著者
斉藤 文彦
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1470-1474, 1995-10-05
被引用文献数
6

一般化ハフ変換を用いた半導体ウエハ識別番号認識装置を開発した本装置は以下の特徴を持つ.<BR>(1) テンプレートテーブルのデータ量を削減するために, 文字パターンの曲線部分に着目して, データ圧縮を行う<BR>(2) マルチプロセノサシステムを用いて, テンプレートテーブルの検索と座標変換計算を並列処理することによって認識時間を短縮する.<BR>(3) 一般化ハフ変換を用いているため, 品位の不良な対象画像であっても高い認識率を得ることができ, また, 文字パターンのわずかな大きさや傾きの変化の影響を受けにくい<BR>(4) 定型フォントであれば, テンプレートテーブルの圧縮率を60%程度としても認識率への影響はほとんど見られない.<BR>(5) 実機へ適用したところ, 認識率98, 6%と認識時間16秒という実用的な結果が得られた.
著者
浜口 精一
出版者
京都大学
雑誌
京都大學結核研究所紀要 (ISSN:04529820)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.318-323, 1959-03

Sulfon剤の1つであるSulfisomidin (SIM)とINH並びに其の誘導体IHMSとを併用せる際の抗結核作用に就いての試験管内実験を行なつた。先づ結核菌発育阻止作用に関しては実験に使用した菌量並びにSIM併用量による影響が大きく, 一定した実験成績は得難いが, 或程度の併用効果が認められた。次にINH, IHMS耐性獲得に及ぼす影響は増量継代培養法ではIHMS・SIMに就いて行なつたが, 明らかにIHMSの耐性上昇はSIMによつて遅延された。恒量置換培養法にてはINH及びIHMSを高濃度に含む培地内に於いて置換培養を続けた際はSIM併用による耐性獲得遅延効果は殆んど認められないが, INH並びにIHMS低濃度培地ではSIM併用により, INH, IHMSの耐性獲得を遅延せしめた。
著者
馬場 嘉信 富崎 理代 角田 ちぬよ 田中 淳子 秀 佳余子 津波古 充朝
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.853-857, 1993-12-05
被引用文献数
4 1

DNAの高分解能分離を達成するために, キャピラリーゲル電気泳動におけるゲル組成が, DNAの分解能に与える影響について検討した.1本鎖DNAの分離においては, 非架橋ポリアクリルアミドのゲル濃度について検討し, 最適条件下では, オリゴマーから250塩基までの1本鎖DNAが60分以内に1塩基の違いのみでベースライン分離された.又, 2本鎖DNAの分離においては, 架橋ポリアクリルアミドゲルのゲル濃度及び架橋度を検討し, 最適条件下では, PCR生成物を含む100から12000塩基対の2本鎖DNAが, 40分以内に10塩基程度の違いで分離された.その際の理論段数は, 1m当たり数百万段であった.
著者
長手 厚史 星野 兼次 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.439, pp.19-26, 2008-01-18

次世代移動通信では、ユビキタスなワイヤレスブロードバンド環境の実現へ向けて、セル端スループットの向上が重要な課題として掲げられている。この実現に向けては、3セル繰り返しやFFR (Fractional Frequency Reuse)等の周波数繰り返しが有効な手法として考えられている。周波数繰り返しの特性を考慮すると、複数基地局からの信号を周波数軸上で直交多重して受信するマルチリンク伝送は、セル端スループット向上に効果的である。しかしながら、基地局毎の周波数オフセットの違いを考慮すると、直交性の崩れにより周波数間干渉が発生し、通信品質を劣化させる。本稿では、周波数間干渉のキャンセル法を提案し、その改善特性を理論解析、計算機シミュレーションにより明らかにする。
著者
小熊 博 山形 文啓 福田 啓一 浅野 安良 山崎 吉晴 亀田 卓 中瀬 博之 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.415, pp.41-46, 2006-12-07
被引用文献数
6

