著者
半田 健壽
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-5, 2005-02-20

日本理学療法学術大会(以下大会)は今回で39回を迎えた。宮城県理学療法士会の担当で平成16年5月27日(木)から29日(土)の3日間にわたり, 「病気障害, そして健康-理学療法学の近未来に向けて」をテーマに行われた。大会開催は, 10数年前からの開催構想, 士会で開催のコンセンサスを得ることまで含めると5年間にわたる準備の一大プロジェクトであった。特別講演をはじめ多くの企画に加え, 一般演題もこれまでの最高の1,059題(応募数は1,070題)に昇り, 参加者総数は4,910名, うち有料参加者数2,782名を数え, 活発な学術交流が図られたことは喜ばしい限りである。 本稿は大会長基調講演の発表を元に加筆し, 作成したものである。 大会開催に当たって 日本理学療法士協会(以下協会)は会員数も3万名を超え, 大会への参加者も前述の通り増して来た。日本で理学療法制度の誕生より約40年の間に多くの変化があったが, 中でも理学療法の理論的背景は大きく変化している。
著者
首藤 恵
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.55-70, 1994-04-25

この研究の目的は,1980年代後半に急成長を経験したアジアNIESおよびASEAN地域の主要な8株式市場を対象として,この時期に各国で進められた需給両面への市場育成政策が価格形成に与えた影響を,市場制度デザインと市場構造の適合性という視点から実証分析することにある。分析の方法は,日別株式収益率および週別株式収益率を用いた分散比テストによって短期株価形成の歪みを検出し,さらにその結果をもとに,市場構造要因と関連する証券市場政策が短期株価形成に与えた影響を,パネル・データを用いた重回帰分析によって検証する。主なファクト・ファインディングは次の3点である。(1)証券投資需要の活発化は,時価総額の増大と売買の集中をもたらし,短期的な株価変動を増幅した。積極的な株式公開政策が実質的な株式供給に必ずしも結びつかず,投資需要の拡大に十分に対応できなかったからである。(2)取引所売買システムの機械化は,取引の迅速化と売買量の増加に寄与したとしても,市場の厚みと広さなど流動性供給に寄与したとはいえない。これらの市場で短期的な株価変動が大きい一つの理由は,流動性供給とリスク負担を担う,情報力と資本力を装備した証券業者が十分に存在しないままに,売買システムの効率性と市場規模の拡大が追求された点にある。(3)NIES市場では日々の株価変動が高まるほど短期株価は過剰反応し,ASEAN市場では逆に価格調整が遅れる煩向かある。それぞれの市場の価格形成プロセスの課題が指摘される。
著者
松丸 正延 土井田 修
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.426-435, 2000-12-15
被引用文献数
1

本研究では資本と負債の両面を考慮した倒産判別モデルを提案する.具体的には, 日々変化する株価を株式市場の投資家による企業評価と考え, 資本の時価総額を推定する.この際にベータ値推定法により資本の時価総額を推定する, 一方, 企業の負債は1事業年度ごとの金額しか公表されていないので, 日々の負債額を推定するのは困難であるが, オプション価格の評価に用いられているBlack-Scholesモデルを援用して負債推定を行う.この日次の資本の時価総額と負債の推定を用いた倒産判別モデルにより, 従来では1事業年度ごとにしか行えなかった倒産判別が日次で行えることが可能となった.また, 実証分析において本モデルの妥当性を示すことができた.
著者
正岡 昭
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.101-102, 2005

私は昭和35年から41年(1960〜1966年)まで,貝塚市にあった大阪療養所に勤務した.それまで脳外科グループに属していたので,学位獲得後のお礼奉公のこの赴任が,私の呼吸器外科の修練の始まりであり,その後,終生従事した呼吸器外科の入口となった.当時は肺結核外科の最盛期であり,胸部に陰影があれば,肺結核あるいは肺化膿症と考えていた.肺結核と思って切除した組織に癌がみつかったというような症例報告をしていた頃である.大阪療養所の外科には,沢村献児医長の下に,私を含めて5人の医師がおり,計6人で毎週十数例の手術をしていた.手術日は週2日であったが,1日に肺切除4例,胸郭成形術その他3例くらいで,2つの手術台を使って,朝から晩まで手術をしていた.手術の術前検査として,全例に肺機能検査,気管支造影,気管支鏡が実施された.外科医員5人がこれらの3検査を分担して実施していた.内科医の関与はなかった.肺機能検査とはスパイロメトリーのほかに,全摘対象例に対しては,左右別スパイロメトリーと肺動脈閉塞試験が行われていた.
著者
梅尾 寛之 水頭 一壽 武田 瑛 加藤 真平 山崎 信行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.464, pp.55-60, 2009-02-26

リアルタイム処理用プロセッサResponsive Multithreaded Processorは,スレッド数が8スレッド以内であればコンテキストスイッチを行わずに優先度順に同時実行可能なRMT実行機構を持つ.しかしながら,9スレッド以上を実行する場合,ソフトウェアスケジューラによってコンテキストスイッチを行わなければならない.また周期タスクのリリースの為にはソフトウェアスケジューラを定期的に呼び出し,リリース時間をチェックしなければならない.本論文では,RMT Processorを対象としたハードウェアによるスレッドスケジューリング機構の設計と実装について述べる.本スレッドスケジューリング機構では,RMT ProcessorのプロセッシングコアであるRMT PUが全スレッドの周期を保持し,周期スレッドをハードウェアで起床させる.更に,コンテキストキャッシュ内のスレッドと実行スレッドを比較し,ハードウェアでコンテキストスイッチを行う.本スレッドスケジューリング機構によってソフトウェアによるスケジューリングを不要とし,スケジューリングオーバヘッドを大幅に削減する.
著者
唐澤 信司 池田 千里 具 龍曾 〓 俊憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語
巻号頁・発行日
vol.97, no.567, pp.9-16, 1998-02-23
被引用文献数
5

