著者
松本 敏治 菊地 一文
出版者
植草学園大学
雑誌
植草学園大学研究紀要 (ISSN:18835988)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.5-15, 2019

<p> 松本・崎原・菊地・佐藤(2014)は,「自閉症は方言を話さない」とする印象が全国で普遍的であることを報告している。しかしながら,共通語を使用してきたASD が学齢期あるいは青年期において方言を使用するようになる事例が存在するとの報告が教員・保護者からあった。該当する5 事例について,方言使用開始時期および対人的認知スキルに関する55 項目についての質問紙を実施した。方言使用開始時期は,7 歳,9 歳,16 歳,16 歳,18 歳で事例によって差がみられた。獲得されているとされた対人的認知スキルのうち,方言使用開始前後の時期に獲得されたとする項目数の割合は,26%〜97%であった。また,それ以前に獲得されていた項目数と方言使用開始時期に獲得された項目数の割合を領域別で求めたところ,意図理解および会話の領域での伸びが顕著であった。これらの結果にもとづいて,ASD の方言使用と対人認知の関連について議論した。</p>
著者
梅谷 健彦
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.23-27, 1994-12

著者は低価格(1本当り約200円)で入手しやすい試薬を用いたカラーリバーサルフィルムの自家現像処理法を考案し,比較的良好な結果を得ているので紹介する。フィルムの現像処理は28℃の温度下で以下の手順で行う。1.第1現像液(フェニドン0.6g,ハイドロキノン8g,無水亜硫酸ナトリウム40g,炭酸ナトリウム1水塩46.8g,臭化カリウム2g,チオシアン酸ナトリウム2g,O.2%硝酸6ニトロベンズイミダゾール水溶液15mlを蒸留水に溶解して1000mlにした液), 13分。2. 流水で水洗5分。3.反転露光。4. 発色現像液(燐酸3ナトリウム12水塩40g,水酸化ナトリウム1Og,ベンジールアルコール5ml,硫酸エチレンジアミン6g,シトラジン酸2g,硫酸ジエチルパラフェニレンジアミン4gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),15分5.流水で水洗,5分。6. 清浄液(メタ重亜硫酸カリウム20gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),5分。7.流水で水洗,5分。8. 漂白液(フェリシアン化カリウム80g,臭化カリウム2g,燐酸2ナトリウム12水塩25.3g,炭酸ナトリウム1水塩4gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),8分。9.流水で水洗,5分。10. 定着液(ハイポ160g,メタ重亜硫酸カリウム10g,燐酸1ナトリウム2水塩11.6gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),6分。11.流水で水洗8分。12. 安定液(ホルマリン6ml, ドライウェルなどの湿潤剤1Omlを蒸溜水に加えて1000mlにした液),1分。
著者
成松 宏美 杉山 弘晃 菊井 玄一郎 平 博順 的場 成紀 東中 竜一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3C4J901, 2019 (Released:2019-06-01)

我々は,「ロボットは東大に入れるか?」プロジェクトにおいて英語問題に取り組んでいる.本稿では,不要文除去問題に着目し,本問題に対して,近年あらゆるタスクで最高スコアを達成したBERTを適用する.BERTをどのように解法に適用するかを紹介し,ベースラインを超えて最高スコアに到達したことを示す.さらに,エラー分析により,BERTでできていないことを明らかにする.
著者
依光 朋子 山﨑 裕司 萩野 智美 酒井 寿美 平賀 康嗣 稲田 勤 川上 佳久 西野 愛
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.23-25, 2012

図書館利用者数,貸出冊数を増加させる目的でポイントカードを導入し,その効果について検討した. 対象は平成22年度本学院在学生520名,平成23年度本学院在学生523名である. 平成23年10月から,図書館利用者にポイントカードを配布した.ポイントは,図書の貸出機会,返却機会,国家試験問題への挑戦について2ポイント,文献相互貸借申込について6ポイントが付与された.合計10ポイントで,借用可能な図書数を1冊増加,あるいは漫画本3冊の貸出という特典を準備した.さらに30ポイントで,漫画本10冊の貸出という特典を付与した.平成23年10月から平成24年2月までの期間における来館者数,貸出図書冊数を平成22年度の同時期と比較した. 平成22年度と23年度を比較すると,11月13.1%,12月11.4%,1月11.8%,2月39.5%の有意な増加を認めた.しかし,貸出冊数には,有意な変化を認めなかった. ポイントカードの導入は,利用者数を増加させるうえで有効に機能したものと考えられた.
著者
前田 義郎
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-10, 2014 (Released:2018-02-01)

In this paper, I discuss the significance of informed consent( IC) at the time of its origin in the United States. There are two settings wherein IC is applied ― human research and clinical medicine. In clinical medicine, two legal principles ― battery and negligence ― are relevant in lawsuits. I show that the core of IC comprises the principle of “negligence,” whose significance is clarified in this paper in detail. This principle means “an enlargement of the scope of doctors’ responsibility”, which urges us to redefine the relationship between doctors and patients. Finally, on these grounds, I consider the ethical implications of “self-determination of patients.” The essence of IC is that it changes the order of priority, from the previous relation, “the benefit of the patient > the will of the patient,” to the current relation “the will of the patient > the benefit of the patient”. In other words, the essence of IC is to respect the will of patients and provide medical benefits by assisting them.
著者
木原 英逸
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.2_47-2_65, 2010 (Released:2011-04-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

