著者
小林 一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.50-60, 2000-06-15
被引用文献数
3

本論文では、人の知的活動は言語の使用によって支えられているという日常言語コンピューティングの考えに基づき、意味をつくりだす方法となるする言いまわしがどのようにテキストの意味を表現するはたらきを担っているかについて考察をおこなっている。その計算機処理への応用として、非言語情報を言語情報で説明することを試み、海外為替の変動を示すグラフからその挙動を説明する文を修辞的に生成する枠組を選択体系機能言語理論を用いたテキスト生成の技術を導入し示している。。この中で、非言語で表現されるマルチモーダル情報を言語情報への関連づけに対してファジィが役立つことを示し、同時に、非言語情報を言語情報へ変換するひとつのアプローチを示している。
著者
大河原 昭二
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.231-236, 1964-07-25
被引用文献数
1 1

伐木運材事業における総合的合理化計画の1つとして, 機械化作業を前提とする集運材両プロセスの妥当な分岐点, すなわち集材距離と搬出道路(副林道, 作業道)密度との合理的関連性を研究することは, とくに重要な課題であると思われる。この報告では, 北海道帯広営林局管内トラクタ集材の場合をとりあげ, 比較的簡単な計画基礎理論の組み立て, 適用法, ならびに, 2,3の応用例についてのべる。(第1報)では数学モデルに必要な前提条件について記す。1)事業地の一部には既設道路(林道, 公道)が到達している。換言すればその道路は各事業地に到達するだけの密度を現有しているものとする。2)トラクタに配置される作業員数は, 機械1台当り一定とする。3)作業員の労賃は一律一定の日給制とする。4)トラクタ1台1日当りの集材功程は, 1サイクルタイムを固定時間と変動時間に大別し, 集材距離のみの函数と考える。(2)式参照 5)平均集材距離は, 集材総仕事量で定義する。事業地を近似矩形とみなし, 面にある材を点に集める場合の平均集材距離は(4)式のように示される。通常係数μは, 実用上0.8とみてさしつかえない。6)機械費ならびに作業費は, 集材距離などに関係なく, 1台1日当り一定とする。実績値による作業費は10,000円/台・日である。7)作業道延長によるトラック運材費の増加額は, 総経費の中で非常に少ないので, 無視する。8)事業地内の土場作設費は総額を一定とする。9)トラクタ集材作業路の末端部は, 本論と関係がないので, その密度は従来どおり藪出し集材作業を円滑にするだけ十分投入してあるものとする。
著者
秋永 利明 高階 知巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.499, pp.25-32, 1998-01-23
被引用文献数
2

人工株式市場は、計算機内に作られた、自律的なエージェントからなる仮想株式取引所である。そこでは、パラメータの設定次第で盛んに株式の交換がなされ、暴騰暴落がしばしば起こる。この二つは現実の株式市場の大きな特徴である。しかし、標準的理論経済モデルではこの特徴が上手く説明できない。ここでいう標準モデルとは、合理的期待に基づく均質な個人を前提とした効率市場モデルを指す。この論文では、シミュレーションという経済学においては新奇な手法が、理論経済学のなかでどのような意義を持ち、今の時点でいかなる貢献をしているのかを解説する。また、Santa Fe研究所の実験に対する追試として行った、我々のシミュレーション結果をあわせて報告する。
著者
松尾 浩一郎
出版者
三田社会学会
雑誌
三田社会学 (ISSN:13491458)
巻号頁・発行日
no.6, pp.86-89, 2001

ビューポイント1. 郊外という問題2. 奥井復太郎・生成する郊外の目撃者3. 奥井の鎌倉調査と鎌倉の郊外生活者たち4. 変貌する鎌倉と郊外のゆくえ
著者
清水 安子 黒田 久美子 内海 香子 正木 治恵 Shimizu Yasuko Kuroda Kumiko Uchiumi Kyoko Masaki Harue シミズ ヤスコ クロダ クミコ ウチウミ キョウコ マサキ ハルエ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.23-30, 2005-12-30
被引用文献数
1

