著者
黒川 修行 菊池 法大 秋山 駿介 阿部 由佳 瀨川 琴子 千葉 卓 土井 妥剛 若生 成 犬塚 剛 池田 晃一 木下 英俊 前田 順一
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.55, pp.199-207, 2021-01-29

運動後の手掌冷却がその後の持久的運動のパフォーマンスに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。運動習慣のある男子大学生10名(20〜22歳)を対象者とした。1回目の多段階漸増負荷試験後に,回復期に手掌冷却を実施した時としなかった時で,2回目の漸増負荷試験の結果と1回目との変化を比較した。手掌冷却はバケツにためた10〜15度の冷水に手を浸漬した。手掌冷却により回復安静期における鼓膜温は有意に低下した。これは冷却部の放熱量が大きくなり,冷やされた血液が身体の深部に戻ることで深部体温が下がったため,深部体温と相関のある鼓膜温が低下したと考えられた。また、手掌冷却により走行距離や最大酸素摂取量の有意な低減抑制が認められた。これは、深部体温の低下により,蓄熱容量が増大したためであると解された。最大酸素摂取量は中枢性疲労により低下する。手掌冷却により蓄熱容量が増大し,中枢性疲労が抑制されたため最大酸素摂取量の低減抑制が起きたと考えられた。運動後の手掌冷却はその後の持久的運動パフォーマンスの低減を抑制し,バケツにためた冷水に手掌を10分間浸漬する程度でも十分な効果が得られると示唆された。
著者
谷口 洋志
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
経済研究所 Discussion Paper = IERCU Discussion Paper
巻号頁・発行日
vol.250, 2015-03-01

アベノミクスにおける経済政策の目標は、短期的にはデフレ脱却、中長期的には持続的経済成長であり、それを実現するための政策手段が、大胆な金融緩和政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略から構成される「3つの矢」である。アベノミクスの経済政策は、表面的には名目総需要拡大の供給サイドの強化を目指す伝統的な経済安定・成長政策に見えるが、実際には長期国債買入等を通じてのマネタリーベースの拡大、巨額の債務制約下での予算編成、制度やルールの変更に伴う新たな規制の導入といった点で非伝統的な政策と理解される。 アベノミクスの成果として、株価、経済成長率、企業業績、雇用等における改善が指摘されることが多いが、経済指標を注意深く観察すると、アベノミクスの成果の幾つかは疑わしく、また、別の幾つかはアベノミクスの成果とは言いがたい。GDP水準やその成長率は最盛期の水準になく、景気や雇用は2009年後半から回復基調にあり、税収増の大部分は2014年4月の消費税増税によるところが大きい。株価上昇や円安の進展についても、2014年4月の量的・質的金融緩和の導入以前に大部分が実現し、大胆な金融緩和導入の影響はほとんどない。欧米の経済・金融・財政動向や、日米欧の金融政策スタンスの違いが株価や円安の動向に影響していると見られる。 アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略はまだ実践されておらず、「第2の矢」である機動的財政政策の「拡張性」は著しく弱く、「第1の矢」である金融緩和政策はインフレ目標をまだ達成しておらず、実現の見通しも立っていない。特に、2%のインフレ目標の実現は、デフレ脱却から持続的な経済成長を実現するための最初の一歩と位置付けられていたので、アベノミクスは失敗したとは言えないまでも、約束を果たしていないと批判されざるを得ない。
著者
山田 康弘
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.208, pp.143-164, 2018-03-09

縄文時代の関東地方の後期初頭には,多数の遺体を再埋葬する多数合葬・複葬例という特殊な墓制が存在する。このような事例は,再埋葬が行われた時期が集落の開設期にあたる,集落や墓域において特別な場所に設けられている,幼い子供は含まれない,男性が多いといったいくつかの特徴が指摘でき,現在までに6遺跡7例が確認されている。このような墓制は祖霊祭祀を行う際に「モニュメント」として機能したと思われるが,同様の意味を持ったと思われる事例は,福島県三貫地貝塚や広島県帝釈寄倉岩陰遺跡などでも確認されており,時期や地域を越えて確認できる墓制だと思われる。従来,同様の事例とされてきた千葉県下太田貝塚から検出された3例を今回検討したところ,下太田貝塚の事例はいずれも,「モニュメント」としての意義をもつ多数合葬・複葬例の特徴に該当しないことがわかった。このことから,筆者は下太田貝塚の事例は,「モニュメント」としての意義は持たず,単に遺体を集積し「片付けた」ものと判断した。また,縄文時代の後半期には墓を含む大型の配石遺構などが「モニュメント」化し,祖霊祭祀の拠り所となるものが多くなるが,このような多数合葬・複葬例もその文脈の中で理解できると思われる。すなわち,縄文時代の後半期においては,集団関係の新規作成や集団統合・紐帯強化のための一つの手段として,人骨および墓の利用が行われるようになり,「記念墓」がその新しい集団の「シンボル」・「モニュメント」となるような状況が創出された。その精神的・技術的背景には,系譜関係の意図的切断・統合といった,系譜的な死生観の応用が存在する。大規模な配石遺構も含めて,シンボル化した「モニュメント」において祖霊を祀ることによって,さらなる集団関係が再生産されていくとともに,何故に自分たちがそこに存在し,各種資源を優先的に使用するのかという正統性を表示・再確認することになる。そこには新たな「伝統」の確立が意図されており,祖霊観の存在および祖霊祭祀の意義を読み取ることが可能である。
著者
飯嶋 一浩 竹内 将俊 Kazuhiro Iijima Takeuchi Masatoshi
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.16-22,

