著者
小平 英志 小塩 真司 速水 敏彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.217-227, 2007-01-31
被引用文献数
7

本研究の目的は,対人関係で経験される抑鬱感情と敵意感情に焦点を当て,仮想的有能感と日常の感情経験との関連を検討することであった。調査1では,仮想的有能感尺度および自尊感情尺度が実施された。続く調査2では,大学生445名(男性238名,女性207名)を対象に,1日のうち印象に残っている対人関係上の出来事とそれに対する抑鬱感情・敵意感情を7日間に渡って記入するように求めた。その結果,他者軽視傾向が強く自尊感情の低い『仮想型』が,抑鬱感情,敵意感情の両方を強く感じていること示された。また,7日間の評定値の変動に関しても,他者軽視傾向が弱く自尊感情の高い『自尊型』と比較して大きいことが示された。本研究の結果から『仮想型』に分類される個人は,特に対人関係に関わる出来事に関して,日常から不安定で強い抑鬱感情,敵意感情を経験していることが示された。
著者
永崎 孝之 岡田 裕隆 甲斐 悟 高橋 精一郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.867-871, 2010 (Released:2011-01-28)
参考文献数
13
被引用文献数
2

〔目的〕吹矢トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響を呼気筋トレーニングと比較して,検討することである。〔対象〕健常者19名。〔方法〕無作為に吹矢群10名と呼気筋トレーニング群(呼気筋群)9名の2群に分け,吹矢群には吹矢トレーニング,呼気筋群にはスレショルドPEPを用いた呼気抵抗負荷トレーニングを実施し,呼吸機能の肺活量,努力性肺活量,一秒量,一秒率,呼気最大流速(PEF),呼気最大口腔内圧(PEmax),吸気最大口腔内圧を測定し,各群内および群間で比較した〔結果〕吹矢群はPEF,PEmaxの数値が増加し統計学的有意差を認めた。その他の呼吸機能は差を認めなかった。呼気筋群はPEF,PEmaxの数値は増加したものの統計学的有意差を認めなかった。その他の呼吸機能についても差を認めなかった。また吹矢群と呼気筋群の呼吸機能の比較おいては統計学的有意差を認めなかった。〔結語〕吹矢トレーニングはPEF,PEmaxを増加させ,呼気筋トレーニングと同様の影響を呼吸機能に与えることが示唆された。
著者
H. Takagi T. Saeki T. Oda M. Saito V. Valsala D. Belikov R. Saito Y. Yoshida I. Morino O. Uchino R. J. Andres T. Yokota S. Maksyutov
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.161-164, 2011 (Released:2011-10-29)
参考文献数
32
被引用文献数
43 54

We assessed the utility of global CO2 distributions brought by the Greenhouse gases Observing SATellite (GOSAT) in the estimation of regional CO2 fluxes. We did so by estimating monthly fluxes and their uncertainty over a one-year period between June 2009 and May 2010 from 1) observational data collected in existing networks of surface CO2 measurement sites (GLOBALVIEW-CO2 2010; extrapolated to the year 2010) and 2) both the surface observations and column-averaged dry air mole fractions of CO2 (XCO2) retrieved from GOSAT soundings. Monthly means of the surface observations and GOSAT XCO2 retrievals gridded to 5° × 5° cells were used here. The estimation was performed for 64 subcontinental-scale regions. We compared these two sets of results in terms of change in uncertainty associated with the flux estimates. The rate of reduction in the flux uncertainty, which represents the degree to which the GOSAT XCO2 retrievals contribute to constraining the fluxes, was evaluated. We found that the GOSAT XCO2 retrievals could lower the flux uncertainty by as much as 48% (annual mean). Pronounced uncertainty reduction was found in the fluxes estimated for regions in Africa, South America, and Asia, where the sparsity of the surface monitoring sites is most evident.
著者
ソジエ内田 恵美
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

