著者
賈 露茜 平田 康 小林 明子 和気 裕之 木野 孔司 天笠 光雄
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.40-46, 2006-03-31 (Released:2010-10-08)
参考文献数
12
被引用文献数
13 15

The effect of acupuncture in sensory paralysis was evaluated in 43 patients. Thiry-two cases in the study group were after mandibular third molar extraction and 11 cases by postoperative injury of orthognathic surgery. Treatment was performed in four forms : needles only (A), A with moxibustion (AK), electrical needle stimulation (ESA) using LEP 4000 OhmPulser Ra direct current 6 V 5-100 Hz, and ESA+A : exercise therapy was also given 1 or 2 times weekly. There were, however, some variations depending on the patient's conditions.Visual analog scale (VAS) measurement was carried out in addition to the estimation of effectiveness.The group receiving ESA+A seemed to improve better than those receiving other forms of treatment.The results indicated that young patients less than 40 years old tend to improve with fewer treatment times of shorter duration.With respect to the relationship between the effect and the time of starting treatment, we noticed that the earlier the treatment is started, the better the improvement.In summary, the study indicated that acupuncture is useful in treating sensory paralysis.
著者
奥 健夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.412-427, 2006-09-01

本研究では、量子論及びホログラフィック宇宙原理に基づき、人間生命体における意識・心を情報・エネルギーとしてモデルを構築し、心身の健康に及ぼすメカニズムを考察することを目的とした。ホログラフィック原理による全宇宙時空間に遍在する情報・エネルギーは、非局在情報に関わり、それが局在化した状態が個人の意識として認識されると考えられる。これらの意識情報のフォトン的なエネルギー変換から、量子脳理論により説明される脳細胞内に発生するコヒーレントなトンネル発生及びそのエネルギー変換により、脳波微弱電圧の発生、微量伝達物質の脳内化学合成-制御などが生じ、結果としてDNAから身体全体の健康に影響が及ぶと考えられる。非局在医療のメカニズムとして二つの共時性モデルを提案した。第一が3次元境界ホログラム上の虚数時間で表される意識情報I_<C1>(r_1, it_1)及び健康に関する情報を含む非局在情報I_<NL>(r,-it)が共鳴する領域に生じる共時性モデルである。2つのホログラムが重なる領域での4次元時空r_<SH>・実時間t_<SH>において、I_<SH>の情報を有する非局在医療的共時性現象が生じる。第二のモデルとして、意識波動関数Ψc=Ae^<i(px-Et)/h>と非局在情報波動関数Ψ_<NL>が共鳴[(px-Et)c=n(px-Et)_<NLC>]した領域が、共時性現象として通常の4次元時空に現れ、非局在的癒しが生じるメカニズムを提案した。また非局在医療から心身医学、そして人間の存在全体を癒すホリスティック医療を、I_<NL>⇒I_C⇒hv⇒mc^2により情報エネルギーモデルとして記述する可能性を示した。特にI_Cは、希薄ながら宇宙全体の情報を含むホログラムであり、内部意識集中による非局在情報との共鳴により非局在的癒しが生じる可能性を示した。
著者
桂木 健次
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.141-154, 2016-07

国債の償還は,「未来世代のGDP(付加価値)」によってされているというのではなく,経済実体が消費を通して将来に向けて最終的な付加価値であるGDPを生み出すための中間消費とみなされる金融(通貨価値)の「シャドー・プライス」を意味する通貨発行益から償還させられていく。一般予算からの税収や借金(国債)を財源として歳出されている「国債費」は,定率繰入として主に償還される債券に裏書されている「付利」の支払い並びにその償還の会計運用積立に充てるためである。つまり,将来世代なる近未来が税金から負担するのは,「利払」分並びに特別会計運用経費である。
出版者
内務省地理局
巻号頁・発行日
vol.巻之76 久良岐郡之4,巻之77 久良岐郡之5,巻之78 久良岐郡之6,巻之79 久良岐郡之7,巻之80 久良岐郡之8,, 1884
著者
天野 晶子 石神 昭人
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.24-26, 2009-01-25 (Released:2017-10-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1
著者
寺町 晋哉 Shinya TERAMACHI 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.103-119, 2020-03-06