我々は、広域モバイルブロードバンド無線通信システムの一つであるFLASH-OFDM(Fast Low-latency Access with Seamless Hand-off)方式を活用し、宮城県仙台市中心街をフィールドとした実証実験を展開している。単セクタ内で静止状態及び自動車による移動状態における受信電力、SNR及びスループットに関して評価し、自動車による移動状態においても、Down-Linkにおいて、最大2.6Mbpsのスループットが得られた。さらに、基地局から約1kmの範囲で1Mbpsのスループットが得られることがわかった。
著者
無名氏
出版者
フレーベル會
雑誌
婦人と子ども
巻号頁・発行日
vol.1, no.8, pp.33-35, 1901-08
著者
山本 英貴
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.117, no.4, pp.539-560, 2008-04-20

This article attempts to clarify the process of writing and copying the diary of the Tokugawa Shogunate through an analysis of the Keeper of the Diary (Nikki-gakari 日記掛) and comes to the following conclusions. To begin with, the office of Diary Keeper was created sometime between 1737 and 1746, consisting of one supervisor and two assistants. The Keeper was to direct the various Bakufu offices to submit to him reports of their activities and then hand them to the Diary Secretariat (Nikki-Kata Omote-Yuhitsu 日記方表右筆) for entry into the Bakufu diary. This secretariat was looked after by one supervisor and one assistant rotating on a monthly basis, and the system which lasted until at least 1822. Secondly, since no copies of the Bakufu dairy existed at the time the Keeper was set up, the office issued a report in 1791 describing the reproduction of the diary and how much of it had been preserved or lost. Consequently a project was launched to copy the extant parts of the diary, with talented scribes from outside the office specially assigned to copy the content recorded between 1631 and 1790. From that time on, the Keeper and Diary Secretariat cooperated in making the copies, thus marking a significant change in how the Bakufu dairy was recorded. Another copying project was conducted during the Koka 弘化 Era (1844-47) when the Ohikaecho 御扣帳 copy of the dairy was completed.
著者
近藤 公夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-25, 1961-08-31
被引用文献数
1

京都御苑の利用最盛期について利用実態を調査し次の結果を得た。1.京都御苑の休養入苑者は快晴晴平日で1万名程度、同じく休日で1.5万名程度であり、運動遊戯をするものは平日でその25%、休日で40%程度である。2.休養入苑者の平均在苑時間は平日で40分、休日で75分程度である。3.休養入苑者の生活地分布については、平日で80%が御苑各門から1km以内に、休日には同じく1.5km以内に分布する。特に小児は平日で90%が0.6km以内に、休日には同じく1km以内に分布する。
著者
森田 武志 藤木 暢也 倉田 響介 岡野 高之
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1355-1357, 1999-12-01

A 49-year-old male was treated for chronic tonsillitis with brachytherapy 40 years ago. The inflammation of the tonsils was improved by the treatment. On August 18th, 1998, he consulted our hospital complaining of sudden throat pain. The pain deviated to the left, intensified with eating and continued for several hours every day for one month. An X-ray revealed a metallic foreign body in his left tonsil. A left tonsillectomy was done on January 14th, 1999, and the foreign body was removed completely. It was a small gold tablet, 3×1×1mm in size. A scintillation counter proved that the metallic foreign body was a radon (<sup>220</sup>Rn) seed. This is a rare case of a radon seed buried in the left tonsil of a patient for 40 years.
著者
遠藤 正明 伴野 松次郎
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 1974-09-15

標題についてつぎの問題点を指摘した。1)クイ基礎の工法による分類 : 既製グイ, 場所打ちグイともに施工法が多様化した。2)クイ基礎の選択 : 耐力とその持続性, 経済性, 施工性, 相隣関係を考慮する。3)クイ基礎の設計 : 載荷試験については貫入速度制御法の採用についても研究したい。メイヤーホフの式は開端グイ, 掘削グイについては先端支持力の低減が必要である。周辺摩擦力は実験値と比較するとメイヤーホフ式は最少値を与える。また粘土についてはバラツキが多いのでN値からの推定は避けたい。模形実験の結果から粘土層中の群グイの効率について触れた。クイ打ち公式は支持力を推定するためよりも施工管理に用いるのが有効である。クイ材の許容応力度, 継手および細長比について行政指導上の基準を示した。ネガチブフリクションの実測結果から中立点, 単グイおよび群グイに対する検討法を示した。4)クイ基礎の施工 : 最近の主流となっている無音無振動工法について先端地盤のゆるみ, 泥水の管理と沈積スライム処理法の要点に触れた。