著者
木村 真人
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.147-159, 2022-03-31

" This study aimed to find out how university faculty and staff encourageuniversity students to use the student counseling center. A total of 78university faculty and staff members participated. They were presented withthe questions:“ What difficulties do you experience when encouraging studentsto use the student counseling center?” and “What do you do to encouragestudents to use the student counseling center?” The analysis of the open-endedresponses indicated that the answers fell into seven categories: 1)Forming atrusting relationship regularly, 2)Involving other departments, 3)Lowering thebarriers of use, 4)Explaining the benefits of use, 5)Emphasizing confidentiality,6)Respecting autonomy, 7)Recommending actual student utilization.Furthermore, the result indicated the various ways of encouraging collegestudents to use the student counseling center—before, during, and afterrecommending it. Finally, the implications of these findings are discussed."
著者
島田 昌一 近藤 誠 中村 雪子 小山 佳久
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

嗅覚障害の1つに嗅覚過敏がある。自分にとって有害、危険、つらい状況に遭遇すると、周囲のにおいとそのネガティブな体験が関連づけられて記憶、条件づけされる。そして、その状況からいち早く回避するため、そのにおいに対する感受性が高くなり嗅覚過敏になると同時に、そのにおいに対して強い嫌悪感をいだくようになる。本研究では嗅覚過敏を研究するため、確実な嗅覚過敏モデルの作成方法の確立とその治療薬の開発を試みた。微量のにおい物質をマウスに飲水させることによりマウスは口腔内で揮発する微量のにおい分子を感知する。その後にマウスの腹腔にLiCl溶液を注射することにより、マウスの嗅覚過敏・嫌悪学習モデルを確立した。
著者
後藤 優仁 星野 貴行 青山 敦
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual58, no.Abstract, pp.449, 2020 (Released:2020-08-05)

近年,上側頭溝での cross-frequency coupling (CFC) が視聴覚の統合錯覚に関連する現象として注目されている. 理論的には,視覚と聴覚に確度の差があるため,より信頼度の高い感覚によって他方が捕獲される事で説明がされている.しかし,実験的に確認されている上側頭での CFC がこうした感覚統合処理を直接的に担っているのかは不明である. そこで本研究では, 音声の定位方向が視覚情報に引き寄せられる錯覚である腹話術効果に着目し, 上側頭溝近傍への経頭蓋ランダムノイズ刺激 (tRNS) によって当該部位での位相活動に外乱を与え,CFCを乱す事で腹話術効果を阻害する事が可能であるかを検討した. 実験参加者の正面を0度としてモニターを設置し, -30~30度に21個のスピーカーを等間隔で配置した. モニターには口唇動作が映され, 参加者はいずれかのスピーカーから流れる音声に対して音源定位を行った. この際の実際の音源方向と知覚された音源方向との誤差を腹話術効果の指標として tRNS による電気刺激時とシャム刺激時での比較を行った.実験の結果,シャム刺激時では角度の誤差も大きく,腹話術効果が観測されたが, 電気刺激時においては誤差やその分散が小さく錯覚の効果が弱まった.tRNS は位相活動に外乱を与えるため,上側頭溝近傍への tRNSが腹話術効果を阻害したと考えられる.この事から,上側頭溝での CFC が視聴覚の統合処理を直接反映している可能性が高まった.
著者
八反地 剛 森脇 寛
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.45-51, 2011-01-25
参考文献数
21
被引用文献数
3

