著者
野見山 英登 有田 大作 谷口 倫一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.611, pp.29-34, 2007-03-16

著者らは,仮想環境中のキャラクタが行う衝突回避動作の実時間生成について研究を行っている.既存の衝突回避動作の生成手法では,膨大な事前情報を用いることで高速な動作生成を行う.そのため,生成動作の多様化により動作生成時間が増加してしまうという欠点を持つ.そこで本稿では,モーションキャプチャデータの主成分を用いたコンフィギュレーション空間の低次元化を提案する.低次元化により,モーションデータから得られる人間の自然な姿勢のみを表現するコンフィギュレーション空間を構成し,事前に取得すべき情報の削減を行うことができる.この提案手法によって高速で頑健な衝突回避動作生成が行なえることを,従来の確率的ロードマップ法による動作生成との比較実験を行うことにより示す.
著者
小林 光弘 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.112, pp.1-5, 1998-12-10

本論文では、コンピュータアニメーションにおける強調された動作を生成することができる動作強調手法について述べる。アニメーションの効果として、物事を分かりやすく表現できることが挙げられる。その表現の一つが、強調された動作である。現在まで様々な動作生成手法が提案されているが、強調された動作については取り扱われていない。本論文では実際に用いられている強調された動作を分析した。この分析をもとに、関節の角度による強調手法、オブジェクトの形状による強調手法を提案した。これらの手法を用いて、強調された動作を自動的に生成することが可能になった。This paper describes a method of creating emphasized motions in computer animation. Characteristic of animations is the intelligible expressions. One of the expressions is emphasized motions. Various methods are studied as the methods of generating movement. However, there is not so much research with regard to the generation of emphasized motions. We analyzed about emphasized motions which are utilized effectively. We propose the methods of emphasizing motions by controlling joint's angle and object's form. Using these methods, we can create the emphasized motions automatically.
著者
太田 さゆり 森 博志 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.165, pp.77-82, 2003-06-26

音楽と連動したダンス動作の作成は,映画やゲームなどの様々なコンテンツにおいて重要である.本稿では,ビデオ映像から音楽とダンス動作の関連を分析して再構成することで,新しいダンス動作を自動的に生成する手法を提案する.まず,音楽を構成単位ごとに分割して,音楽特微量とダンス動作の相関を求める.次に,新しい音楽が入力されたときに,分析によって得られた音楽・動作相関を適用することで,新しいダンス動作を生成する.本稿では,現代的な踊りの代表例としてヒップホップに適用した結果を示す
著者
佐久間 健 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121, pp.79-84, 2004-11-26
被引用文献数
1

既存の群集シミュレーションでは,各集団や各人物に簡単な行動規則を与えて自然な振る舞いを生成する手法が多く用いられている.しかしながら,これらの手法では歩行者集団の密度や流動量を直接的には制御できないため,その集団的な振る舞いを正確にシミュレーションするには不向きである.そこで本研究では歩行者の行動の制御に人間の記憶と心理的なモデルを導入し,各行動に対する動作の生成にはモーションキャプチャデータの動的な処理を用いることにより,自然な歩行動作や衝突回避動作を生成する機構を提案する.この機構を用いた歩行者集団のシミュレーション結果を実測したデータと比較することにより,提案手法の精度と有効性を示す.Existing crowd simulations often introduce the control methods that give simple behavioral rules at each group or individual. These methods, however, are unsuited for exactly simulating group behaviors because of the lack of direct controls on the amount of density and flow of a pedestrian group. This research therefore proposes the method of generating plausible motions of gaits and collision avoidance by introducing human memory and psychological model to behavior controls of pedestrians, and by dynamically processing motion capture data. The accuracy and effectiveness of our method is shown by comparing the resulting simulation of pedestrian groups with measured data.
著者
芝田 幸司 小田 琢也 河﨑 雷太 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.18, pp.87-92, 2006-02-21
被引用文献数
1

本稿では,ユーザがイメージする全身動作のアニメーションをインタラクティブに生成する手法を提案する.具体的には一連の全身動作を単純な動作に自動的に分割し,各分割部分の多自由度の全身のモーションデータに対して,重回帰分析による状態推定を導入することによって,ユーザのイメージする正しいアニメーションをインタラクティブに生成する.本手法を用いることで,骨格構造が異なるユーザでも,セグメントモデルとの対応づけを厳密に行う必要がなくなり,ユーザが行っている全身動作を実行中に認識し,それに適した動作を生成し表示することが可能である.We propose a method of interactively generating the whole body animation using automatically segmentation of complicated human motion into simple motion and estimation of the body posture with multiple regression analysis. Through our method, even when the skeletal structure of the user who inputs the motion is different from that of the shape model in the computer, the motion that is suitable a user image is generated.
著者
志牟田直人 栗山繁 栗山 繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.91, pp.37-41, 2006-08-18
被引用文献数
1

