著者
鹿又 伸夫
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-48, 2006-04-30 (Released:2007-08-01)
参考文献数
15
被引用文献数
7 11

日本における計量社会学的研究は、多重比較をおこなう研究課題にたいして、交互作用変数の投入をともなう同時分析ではなく、分割比較を多用してきた。しかし、標本を比較の単位ごとのサブ・サンプルにわけたうえで、同じ独立変数をもつモデルで別々に分析した結果を比較する分割比較では、比較された単位ごとの異同の判断が研究者の主観に左右されやすい。そこで、教育達成を題材にして、多重比較をロジットモデルによる同時分析でおこなう方法について例示的に検討した。とくに順序ロジットは、節約的な性質をもつので、多重比較の同時分析モデルとして使用しやすい。ロジットモデルにかぎらず、他の種類のモデルにおいても同時分析の可能性を探求する努力が必要だろう。
著者
橋本 温 河井 健作 西崎 綾 松本 かおり 平田 強
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.282-287, 1999-04
被引用文献数
5

In order to investigate the occurrence and indicator of protozoa in water, water samples were collected from 11 points along the Sagami River and its tributaries for 9 months. The concentrations of Cryptosporidiurn oocysts, Giardia cysts and potential indicators (presumptive Clostridium perfringens spores, Escherichia coli, coliforms, aerobic spores and turbidity) were analyzed. Cryptosporidium oocysts were detected at 10 of the 11 sampling points (GM 34 presumptive oocysts·100l-1, 24 confirmed oocysts·100l-1) and Giardia cysts were detected at all sampling points (GM 30 presumptive cysts·100l-1, 12 confirmed cysts·100l-1). Based on a regression analysis, the concentrations of presumptive C.perfringens spores and E.coli were significantly correlated with the concentrations of protozoa. In a multiple regression analysis, the concentration of presumptive C.perfringens spores, E.coli and aerobic spores were selected as explanatory variables for the protozoan concentrations. The results indicated that presumptive C.perfringens spores, aerobic spores and E.coli were useful indicators for protozoan contamination.
著者
増田 有紀
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は,学習者の量に関する認識上の困難点を学習者の立場から特定し,学校数学における量に関する学習指導全体を再構築することである。昨年度と今年度の2年間は,学校数学で学習される量の中でも特に,独自の特性を有する「角の大きさ」に焦点をあて,はじめに,量とその測定に関する指導の順序を示す「測定指導の四段階」と角の概念が有する特徴との関連を精査しながら,小学校から高等学校までの複数の学校段階における角の計量的側面に関する学習の要件を理論的に解明した。次に,その要件の獲得に困難を示す場面を実証的に特定し,そのような困難性を抱える学習者の立場から,角の学習指導全体のあり方を学校段階に応じて総合的に検討した。その結果,以下の二つの研究成果が得られた:1.複数の学校段階にみられる角の学習上の困難点とその背後にある要因を顕在化し,困難点を解消する方法を探究する立場から角の学習指導の改善のための示唆を得る方法を解明したこと,2.角の学習指導に関する実践上の課題を解決するために,上述の方法を適用し,角の学習上の困難点とその要因の解明を通して得られる知見によって,学校数学における角の学習指導の改善の指針を提示したこと。本年度は,上述のような成果に関して,学位論文「角に関する学習上の困難点の特定とその解消の方法-学校数学における角の学習指導の改善に向けて-」を執筆し,平成23年3月25日付けで筑波大学より博士(教育学)の学位を取得すると同時に,第34回数学教育心理学会(PME34),第5回東アジア数学教育国際会議(EARCOME5),日本科学教育学会第34回年会,日本教材学会第22回研究発表大会,日本数学教育学会第43回数学教育論文発表会の学会で発表した。
著者
石橋 賢一 城 謙輔 作部 保次 影山 幸雄 鶴岡 秀一
出版者
独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター)
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

