著者
石井 俊哉 江上 いすず 中野 徹 小野村 光正 中川 二郎 奥村 純市
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.171-176, 2007-12-25
参考文献数
9

現在、日本は銘柄豚ブームとも思えるほど、数多くの銘柄豚が存在する。その内容は品種、飼料や水の違いを訴えるもの、地域色を出したものなど多岐に渡り、皆様々なアピールを展開し、味の違いを訴えている。人の味覚的な好みは個人によって異なっており、銘柄豚だけが好まれるわけではない。従って、より多くの消費者に好まれるために、銘柄豚の開発段階で、人の好みの傾向を捉えておくこと、次代の消費動向の鍵を握る青年層の好みを把握することは重要と考えられる。そこで本研究は、日本の銘柄豚の代表格である黒豚肉(イギリス系バークシャー種)と一般豚肉(三元交雑種)を、味覚官能検査を主体に比較し、青年層の好みを把握することと、黒豚肉の味覚官能的な優位性を検証することを目的に行い、若干の傾向を得たので報告する。
著者
松井 寛二 菅野 茂 天田 明男
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.305-312, 1986-04-15

サラブレッド仔馬ならびに母馬各5頭に安静時鼻捻子保定を行い, 心拍数ならびに心電図に現れる変化について比較検討した。仔馬ではいずれの月齢においても, 鼻捻子保定による心拍数の減少は母馬に比較して顕著であり, 仔馬における徐脈効果は鼻捻解除後も少なくとも3〜5分間は持続した。仔馬, 母馬ともに鼻捻子保定による心拍数の減少にともなってA-B誘導心電図のT波の陰性成分が増大した。5頭中2頭の仔馬では, 3.5および4力月齢時の鼻捻子保定により, 第2度房室ブロックが誘発され, この現象は再現可能であった。
著者
佐々 浩司 林 泰一 村田 文絵 益子 渉 橋口 浩之
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

竜巻発生環境を再現する実験装置を確立し、メソサイクロン高度に依存して竜巻発生状況が異なることや竜巻の詳細構造を示した。この知見は竜巻予測精度向上に寄与すると期待される。また、レーダー観測により竜巻発生件数の多い高知県において積乱雲中の渦の8割が土佐湾海上で発生することと、福岡竜巻の事例についてメソサイクロンと竜巻渦との関係を示した。モデル解析においては非スーパーセル竜巻事例の発達過程を示した。
著者
ツェレンプル バトユン
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

馬乳酒はモンゴルの伝統的で代表的な乳製品であり、モンゴル国内外で健康的な食品へ関心と馬乳酒の需要が増加しているため、高品質の馬乳酒を生産する伝統的知識の記録と、要因の解明が重要である。国全体で聞き取り調査をおこなった結果、馬乳酒生産は中央部および南部、西部で盛んであった。高品質の馬乳酒生産に重要だと多くの牧民に認識されている項目は、牧民の技術、酵母の選択、植物の種類であった。馬乳酒生産用のウマの行動圏は、搾乳時間帯(日中)より非搾乳時間帯(夜間)で大きかった。これは水場や塩類露出地域、食物の利用可能量の空間分布が影響したと考えられ、放牧地の選択とウマの管理手法の重要性が示唆された。
著者
木綿麻実路 岩切 宗利
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1258-1265, 2006-04-15

テキストベースの情報メディアの一種に,文字の形状や濃度を利用して絵や自然画像を表現するアスキーアートがある.一般的なアスキーアート作成手法では,作者や作成日時などの属性情報を別に記録する必要がある.しかし,流通の過程でそれらの属性情報は失われる可能性がある.そこで本研究では,1 対1 であった文字と輝度の交換テーブルを1 対多とすることにより,アスキーアートに情報を埋め込む手法を考案した.本論文ではその考えに基づき,埋め込み可能容量を増大しながら出力画質を向上させる手法について示す.また,階調数を高く設定したうえで入力画像の特性を考慮した文字数選定を行うことにより,出力画質と埋め込み情報量をともに向上させることができることを実験により示した.本研究の結果,出力データサイズに対して最大21%程度の情報埋め込みに成功した.
著者
米虫 正巳
出版者
関西学院大学
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.17-34, 2000-12
著者
三浦 修
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.127-149, 2010-05