本文は言語を認識したり、あるいは言語を出力する機能のモデルを検討したものである。情報は記号であり、知能は解読器によって実現する。自律神経系の活動や随意運動あるいは言語機能も解読器を要素として実現できる。特に行動の制御や言語の知能は体験に依存し、その経験依存性が個性と共通性をもたらす。さまざまな解読器がオーバーラップして形成されるので、それらの概念の間には部分的に属性を共通したり、物理的な関係あるいは従属関係などを持つ。また、シリアルである言語表現機能と関係することが、解読器が次々と活動して信号が伝播すること(思考)を可能にする。
著者
加藤 延夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学史紀要 (ISSN:09155848)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.90-93, 1996-03

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
小川 心一 清水 正司 蔭山 昌成 富澤 岳人 瀬戸 光
雑誌
核医学画像診断 (ISSN:09124195)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.25-27, 2002-11

症例1は76歳男.前立腺癌の骨転移精査目的にて骨シンチグラフィを施行したところ,左側上肢前腕部の骨全体に限局した高度な集積増加を認めた.症例2は72歳女.腎機能検査目的にて腎シンチグラフィを施行したところ,両側の腎臓に集積には明らかな異常所見は認められず,左上肢の前腕部全体に集積増加が認められた.これらの2例は共に左上肢前腕部に限局した原疾患を認めていない.原因は不明であるが,核種を動注した可能性があり,核種が前腕の動脈の毛細血管に閉塞したために前腕部に集積像が認められたものと考えられた
著者
大槻 恭士 大友 照彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.473, pp.25-30, 2002-11-15

口唇周りのオプティカルフローと単語HMMを用いた駅名発話画像認識システムについて述べる.本システムでは,オプティカルフローの抽出を専用ハードウェア「カラートラッキングビジョン」により行い,得られた特徴ベクトルをベクトル量子化によりシンボルに変換し,離散出力分布型HMMによる学習および認識を行う.特定話者における駅名50単語の認識実験より,平滑化したオプティカルフロー測定値を50画素間隔に間引いた80次元の特徴ベクトルが最も高い認識性能を与えること,状態数26の単語HMMが最も高い認識性能を与えること,また,摂動データを学習データとした場合,位置ずれなしで97%,25画素程度の位置ずれを許容して96.7%,50画素程度の位置ずれを許容しても92.4%と非常に高い認識性能が得られることなどがわかった.
著者
石田 真也 永原隆嗣 小西良往
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.99-104, 1979-03-15

本論文では 鉄道における乗車券発行システムに関連して開発された漢字パターンデータ圧縮方式について述べている.本圧縮方式の特徴は (1)漢字自身をあらかじめ圧縮に都合の良いようにいくつかの種類の基本図形-直線 長方形 平行四辺形 四辺形-のみで構成したこと (2)各基本図形の位置 大きさ等を2次元ベクトルの系列として表わし 各ベクトルをその出現頻度を考慮し 可変長符号を用いて効率的に符号化したこと などである.本圧縮方式を定期乗車券発着駅名用漢字(32×32ドット)に適用した結果 平均約1/3.2の圧縮率を得た.
著者
河合 秀夫 田村 進一 黒須 顕二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, 1988-09-12

我々は「音声による自動券売機」の実現を目的とした複合的研究に着手した.この複合的というのは,本目的を達成するためにプラスになる手段であれば足し合わせて実現していこうということである.本研究で用いた手段としては,(1)音声認識.(2)口形画像の利用.(3)対象となる各駅名の母音構成の分析.の3つを用いた.なお,今回の発表ではこの3つの手段についての基礎的な実験と考察を述べる.
著者
山守 一徳 海野祐史 河合 敦夫 椎野 努
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.2928-2938, 2002-09-15
被引用文献数
4

駅の切符売り場や列車の扉の上などで見かける鉄道の路線図は,等縮尺の地図上の線路図形と比べて大きな変形が施されている.駅間の繋がりを表す位相構造は維持したままでそのような大きな変形を施した路線図をデフォルメ路線図と呼ぶ.我々は,縦方向に圧縮されたデフォルメ路線図をインタラクティブ生成するシステムを開発した.本システムで用いた手法は,各線分を反復並列的にゆっくりと移動させることによって,変形前の位置にできるだけ近い形で変形を行うものである.ユーザは望む結果を得るまで,線分の向きを指示し結果を修正することができる.最後にできるだけ小さな領域内に路線図が収まるように駅名の再配置を行う.実験より,本システムは,縦方向に十分圧縮された満足のいく結果が生成できることが分かった.Railway maps as seen on the ticket counter at the station or above the door of the train are largely transformed in comparison with the maps with equal reduced scale.And they are largely transformed maintaining the topological structure which represents relation among the stations.We call such type of maps ``deformed railway maps''.We have developed an interactive generation system of deformed railway maps which are compressed vertically.The method used here transforms all edge segment in parallel and iteratively,and the transformed shape becomes as close to the original one as possible.Users can repair the result by specifing edge directions until the comfortable results are obtained.Finally, station names are relocated to make the map as small as possible.In experiments,it was shown that this system can generate the comfortable result which is optimally compressed along vertical direction.