著者
安部 素嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.136, pp.13-18, 2005-06-17

一般化調和解析(GHA)は, 一般に, 離散フーリエ変換(DFT)と比べて精度のよい周波数分析法であると言われているが, どのような意味で精度がよいのかを明確に論じた文献はみられず, やや直観的な議論が先行しているように思われる.本稿では, まず正弦波パラメータ推定という立場からGHAとDFTを考察することで, これらが直接的に比較されることの非合理性を指摘し, 合理的な比較であるための前提を明らかにする.続いて, 時間領域で定義されるGHAの周波数領域での振舞いを論じ, 結論として, GHAは, 1)正弦波推定法としてよく知られるフーリエスペクトルのピーク抽出とほぼ等価な演算であることと, 2)実用上その違いが問題となるのは, 実単一正弦波の極低周波成分を推定する場合のみであることを明らかにする.

3 0 0 0 OA 少年防空読本

著者
内務省計画局 編
出版者
大日本防空協会
巻号頁・発行日
1941
著者
大山 政光
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究成果の概要(和文):本研究では、教員の指導力を高めるため小型天体望遠鏡の使用に関する教育用デジタル教材と太陽に関する教育用デジタル教材を開発した。天体望遠鏡の教材に関しては、セッティングや観察方法に関して安全面にも配慮したデジタル動画・解説書を作成した。太陽に関する教材では、黒点は変化するものであることを理解・実感できるように、黒点形成・消滅に関する教育用デジタル動画を作成した。
著者
梶原 克彦
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

第一に基礎研究として、主に現代ヨーロッパにおける少数民族問題と移民問題の事例と対策、理論的アプローチの整理を行った。第二に帝政期から大戦間期における国家イメージの研究を行い、その成果の一部を公表した。第三にこれらの問題に関し、ウィーンにおいて資料収集を行った。資料は (1)国家形態、(2)文化的属性とその経済的意味合いに従って体系的に収集した。第四に比較・共同研究への展開である。2012年1月に本研究代表者は、「国際秩序変動期の「併合経験」に関する比較研究」研究会を行った。また2013年6月にはドイツ現代史研究会において大戦間期オーストリア国民意識に関して報告し、比較研究へ向けた視座を得た。
著者
森田 雅子 横川 公子 矢田部 愛 北村 薫子 延藤 久美子 岡田 由紀子 徳山 孝子 西田 徹 坂井 加奈 櫻谷 かおり 天野 敏彦 武藤 恵美
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

国内およびイタリア・アメリカはじめ海外5カ国のフィールドワークを実施し、文献調査やネットアンケート、インタビュー(フィギュア製造業の海洋堂、コレクター)・モニタリング・データベース化の手法を用いた。巡礼地での観光土産との類縁性に着目し、「西洋型先進国」における食玩および食玩の類縁生活財(ミニチュア)の流行の仕組みや象徴的・表象文化的機能と日本的特異性の比較・解明を試み、得た知見の概要を『報告書:研究経緯および資料』に公開した。
著者
押野 武志 千田 洋幸 西田谷 洋 横濱 雄二 竹本 寛秋
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

今日の文学研究・文化研究の問題点を近代批判の文脈から68年の思想まで遡り整理した上で、68年代以降今日に至る現代日本文学とサブカルチャー、あるいは活字メディアと視覚メディアの錯綜した交渉関係を、村上春樹の登場とその受容史という縦軸を中心に同時代の文化・メディア環境も視野に納めながら具体的な相において通史的に明らかにした。 このようなジャンル横断的な新たな現代日本文学史を構築するためには、これまでの方法論や文学理論では捉えきれないという観点から、デジタル化社会に応じた、新たな分析概念及び文学理論の再構築も同時に目指した。
著者
Daniel Long 小西 潤子 今村 圭介 斎藤 敬太
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究で旧南洋群島に当たるパラオ共和国のアンガウル島における接触言語「アンガウル日本語」の存在を指摘し、その特徴や社会的・歴史的背景、さらには接触言語学的な分類について考察した。現地調査に基づいた分析、参与観察、面接調査に加えてアンガウルを離れてコロールに移り住んでいる島民も多数調査した。調査の目的は以下の2点にあった。(1)アンガウル島民がどのような日本語を話しているか。特に戦後育ちの島民で、日本滞在経験もなく、日本語学習経験がないパラオ人が日本語を使っているか。(2)「アンガウル日本語」は言語学的にどのような言語変種(ピジン、クレオー ル、混合言語、中間言語、など)として分類されるか。
著者
竹井 史
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

幼児期における土遊びは人間形成に大きな意義を持つ。本研究は、土遊びを活性化するための土環境を「ねんど場」と位置付け、考察し、以下の点が明らかになった。①本研究期間でねんど場に使用した土は、河川プラント会社から不要材として排出された粘土質土であるが、当初の予想以上に、感触遊び、粘性や可塑性をもとにした造形的な遊び、造形物を利用した社会性を促進するごっこ遊びに有益な素材であること。②粘土質土は、乾燥状態においても粉砕可能でかつ容易に再利用でき、その粒度分布は、粘土、シルト、細砂成分を中心とした土であり、粘土成分4~14%、シルト成分20~30%、細砂成分30~50%含まれたであること。
著者
川口 恵子 伊東 田恵 太田 理津子
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

著者を指す第1人称代名詞(Iやwe等)が英語教育・工学という2つの異なる分野でどのように使用されているかを出版年代の観点も含め学術誌論文を分析した。各分野の主要学術誌2誌ずつより選んだ約250編が分析対象である。その結果、第1人称代名詞は工学系論文で最もよく使われており、英語教育分野では、日本人研究者の第1人称代名詞の使用頻度は英語母語話者研究者に比べ低いことがわかった。また、工学系論文では20年前と最近の論文での代名詞の使用頻度に差がなかったが、英語教育系論文では年代による差が見られた。大学英語教員に実施したアンケートより、第1人称代名詞の使用は様々な考えに基づいていることがわかった。
著者
杉森 絵里子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