クロハナムグリの生活史を屋外飼育実験により推定した。その結果,本種は年1化性であり,成虫の活動期間は4月下旬から8月下旬であった。幼虫は3齢が終齢であった。産卵は初夏に行われ,8月中旬には新成虫となり地上に出現した。しかしながら,野外において晩夏から秋季にかけて成虫を発見できないことから,自然状態では新成虫は羽化後も朽木内に留まり,そのまま越冬すると考えられる。初年度の越冬態は成虫であり,翌春に休眠から覚めた成虫は地上に出現し,摂食活動と生殖活動を行った。なお,成虫の一部は2年間生存し,2回の繁殖期があった。野外においても体表が磨耗し2年間生存していると推測される個体が時折確認されることから,一部の個体は自然条件下においても多回繁殖を行っていると考えられる。成虫の寿命は1年から2年であった。これらの結果から本種の生活史型は,年1化・成虫越冬・多回繁殖型と言える。このように,クロハナムグリは一部の成虫による多回繁殖という戦略を持つことによって,朽木という数少ない餌資源を長期に探索し,次世代を残すことが可能な能力を備えていた。なお,成虫の訪花植物について調査した結果,1綱7目8科23種が確認された。
著者
金子 さゆり
雑誌
名古屋市立大学看護学部紀要 = Bulletin of Nagoya City University School of Nursing (ISSN:13464132)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.19-25, 2014-03

本研究は急性期病棟で働く看護師の抑うつ傾向の実態を明らかにし、抑うつ傾向にある看護師の離職意図ならびに医療安全への影響について検討することを目的に、臨床研修病院5施設に勤務する病棟看護師1197名を対象にCES-Dを用いた自記式調査を実施した。病棟看護師の54.0%が抑うつ傾向にあることが示され、経験年数別比較において抑うつ割合に差がみられた。抑うつ傾向による医療安全への影響を検討した結果、抑うつ傾向の有無とインシデント・アクシデントレポート提出数や有害事象発生と関連はみられなかった。一方、抑うつ傾向にある場合はない場合に比べて、薬剤関連のエラーやニアミスを起こす確率が約2倍に、トラブル遭遇頻度は2倍強に高まる可能性が示唆され、さらに離職意図は約2倍に高まることが示唆された。安全な医療を提供していくためにも、看護師の抑うつ状態についてスクリーニングを行い、抑うつ状態にある看護師へのメンタルサポートを充実させていく必要がある。
著者
武藤 真弘 櫻井 彰人
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.141-142, 2016-03-10

近年、様々な手段により料理のレシピを手に入れることができる。しかし膨大なレシピ数の中からユーザーの好みの料理を選ぶのは難しく、結果口にあわないことが起きてしまう。同様に複数の酒や飲料から作るカクテルも組み合わせが膨大であるため、満足しない結果が起こってしまう。そこでユーザーにとって有益な情報を提供するためにレシピ情報から味を推定する。本研究では、一般の料理よりもレシピが単純であるカクテルに注目し、カクテルに関する事前知識を必要とせずに、機械学習を用いて約2200種類のカクテルレシピからカクテルの味を推定する。
著者
北神 雄太
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第72回, no.ソフトウェア科学・工学, pp.563-564, 2010-03-08
著者
関谷 貴之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.358-359, 2022-06-15

「初めてのperl」はperl初心者向けの有名な書籍“learning perl”の訳本である.1993年に原著の初版が世に出て以来,perlの進化と共に版を重ねられ,2018年に出版された第7版の内容は初版から大きく変化している.本記事では「初めてのperl 第7版」を簡単に紹介する.
著者
北原 零未
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.13-37, 2014-09-25

