著者
藤田 良治 山口 由衣 椎名 健
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-13, 2008 (Released:2008-03-17)
参考文献数
10

同一の映像素材に異なるトランジションを使用するとき,視聴者の印象がどのように変化するか心理学的実験により測定した.実験映像は,1)4種類の映像素材,2)4種類のフレームサイズ(画面に対する比率),3)4パターンのトランジション「ディゾルブ」「ワイプ」「カット」「ズーム」,を組み合わせて,合計64種類の映像を製作した.この映像を52名の実験参加者に呈示し,24尺度からなるSD法による印象評価を求めた.得られた評価値の因子分析により,3因子「好感度」「インパクト度」「明晰度」を抽出した.次に,各因子それぞれにおいて,トランジション(4)×フレームサイズ(4)×カテゴリー(4)の因子得点を用いて,3要因分散分析を行った.その結果,同一の映像素材においても,異なるトランジションを使用することにより,視聴者の印象が大きく変わることが明らかになった.本研究の結果,映像編集においてトランジションを適切に選択することの重要性が示され,視聴者に好感度やインパクトを与える映像を作成するための指標の一端を示した.
著者
井代 彬雄
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. II, 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.139-156, 1972

ナチス体制の権力構造を明らかにしようとする多くの方法論のうち,現代の国家独占資本主義論,そのなかでのナチス型国家独占資本主義論という理論的・実証的枠組から,ナチス体制の究明に追ろうとする一方法論がある。本稿は,ナチス体制初期の国家権力により打出される一連の労働政策の分析を中心として,ナチス権力構造究明への接近を試みるものである。In this paper I research the labor policy of the early Nazi Regime. The labor policy is one of the most important, indispensable and character-expressive problems that distinguish the types of the modern state monopolistic capitalisms, that is Nazi, New Deal or other types. I discuss the process and effects of the labor policy in the early Nazi Regime, intending to make clear the political and economic character of Nazism.
著者
Mikhail Trukhin
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-07

制度:新 ; 報告番号:甲2675号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2008/7/16 ; 早大学位記番号:新4848
著者
阿部 学 アベ マナブ Abe Manabu
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.257, pp.18-30, 2013-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第257集『都市コミュニティにおける相互扶助と次世代育成』水島治郎 編"Sustainable Urban Communities: Communality and Generativity" Report on the Research Projects No.257
著者
多喜 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.625, pp.295-297, 2006-10

多喜義彦氏 1951年生まれ。1988年システム・インテグレーション設立,代表取締役に就任し現在に至る。現在40数社の顧問,NPO日本知的財産戦略協議会理事長,宇宙航空研究開発機構知財アドバイザー,日本特許情報機構理事,立教大学大学院講師などを務める。地盤の計測というのは,もともとは典型的な公共事業型の商売だ。
著者
井上 大介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.740-741, 2015-07-15
著者
内村 和至
出版者
明治大学人文科学研究所
雑誌
明治大学人文科学研究所紀要 (ISSN:05433894)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-26, 2001-03

私はここしばらく秋成にかかずらわっているが、秋成の紀貫之批判を理解するうえで、秋成が編纂に深く関わった荷田春満の遺稿集『春葉集』(寛政十年刊)付録の春満版仮名序に注目すべきではないかと考えるようになった。それで、春満の仮名序研究の大体をまとめてみようと思ったのだが、この問題設定からは参考とすべき資料がなきに等しい。実のところ、仮名序研究にかぎらず、門人の聞書や筆記を中心とする春満の資料はほとんど整備されていないのである。確かに、春満の著作について三宅清の浩瀚かつ細密な研究、『荷田春満』(以下①)・『荷田春満の古典学』第2巻(以下②)が備わってはいる。しかし、三宅の所説は春満の著作と合わせ読まないかぎり十分に理解できない部分が多く、端的に言えば、それは『春満全集』の解説にこそふさわしいものである。
著者
前川 修
出版者
神戸大学
雑誌
美学芸術学論集 (ISSN:18801943)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-17, 2007-03

3 0 0 0 OA 土佐遺跡志

著者
福島成行 著
出版者
福島成行
巻号頁・発行日
1893
著者
牧野 悠
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.46-60, 2011-09