In the early 2000s a research movement called SHAKAI GIJUTU (‘social technology’ in English) emerged, and the topic of ‘science communication’ subsequently captured the interest of Japan's STS community. After 2005, some universities made also college courses designed to educate communicators and interpreters for science and technology, focusing on the communication specialist. This paper will examine from the above standpoint the relations between the full-scale neoliberal reform in Japan that started in the mid 1990s and the development of ‘science communication’ that coincided with neoliberal reforms.     The theory and practice of ‘science communication’ have focused on ‘interactive communication’ (the contextual model) as an ideal situation for over ten years. However, the understanding of communication and also power are narrow and could be amplified in two ways. First, rather than understand communication and power as relations between actors, the focus could shift to ‘institutions’, the arena where inter-actor communication is made and inter-actor power is exercised. If science communication aims at the public interest, it should be made in the course of changing how broad power and also broad inter-actor communication work, that is, changing or criticizing the shape of ‘institutions’ as media for communication and power. Second, in most cases, the shape of ‘institutions’ that ‘science communication’ has pursued, i.e. ‘interactive communication’ and ‘interactive power relation’, overlaps with the ideology and the social system that the neoliberal social reform has pursued. The neoliberal reform accompanied by the complementary New Civil Society requires ‘interactive communication’ and ‘interactive power relation’ as the ideological institution and the social institution to make commercialization and public-private partnerships work well. Therefore, even if the pursuit of interactive communication looks like the deepening of democracy, the true picture is the market-oriented change of democracy, and consequently it would not realize the public interest achieved by political community. Science communication should be extended into the shape of power and communication that is able to realize the public interest of social rights and social fairness that the neoliberal thought and policy fail in.
著者
日本歯周病学会
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.S1-S6, 2000-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
39
被引用文献数
1

抗真菌剤が歯周治療の新しい治療薬として一部で利用され, 朝日新聞, 歯科商業雑誌および一般週刊誌に掲載され臨床の場で一部の歯科医師に混乱を招き, 歯周治療がゆがめられ, 国民の口腔保健をも脅かす事態となっています。日本歯周病学会は国民の口腔保健に寄与すべく, 合理的で効率のよい歯周治療の定着とその質的向上を目指して, 1996年には歯周治療のガイドラインの策定にも関与しました。また一昨年 (1998年) より各地で地元歯科医師会の協力を得て臨床研修会を主催し, 歯周治療の充実, 普及にも努めてまいりました。このような経緯から, 本学会においても今回の事態を憂慮し, 理事会および常任理事会で数回に渡り検討し, 抗真菌剤の歯周治療薬としての利用に関して学会として共通の見解を提出すべきとの結論に至り, 本報告を作成いたしました。本報告が臨床の先生方の歯周治療の正しい理解の一助となり, 効果的な歯周治療が普及して, 歯周治療に対する正しい理解を改めて喚起し, 歯科医師が国民の口腔保健, ひいては全身の保健に寄与できれば幸甚です。
著者
長岡 正利
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.20-25, 1997-12-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
23

29 0 0 0 OA 兎そだて草

著者
田村貢 編
出版者
田村貢
巻号頁・発行日
1892
著者
三島 亜紀子
出版者
福祉社会学会
雑誌
福祉社会学研究 (ISSN:13493337)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.31-48, 2018-05-31 (Released:2019-06-20)
参考文献数
46

19 世紀末から20 世紀初頭にかけてのシカゴは,社会学とソーシャルワークが袂を分かった象徴的な場といえる.市内には,セツルメント「ハルハウス」とシカゴ大学社会学部があった.ハルハウスのアダムスらは近代的な都市が抱える社会問題の解決に取り組み,ソーシャルワークの源流の一つに位置付けられている。これに対し,シカゴ大学のパークは都市を実験室と位置付け,アダムスらの調査方法を女性がするものとしジェンダー化することによって,社会学を差異化していった. しかしながら日本では,このジェンダー化は成立しなかった.20 世紀前半の日本の「ソーシャルワーカー」の多くは男性で,ジェンダーロールの反転現象がみられたのである.当時の日本の研究者や実践家は欧米のソーシャルワークを精力的に学んでいたにもかかわらず. 本稿では,日本のソーシャルワークと社会学領域の間にある「社会的なもの」の解釈の違いを踏まえたうえで,日本で初めてソーシャルワークを実践した方面委員の多くが男性であったという事実を検証した.戦前は地域の有力者や素封家の家長が名誉職として方面委員となることが多かったが,現在では,女性の民生委員が6 割を超えるようになるなど,変化を遂げてきた.この変化は参加の動機づけや地域社会,価値観等に変化があったことを示していると考えられるが,「社会的なもの」を自助と公助と共助(互助)と捉える観点は今も強固である.

29 0 0 0 OA 新刀押象集

著者
加島勲, 内田疎天 著
出版者
大阪刀剣会
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1935