岩手県の自生種のシラカンバ(カバノキ属)、導入種のドイツトウヒ(トウヒ属)、導入種のポプラ(ヤマナラシ属)の植栽によって、当時の農村景観を改善できると賢治は考えた。現在の農村景観計画に相当するこのアイディアは、田村(1918)が提唱した装景に由来する。ここでは、3属の樹木を賢治の「装景樹」と呼び、どのように作品に描かれたかを詳細に記載した。賢治が実際につくった景観計画案やその実践のプロセスをも明らかにした。作品描写の分析によって、賢治の科学(植物生態学など)的リテラシーを考察した。さらに、装景樹の着想について、当時の林学や植物学において、樹木や森林の美が研究されたことや、造園学とその実践学が確立したことなどの学問的な時代背景を考察した。
著者
前迫 ゆり
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.83-90, 2006

地域の環境保全林として,また地域のコミュニティの場として多様な機能をもつ「鎮守の森(社寺林,社叢林)」において植生調査を行い,森林群落を植物社会学的視点から評価した.植栽後64年が経過する奈良市内の鎮守の森を対象に,2006年4月から11月の期間に調査した結果,当境内地(約5ha)で確認された樹木(植栽樹木および自然散布による生育樹木を含む)は裸子植物10種,被子植物81種5属であった.本殿後方と側方にはスダジイ群落とクスノキ群落(いずれも植栽起源)が成立していた.「植栽種」と「種子散布などにより自然加入した種」の比率を算出ずると,低木層および草本層には,植栽後に加入した種が多く生育していた.とくに草本層の出現種は平均45種,自然散布による加入種の比率は97.8%と高く,このうち「ヤブツバキクラス要素」の種の比率も高い値を示した.植生樽造から,植栽起源の森は64年という時間経過のなかで,地域の森として発達していると評価された.
著者
栗本 蕗 堀 里子 佐藤 宏樹 三木 晶子 澤田 康文
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.133, no.9, pp.1023-1034, 2013 (Released:2013-09-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

For drug fostering and evolution, it is important to collect information directly from patients on the efficacy and safety of drugs as well as patient needs. At present, however, information gathered by healthcare professionals, pharmaceutical companies, or governments is not sufficient. There is concern that patients may fail to recognize the importance of providing information voluntarily. The present study was conducted to provide drug information to patients/consumers, to enlighten them on the importance of providing drug information by themselves, and to develop an Internet website, called “Minkusu,” for collecting drug information from patients. This website is based on a registration system (free of charge). It is designed to provide information on proper drug use, and to collect opinions about drugs. As of May 31, 2012, a total of 1149 people had been registered. The male/female ratio of registered members was approximately 1:1, and patients/consumers accounted for 23%. According to the results of a questionnaire survey, several patient/consumer members appreciated the usefulness of the information service, and they took an opportunity to know of the concepts of drug development and evolution (Ikuyaku, in Japanese) through the information services provided by this site. In conclusion, the developed information system would contribute to the proper use of drugs by patients/consumers and to the promotion of drug development and evolution.
著者
京都市教育会 編纂
出版者
明治図書
巻号頁・発行日
vol.幼児の巻, 1931
著者
山本 政儀
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