藤沢周平は、活動の初期から、武芸者を描いた作品を多数発表している。「隠し剣」シリーズは、そのような武術をテーマとする作品群の代表とすることができる。シリーズの一編である「必死剣鳥刺し」は、近年映画化されたように、時代小説がかつての勢いを失った今日でも、コンテンツとしての命脈を保つ作品である。しかし、本作の解釈にあたり、描かれた剣や武士道を考察する際の補助線として、外的情報を導入した場合、物語の破綻を余儀なくされる。主人公の倫理観や剣法は、作者が作品生成に利用していたという史料から得ることのできる武士のイメージや、それまでの時代小説で描かれた剣法観からは、逸脱したものと判断せざるを得ないからだ。しかし、作品を相対化し得る能動的な読みを、事前に回避する構造を本作は有しており、示された剣術流派の無名性や、三人称でありながら主人公の視線に寄り添う語りの方法に、その一端を見ることができる。
著者
奥田 俊博
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.101-111, 2001-03

潮水の意の「塩」、数える意の「読」など、漢語の本来的な字義に意味的に対応していない和化された字義を担う字は、「古事記」のみでなく、「万葉集」にも見える。「万葉集」の和化された字義を担う字の多くは、本来的な字義に意味的に対応した狭義の正訓字としての用法も存し、その点で「古事記」の和化された字義を担う字と性質を同じくする。-万葉集」の和化された字義を担う字の中には、本来的な字義との齪嬬が意識されていたと覚しき例も存するが、総体的には、慣用化を否定していない段階にあり、この点でも-古事記」と同質であると判断される。だが、その一方で、「万葉集」の和化された字義を担う字の中には、「古事記」の和化された字義を担う字とは異なった様相を呈する字も存する。たとえば、「万葉集」には、羨ましい意の「乏」や、不安定な心地、不安定な状態の意の「空」のように和化された字義が心的状態を表す例が見える。また、同一の和語を表記するのに、和化された字義を担う字と狭義の正訓字とが併用される例も少なくない。かような現象は、「古事記」と「万葉集」両書における使用語彙の質的な差、および、表記意識の差に基づくものと理解される。
著者
三田 昌彦
出版者
人間文化研究機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」
雑誌
現代インド研究 (ISSN:21859833)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.27-48, 2013-02

本稿は10−14世紀の南アジアの政治史的展開を、ユーラシア・レベルの乾燥・半乾燥地帯の活性化とその定着農耕地帯との連結という、当時の地政学的構造の文脈の中で把握し、その動きがインド洋海域世界の発展と密接に連関して、当時のアフロ=ユーラシア・レベルの交易と結びついていた、そのメカニズムを捉えようとするものである。生態環境の変動(温暖化と降雨量の安定化)による乾燥・半乾燥地帯の活性化は南アジアの地政学的構造を変化させ、その結果、それまでの定着農耕地帯中心の国家は、乾燥・半乾燥地帯と定着農耕地帯とのインターフェースとして機能する国家へと転換した。このような状況が、当時ユーラシア全域で活発化していた遊牧勢力による南アジアへの進出と帝国建設の必要条件となった。同時にそうした国家の出現は、中央ユーラシアとインド洋世界とをスムーズに連結することを可能とし、当時のアフロ=ユーラシア規模の交易ネットワークの形成にも寄与していた。This paper discusses the historical process of South Asian state formation and the expansion of the maritime network in the Indian Ocean during the 10th to 14th centuries, demonstrating the relevance to the existing Eurasian geopolitical structure: activation of arid and semi-arid zones and linkage between those zones and sedentary agricultural zones. The ecological changes known as the Medieval Climate Anomaly, namely warming and the activation of monsoons, promoted agricultural expansion and stimulated commercial activities in arid and semi-arid zones in South Asia. The economic activation of these zones motivated the people of the zones to construct regional states of Hindu kingdoms functioning as interfaces between the arid and semi-arid zones of newly developing areas and the sedentary agricultural zones of ancient advanced areas. Such economic and political situations stimulated nomad powers in Central Asia, who then invaded many parts of the vast agricultural zones in Eurasia, to enter and establish extensive empires in South Asia which also functioned as interfaces between the two zones. The interface functions of those states enabled smooth and direct overland connections between Central Asia and the port cities of South India through the arid and semi-arid corridors passing through the Deccan, MP, Rajasthan, and Punjab regions, and made a great contribution to the establishment of extensive overland and maritime Afro-Eurasian trade networks in the period of the Mongol Empire.