アクアポリン11(AQP11)ノックアウトマウスの解析と、線虫のアクアポリン(AQP-CE1~AQP-CE11)の解析を中心におこなった。AQP11がないと嚢胞腎になって腎不全で生後1ヶ月で死ぬ。嚢胞ができる前に近位尿細管に空胞ができるがこれが小胞体を中心とした拡張であることが電顕でわかっていたが、その原因として細胞内オルアネラのpH異常が関与している可能性があきらかになった。これは近位尿細管細胞の初代培養でノックアウトマウス由来のはエンドソームのpHの低下がよわくなっていたことからの類推である。また、ノックアウトマウスの異常がAQP11の直接作用によることが、抗体による組織染色で近位尿細管細胞のみが染まり、また細胞膜ではなく細胞内が染色されることから類推される。まだ空胞変性から嚢胞形成に至る過程が不明である。また培養株細胞(HEK細胞))にGFPでラベルしたAQP11を一過性に発現させると、やはり細胞膜には発現せず、細胞内にとどまっているが、小胞体マーカーと一致して発現しており、in vivoの発現様式に類似していた。空胞ができる1週令の腎臓のRNAのマイクロアレイを行い2倍以上変化する遺伝子を10同定し解析中である。腎臓皮質に限局した嚢胞腎の症例はみあたらなかった。生き延びた稀なノックアウトマスは子孫をつくれるが、精巣の萎縮、とくに精細管上皮の細胞数の減少がみられた。線虫のアクアポリンすべてについてプロモーターの下流にGFPをつけて発現細胞の同定をおこなった。オーバーラップした発現が観察された。また11個のアクアポリンすべてについてRNAiによる遺伝子破壊をおこなったところフェノタイプの異常は認められなかった。オーバーラップしたアクアポリンによる代償で異常が認められなかった可能性もあるので2重。3重の遺伝子破壊を計画している。
著者
西村 知紀
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

価電子帯端に強いフェルミレベルピンニング(FLP)を生じる金属/ゲルマニウム(Ge)界面においても、Geの結合する(非金属)元素や界面近傍のGeの構造の変調が大幅にピンニング準位をシフトさせた。このことは界面及び界面近傍のGe原子の結合構造がピンニング準位と相関していることを示している。一方界面への極薄絶縁膜の挿入は膜種によって大幅に異なる緩和の挙動を示しており、金属/Ge界面のFLPの強さの起源は単純な界面準位もしくは金属からの波動関数の染み出しによる描像では難しく、より複合的な効果を考える必要があることを示している。

1 0 0 0 OA 水平道

著者
栗須七郎 著
出版者
水平道舎
巻号頁・発行日
1928
著者
関和 裕介 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.277, pp.7-12, 2009-11-05
被引用文献数
1

携帯通信端末の高性能化・低価格化,および通信・放送インフラストラクチャの高度化・大規模化により,携帯インターネット,位置情報サービスや電子マネーサービスなどのモバイルマルチメディアサービスは飛躍的な進歩と普及を遂げている.しかしながら,実用化されたサービスの全てがビジネスとして成功し広く普及しているわけではないし,順調にサービスが提供されているとは限らない.本報告では,(1)2009年3月にサービス終了となったモバイル衛星放送サービス;(2)2009年から2010年にかけて相次いでサービス終了となる携帯電話のPTT(プッシュ・ツー・トーク)サービス;および(3)日本における携帯電話サービスで頻発したエラーに焦点を当て,失敗に至る経緯,海外との比較ならびに失敗要因の分析を示す.
著者
岸本 章宏
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

