著者
斎藤 直樹
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:18806767)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-22, 2008

This article attempts to examine problems involved in the eroding Six Party Talks aimed at dismantling nuclear weapons of North Korea.
著者
山崎 一夫
出版者
大阪市立環境科学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

紅葉の色彩は植食性昆虫に対する警告信号であるとする仮説と、秋に好蟻性アブラムシを誘引し翌春にアリによって木を植食性昆虫から守ってもらう機能があるとする仮説を、野外調査で検証した。4 地点3 樹種の調査から2 仮説が支持されることはなかったが、紅葉が虫に対する抵抗性と相関をもつ例があった。また、150 種以上の植物で新葉と古葉の色彩を比較したところ、春の新葉と秋の古葉の色が異なるケースが多く認められ、春と秋で葉色に対する選択圧が異なることが示唆された。
著者
田中 文昭
出版者
学校法人 誠昭学園 うちあげ幼稚園
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

(1) 研究目的 幼稚園で行われている異年齢交流行事に幼稚園就園前の子ども(以下、未就園児)と保護者が参加する際の、「場の機能」に関する多角的アプローチによる記述研究である。我が子や幼稚園児と活動をともにすることによって、未就園児保護者の発達に関する考えがどのように変化してくのか等を探索し、より豊かに記述することを主たる目的とした。(2) 研究方法と成果 まず、保護者と未就園児等の活動の様子を観察してGTAで分析することにより、子どもの活動への参加状態や普段の様子との比較などが保護者の心理にどのように影響を及ぼすのかについて、より詳細な記述枠組みが示された。中でも保護者が我が子に対して活動への参加を促すヴァリエーションの多様性を記述できた。これらのまとめについては日本保育学会等の学術誌に投稿予定である。質問紙では親子の現状、活動での保護者や子どもの参加状態、活動後の保護者の思いや子どもの変化、父親の家庭での役割や活動参加に対する気持ちなどについて尋ねた。子どもだけではなく保護者自身にも影響がどのようにもたらされているのかが具体的に示された。このような子育て支援イベントに対する参加者の期待や要望も浮き彫りになった。面接調査は質問紙で示されたことを掘り下げる方向で行い、未就園児保護者の子育て環境や子育てに対する考え方がさらに具体的に語られた。質問紙で方向づけられ面接で深められた知見に考察を加え、兵庫教育大学の研究紀要論文用にまとめる予定である。また、本研究は大阪教育大学幼稚園教員養成課程の「幼児教育研究調査法」の環として、実際の研究に学生が参画して学ぶ機会を提供するものとなった。なお、この研究への正統的周辺参加の過程については、大阪教育大学幼児教育学教室研究紀要『エデュケア』2008年度号に、教育と研究が相互に深く浸透した幼稚園と大学の協働活動の事例紹介として掲載された。
著者
高田 雄京 奥野 攻 越後 成志 菊地 聖史 高橋 正敏
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

静磁場による骨の成長誘導の可能性を調べるため、耐食性に極めて優れた無着磁および着磁白金鉄磁石合金(Pt-59.75at%Fe-0.75at%Nb)をウィスターラットの両側脛骨にそれぞれ1〜12週埋入し、骨親和性と静磁場刺激による骨誘導を光学顕微鏡とX線分析顕微鏡を用いて評価した。同時にコントロールとして、骨および生体親和性の高いチタンおよび生体用ステンレス鋼(SUS316L)においても同様の実験を行い、それぞれの骨成長を比較検討した。その結果、静磁場の有無に関わらず白金鉄磁石合金表面に形成する新生骨のCa/Pは、チタンや生体用ステンレス鋼と同等であり、皮質骨との有意差はなかった。また、4週以降では、いずれも埋入金属全域を新生骨が覆い、白金鉄磁石合金に形成した新生骨は、静磁場の有無に関わらず微細領域においても皮質骨と同等のCaとPの分布を示し、十分に成熟した骨であることが明らかとなった。これらのことから、白金鉄磁石合金に形成する新生骨の成熟度、形成形態、形成量は静磁場の有無に依存せず、いずれもチタンに準じ、生体用ステンレス鋼よりも優れていることが明らかとなった。特に、白金鉄磁石合金において、静磁場の有無に関わらず生体為害性が全く現れなかったことから、生体内で利用できる磁性材料としての可能性が非常に高いことが示唆された。しかし、白金鉄磁石合金の形状が小さく局所的で強力な静磁場が得にくいことや、ウィスターラットの骨代謝が速いことから、本研究課題の期間内では静磁場による骨の成長速度の相違を明瞭に見出すことができなかった。今後の課題として、局所的で強力な静磁場を付与できる磁石とラットよりも骨代謝の遅い動物を用い、静磁場刺激による骨の成長誘導を試みる必要があると考えられる。
著者
正木 忠彦 石丸 悟正 富永 治 山形 誠一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

目的大腸癌に見られる遺伝子変化の中で18番長腕の染色体の欠失が大腸癌の進展の中で、どのような意義があり、また臨床上応用されうるかを検討しるものである。材料と方法手術より得られた大腸癌原発巣80例で検討した。標本は-80℃で保存し、proteinase-K及びフェノール/クロロフォルム症例によりDNAを抽出した。18番長腕の染色体の欠失は、DCC内のマイクロサテライトの多型性を利用し、polymerase chain reaction (PCR)法を用いLOHを判定した。結果遠隔転移による死亡はDCCのLOHが見られないものでは、3/15 (20%)、LOHのみられるものでは13/31(42%)であった。術後生存期間をDCCのLOHで検討してみると、単変量解析では、有意差が出なかったが、有意に生存に関与していたDukes分離と(p=0,019)組織型(p=0.002)を考慮に入れた多変量解析をおこなったところ、DCCのLOHのある症例は、術後生存期間が短いという傾向が出た。(p=0.056)結論ガン抑制遺伝子であるDCCの存在する第18番染色体長腕の欠失は、大腸がん患者において予後に相関し、有用な臨床マーカーとなりうる可能性が示唆された。
著者
橋本 伸哉 谷 幸則
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