モーリシャス共和国は植民と移民の歴史から成り立ち、インド・中国・アフリカ・ヨーロッパ・ミックス系と多民族・多言語社会である。モーリシャス共和国は1968年の独立以来、砂糖黍の単一産業による植民型経済から、繊維・観光・ITなどからなる複合型経済へと変革を成功させ、アフリカ圏随一の高い経済発展を経ている。グローバル経済への参加は、英語・仏語といった旧宗主国言語を国際共通語として促進する傾向が強いが、各政党はその動きとは逆に、支持基盤確保を狙い、モーリシャス独自の言語であるクレオール、祖先の言語にあたるインド系や中国系言語を優遇する政策を掲げてきた。本研究では、社会的特徴が異なる中学校六校の生徒562名と教員45名にアンケート・インタヴューを行い、その言語状況を調査した。参加者は全員多言語話者であり、典型的な例として、家族や友達とはクレオール、学校の教員とは英語・仏語、宗教儀式はヒンディー、アラビア語、仏語、Eメールでは英語・クレオールと、使い分けることが多い。学校で使用される教授言語は、英語のみが一番多く、英語・仏語・クレオールの混合型が続いた。都市校よりも田舎校の教員はクレオールを含む多言語を使用し、生徒の満足度も高い。クレオールに対する態度にも都市・田舎での差異がみられ、田舎校ではクレオールにより好意的な意見が多い。田舎校では、クレオールは指導言語として使用されるべきと考え、またクレオールの綴りが標準化されるべきと考える生徒の割合が高い。言語に対するイメージとしては、英語・仏語は概ね、社会・経済的成功をもたらす権威ある国際語として認識されており、歴史上植民宗主国から強制された言語との見方はほとんどない。祖先の言語は年配者や祖先の文化への尊敬の念を示すものとして捉えられるが、実用的でないとの意見も顕著である。クレオールはモーリシャス人としてのアイデンティティを形成すると考えられるが、学習意義に対する意見は多岐に渡る。モーリシャスの若い世代は植民地としての過去に囚われることなく、その独自の多文化性を誇り、国際社会における経済的成功を重視する傾向が強い。母語(日本語)における教育が基盤となっている日本は、植民地としての過去を持つモーリシャス共和国とは社会・歴史・経済的状況が大きく異なる。しかし、グローバル化が進みにつれ、英語などの目標言語を指導言語とするイマージョン教育は、その重要性を増してきた。そのため、モーリシャスの教育制度に見られるようなアプローチで、初期から外国語を使った教育を導入する必要があるだろう。しかし、本研究で田舎校の教員がクレオールの使用で示唆したように、生徒に外国語で学問の本質を学ばせるため、そしてそれを確かめるためには、母語による教育は不可欠である。
著者
小山田 一 守時 由起 茆原 順一 植木 重治
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロスタグランジンD2(PGD2)はアレルギー炎症の形成に重要な役割を担っている。PGD2の作用は細胞表面受容体であるCRTH2/DP1、もしくは核内受容体を介していることが知られていたが、これまでの検討から未知の細胞表面受容体の存在が示唆された。われわれはPGD2がケモカイン受容体CCR3の発現を抑制し、これが通常リガンド刺激で認められるinternalizationによるものであることを見いだした。そこでPGD2がCCR3を介して機能している可能性を、トランスフェクション細胞を用いた受容体結合試験やカルシウムシグナルによる検討を行ったが、いずれにおいても否定的な結果が得られた。
著者
大谷 実 杉野 修 森川 良忠 館山 佳尚 濱田 幾太郎 浜田 幾太郎
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

第一原理分子動力学シミュレーション手法を用いて,電気化学反応のシミュレーションを行った.固液界面における電子移動反応・界面構造の変化・吸着状態の変化など,電圧を印加した界面に特有な物理が多数明らかになった.
著者
小川 知弘 塩崎 賢明
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.623, pp.131-136, 2008-01-30
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

The large-scale residential quarter development which exceeds 50ha is done 374 cases. As for these residential quarters it is many in Tokyo and Osaka periphery. Japanese Newtown Act have made 49 Newtown. Japanese New town Act's law has been given expropriation right. Expropriation right was used 24. areas. Japanese New town Act's law because planned characteristic is strong.
著者
Masahiro FUNAHASHI Fapei ZHANG Nobuyuki TAMAOKI
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Electronics (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.E94-C, no.11, pp.1720-1726, 2011-11-01

