著者
緑川 信之
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.17-31, 2013-03-31

現在のファセット概念の広がりとその要因を探るために,ファセット概念の形成期(19世紀第4四半期から20世紀前半まで)に作成された主要な分類法を調査した。検討した分類法は以下の3種類である;(1)ファセットという用語が初めて導入されたColon Classification(CC),(2)記号が独立要素から成る分類法であるUniversal Decimal Classification(UDC)とBibliographic Classification(BC),(3)単一要素から成る分類法であるDewey Decimal Classification(DDC)とExpansive Classification(EC)。その結果,ある区分特性に基づく区分肢の総体という意味でのファセット概念は,すでにDDCの初期の版から使われていたことを確認した。また,このもともとのファセット概念が,後に,独立した構成要素をもつ記号法,合成,中間見出し,という様々な意味をもつ概念に拡張されていく要因も,CC第3版までに出そろっていたことを明らかにした。
著者
岡田 温司
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

まずイタリアのルネサンスからマニエリスムの時代にイタリア語で著された女性論において、女性の顔や身体を表象するコードがいかにして練り上げられていくかを追跡した。具体的にはアーニョロ・フィレンツオーラの『女性の美しさについての対話』(1548年)とフェデリコ・ルイジーニの『美しき女性の書』(1554年)である。また、そこにいかなるジェンダーの力学が作用しているかを分析するとともに、当時の女性肖像画や神話画との関連を問うた。次にルネサンス以降数多く描かれるようになった画家たちの自画像をとりあげた。鏡を見ながら自分の顔を表象するという行為がはらんでいた種々な問題点を、精神分析の考え方をも参考にしながら、具体的な作品を分析することによって浮かびあがらせようと試みた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1218, pp.116-118, 2003-11-24

この秋、2年間のニューヨーク市での生活を終えた緒方貞子は東京に戻り、新しい国際援助の仕事に就いた。10月1日に国際協力事業団から独立行政法人に生まれ変わって新たなスタートを切った国際協力機構(JICA=ジャイカ、本部東京)の理事長に就任したのだ。発展途上国への技術協力や人材派遣を手がける組織の長として、1300人の職員を率いる。
著者
出村 和彦 上村 直樹
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、古代末期北アフリカ、ヒッポのキリスト教司教アウグスティヌスの「貧困」理解を取り扱い、時代の転換期における「貧困」に関して、彼がいかなる洞察を有し、実践的に関与したかを、彼の初期作品、民衆に語った『説教』、『神の国』、および『詩篇講解』等の原典読解を通じて解明した。これによって、「貧困」についての「霊性化」という彼の思想の一貫した傾向を見出している。本研究は、オーストラリアや韓国の研究者との有益な交流を通して推進された。
著者
林 辰美 片山 喜美子
出版者
賢明女子学院短期大学
雑誌
Beacon (ISSN:02881187)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.37-43, 1982-03-10

栄養指導の基礎資料とする目的で、本学食物専攻科生全員30名を対象に、1979年12月の通常の授業のある日(平日)と休日の2日間に、生活時間調査と食物調査を実施した。その結果、下記のことがわかった。1.消費エネルギー量は、平日2071kcal±239kcal、休日2029kcal±278kcalであった。2.摂取エネルギー量は、平日1842kcal±317kcal、休日1856kcal±393kcalであった。3.摂取エネルギー量は、消費エネルギー量の平日89%、休日91%と少なかった。4.学生個々についてみると、個体差が大きく、目標とする栄養所要量よりも、はるかにかけ離れた学生が、消費エネルギー量では、平日43%、休日37%もおり、摂取エネルギー量では、平日60%、休日57%を占めた。5.生活時間調査を分類すると、睡眠時間は、平日7時間36分±40分、休日9時間10分±72分で、休日に多く、有意差が認められた。休日には、生理的、家事作業、自由、その他の移動時間が多く、学業、通学時間が少なく、全てに有意差が認められた。6.穀類エネルギー比は、平日38.8%、休日35.6%で、ばらつきが大きく、極めて低いことがわかった。間食よりのエネルギー量の比率は、平日19.5%、休日22.1%であり、間食はほとんどの学生が摂取しており、その量も多いことがわかった。とくに不足している栄養素は、カルシウム・鉄である。
著者
市石 英三郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1002, pp.14-15, 1968-10-20
著者
堀内 理恵 伊藤 みどり 杉原 好枝 福田 滿
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-18, 2004
被引用文献数
1

兵庫と大阪の女子大生(255人)にオカラの嗜好と意識を調査し,次のような結果が得られた.1.大部分の女子大生にオカラは受け入れられ,オカラに対するイメージは「健康に良い」「栄養がある」が同率首位で,3位「安価である」であった.喫食経験のある人は84.6%であったが,喫食頻度は低く年に1〜2回が過半数であった.2.オカラは「卯の花」で食する人がほとんどであり,オカラ入り食品の入手先は「店で購入」が64.9%「家で作る」は30.7%となった.3.オカラはハンバーグ,コロッケ,ギョウザなどひき肉と合わせる料理の素材として人気が高く,次にケーキ類,パン類の順で,中でもベーグル,ピザ,カレーパンは人気が高かった.4.オカラが「大豆から豆腐を製造する時の副産物である」ことは86.5%の人が知っており,その情報源は「親」が49.8%であった.オカラが「産業廃棄物である」ことの認知度は34.7%でその情報は37.8%が「テレビ」から得ていた.「食物繊維が豊富に含まれる」ことに対しては,53.7%の人が知っておりその情報は42.9%が「親から」得ていた.「イソフラボンが豊富に含まれる」ことに対しては,37.3%の認知度でその情報は「テレビ」からが33.0%であった.「大豆タンパク質が豊富に含まれる」ことに対しては61.2%の人が知っており,その情報は「親」27.2%,「テレビ」27.2%,「新聞・雑誌・書物」21.5%,「学校」20.3%であった.
著者
野末 俊比古
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.46-50, 2013-02-01
参考文献数
5

本稿では,大学図書館における情報リテラシー教育の評価にあたって,統計や文書などの「ログ」を活用する可能性について検討する。図書館には,評価データとして効率的・効果的に利用できる多種多様なログが日常業務のなかで蓄積されているが,利用に伴うコストも考慮しつつ,アウトプット評価に偏らず,アウトカム評価を充実させる方向性が期待され,定量的評価に加えて定性的評価を重視する取り組みなどが求められる。

3 0 0 0 OA 百蝶図案

著者
田中幽峰 著
出版者
五洞館
巻号頁・発行日
1896