陸地と海域の接合部である沿岸帯は物質の収支と循環が最も活発に演じられる場所であり,そこでの特に将来長きに亘り環境放射能影響をもたらす長寿命放射性核種,とりわけ超ウラン元素(ネプツニウム(Np),プルトニウム(Pu),アメリシウム(Am))の挙動を系統的・総合的により明確にすることは,環境保全の面からのみならず被曝低減化の面からも重要である。本研究は,イギリスのセラフィールド核燃料再処理工場からの放射性廃液で高濃度に汚染されているアイリッシュ海沿岸をフィールドにIV価のPuやIII価のAmと比べて堆積物に移行しにくいと言われているNpが,どのような堆積挙動をするかを解明することを主目的として実施したものである。主な成果を以下に述べる。(1)アイリッシュ海東部沿岸の堆積物について,^<237>Npを初めとして^<238>Pu,^<239,240>Pu,^<241>Pu,^<241>Am,更に^<99>Tcを測定し,汚染レベル・分布・蓄積量を明らかにした。(2)再処理工場からの1989年までの全^<237>Np放出量を初めて6-8TBqと推定した。(3)放出口からの距離と上記核種の蓄積量との比較から,^<239,240>Pu=^<241>Am<^<237>Np<^<137>Cs<^<99>Tcの順に堆積物に移行しにくいことを明らかにした。これらの挙動の違いはそれぞの元素の酸化状態の違いによって説明される。(4)アイリッシュ海に放出された上記核種の沿岸帯への移行には主として2つのメカニズム,すなわち,溶存状態として海流・潮汐にのって拡散(solution transport)する場合と放出口近傍で高濃度に汚染された堆積物粒子が拡散(particle transport)する場合がある。どちらかと言うと,^<99>Tc,^<137>Csは前者,^<237>Np,^<239,240>Pu,^<241>Amは後者のメカニズムで移動し空間的・時間的分布を規定していることを明らかにした。
著者
中村 亮太 井上 亮文 市村 哲 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.172-180, 2006-01-15
参考文献数
24
被引用文献数
3

近年,大学などの教育機関では,学習用コンテンツとして講師映像と講義資料を組み合わせたものが制作されているが,単調な表示方法であるため学習者を飽きさせてしまうという問題がある.そこで本稿では,学習者にとって飽きにくい講義コンテンツを自動的に作成することができるシステム「MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate」を提案する.著者らは映像の単調さを改善するために,誘目性(目が惹き付けられる)に着目し,画面に並列表示された講師映像と講義資料の表示サイズを交互に拡大縮小することで提示映像のスイッチングを行い,講義資料中の重要語句(講師の発話と一致した語句)を誘目性の高い表示へ変換することが自動的にできるシステムの開発を行った.MINO では,音声認識によりテキスト化した講師の発話情報と講義資料内の文字列とをマッチングさせることで重要語句の特定とともに,映像の切替えタイミングとフォントの変換タイミングを自動的に決定することができる.評価実験の結果,本提案手法は従来の提示方法に比べ,学習者を飽きさせないという評価を得ることができた.本稿では従来の提示方法について分析した結果を示し,開発したシステムの設計,実装,評価について述べる.Recently, e-learning contents that combine the speaker video with supporting materials are produced in educational institutions such as universities. However, there is a problem that those systems make learners become tired because produced contents are monotonous. In this paper, we propose the system "MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate" that can automatically edit the recorded speaker video and supporting materials. MINO allows users to automatically convert words in the supporting materials into conspicuous ones according to the utterance of the speaker. We used speech recognition to convert voice of lecturer into character string. Their data are matched up words into the supporting materials so that speaker video is synchronized with supporting materials. Through evaluations of the system, we verified the effectiveness of our system.
著者
山川 和恵
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短大国文 (ISSN:02866684)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-70, 1974-12-20
著者
長尾桃郎 著
出版者
労働問題研究会
巻号頁・発行日
vol.上編, 1928
著者
小保方 晶子 無藤 隆
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.89-95, 2004

中学生の非行傾向行為の実態と変化を明らかにするために、1学期に2397名、2学期に2347名に質問紙調査を行い、非行傾向行為について性別、学年、学期による検討を行った。その結果、次のことが明らかになった。非行傾向行為の特徴として、「病気などの理由がないのに学校をさぼる」行為は女子に多いこと、非行傾向行為は、1年生より2年生の方が、多く増加していること、1学期より2学期の方が増加しており、学年だけでなく夏休みを挟んだ学期によって変化していることが明らかになった。夏休みが変化の機会になっており、中学生の非行傾向行為は夏休みの過ごし方などが大きく影響していることが示唆された。全体的な傾向としては、2年生の2学期が最も増加し、その後3年生になると減少するという変化が明らかになった。3年生では受験があることによって減少していることが示唆された。