本研究の目的は,糖尿病患者の看護効果測定ツールの開発に向けて,糖尿病患者のセルフケア能力の要素を抽出することである。1990年以降,千葉大学大学院看護学研究科の修士論文・博士論文で糖尿病患者を対象に看護援助や面接を通して行われた質的研究8論文を選択し,質的分析によりセルフケア能力の要素を抽出し,その要素の構造が導き出された。抽出されたセルフケア能力の要素は,【糖尿病や自己管理に関する基礎知識】【ストレス対処力】【サポート活用力】【モニタリング力】【応用力】【調整力】【自己の身体を捉える力】【自己管理の自己推進力】【糖尿病をもちつつ自己実現していく力】の9つの要素であった。セルフケアの能力の要素は,【糖尿病や自己管理に関する基礎知識】を基点に,【応用力】【調整力】を高めつつ発展する『自己管理方法の確立』という方向と,【自己の身体を捉える力】【自己管理の自己推進力】を高めつつ発展する『自己理解の深まりと自己実現』という方向の2つの方向が見出され,両方向の能力の中心に【モニタリング力】が位置づけられた。そして,これらの能力を総合的に活用していく中で,【糖尿病をもちつつ自己実現していく力】を高め,2つの方向が融合していく構造が導き出された。また,【ストレス対処力】【サポート活用力】は,この全てのプロセスで活用するセルフケア能力として位置づけられた。The purpose of this study was to extract the self-care agency elements for patients with diabetes toward the development of nursing effect measurement tools. From among the masters' and doctoral theses written by students of the Graduate School of Nursing at Chiba University after 1990, which involved the provision of nursing support for or interviews with diabetics, eight theses that dealt with qualitative study were selected to extract the self-care agency elements for diabetics by qualitative analysis. As a result, the structure of these elements was drawn. The nine self-care agency elements extracted are as follows: "basic knowledge of diabetes and self-management," "stress-coping ability," "ability to make the most of support," "monitoring ability," "application ability," "adjustment ability," "ability to obtain a clear understanding of one's body," "ability to promote self-management," and "ability to achieve self-realization despite having diabetes." With "basic knowledge of diabetes and self-management" as the starting point, the self-care agency elements are divided into two directions. One direction is toward the 'establishment of self-management methods' while enhancing "application ability" and "adjustment ability." The other is toward 'deeper self-understanding and self-realization' while enhancing the "ability to obtain a clear understanding of one's body" and the "ability to promote self-management." On the other hand, the "monitoring ability" is positioned at the center of those two directions. As a result, the structure was found wherein, the utilization of these abilities in a comprehensive manner leads to the enhancement of the "ability to achieve self-realization despite having diabetes" and the eventual fusion of the two directions. The "stress-coping ability" and the "ability to make the most of support" are positioned as the abilities used in all processes.
著者
津野 昭彦 間瀬 憲一 柄沢 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.629, pp.31-37, 2001-02-15

複数のミラーサーバに対し2つの測定ツールtimeit、wgetを使用してそれぞれ数週間QoSデータの測定を行った。その測定結果をQoS統計として用い、いくつかのサーバ選択アルゴリズムを実ネットワーク上で比較した。QoS統計により少数のサーバをあらかじめ選択し、その中からechopingによるリアルタイムのQoS測定に基づいた最適サーバを選択する方法は、より高い実スループットのサーバを選択する可能性が高いことが分かった。更に、QoS統計の種類による選択アルゴリズムの性能を検討する。
著者
藤本 康平 阿多 信吾 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.208, pp.41-48, 2000-07-17
被引用文献数
15

インターネットアプリケーションにおける重要な通信品質特性としてパケット転送遅延が挙げられる。特に、TCPやストリーミングアプリケーションにおいて通信品質を考慮した転送を行なうには、パケット転送遅延時間の予測が必要であり、特に遅延分布のすその部分の特性を明らかにすることが重要となる。本稿では、まず測定ツールを用いてパケット転送遅延を計測し確率分布関数による分布のモデル化を行う。分析では、特に分布のすその部分に着目し、時間帯や計測期間による遅延特性の変化も明らかにする。その結果、ネットワークが混雑している時にはパレート分布、ネットワークが空いている時には対数正規分布が最適なモデルであることを示す。さらに、長時間の計測において発生しうる経路変更による遅延特性への影響について明らかにする。
著者
古賀 克也
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.156-162, 1958-10

