著者
浅香 美由紀 長谷川 雄一
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.231-237, 2014-11-25 (Released:2015-12-23)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

う蝕および歯周病の発症は,口腔内細菌によって形成されるプラークに起因しており,いずれも適切なプラークコントロールを習慣づけることにより予防することができる.平成22 年国民健康栄養調査によると,口腔清掃用器具の使用状況として歯ブラシは96%だが,歯間ブラシは20%,デンタルフロスは12%である.通常使用する歯ブラシでは歯間隣接面のプラークの除去率は58%であり除去することが難しいために,この部位から歯肉の炎症が生じ歯周病へと移行することが多い.このことから歯間清掃用具のデンタルフロス,歯間ブラシなどを使用する必要がある.しかしその重要性を認識していない患者が多いのが現状である.また歯間清掃用具の中でも特にデンタルフロスの重要性を理解し活用することで,隣接面のう蝕予防と歯周病予防が可能である.そこで当院における口腔衛生指導を含め,特にデンタルフロスに注目したジンジバルプラークコントロールについて,繰り返しの指導により良好な結果を得られた一症例を提示し,考察を加えて報告する.【顎咬合誌 34(3):231-237,2014】
著者
松山 康成 真田 穣人 栗原 慎二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-9, 2021-03-30 (Released:2021-05-01)
参考文献数
32
被引用文献数
8

本研究の目的は,小学生高学年を対象とした友人同士の対立場面における介入行動意図尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。小学5, 6年生の202名(男子児童93名,女子児童109名)を対象に,介入行動意図,向社会的行動,向社会的目標,自己指向的反応,被影響性に関する尺度を含む質問紙調査を実施した。探索的因子分析と確認的因子分析の結果,介入行動意図尺度は援助意図,傍観意図,非介入意図,介入意図の4因子21項目から構成された。介入行動意図尺度は一定のα係数と再検査信頼性係数を示し,十分な内的一貫性が認められた。また,同時に測定した外的基準との関連を示したことから,一定の信頼性と妥当性を有すると考えられた。尺度得点については,学年差が認められ,援助意図は小学5年生の得点が小学6年生の得点よりも高く,傍観意図と非介入意図は小学6年生の得点が小学5年生の得点よりも高いことが確認された。また傍観意図において性差が認められ,男子よりも女子の方が高いことが確認された。最後に本尺度の利用可能性について考察されるとともに,今後の介入行動研究に関して議論された。

2 0 0 0 水草とpH(2)

著者
角野康郎
雑誌
水草研究会報
巻号頁・発行日
vol.7, pp.5-7, 1982
被引用文献数
1
著者
吉野 政治 YOSHINO Masaharu
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 (ISSN:18849296)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-12, 2012-03

睡蓮は花の開閉が定時に行われる「日花」(ゾンネブルーム〔蘭語〕)と呼ばれるもののひとつであり、ひつじの刻(午後一時から三時)に花を閉じる。別名「ひつじ草」はそこからきたものであるが、この花について書かれた文献が初めて現れる江戸時代において、その時間を開花時間とするものがあり、今日もそのように説明する植物図鑑もある。これは漢籍の文章の誤読と和語「つぼむ」の語義の誤解によるもののようである。
著者
添田 泰弘 北本 拓磨 長谷川 光司
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.239-245, 2014
被引用文献数
1

<I>Oshibori</I> is a small wet towel to wipe hands before meal in Japan. Most of researches on <I>oshibori</I> have investigated the towels from the perspective of cleaning and sanitation. Few studies have assessed the qualitative and sensory characteristics associated with <I>oshibori</I>. In this paper, subjective evaluation experiments were carried out using cotton <I>oshibori</I> of different temperatures such as 5, 15, 30, 45, 60, and 75 &deg;C in the laboratory temperature at 20, 25 and 30 &deg;C over four seasons. 29 males and 33 females evaluated <I>oshibori</I> on following properties such as &ldquo;favorite,&rdquo; &ldquo;rare,&rdquo; &ldquo;hot,&rdquo; &ldquo;feel-smooth,&rdquo; &ldquo;high-grade,&rdquo; &ldquo;comfortable,&rdquo; &ldquo;soft,&rdquo; and &ldquo;moist,&rdquo; according to five point grading. As results, the <I>oshibori</I> at the temperature of 5, 15, 45 and 60 &deg;C were evaluated to be comfortable. Contrary, those of 30 and 75 &deg;C were evaluated uncomfortable. Moreover, sexual specificity of the evaluation was observed.
著者
森田 明雄 小西 茂毅 中村 順行 清水 絹恵 横田 博実
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-9, 2004 (Released:2004-03-18)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