探索アルゴリズムはコンピュータサイエンスにおける基本的な手法であり、重要な応用分野の一つとしてゲームがある。ゲームの利用者の観点からは、探索アルゴリズム(ゲーム木探索アルゴリズム)が高速にかつ正しく問題を解けることが要求される。ところが、これまでのゲーム木探索アルゴリズムは、探索効率を落としたくないために正当性を保証しないアルゴリズムを利用するか、または解の正当性を保証したいために何千倍も遅い非効率なアルゴリズムを用いるかというどちらかの妥協を行ってきた。本研究では、このような探索効率と正当性の問題を解決するのが目標である。平成18年度の研究では、探索アルゴリズムの正当性を理論的に証明でき、効率的であることが分かったので、平成19年度は、研究目標にある通り、探索アルゴリズムのさらなる効率化を行った。囲碁とチェッカーを探索の題材に選び、コンピュータ上に開発したアルゴリズムを実装し、実験的に効率の良いアルゴリズムであることを示した。本研究の大きな成果として、チェッカーが引き分けであることを証明し、Science誌に掲載され、2007年度の科学的進歩の第10位にランクされた。また、最新の関連研究を調査し、本研究との比較を行い、開発した手法が優れていることが分かった。さらに、囲碁を題材にして、ランダム・サンプリングを用いた方法と効率に関する研究を開始した。ランダム・サンプリングを行う対象としては、囲碁を用いた。ランダム・サンプリングと木探索を組み合わせると非常に有効であることが、実験的に分かった。
著者
岩田 洋夫
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.78-81, 2007 (Released:2008-07-04)
参考文献数
3
被引用文献数
4

体性感覚とは,皮膚に分布した感覚受容器の検出する情報(皮膚感覚)と,筋肉や関節にかかる力の感覚(深部感覚)が複雑に合わさったものである.これらの感覚に合成的な情報を提示するためには,機械的な装置が必要であり,実装には多くの困難が伴う.本稿では,手による物体操作と足による歩行に着目し,体性感覚呈示技術の現状と課題を紹介する.
著者
太田 裕之
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究では,「環境や社会や後生への配慮」といった,ある種のモラリティが重視されつつある時代のニーズに応えるため,人々のモビリティにおけるモラリティの向上,および,共同利用(シェアリング)の普及に資するための,自動車会社からなすべき社会コミュニケーションのあり方を把握し,望ましいクルマ社会のありかたと,その状態への移行戦略を模索するための基礎的知見を得ることを目的とし,特に,カーシェアリングやエコカーを題材とした,受容性把握,受容性向上施策,受容後の意識やライフスタイルの変化についてアンケート調査等を通じ検討を行った.(1)社会コミュニケーションがモラリティ商品の購買行動や受容行動に及ぼす影響把握既存の単体製品(エコカー)およびカーシェアリングを題材に上げ,前年度に全国の免許保有者を対象としたインターネット調査を実施した.今年度はこれら両製品の現状における受容意向,および受容性の向上に資する要因を取りまとめ論文・学会発表を行った.また,上述の調査結果を踏まえ,カーシェアリングの加入促進を目的とし,オリックス自動車(株)の協力の下,実際にカーシェアリングが実施されている地域において,周辺住民や事業所を対象とした現場実験を実施し,加入促進に資する条件を取りまとめた.(2)モラリティ配慮商品の購入が人々の意識・ライフスタイルに与える影響把握モラリティ配慮商品とし,既存のエコカーを題材に上げ,新規買換購入直後6ヵ月以内の自動車保有者を対象とし,購入直後6ヵ月以内,および,その後8ヵ月経過後において,走行距離の変化を調査した.結果,エコカー購入者の方が,走行距離がより上昇するとの結果が得られた.また,開発段階の一人乗り電動式小型可搬式モビリティを題材に上げ,実際に社会に導入された場合における影響を心理学的な観点から分析した.
著者
前川 亨
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.348-302, 2003-03