本稿は、女子の友人関係トラブルに対する教師の介入を検討することで、友人関係というインフォーマルな関係性が教師の介入に影響を受けること、そうした介入にジェンダー・バイアスが存在し、結果的に女子の関係性が劣位に置かれることを明らかにする。 先行研究は、ジェンダーの視点、インフォーマルな関係性、教師と児童生徒の再帰的関係のうち、いずれか一つが欠けている。これらの課題を克服するために、本稿では、女子の友人関係トラブルに対する教師の介入に着目する。分析に際して、Francis・Paechter(2015)が提示する三つの視点を用いている。 分析の結果、以下の三点が明らかになった。第一に、児童の関係性にかかわる教室秩序の形成にとって教師たちの理念や介入が重要であることである。第二に、児童間関係に対する教師たちの認識や介入に、ジェンダー・バイアスが歴然と存在し、女子たちは「関係性を重視する」という認識が、教師たちの介入を方向づけていたことである。また、教師たちは女子たちの関係を「ドロドロしたもの」と認識し、解決すべき課題にしているからこそ、何らかのトラブルが発生した場合、「トラブルの発端である関係性」そのものに焦点を当て、トラブルだけでなく女子たちの関係性にも介入していく。第三に、教師たちはケアの倫理が立ち現われやすい関係性に焦点化した介入を行いながら、その解決には自律的な主体であるという捻れた責任を女子に負わせていたことである。
著者
松村 高夫
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.31-68, 2013-04

小特集 : 澤瀉久敬『医学概論』とその歴史的コンテクスト731部隊に所属した医者・高橋正彦と金子順一が戦後それぞれ慶應大学, 東京大学に提出した医学博士論文を基礎にして, 同部隊のペスト班責任者・高橋のもとで人体実験を行なって研究・開発されたペスト感染蚤が, 実際に1940-42年に中国十数地域で散布され, 多数の死者を出した実態を明らかにし, さらに戦後, 731部隊・細菌戦に関連する資料が部隊幹部・医者の戦犯免責と引き換えにアメリカに提供され, 高橋らが詳細な英文の報告書作成に協力した事実を明らかにする。そして, 戦後日本の大学医学部が731部隊関係者に医学博士号を授与したことに象徴されるように, 日本の医学界が731部隊への医者の関わりについて何ら自己批判せずに今日まできているその在りかたを問う。Based on the doctoral dissertation in medicine submitted to Keio University by Masahiko Takahashi and the University of Tokyo by Jun-ichi Kaneko, respectively (both former medical doctors of Unit 731), this study confirms the facts surrounding the development and research of plague infected fleas performed through human experimentation under the responsibility of Takahashi, the person in charge of the plague squad, and the actual scattering of the plague infected fleas (PX) in more than ten regions in China during the 1940–1942 period, resulting in a large number of deaths.In addition, this study confirms the cooperation by Takahashi in the preparation of a detailed report in English provided to the U.S. after the war of material related to germ welfare and Unit 731, in exchange for war trials immunity to Unit officers and doctors.Moreover, this study questions the very fact that the Japanese medical community can remain free from self-criticism up to now regarding the involvement of doctors with Unit 731 symbolized by the department of medicine at universities in post-war Japan that awarded doctor's degree in medicine to those involved in Unit 731.
著者
渡辺 憲司
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