微生物によるハロカーボンの生成量および生成機構に関する知見を得ることを目的とした。微生物の培養液等の粘性の高い試料中のハロカーボンを高感度に分析するために、ダイナミックヘッドスペース法(DHS法)による分析条件を検討した。標準溶液をDHS-ガスクロマトグラフ質量分析装置で測定した結果、pmol L^<-1>~nmol L^<-1>の間で直線性がみられ、再現性も良好であった。本分析法をバクテリア培養液の測定に適用し、バクテリアによるクロロメタン、ブロモメタンの生成を初めて明らかにした。
著者
ナ・バンチャン プリム 藤井 俊彰 谷本 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.517, pp.1-4, 2002-12-10
被引用文献数
4

我々はリアルタイムの画像光線空間データ獲得とその処理を行うシステム、「自由視点テレビ」を提案する。このシステムを用いて、ユーザはリアルタイムに実世界で視点を移動するかの如く自由に視点を変更することができる。この手法は実画像を元に視点修正を行う光線空間法を基本としており、我々の試作システムでは一直線上に配置した16台のCCDカメラを使用してこれを実現している。補間は光線空間データ補間フィルタリングを基本に行っている。我々の試作システムは民生機のみの使用であるが、処理速度と画質の双方において良好な結果が得られている。

1 0 0 0 IR 冬の歌

著者
佐藤 一雄 [サトウ カズオ]
出版者
第五高等學校龍南會
雑誌
龍南
巻号頁・発行日
vol.193, pp.58-59, 1925-03
著者
岩本 善行 澤田 東 阿部 大輝 澤田 康雄 大津 金光 吉永 努 馬場 敬信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.1663-1671, 1998-06-15
被引用文献数
5

本稿では,並列処理の性能に大きな影響を与えるメッセージパッシング処理を高速化するための,2つの手法を提案する.第一に,従来のソフトウェアによるOSで行っていたものを,よりハードウェアに近いファームウェアによって実現する方法と,第二に,これから到着するメッセージをプロセッサのアイドル時に予測して投機的に先行実行する受信メッセージ予測の手法である.これらの効果を実験的に調べるため,A?NETマルチコンピュータに実装し評価を行った.その結果,受信処理のファームウェア化により,アプリケーションによって最高で約6.3倍の高速化が達成され,また受信メッセージの予測によるメッセージ転送の高速化法では,1回の予測あたり80.7マシンサイクルの先行実行を行えることが明らかになり,その有効性が確認できた.Message passing significantly affects the performance of parallel processing programs.This paper proposes two methodologies for high performance message passing.The first method implements the message receiving function using firm-ware instead of conventional OS software.The second method predicts message receptions when a processor is idle,and executes,speculatively,the message reception process.We implemented and evaluated these methodologies on the A-NET multicomputer.The experimental results show that the speedup ratio for the first method is about 6.3 times and second method can achieve savings of approximately 80.7 machine-cycles per one prediction.
著者
菅野 長右エ門 元島 英雅 飴谷 美智子 東 徳洋 栗城 均
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

ラクトフォリン(LP)は、牛乳のホエータンパク質の約10%を占め、主に27kDaと17kDaの糖ペプチドの分子間結合による糖タンパク質複合体(約150kDa)で、その一次構造における疎水性アミノ酸残基の含量と局在性から高い乳化機能をもつことが期待される機能性糖タンパク質である。本研究では、1)LPをチーズ製造における副産物であるホエーから分離するための簡易な方法をまず研究室レベルで試験し、これをパイロットプラントスケールで追試し、簡易に分離できる方法を開発すること、2)得られた分離品の乳化機能及びリポプロテインリパーゼに対する抑制効果の試験を行ってその機能を評価することを目的とし、次の結果が得られた。1.チーズ酸ホエーからLPに富む画分を分離精製する方法を研究室スケールでの研究成果を基盤にパイロットプラントスケールにおいて確立した。すなわち、363kgのチーズ製造で生じた酸性ホエーを限外濾過装置(分画分子量50万)で濃縮し、加水による膜透析、逆浸透膜装置での濃縮後、pHを4.0に調整し、95〜100℃で30分間加熱処理し、上清を凍結乾燥してLPに富む画分を54g得ることができた。本研究によって、ホエー中のLPを主要成分とする画分をpH調整用試薬等を用いただけで、物理的な方法のみで高度に精製できる実用的な方法を初めて開発した。2.より高い純度のLPは、分離したLPに富む濃縮画分をゲルろ過クロマトグラフィーによって分離精製することができた。3.LPに富む画分と乳脂肪からなるエマルションを、タンパク質濃度、乳脂肪濃度及びpHを変えて調製し、その乳化活性、粘度、粒子のメジアン径、比表面積、乳化安定性等の乳化特性を測定し、LPに富む画分の乳化能が高いことを確認した。4.LPに富む画分は、リポプロテインリパーゼによるリポリシスの52%の阻害効果を示したのに対して、高純度に精製したLPは約70%の阻害を示し、LP量を増大すと90%阻害した。