Thin-film transistors based on Liquid-crystalline phenylterthiophenes, 3-TTPPh-5 and 3-TTPPhF4-6 are fabricated with a spin-coating method. The devices exhibit p-type operation with the mobility on the order of 10-2 cm2V-1s-1. The field-effect mobilities of the transistors using 3-TTPPh-5 and 3-TTPPhF4-6 are almost independent of the temperature above room temperature. In particular, the temperature range in which the mobility is constant is between 230 and 350 K for 3-TTPPh-5.
著者
HENMI C.
雑誌
Mineral. Mag.
巻号頁・発行日
vol.59, pp.549-552, 1995
被引用文献数
7
著者
泉 邦彦 小沢 俊 堺 拓之 若月 英三
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.96-112, 1982-03-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
8
被引用文献数
3

顎舌骨筋の起始部である顎舌骨筋線は一般に知られているように, 歯科臨床学上重要である。そこで, 筆者らは, インド人成人下顎骨体内面の石膏模型を作製して, モアレ縞等高線を応用しその形態を観察及び計測した。さらにX線を撮影し顎舌骨筋線と歯根尖との位置的関係をも併せて計測し, 比較検討した。今回, モアレ縞で観察した後大部の顎舌骨筋線は, 後端がM3の遠心または後方で直線的に経過するものが多く, 前端はP2の付近で終るのが半数をしめる。さらに, 顎舌骨筋線の最大豊隆部の位置は大部分がM3付近にあり, この部位の外形は点状及び線状形が多く, 梨形もみられる。X線による顎舌骨筋線と歯根尖の位置的関係は, 顎舌骨筋線と根尖とが一致するM1を中心として, P2とその前方歯では, この筋線より上方に, M2とその後方歯では, この筋線より下方に位置する。そして, この一致点は, 日本人ではM2でありインド人では少し前方にある
著者
斉藤 博 伊藤 一三
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.8-16, 2001-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
33
被引用文献数
1

舌骨は嚥下や発声において複雑な運動を示す。茎突舌骨筋は舌骨を後上方に引き上げる筋であるが, 舌骨に付着する部位はこれまで明確にされていなかった。SEMを用いて観察した結果, 茎突舌骨筋は正中部を除く舌骨体下面に広く付着していることが明らかになった。この筋の付着部に, 厚さ0.5-1mm, 長さ10-17mmの線維軟骨塊が舌骨体の下面に沿って認められた。茎突舌骨筋の腱線維束は線維軟骨に入る前に, ほかの舌骨付着筋と錯綜していた。また線維軟骨塊の内部においても同様の錯綜が認められた。これらの錯綜は互いの筋が結合を強めあうことを示していると考えられた。このように線維軟骨塊に多くの筋が入り込むことは, 嚥下運動などにおいて, 筋で支持されている舌骨がその位置を変える運動を円滑にしている。また嚥下運動において, 舌骨は同時に回転運動を行うことがすでに知られている。多くの筋が線維軟骨塊に入り込むことは, この線維軟骨塊を固定することを可能にしている。したがって, 舌骨は線維軟骨塊を軸として, オトガイ舌骨筋や甲状舌骨筋により前後に回旋すると考えられた。
著者
館山 佳尚 袖山 慶太郎 隅田 真人
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題は触媒・電池系の重要基本過程であるドナー-アクセプター間電子移動過程の電子・原子スケールでの定量的解析を実現するために、始状態と終状態を区別可能な「拘束スキーム」を導入したDFT計算手法の開発・確立に取り組み、さらに触媒・電池系内の固液界面の電解質ー吸着子ー基板系への適用を実行しました。本研究で開発された計算手法により界面電子移動過程に関する微視的理論が大きく進歩し、また触媒・電池系内の化学反応の微視的描像が確立し、高効率化に向けた指針がより明確になることが期待されます。