統合失調症は、自己主体感(自分自身が行動を起こしているという感覚)の障害であると考えられている。また、「自分が発話している」という感覚の障害であると言われている幻聴と、「自分が考えている」という感覚の障害であると言われている思考吹入の関係について、「発話=自分の考えをアウトプットすること」という観点から関係が深く、両者を検討する必然性がうかがえる。●研究1:大学生約100名を対象とし、ソースモニタリング課題を用いて発話の自己主体感に関わる要因について検討した。参加者は、単語を「聴く」「発話する」「内言する」「口真似する」のいずれかでインプットした後、モニタリング段階ではそれぞれの単語を「発話したか否か」について答えた。その結果、発話をイメージすること、口を動かすこと、声のフィードバックが得られること、その声が自分の声と同じであることが、それぞれ「発話した」判断に関わることが明らかになった。この結果の一部はQJEPに投稿し、受理された。●研究2:大学生約200名を対象とし、DRMパラダイムを用いて、幻聴傾向と思考吹入の関係について検討した。DRMパラダイムは、学習時に提示しないクリティカル語(ねむい)と、15語の連想語からなるリストで構成されている。被験者はリスト語(ベッド、おやすみ、おきる、つかれた、ゆめ、さめる、いびき、ふとん、いねむり、ひるね、あんらく、あくび)を学習し、後に再認を求められた。その結果、幻聴傾向とクリティカル語虚再認率に正の相関が見られ、幻聴傾向が高いと思考吹入が起こりやすいことが示唆された。この結果はConsciousness & Cognitionに投稿し、受理された。
著者
神尾 達之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

エイズは、①免疫不全を引き起こす点で、ヒトの身体レベルにおける自他の区別を無効にする病であり、かつ、②当初は性行為による感染がクローズアップされた点で、《他者》たちとの《つながり》の病であった。「エイズ」は単なる感染症の名称にとどまらず、《他者》による自己の侵犯をめぐる表象である。本研究はエイズから始まる《感染》の表象が、寄生、共生、インターネット、sns、微生物、絆、ともだち、ゾンビなどのイメージに転移することで、突然変異を繰り返し、変奏されるプロセスを考察する。

3 0 0 0 OA 将棋早稽古

著者
大橋宗金 編
出版者
大橋宗金
巻号頁・発行日
vol.前編, 1886
著者
山田 美幸 鶴田 来美 長谷川 珠代
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では独居高齢者に焦点あて、独居による生活の不具合や不安要因を明らかにし、個人の生活に即した介護予防プログラムを開発することを目的とした。平成18年度は、介護予防に関する注意事項や体操を含めた介護予防を目的としたプログラムを作成し、地域の施設等で、のべ179名に実施した。その結果、関節の拘縮や身体機能の低下が見られる参加者があり、これらを予防するために、継続してできるプログラムが必要であることが明らかになった。平成19年度は改良したプログラムをのべ20回実践し、評価を行った。対象者はデイサービスに通所する34名、平均年齢は84.7±4.2歳であった。「布団からの起き上がり」や「いすからの立ち上がり」に対する困難感を抱く傾向があったが、プログラム後はその困難感が減少していた。また、転倒のリスクは「家の中」が多かったが、プログラム後では有意に減少していた。歩行状態は一定距離の歩数が減少し、足の踏み出しが大きくなっていた。続けて、独居高齢者の生活行動パターンと運動量を明らかにするために、3名の自宅に人感センサーを設置した。これによって1日の生活パターンやトイレの回数、室内での部屋移動の状況が把握できた。さらに1ヶ月の情報を得た後、1日あたりの身体活動量を算出し、自宅でできる介護予防プログラムを提供した。また、これを家族が毎日観察し、活動状況によっては家族が高齢者に連絡をするといったコミュニケーションをとる機会にもなっていた。これらの結果より、高齢者は身体機能の低下によっておこる下肢の筋力を使う日常生活行動について不具合や不安を抱く可能性がある。しかし、高齢者の動きを生活活動量として捉え、個別性のあるその人に合った介護予防プログラムを提供することによって、不安や転倒のリスクの減少につながり、効果的であると考える。
著者
川野 因 日田 安寿美 多田 由紀
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

運動前(最大酸素摂取量70%強度、一過性自転車30分間)に摂取するたんぱく質量の違いと心拍数変動、パワースペクトル解析で得られる自律神経活動指標、血中乳酸、主観的疲労感、血中遊離トリプトファンと分岐鎖アミノ酸の濃度(Trp/BCA)比との関わりを検討した。いずれの指標も運動開始とともに変動するが、たんぱく質摂取量の違いはこれら指標に異なる動きを誘発し、中枢性疲労指標のTrp/BCAA比は自覚的疲労感や乳酸の動きと一致しなかった。
著者
吉田 純一 多米 淑人
出版者
福井工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

石川県境に位置する小原集落(福井県勝山市北谷町)は、住民がわずか2人の限界集落、そして廃村の危機が迫っている集落である。本研究は、この小原集落の新たな再生、活用を試行する実践研究で、離村者を含む地元民(代表国吉一実)と協働し、集落内の空家の改修や石垣・水路・坂道などの補修を通して集落景観を整備するとともに集落を舞台として山村生活の体験や自然とのふれあい、あるいは旧村民を巻き込んでの篝火祭(8月お盆期間)の開催、山開き、山菜・木の実狩り、紅葉見物、雪山散策などの季節に応じた各種のイベントなどを行いながら、限界集落の新たな再生や活用を試行している。