の適用により職業の定義を格フレームの形式によるルールとして記述し、自動的に職業コードを決定するシステムが開発された。ルールに基づくこのシステムは、ルールにマッチしない回答をうまく処理することができないという欠点をもつが、職業コーディングで用いられる知識のすべてをルールにするのは困難である。また、ルールセットやシソーラスの継続的なメンテナンスも手間がかかる。そこで、ルールを必要としない機械学習に注目し、特に文書分類の分野で最も分類性能が高いとされるサポートベクターマシン(SVM)を職業コーディングに適用した。JGSS(日本版General Social Surveys)データを用いた実験の結果、SVMによる方法はルールベース手法より正解率が高かった。本稿の目的は、職業コーディングの自動化に対して、ルールベース手法を適用する方法およびSVMを適用する方法を提案し、その有効性を示すことである。これら2つの方法は、職業データと類似する性質をもつ自由回答の分類にも拡張が可能である。
著者
渡邊 勉
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.213-234, 2004-09-30 (Released:2008-12-22)
参考文献数
49
被引用文献数
3

本稿では、職歴データの分析を通じて、近年系列データの分析手法として注目されつつある最適マッチング分析の有効性と問題点を検討する。職歴パターンについては、これまで原(1979)、盛山(1988) などによって検討されてきた。ただ職歴データの分析はあまり進んでいるとはいえない。本稿では、1995年社会階層と社会移動に関する全国調査(SSM調査)の職歴データを最適マッチング分析により検討する。まず入職から10年間、および30年間の職歴データについて、最適マッチング分析によって距離行列を求め、さらにクラスター分析によって、それぞれ6つのクラスターを析出した。また初職、現職、学歴、職歴パターンの関係を明らかにするために、ブール代数分析をおこなった。以上の分析から、既存の類型化とは異なり、職歴の包括的な類型化が可能であることを示し、従来の分析方法では十分にできなかった職歴の新たな分析の可能性があることを示した。
著者
MIYASHIRO A.
雑誌
Amer. Mineral.
巻号頁・発行日
vol.41, pp.104-116, 1956
被引用文献数
2
著者
今田 晃一 手嶋 將博 多田 孝志
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

研修を実践につなげるためには、同一校より複数の教員の参加が有効であることが明らかになった。また、研修が単発的で教育委員会などからのトップダウン形式によるものである場合は、相談する相手がいないこと、継続的な支援がないことなどから実践への阻害要因になっていることもわかった。そこで本研究では、誰でもが必要な資料や相談を受けられるように、自主的な継続的な教員研修組織とそのためのWebページ、ICT活用が実践へと結びついた。
著者
芥川龍之介著
出版者
角川書店
巻号頁・発行日
1956
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
竹原 順次 中村 公也 三宅 亮 森田 学
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.111-116, 2007-04-30
被引用文献数
1

本研究の目的は,女子中高生における口腔乾燥感の自覚頻度および口腔乾燥感に関連する要因を明らかにすることである.分析対象は,資料が整った女子中高生997名である.口腔乾燥感の自覚率において,高校生(51.6%)は中学生(37.1%)に比較し,有意に高い値を示した(p<0.01).また,ロジステイック回帰分析の結果,口腔乾燥感の自覚(ときどきおよびいつも)に対して有意な変数は,学年(OR=1.77,高校生),食事を抜く(OR=1.53,ときどきおよびいつも),ファーストフードを食べる(OR=1.55,ときどきおよびいつも),鼻づまり(OR=2.00,ときどきおよびいつも),口呼吸(OR=1.55,ときどきおよびいつも)およびストレスを感じる(OR=2.02,ときどきおよびいつも)であった.以上より,口腔乾燥感の自覚率は,女子中学生に比べ女子高校生のほうが有意に高く,食習慣,鼻づまり,口呼吸およびストレスは口腔乾燥感の自覚に関連する要因であることが示唆された.
著者
池田 智子 鈴木 康江 前田 隆子 原田 省
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.129-138, 2011-04
被引用文献数
1