ベンゼン, n-ブタノールを溶剤とし20℃で精製蛹油の均一系における鹸化速度をメタノール性, エタノール性及びブタノール性加里を用いて調べ次のごとき結果を得た.(1)0.4規定苛性加里による鹸化反応は見掛上2分子反応に一致するが稀釈濃度(0.2規定及び0.1規定)では2分子反応には一致しないことが明白に認められる.(2)鹸化価曲線より油分子全体としての反応速度は時間経過と共に逓減することがみられる.(3)反応各時間の鹸化価の比より異種溶媒, 異種濃度間の相対的速度を比較すれば, アルコール性加里液の鹸化速度はメタノール<エタノール<ブタノールの順序に大きくなる.苛性加里の濃度と鹸化速度の関係は溶媒を異にした場合もほぼ類似値を示す.
著者
木内 雄二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, pp.650-656, 1962-11-01

格子制御方式の信号変換形蓄積管を小形化し, 蓄積部の背後に二次電子増倍器を備えた蓄積管を試作した.読取り信号が二次電子増倍器で10^4倍くらい増倍できるので1mA程度の出力電流が得られる.同時に出力容量が小さく約3PFなので, 記録した画像を再生するのにはきわめて簡単な増幅器ですむ.また, 小さい読取りビーム電流でも動作するので, イオンスポットによる画像の劣化がきわめて少なく, 2時間以上読取り続るけことができ, 信号対ノイズ比も良好である.この蓄積管の応用としてはテレビ画像の記録や狭帯域伝送, あるいはオシロの波形の記録などが考えられるが, 管自身が小形で回路も簡単化できるので, 非常に小形の装置にまとめることができる.一つの応用例として, シンクロスコープのアダプタとして波形の記録装置を作った結果では, 最大書込み速度10km/秒で10時間以上再生し続けることができたが, この値はさらに向上できるものと思われる.
著者
山崎 節雄 中平 美和 瀧 真佐留 古閑 健次 小沢 悦子 伊勢谷 修 関 守雄
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, 1990-08-01

APコリメータは、空間分解能感度等よりHRコリメータとHSコリメータのほぼ中間的性能を有し、感度はHRコリメータの2倍以上であるため従来の検査時間(30分)の半分ですむそのため、DOUBLE SCANモード(fig-7)を用いると小脳から頭頂葉全体の脳血流イメージングも可能である。また、^<99m>TC脳血流製剤を用いた場合1 SCAN 5秒の短時間DYNAMICデータ収集(fig-8)も可能ではあるが、さらに検討が必要と思われた。
著者
岩下 志乃 鬼沢 武久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.891-900, 2000-08-25
被引用文献数
10

従来の似顔絵描写に関する研究では, 顔画像の処理を行い, 特徴点を抽出し似顔絵を描写するものが多かった.しかし, 顔から受ける個人的なイメージをもとにして似顔絵を描写するという観点から研究は少ない.そこで本論文では, 顔の印象や特徴を言葉で表現し, その言語表現をもとに似顔絵を描写するプロセスについて検討する.入力される印象として, 快活度, 優しさなど五つのグループに関して言葉を入力する.描かれた似顔絵は言葉を用いて修正することができる.また, 似顔絵を描く上で重要とされる誇張の概念を, パラメータ値と線種の修正という2種類の誇張法を用いて実現する.最後に, 何人かの被験者に似顔絵を作成してもらい, 本手法の評価を行う.
著者
原 光顕 匂坂 小夜 村山 登
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.21, 2003-03-18

油絵が動いたらおもしろいだろうと考えていたので制作しました。油絵ならではの魅力を出すことがねらいです。さて、ここで問題があります。映像化されると、絵の具の魅力はかなり失われてしまいます。ベンヤミンの「複製技術時代の美術」の言葉をかりれば「アウラの消滅」です。しかし、絵の具の魅力は100パーセント失われてしまった訳ではありません。実力と工夫次第では、油絵の魅力を40〜50%くらいまでは引き出せるはずです。この「横浜」では、どのくらい油絵の魅力が出ているかを見ていただきたいと思います。1分6秒の短い作品で音楽は匂坂が作曲しました。
著者
関 三雄
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽学園短期大学紀要 (ISSN:13410644)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.21-35, 2004

俗悪とは解放だ。つまり悪趣味を恐れないこと、立派な人間だと思われたいという欲求に打ち勝つことなんだ。