人間の動作データの要約化は,その内容を瞬時に把握するのに役立つ.しかし,既存の手法は3次元動作データに基づいて要約化を行い,動作の見た目は考慮していない.そこで本研究では,動作データから生成した動画像の要約表示を目的として,画像特徴量を用いた代表フレームの自動的な選択手法を提案する.本手法では,各フレームの画像特徴量からその時間変化量を求めることで,動画像の見た目の時系列での変化を考慮した要約化を実現する.代表フレームの適切な選択に対する本手法の有効性を,体操データを用いた他手法との比較実験により検証した.Summarization of motion data is useful for grasping the contents in an instant. However, existing methods only manages the 3D motion signals, which neglects actual appearances of the rendered animations. This paper therefore proposes a method for automatically extracting key frames with image-based features for taking the visual variations along time series into considerations using the gymnasitic motion data.
著者
土屋 直樹 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.681, pp.25-30, 2006-03-15

本研究ではCMC環境においてより円滑な会話を行うために,仮想空間上のアバターを用い身体的相互作用の生まれる環境の構築を目指す.そこで,身体的相互作用を支える身体的機能として視覚能力に基づく視野に注目し,仮想空間の2次元空間上に存在するアバターに視野を付与した.そして,視野の付与による相互作用の変化を観察するため,被験者に他者同士の会話へ参与する場合の身体配置を決定させる課題を与え,身体配置を記録した.その結果,被験者自身のアバターに視野を付与されることに伴って,被験者以外のアバターにも暗黙的に視野を有しているという前提の下での身体配置が観察された.このことから,視野を付与する事によって仮想空間での身体的な相互作用を促進させる可能性が示され,CMCシステムの設計において,アバターの空間的な配置や身体的な振る舞いの付与を検討する事の重要性が示唆された.
著者
浪原 一洋 吉川 和宏 正 健太朗 瀧 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.251, pp.103-110, 1999-08-04

ネットワーク技術の発展により仮想世界と呼ばれる現実世界の模倣をネットワークにより相互接続された計算機上に仮想的に作り上げるアプリケーションが作られている. 本稿では, サーバー・クライアント形態をとりクライアントが多数同時参加する仮想世界アプリケーションを対象とした, 三次元CGデータをネットワーク上に効率良く配信する手法を提案する. このようなアプリケーションではサーバーからクライアントに向けてキャラクタのポリゴンモデルデータや動作データが送信されるが, 三次元CGデータは容量が大きいため, 効率良く配信する手法が必要である. 本手法では動作データについてストリーミング送信の手法を用いることにより大きなデータをリアルタイムに表示することを可能とした. またクライアントが一度受信したデータをキャッシュすることにより効率化を図った.
著者
向井 智彦 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.78-87, 2005-01-01
被引用文献数
2

代表的な仮想人間の動作生成手法であるキーフレーム法は,各キーフレームにおける姿勢を指定し,その関節回転角を適切な関数で補間することで動作を生成する.しかしすべての姿勢を手作業で設計するには膨大な労力が必要であり,最適な補間関数の設計には熟練を要する.一方,近年ではモーションキャプチャ法を用いて実際の人体運動を計測する手法が主流になっており,計測した動作データの効率的な再利用が重要な課題となっている.本論文では,キーフレーム法に基づく動作生成に動作データの運動学的特徴を効率的に利用する手法を提案する.本手法では,筆者らが既に提案した機械学習による動作生成法を拡張し,動作データを用いて学習の報酬関数を設計することで自然な姿勢を探索する.またキーフレームの補間関数を理論的な人体運動モデルと動作データを用いて設計することで,人間らしい滑らかな動作を生成する.本手法により動作データの自然さを反映した複合的な全身動作を効率的に生成できる.
著者
森脇晃 國分剛 尾下真樹 尾下 真樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.91, pp.67-72, 2006-08-18
被引用文献数
1

我々は,入力された自然言語による文章からアニメーションを生成するシステムを開発している.本論文では 複数の動作を並列・連続して行うような入力文に対応した手法を提案する.本手法では,入力された自然言語文中の動作間の時間関係を表す要素に注目した意味解析を行い,各動作をどのような組み合わせ・順序で実行するという情報を持つ動作時間テーブルを生成する.その動作時間テーブルに基づき,データベースから検索された動作データを接続または合成することで自然なアニメーションを生成する.We have been developing an animation system that converts a natural-language input text to an animation. In this paper, We present new methods to handle input text that includes a series of serial ad parallel motions. Our system retrieves the temporal relationship between verbs in an input text and generates a time table which represents the execution-schedule of corresponding motions. A synthesized animation is generated by connecting and compositing motion data that are searched from a motion database.
著者
樋尻利紀 西谷 和博 望月 義幸 中 俊弥 浅原 重夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.76, pp.41-46, 1998-08-27
被引用文献数
6