2013年5月,フランスにおいてようやく同性婚法が成立した。一般には,1999年末に成立したパックス(PaCS)をもってフランスは同性カップルを国家的に認知し,法的裏付けを与えたということになっているが,男女のみに許可されている既存の婚姻制度を批判し,婚姻法そのものの改正を求めていた同性愛者たちにとっては,パックスの成立は前進ではなく,むしろフランス国家からの否定的回答であったと言える。 今回の同性婚法成立は,そのこと自体は多様な家族生活,ライフスタイルを認めるという観点からすれば前進と言えるが,しかしその成立直後には,パックス成立時の時以上の反対運動が行われた。そして,そこでは,同性愛のみならず,伝統的家族以外の家族形態すべてが批判され,保守主義・家父長主義回帰が見られたのである。もはや同性婚以前の問題であり,保守的な男女の規範が賛美された。
著者
中川 遼 大西 鮎美 吉田 さちね 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.330-337, 2018-06-27

授乳中にスマートフォンを操作する母親がいるが,授乳中のスマートフォン操作により乳児がぐずりだしたという声もある.しかし,実際に授乳中のスマートフォン操作が乳児のぐずりを引き起こしているのかは現在調査されていない.授乳中のスマートフォン操作が乳児のぐずりを引き起こしていた場合,原因を明らかにし,その原因を取り払うことで,乳児のぐずりを引き起こすことなくスマートフォンを操作できる可能性がある.また,原因がスマートフォン操作でない場合,母親は罪悪感を感じることなく授乳中にスマートフォン操作をすることが可能となる.本論文では,実際に授乳中のスマートフォン操作により乳児のぐずりが引き起こされているのか,またその場合,乳児のぐずりの原因は何であるのかを明らかにすることを目的とし,ビデオカメラや加速度センサ等を用いて授乳のみ時とスマートフォン操作時の母親の体勢や授乳中の乳児の視線や動作の変化を比較した.
著者
大塚 和弘 竹前 嘉修 大和 淳司 村瀬 洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2317-2334, 2006-07-15

複数人物による対面会話を対象とし,会話参加者の視線パターン,頭部方向,および,発話の有無に基づき会話の構造の推論を行うための確率的枠組みを 提案する.本研究では,まず,会話の構造として,話し手,受け手,傍参与者と 呼ばれる参与役割と会話参加者との組合せに着目する.次に,会話中の各人物の 行動は,会話の構造によって規定されるという仮説を立て,マルコフ 切替えモデルと呼ばれる一種の動的ベイジアンネットを用いた会話 モデルを提案する.このモデルは,会話レジームと呼ばれる会話の構造に対応 した上位プロセスの状態が,マルコフ過程に従い時間変化しつつ,その会話 レジームの状態に依存して,視線パターン,および,発話が確率的に生成され,さらに,各人の視線方向に依存して頭部方向が観測されるという 階層的な構造を持つ.このモデルにおいて,会話レジームは,会話中に頻出 する視線パターンの特徴的な構造に基づいて仮説的に設定される.また,ギブスサンプリングと呼ばれる一種のマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて,観測された頭部方向と発話の有無の時系列データより,会話レジーム,視線パターン,および,モデルパラメータのベイズ推定を行う方法を提案する.最後に,4人会話を対象とした実験により,視線方向と会話レジームの推定精度を評価し,提案した枠組みの有効性を確認する.
著者
井田 泰人
出版者
近畿大学短期大学部
雑誌
近畿大学短大論集 = The Bulletin of The Junior College of Kinki University (ISSN:03867048)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.17-28, 2005-12-01

小林一三は電鉄会社を軸に沿線開発を始め百貨店経営やレジャー産業を展開した斬新で独創的な経営を実践した人物である。後に小林の経営手法を数多くの経営者が取り入れた。そのうちの一人にダイエーの創業者である中内功がいる。彼は、小売業を軸に多角化を展開する。しかし、両者の経営の手法を比較すると、中内は堅実性に欠け、非合理的側面が見られたこともあり第二の小林になりきれなかった。 (英文) Ichizo KOBAYASHI established Hankyu Rail Way Co.,Ltd, and diversified , land development, selling the land in lots, running a department store, leisure industory, and so on. Many managers adopted his manegemnet method. Isao NAKAUCHI, the fouder of The Daiei inc., is one of them. He imitated the bisuness style of KOBAYASHI, started a super market ,and run a lot of businesses. But NAKAUCHI didn't succeed ,because he lacked solidity and rationality.
著者
鄭 修娟
出版者
九州女子大学 ; 2009-
雑誌
九州女子大学紀要 = Bulletin of Kyushu Women's University (ISSN:18840159)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-10, 2020-09-30