神奈川県・静岡県の丹沢地域および箱根地域の地すべり地形分布図を用いて地すべり斜面の地形解析を行ない, 各地域の等価摩擦係数 (以下H/Lとする) , 土塊の拡散性の違いについて議論した。いずれの地域においても, 地すべりの規模 (発生域の面積) とH/Lの関係は不明瞭で, H/Lは発生域の斜面勾配に比例する傾向が明瞭であった。また, 箱根地域における斜面勾配とH/Lの比例関係から得られたH/Lの予測下限値が, 箱根地域で発生した早雲山地すべりのH/Lの実測値とよく一致し, 地すべり地形分布図から得られるH/Lの予測下限値の有用性を確認した。地すべり地形斜面の発生域と流下堆積域を含む全体の面積と発生域の面積の比 (土塊拡散率) は多くの地すべりで1. 0から2. 0の範囲にあったが, 箱根地域では2. 0を超える地すべりが3例あった。箱根地域は丹沢地域に比べてH/Lが小さくなりやすく土塊拡散率が高いことから, 地すべり災害が発生した場合被害が拡大しやすいことが予想される。

2 0 0 0 OA 日本俳書大系

著者
勝峰晋風 編
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.第2巻(芭蕉時代第2) (蕉門俳諧前集), 1934
著者
楠 あかね 森脇 志織 神原 知佐子
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.211-218, 2022 (Released:2022-04-01)
参考文献数
23

中規模病院に勤務する管理栄養士・栄養士の職務満足度およびワーク・ライフ・バランス(WLB)の現状を把握し、それらに関連する要因を検討することを目的として、アンケート調査を行った。152施設396人(うち97.5%が管理栄養士)から回答を得た。中規模病院に勤務する管理栄養士はおおむね健康な状態で、業務の内容・量をある程度負担と感じながらも、同僚や患者との関係性が良好であり、仕事が自分の能力を生かし、向上できるものであると感じていた。職務満足度の中央値(四分位範囲)は70.0(50.0~80.0)/100点で、重回帰分析の結果、最も影響を与えていた項目は「現在の仕事は、能力向上の機会になっている」であった。WLB満足度の中央値(四分位範囲)は60.0(40.0~80.0)/100点で、最も影響を与えていた項目は「職務満足度」であった。職務満足度とWLB満足度は相互に影響を与える関係にあることが示唆された。
著者
坂井 弘紀
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Representational Studies (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.41-60, 2016-03-11

日本の民話・伝承について考えるとき、これまで多くの研究者が指摘してきたように、中央ユーラシアの遊牧民の民間伝承を避けて通ることはできない。本稿では、ユーラシアのテュルク系民族に語り継がれてきた『アルパムス・バトゥル』、『ナンバトゥル』・『エメラルド色のアンカ鳥』、『勇士エディゲ』、『ジャルマウズ・ケンピル』、『大ブルガルのクブラトの遺訓』などを取り上げ、日本に、これら中央ユーラシアの伝承・民話とよく似た伝承・説話が存在することを具体的に提示した。これらの話は、中央ユーラシアと日本の民話・伝承の比較研究に大きな示唆を与える適例であるといえよう。古来、遊牧騎馬民が駆け巡った、アルタイ地方を中心とする中央ユーラシアの草原地帯に、日本の民間伝承の起源を解く鍵があるかもしれない。本稿は、それを解くための「たたき台」となるはずである。
著者
村井 源 豊澤 修平 白鳥 孝幸 吉田 拓海 石川 一稀 岩岬 潤哉 斉藤 勇璃 中村 祥吾 根本 さくら 大田 翔貴 大場 有紗 福元 隆希
雑誌
じんもんこん2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.16-23, 2021-12-04

従来の物語分析は特定のジャンルを対象としたもので,ジャンル間の差違などを計量的に明らかにする研究はなされてこなかった.本研究では,ジャンル横断的な物語構造分析を実現するため,現代日本のエンターテイメント作品で頻出の5 ジャンル(冒険,戦闘,恋愛,探偵,怪談)を対象として各ジャンル100 話以上を収集した.また全ジャンルを共通の枠組みで構造分析し比較可能なデータセットを構築した.各ジャンルのデータセットに基づき,典型的な展開のパターンを抽出し,また因子分析により物語展開の共通・固有の因子を特定した.各ジャンルの特徴が同じ基準で比較可能となったことで,今後ジャンル複合的な物語の分析や自動生成の実現にも道が開かれると期待される.