インターネット上で3次元CGを扱うためのモデリング言語であるVRMLにおいて、人間のような骨格構造を持つ3次元CGキャラクタを定義するための仕様が、VRMLコンソーシアムにて、ヒューマノイドアニメーションVer.1.0(H-Anim)として、既に標準化されている。この仕様に加え、我々は3次元CGキャラクタの動作ストリームデータを符号化するための一手法を提案する。これによって、3次元CGキャラクタの動作データを、電話回線のような狭帯域のネットワーク上でもリアルタイムで送受信が可能となる。また、動作データをストリームデータとして送受信することにより、動作再生までの待ち時間をなくすことができる。In VRML, a modeling language for 3D CG on the internet, the specification to realize lifelike movement of a 3D CG character with skeletal structure (such as a human) has been standardized as the VRML Humanoid Animation Ver. 1.0 in the H-Anim WG of the VRML Consortium. To extend to this specification, we suggest a method of compressing the motion data stream for a 3D CG character. By this method, it is possible to send/receive motion data in real time on a network with narrow band width such a telephone line. Moreover, by sending the motion data with the streaming data from server to client, the time required before playback can be greatly reduced.
著者
三好 雅則 渡辺 範人 安生健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.112, pp.7-12, 1998-12-10
被引用文献数
1

本稿では、多数の自律行動するCGキャラクタで構成される群集を効率的に管理する手法を提案する。木構造を用いてキャラクタを階層管理することで、キャラクタの行動決定に必要な情報を簡単に取捨選択できるようにする。これにより、キャラクタの行動を計算する時間を大幅に短縮できる、さらに映像表現能力を高めることも可能である。実験システムを通して、取り扱うキャラクタの数と演算時間を線形の関係にできること、および群れの疎密を調整できるなど表現力を高めることができることを確認した。This paper proposes a new method for managing computer-generated crowds of autonomous CG characters. We employ the tree structure to manage the crowds, which makes it possible to select the required sets of information efficiently. We can reduce the amount of time to generate locomotion of the characters and get capability to represent more sophisticated crowds' movement.
著者
新垣 武士 星野 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.122, pp.7-11, 1999-06-17
被引用文献数
10

これまでの多くの研究は,非定型の運動や舞踊などに対しては感性評価を行ってきたが,運動規則と主観的印象の関係に関してはほとんど知られていない.本研究では,沖縄舞踊「カチャーシー」を再現したComputer Graphicsに対して,感性評価を行い,主成分分析を行う事で運動特性や時間情報と主観的印象の関連性を実験的に検討する.運動特性と主観的印象との関連性を解析することにより,創作舞踊や非定型舞踊の印象評価に関する指標を決定する事が可能となり,より効果的な心理的影響を与えることのできる動画像作成の指針を得ることができる
著者
茶堂 晃二 岡田 義広 新島 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.165, pp.31-36, 2003-06-26

著者らは,対話型CGアニメーション作成システムについて研究開発を行っている.本論文では,市販のジョイスティックを入力デバイスとして使用する,操り人形(マリオネット)のメタファーを導入した,対話的なCGキャラクターの動き生成手法を提案する.ジョイスティックから得られる情報量は自由度の大きい人形を動かすには不十分であり,人形の動きに制約を加える必要がある.そこで,重力場の導入と地面との接触に基づく制約を導入した.実世界における操り人形と同様の動きを生成可能であり,エンターテイメント分野への応用が期待できる.具体的なアルゴリズムの説明と生成される動きを示すことにより,本手法の有用性を述べる.
著者
シンハ プラディープ 湯浅 敬 西川 宏 上野 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.93, no.262, pp.55-61, 1993-10-07

ネットワークが一般的になるにつれて,ネットワークアプリケーションのための言語支援が求められている.現在,RPCがネットワークアプリケーションを作るための,最も人気のある言語レベル支援である.しかしRPCのクライアントサーバーモデルは,ある種のインタラクションに対しては柔軟に対応できない.例えば,複数プロセスが相互に作用したり,RPCメッセージとユーザ入力イベントを同時に扱うようなアプリケーションを作るのは困難もしくは不可能である.本論文はこの問題を解決するためのオブジェクトモデルと,それに基づくプログラミング言語支援について述べる.