This paper is to find the various factors that promoted the reform in the process of changing the ALT (foreign language guidance assistant) system, which had been independently implemented by the Ministry of Education, to the system of joint operation of the Ministry of Foreign Affair, Ministry of Internal Affairs and Communications.Not just simply reviewing the process until the reform of the system, it revealed the factors that influenced the change in the 'policy idea' that penetrated the system, by analyzing the reports of various actors( individuals and organizations) involved in the policy process on the system, along with the social and political situations of the time. In addition to the social situation (environmental factors), the official and unofficial policy network( institutional factors) consisting of these actors, as well as individuals and groups( actors) that wereinfluencing the policy process, focusing on the point of 'historical institutional theory', the methodology of political science, identified the current ALT system as a 'historical system' and discussed its irrationality.
著者
杉浦 郁子
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.7-24, 2022-03-17

性的マイノリティの権利獲得運動では、「不可視であること」を解決すべき問題と見なし「存在や困難の可視化」を目標として共有してきた。そのため、運動を牽引する者らは、性的マイノリティの当事者として自己開示することで、一般社会と対話を重ねることを要請されてきた。しかし、たとえ活動のリーダーであっても、カミングアウトは簡単なことではない。本稿は、東北地方で性的マイノリティのための活動に取り組む団体主催者へのインタビューから、かれらが「可視化」の要請をどのように経験してきたのか、また「可視化」の要請にどのように取り組み、対処してきたのかを明らかにする。インタビュー協力者らの経験や実践を通して、市民活動の担い手の多様なあり方を示すとともに、可視化を強調する運動を「地方」の視点から批判的にとらえ直すことを試みる。本稿の問題意識は、「可視性の政治」を強調することが「地方」の性的マイノリティの生活や活動、可視化以外の運動手法を周縁化する効果をあわせもつ、という点にある。まさに周縁化の対象となってきた「東北」のアクティヴィストたちは、自らの「露出」を管理したり、「露出」を前提にしない手法を模索してきた。その実践の合理性と、その実践がもつ「周縁化」への抵抗の契機を考察する。
著者
小浜 善信
出版者
神戸市外国語大学外国学研究所
雑誌
研究年報 (ISSN:04541073)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-21, 2012-03-23
著者
金子 直矢 伊東 孝紘 渡辺 敏暢 阿部 博 大西 亮吉
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.1059-1067, 2021-06-23

本研究では,WebRTC を用いたアプリケーションにおいてマルチメディア伝送の可用性と柔軟性を向上するためにマルチパス技術を導入し,メディアストリームごとのポリシに基づき通信パスの利用形態を制御する手法を提案する.WebRTC を用いたアプリケーションとして車両やロボットの遠隔操作システ ムといった事例が存在する.遠隔操作システムは,操作に必要な環境情報を伝えるために複数のカメラや マイクを併用しており,操作者のニーズに応じて必要なメディアストリームを安定的に伝送する通信基盤 が重要である.そこで WebRTC を用いる遠隔車両運転システムをターゲットとして,以下の 3 手法を導入し組み合わせることを提案する.(1) IP ToS 値を用いたメディアストリームの識別による Web ブラウザとネットワーク制御の連携 (2) マルチパス通信技術の導入による通信の選択肢多様化 (3) 優先度・重要度 に基づくメディアストリームごとのパス利用形態制御.これらの手法を,遠隔車両運転システムが用いるモバイル通信サービスを利用して検証し,実現性と通信制御の柔軟性の向上に寄与することを示した.
著者
杉森 公一
出版者
北陸大学
雑誌
北陸大学紀要 = Bulletin of Hokuriku University (ISSN:21863989)
巻号頁・発行日
no.52, pp.309-319, 2022-03-31

Faculty Learning Communities (FLCs), a type of professional learning community,are attracting attention as a method of promoting reflective educational practice. FLCsare often composed of faculty members who are interested in a particular topic, and inthe North America, methods such as small-group intensive training (institutes),retreats, and cohort formation (fellowship system) have been developed and are beingimplemented as a variety of FLCs. In Japan, Ikeda et al. (2016) have created acommunity of practice, but comparative research and conceptualization of FLCs infaculty development (FD) practice and research is limited in Japan. This paper reportson the design and framework of dialogue-based educational development through FLCformation involving faculty members across multiple disciplines.