本研究の目的は,(1)高校生における月経痛と関連する因子の実態調査,ならびに(2)リラクセーション法による月経痛の軽減効果を検討することである。実態調査は,高校生1,339名を対象に無記名自記式質問紙法で実施した(有効回答953名)。その結果,月経痛がある者は865名(90.8%)で,日常生活に影響があるとした者は448名(51.8%)であった。月経痛に関連する因子として,睡眠状態の不良(オッズ比:1.43,95%Cl:1.06〜1.92),生活上のストレス感(オッズ比:1.42,95%Cl:1.06〜1.90),冷えの自覚(オッズ比:1.84,95%Cl:1.40〜2.41)などが見出された。そこでストレス感と睡眠に着目し,呼吸法とアロママッサージ併用によるリラクセーション法の月経痛軽減への効果を検討した。月経痛のある高校生で研究協力の得られた者を無作為に介入群(16名)と対照群(16名)に割り付け,介入群にはリラクセーション法を実施した。介入群では,対照群に比べ月経1日目,2日目の月経痛は有意に軽減し(P<0.05),日常生活への影響は2日目で有意に減少した(P<0.05)。POMSの緊張-不安が有意に低下した(P<0.05)。リラクセーション法の実践により月経痛の軽減効果が示され,有効な対処法として活用できると考えられた。
著者
小川 泰嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.1839-1849, 1996-10-15
被引用文献数
3

文書における部分文字列の出現を記録する部分文字列索引は 単語切り出しのための言語処理が不要という点で日本語文書検索向きである. しかし 出現位置情報を捨象しているため誤検索が発生する 検索語の長さに応じて検索時間が増大する という問題があり こうした点を改善するためには索引サイズを大きくせざるをえない. すなわち 誤検索率・検索時間・索引サイズのすべてに優れた部分文字列索引を実現することは困難であった. 本論文では ユーザの使用する可能性の高い検索語の処理を優先的に高速化し 誤検索率・索引サイズを悪化させることなく平均検索時間を短縮する効率的な部分文字列索引を提案する. このために 文字および部分文字列の2レベルの頻度を用いる. 文字レベルの出現頻度は二文字組から索引エントリを決定するためのハッシングに利用され 検索の高速化および誤検索の低減に作用する. 一方 部分文字列レベルの出現頻度は長い部分文字列を独立した索引エントりとして選択するために利用され 出現頻度が高く長い検索語の処理の高速化に作用する. 特許要約文10万件(14MB)を用いて検索時間・検索精度・索引サイズの評価実験を行い 本手法の有効性を確認できた.Substring indexing method is suitable for Japanese document retrieval systems, because it requires no natural language processing to identify words. A substring index does sometimes create false drops and retrieval time is proportional to the query length, however, an index must be large to reduce false drops or shorten retrieval response. In other words, it's difficult to get good performance measures for false drops, retrieval time as well as index size. We propose a new substring indexing method that shortens the average response time by selectively fastening retrievals of frequently used words, and yet does not either increase false drops or enlarge indexes. We use two kinds of frequency data: (1) Character frequency is used to generate a hash table for character-pairs, both increasing retrieval speed and reducing false drops, (2) Substring frequency is used to select special substring index entries, resulting in quick retrieval for long but highly frequent words. We evaluated our method using 100,000 patent abstracts. Measurement results, including response time, index size and false drop rate, confirmed the effectiveness of our method.
著者
加藤 道夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.536, pp.275-279, 2000
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Le Corbusier's architectural polychromy was analyzed on following 3 aspects. 1. The influence of De Stijl, which introduced polychromy into architecture before Le Corbusier. 2. Relations between purism's painting theory and architectural polychromy. 3. Relations between usage of equi-directional planning grid and architectural polychromy. The conclusions are as follows. 1. Architectural polychromy is the application of purism's painting theory. 2. To apply purism's painting theory to architecture, standard planes have to be established in architecture. 3. Identified with the standard planes of architectural polychromy, the imaginary standard planes to be provided by the equi-directional planning grid are able to apply purist's painting theory into architecture.