著者
菊谷 武
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.126-131, 2016 (Released:2016-05-26)
参考文献数
18

国民の健康意識の増進により多くの歯を持つ高齢者が増加し,咬合支持を失っている者の数は減少している.一方で,障害を抱えながら地域で暮らす高齢者の多くは口腔器官の運動障害を有し,その数は増加の一途にある.咀嚼器官の運動障害に伴う咀嚼障害は,その原因によっては改善が不可能であるため,咀嚼機能に合わせた食形態の指導が窒息予防や低栄養の予防の観点から重要である.しかし,これまでの咀嚼機能評価は食形態を推し量ることを目的としてきたものはなく,機能に合致した適切な食形態を提示することが困難であった.本稿では,著者が試みている口腔移送試験や咀嚼運動の外部観察評価による咀嚼機能評価を紹介し,さらに,食形態を地域で共有する必要性を述べた.

4 0 0 0 OA 復古記

著者
太政官 編
出版者
内外書籍
巻号頁・発行日
vol.第9冊, 1931
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.950, pp.50-55, 2011-04-25

甚大な被害を前に、専門家の初動調査にてこずった今回の震災。日本建築学会は被災地の各支部が収集した情報を取りまとめ、緊急に公表した。広域にわたる被害の現状が明らかになった。 震災の被害者に捧げる黙とうから始まった「東北地方太平洋沖地震および一連の地震緊急調査報告会」。日本建築学会が4月6日に開催した。
著者
田村 哲樹 TAMURA Tetsuki
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大学法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.280, pp.85-108, 2018-12-25

本稿は、科学研究費補助金15K03273、および部分的に16H03539の成果である。
著者
友重 秀介
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.264-266, 2019-03-01 (Released:2019-03-07)
参考文献数
9

Bacteria possess a cell wall based on a rigid extracellular matrix comprised of peptidoglycan (PG), which maintains their structural integrity. Although PG is a molecule that has attracted interest from various research fields, such studies have been limited by the difficulty to isolate the desired PG fragments. In order to make PG fragments available, many efforts have been made to achieve their synthesis. This review summarizes the synthetic strategies reported for the construction of PG fragments by the Fukase and Fujimoto’s group as well as the Mobashery’s group. Furthermore, applications of synthetic PG fragments in chemical biology are described.
著者
天野 忠幸
出版者
織豊期研究会
雑誌
織豊期研究 (ISSN:13459813)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-18, 2006-10
著者
大戸 茂弘
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2017-06-30

野生型WTマウスまたはDrug A受容体KOマウスを行動解析装置に7日間飼育した後、明期を8時間前進させ明暗周期サイクルの変化に対する行動シフトに及ぼすDrug A受容体欠損の影響を検討した。Drug A受容体欠損マウスでは、明暗周期変動に対する行動リズム変化が野生型と比較し遅延していた。両マウスを行動解析装置に7日間飼育した後、明期を8時間前進させ、その後、恒暗条件下で飼育した際の行動の変化に及ぼすDrug A受容体欠損の影響を検討した。Drug A受容体欠損マウスでは、恒暗条件下の行動リズム周期が野生型と比較し長いことからSCNに存在する時計遺伝子の発現リズムに何らかの機能的変化が生じていると考えられる。両マウスSCNの時計遺伝子をIn situ hybridization法を用い測定した結果、時計遺伝子のCry1の発現リズムが変容していた。両マウスを行動解析装置に7日間飼育した後に、常に照明をOFFにした恒暗条件下で飼育した自律的行動リズムの位相と周期に及ぼすDrug A点眼時刻の影響を検討した。両マウスにDrug AをCT14に点眼し、自律的行動リズムに及ぼす影響を確認した結果、WTマウス行動リズムはDrug AのCT14点眼により位相が後退したが、Drug A受容体KOマウスにおいてはその効果は認められなかった。恒暗条件下の行動リズムに及ぼすDrug A点眼により行動リズムの周期が変容したことから、時計中枢SCNの時計遺伝子Per1、Per2発現量に及ぼすDrug Aの影響を検討した。野生型ではDrug A点眼後にSCNのPer1、Per2の発現量が変容したが、Drug A受容体KOマウスでは影響しなかった。恒暗条件下飼育マウスに光を照射する条件またはDrug A点眼後に光照射を併用する条件下、SCNの時計遺伝子発現量に及ぼすDrug A受容体ノックアウトの影響を検討した。野生型マウスでは発現量が変化していたが、Drug A受容体KOマウスでは顕著でなかった。

4 0 0 0 OA 吾等の法律

著者
安中外交官 著
出版者
安中外交官
巻号頁・発行日
vol.公法の巻, 1930
著者
東海彰吾 安田 孝美 横井 茂樹 鳥脇 純一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.801-809, 1994-05-15
被引用文献数
7

本論文はコンピュータ・グラフィクス(CG)における爬虫類皮革の表現手法について述べたものである。CGの分野では自然物の表現方法に対する関心が深まっており、さまざまな対象について研究が行われている。しかし、生物、特に爬虫類などの動物に関する研究は、これまでにほとんど行われていない。ヘビやトカゲ、あるいはワニなどの爬虫類の皮革はハンドバックなどの製品として利用される比較的身近な対象であり、その表現手法は皮革製晶のデザインや各種の映像制作などへの利用が考えられる、本論文では爬虫類皮革の最も顕著な特徴であるウロコの並びによる模様に注目し、特にワニの皮革の表現方法を中心に、ボロノイ分割などの幾何学的な手法を用いた爬虫類皮革の表現方法について述ぺる。具体的には、(1)シードの配置と移動とを工夫した2段階のボロノイ分割を用いてウロコの模様を多角形で表現し、(2)この多角形にベジェ曲線で設定した断面形状を用いて立体的な皮革データを生成し、(3)生成した皮革データを曲面にマッピングして表示を行うものである。本手法による皮革データを製品形状にマッビングして表示することにより、製品デザインヘの応用の可能性を確認した。