まず最初に手がけたのは、地方遊里全体像の把握である。地方遊里は、公認の遊郭組織を持つものの他に、自治組織的名な集団によって監督下に置かれたものがあり、その分別はかなり難しい。「日本遊郭一覧」(昭和4年刊)を中心に、江戸時代の遊里番付などを参考に、警察・保健所資料を含め、地方遊里一覧を作成した。文芸との関連について、江戸時代前期は先行論文があるので、江戸時代後期の地方遊里と文芸について、滑稽本・浮世絵・洒落本・民謡等を中心にまとめた。又潮来を例にしながら地域文化と遊里の関連についてまとめ、伝承資料のお小夜説話にもふれた。地方遊里実地調査メモでは、日本各地で実地踏査した地域(鰺ヶ沢・新庄・鶴岡・酒田・新潟・長岡・分水・津川・柏崎・出雲崎・寺泊・来迎寺・直江津・高田・長野・坂城・岩村田・軽井沢・函館・島原・口之津・久留米・博多・萩・防府・徳山・宇部・柳井・上関・大垣)のメモをまとめた、又、中世の著名な遊女から、地方でのみ伝承されている遊女の墓を遊女の碑一覧として、60カ所を載せた。56カ所までの実地調査をおこなった。遊女墓群調査報告では、遊女の墓がまとまった形で残存している群馬県、倉賀野九品寺・木崎長命寺・石川県・串茶屋の報告をあげた。又遊女の墓のない沖縄に関しても、その特殊性についてリポートした。最後に、ほとんど紹介されていない資料を中心に、遊里文芸参考文献を掲載した。今後は、本研究で果たすことの出来なかった東南アジア地域の地方遊里の実態の調査へ拡大したい。
著者
Takeshi HAMAMURA
出版者
Psychologia Society
雑誌
PSYCHOLOGIA (ISSN:00332852)
巻号頁・発行日
pp.2019-B010, (Released:2019-12-25)
参考文献数
12

Family names of Japanese convey information about their family history. Although a precise inference at an individual level is difficult, an inference made in aggregation at a community level reliably captures differences in historical inflows of migrants across communities. Following an introduction of this rationale, this paper develops the Family Name Index. As anticipated, the Index was correlated with historical residential mobility across Japanese prefectures. In regions characterized by high historical residential mobility, frequent family names overlapped more with nationally frequent family names. Part 2 used the Index to illuminate regional differences in Japanese social capital. Consistent with prior research, the results indicated a negative association between the Family Name Index and social capital. That is, social capital was stronger in regions where frequent family names do not closely resemble the nationally frequent names. Implications are discussed.
著者
砂田 茂 米澤 宏一 石田 良平 野中 聡 橋本 敦 坂上 昇史 浅井 圭介
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

低レイノルズ数(10の3乗のオーダ)、高マッハ数(翼端で0.5程度)で作動するプロペラ性能を、3つの風洞を用いた実験、数値計算による解析によって調べ、その設計法を検討した。主な得られた知見は以下の通りである。(1)高レイノルズ数で用いられるブレード形状設計方法が、当該レイノルズ数でも有効である。(2)当該レイノルズ数で高い最大揚抗比を持つ翼型を提案した。(3)低レイノルズ数における翼型性能に対するマッハ数の効果は、プラントルグラワート則で評価される効果よりも小さい。(4)低レイノルズ数で高効率を有するプロペラブレードのアスペクト比は、高レイノルズ数においてよりも小さい。
著者
中澤 敏明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.299-306, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
6

ニューラル機械翻訳(NMT)の登場により機械翻訳のパラダイムは大きく変化した。平均的な翻訳精度は統計的機械翻訳(SMT)と比較すると格段に向上したが,誤りの傾向がSMTとは大きく異なっており,NMT特有の誤りも存在する。本稿では機械翻訳研究の歴史をごく簡単に振り返り,SMTの仕組みを簡単に復習した後,SMTと比較しながらNMTの仕組みを解説する。NMTは大きく分けてエンコーダー,アテンション機構,デコーダーの3つからなり,それぞれの役割についても解説する。またそれぞれの翻訳方式の特徴を明らかにし,その長所と短所を説明する。さらに科学技術振興機構(JST)におけるNMTの活用事例を紹介し,最後に本稿のまとめを行う。