The Xuepen-jing, a Buddhist scripture formed in China, explains that women, due to the belief that bleeding at childbirth or menstruation pollutes the earth and water, will go to a hell after their death called “The Bloody Pond”(Ch., Xuepenchi or Xuehu; J., chi no ike), where they must undergo numerous great hardships until they are saved by a Buddha or a Bodhisattva.The scholarly research on this scripture began with an excellent paper by Michel Soymie, and following this achievement, many additional studies appeared regarding the Japanese reception of the text.However, although we find many references to the Xuepen-jing or “The Bloody Pond” in studies of Chinese folklore and Taoist rituals, there are almost no studies on the state of the Chinese popular belief associated with this scripture.In this paper, we will examine the various aspects of the Chinese Xuepen-jing textual genera, and then present some fundamental views on them taking the lead of existent studies on the Japanese reception of Xuepen-jing.The paper will consist of three parts.1, Classification and arrangement of materials. In contrast to the case of Japan, the Chinese varieties of Xuepen-jing include various texts that fall outside the Buddhist textual tradition. Therefore, we must first classify these materials. In accordance with their form and content, we can arrange the various texts into three general categories: Xuepen-jing texts in the narrow sence (i. e. Buddhist scriptures), Xuehu ceremonial manuals (Taoist ritual writings), and quasi-Xuepen-jing materials. In this section, we will also introduce some new materials for examination.2, The causes for falling into “The Bloody Pond” and the types of people who took the fall. Here we will examine whether childbirth alone was the cause for women descending into “The Bloody Pond”, or if menstruation was involved as well. We also will investigate the issue of whether it was exclusively women who took the fall, or if men also descended into this ghastly hell.3, Women's original sin and the gratitude due to mothers. In this section, we will present the hypothesis that in China the Xuepen-jing existed as a “filial piety” scripture which combined the original sin of women with the sanctity of the mother, according to “the gratitude due to the mother”.
著者
守岡 知彦
出版者
京都大学人文科学研究所
巻号頁・発行日
2005
著者
渡邉 慶
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

計画初年度および2年度の研究の結果、ニューロン活動記録実験(本実験)に用いる行動課題として、Dual task paradigm(二重課題法)と呼ばれる刺激提示方法を用いることが本研究の目的に最も適していることが明らかになった。二重課題とは、被験者に同時に二種類の異なる課題を行わせる実験手法である。この時、二重課題を構成するそれぞれの課題の正答率は、個々の課題を単独で課した場合の正答率より低下することが、二重課題干渉(Dual task interference)として知られている。本研究で用いた二重課題では、サルに、視野内の異なる場所に配置されたリング状の視覚刺激の輝度の微細な変化を検出(注意課題)させる傍らで、視野内の5カ所の内のいずれかに提示される別の視覚刺激(正方形の一様光ディスク刺激)の場所を記憶させる(短期記憶課題)という二種類の課題を同時に課した。行動データ解析の結果、2頭のサルにおいて、二重課題干渉が起こることが示された。即ち、両課題を同時に行った二重課題場面における各課題の正答率が、注意課題と短期記憶課題を別個に行った場合の正答率に比べて、顕著に低下した。更に、サル前頭連合野から単一ニューロン活動を記録・解析した結果、2頭のサル両者において、前頭連合野のニューロン活動が二重課題干渉を示すことが明らかになった。即ち、短期記憶課題を単独で課した場合に記録された記憶関連活動が、同一の課題が二重課題の一部として行われた場合には、顕著に減衰することが示された。更に、二重課題場面における記憶関連ニューロン活動の減衰の大きさは、行動レベルで観察された二重課題干渉の大きさと相関していることが示された。従って、行動レベルで観察された二重課題干渉という現象は、前頭連合野の単一ニューロンの挙動によって説明されることが示された。本研究の結果は、多くの心理現象の説明に幅広く用いられてきた「認知資源」という心理学的概念に、神経科学の立場から直接的な証拠を提示するという意義を持つ。
著者
STEVENS S. S.
雑誌
Psychological Review
巻号頁・発行日
vol.42, 1939
被引用文献数
1 203