4 0 0 0 OA 高松情緖

出版者
高松觀光協會
巻号頁・発行日
1937
著者
伊奈 林太郎 五十嵐 淳
出版者
Japan Society for Software Science and Technology
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.18-40, 2009-04-24

静的型システムと動的型システムの両者の利点を活かす枠組みとして,SiekとTahaは漸進的型付けを提唱している.漸進的型付けでは,型宣言された部分のみ静的型検査が行なわれ,残りの部分については実行時検査が行なわれる.これにより,当初型を付けずに書いたプログラムに型宣言を徐々に付加し,静的型付けされたプログラムを完成させることができる.本研究では,漸進的型付けをクラスに基づくオブジェクト指向言語で実現する理論的基盤として,Igarashi, Pierce, Wadlerらの計算体系Featherweight Java (FJ)に動的型を導入した体系FJ<SUP>?</SUP>を定義し,型付け規則を与える.さらにFJ<SUP>?</SUP>からFJにリフレクションを加えた体系への変換を定義することで意味論を与え,静的に検査した部分の安全性が保証されることを示す.
著者
Wenkai Li Shuzhen Hu Zongmei Pan Xiaoyun Su Xinyue Luo Yijuan Wang
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.47-51, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
45
被引用文献数
2

The apparent temperature (APT), or human-perceived temperature, is commonly defined as a function of the surface air temperature (SAT), vapour pressure (or humidity) and wind speed. This paper demonstrates that the APT over China, as revealed by daily station-observed data, has generally increased faster than the SAT during summertime in the past 50 years (1968-2017). The rate of increase in APT was significantly faster than that of SAT in 60.1% of stations, and the difference between the average China-wide APT and SAT was 0.11°C decade−1. This phenomenon is occurring nationwide, but it is more intense over western, north-eastern and eastern coastal China. The more rapid increasing trend in APT indicates that human beings actually experience surplus heat stress under a certain change in SAT, and the increased SAT explains 67.0% of the average APT warming for the country, contributing to the change in the base APT. Apart from the increasing SAT, a decrease in surface wind speed and an increase in surface vapour pressure have also been observed, contributing to 21.6% of the increase in APT and explaining the remaining 11.4%, respectively.
著者
金山 弘昌
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.53-73, 2004-03-30

1664年,G.L.ベルニーニは,ルイ14世の冬の宮殿,パリのルーヴル宮東翼建設のための最初の計画案を提案した。同案はいくつか特殊な面を示すが,それらは「比類するものふたつとなし」をモットーとする「太陽王」のために前例のない王宮を設計せんとする,ベルニーニの意図を反映したものに他ならない。同案のもっとも特異な要素のひとつが,中央部のいわゆる「ドームなしドラム」である。論者は,このモティーフの着想源と象徴的意味内容について新たな仮説を提示したい。「ドームなしドラム」については,すでに幾つかの仮説が提示されている。その着想源について,同モティーフの名付け親でもあるR.W.バージャーは,フランスの建築家にして版画家,アントワーヌ・ル・ポートルによる架空の館を描いた版画の影響を示唆している。当時のフランスの「建築総監」であったJ.B.コルベールは,このモティーフを「王冠」と解釈した。一方今日の幾人かの研究者たちは,集中式平面の聖堂との関連を主張し,このモティーフが君主の絶対で聖なる権力の象徴であるとみなしている。この点につき論者は新たな着想源として,スペイン王の皇子誕生を祝ってフィレンツェで上演された祝祭劇『イペルメストラ』(1658)のためにフェルディナンド・タッカが設計した舞台装置を描いたシルヴィオ・デリ・アッリの版画を提案したい。この舞台装置には「ドームなしドラム」状の円形建築が含まれ,それが「太陽の宮殿]を表すとされているのである。この円形建築は,形式においてルーヴル第1計画案と強い類似性を示すのみならず,その意味内容においてもまた「太陽王」の宮殿に大変ふさわしい。さらに「ドームなしドラム」をもち,「太陽の宮殿」を表現した一連の建築図面やイメージが存在する。例えばアポロンとしてのルイ14世を描いたヨーゼフ・ヴェルナーの素描や,マッティア・デ・ロッシによる同国王の記念碑の計画案などである。「太陽王」の宮廷周辺において,「太陽の宮殿」を「ドームなしドラム」で表現するというひとつの図像伝統が存在したことは否定しがたいのである。当然ながら,なぜ「ドームなしドラム」と「太陽」が結びついたのかという疑問が生ずる。バージャーが有名なクロード・ペローによるルーヴル宮の列柱廊の典拠とみなすオウィディウスの『変身物語』には,「ドームなしドラム」についての言及はない。同様に古代建築の復元図にも先例は見当たらない。現段階では,この結びつきがいくつかの建築書の記述に基づくと論者は考える。事実ウィトルウィウスは,「雷神ユピテルや天空神,太陽神や月神のためには,白日の下に露天式の殿堂が建てられる」と記している。一方アルベルティとパッラーディオは,太陽神の神殿が円形平面でなければならないと述べる。これらの建築的規則を総合するならば,太陽に捧げられた円形平面の露天式神殿を想像することは容易いのである。