日本で育成された緑茶用品種の中から29品種を選び,それぞれ一番茶生育期前(3月1日)の成葉と摘採適期の一番茶新芽を採取し,全窒素,全遊離アミノ酸,テアニン,タンニン,カフェイン,ビタミンC含量を近赤外分光法により測定した.その結果,一番茶では,育成年と茶の滋味に関係する全窒素,遊離アミノ酸並びにテアニン含量との間に正の相関が認められた.つまり,育成年が新しい品種ほどそれらの窒素成分含量が高かった.しかし,同じ窒素化合物でも,苦味成分であるカフェイン含量には育成年の新旧に応じた差はなく,また渋味成分であるタンニン含量は反対に育成年との間に負の相関が認められた.一方,一番茶生育期前に採取した成葉でも,一番茶と同様に育成年と全窒素,遊離アミノ酸,テアニン含量との間に正の相関が認められ,育成年の新しい品種ほどこれらの窒素成分含量が高かった.しかし,成葉においては,育成年とタンニン含量との間に有意な相関はみられなかった.また,一番茶と一番茶生育前の成葉の全遊離アミノ酸含量同士の間に正の相関が示された. 次に,上述の煎茶用品種の中から1960年以降に育成された10品種を選び,一番茶摘採前期,後期,終期に相当する5月4日,14日,17日の3回,一心五葉芽の一心三葉部分のみを採取し,全窒素含量と可溶性窒素(全遊離アミノ酸に相当)含量を分析した.その結果,いずれの収穫日においても,摘採適期に収穫した場合と同様に,育成年と全窒素並びに可溶性窒素含量との間に高い正の相関を示した. これらの結果から,チャの育種では,近年の栽培等の技術の進展を背景に,滋味成分である窒素成分含量が高く,渋味成分であるタンニン含量の少ない茶葉をもつ個体が選抜されたことが示された.また,摘採適期に収穫した一番茶以外でも,一番茶生育期前の成葉または摘採期前期から終期までの新芽の一心三葉部分のみを試料に用いた成分分析値も,チャの成分育種の効率化に有効な資料として活用できることが示された.
著者
前田 翠 関本 義秀 瀬戸 寿一 樫山 武浩
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1499-1506, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

東京都市圏,地方部いずれにおいても民間企業や地方自治体主導の開発プロジェクトが近年増加している.そういった背景から,開発地域選定ならびに開発計画策定の際に,開発物件の賃料を推定し,居住地域の特徴を多角的に捉える為のシステムが必要とされていると考えられる.賃料推定ならびに賃料に影響を与える要因の分析の為の手法として,本研究ではDeep Neural Network,ヘドニックアプローチとRandom Forest Regressionの3つを用いた.そして,この3手法の比較を行うことで各々の優位点や限界を明らかにした.その結果,特にDeep Neural Networkは外れ値に大きな影響を受ける可能性があることからデータクリーニングを行う必要があることが示唆された.また,賃料推定のために構築したモデルを応用し,緯度・経度を説明変数に加えることで地域のポテンシャルマップが作成可能であること,デフレーターや物件登録年度を説明変数に加えることでポテンシャルマップの時系列変化や経済動向のポテンシャルマップへの影響を表すことができるということが示された.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1932年12月09日, 1932-12-09
著者
稲吉 玲美
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.114-122, 2018 (Released:2018-12-07)
参考文献数
21

月経随伴症状に対しては,医学的アプローチと並行して心理社会的な視点からの支援が重要である.心理学的視点からは,症状がありながらもそれらとうまく付き合いながら,女性が自分の価値に沿った生活を送るための支援をしていくことが求められる.しかし,現存の尺度は症状の種類や程度を測定するためのものであり,女性が症状によって日常的に抱く心理的な苦痛を定量化する手段が存在しない.そこで,本研究では,先行研究をもとに月経随伴症状負担感尺度を作成し,月経随伴症状に対する有効な心理学的アプローチのあり方を検討する際の有用な知見を得ることを目的とした.20~39歳の女性318名を対象としたインターネットによるアンケート調査を実施した.因子分析の結果,「コントロール不能感」および「不遇感」の2因子からなる尺度が作成された.各因子のCronbach's α係数から,それぞれ高い内的整合性が得られた.また,月経随伴症状の程度を測定する月経随伴症状日本語版および国外にて作成された症状による心理社会的影響を測定する尺度との間に,それぞれ有意な正の相関がみられた.よって,この尺度は妥当性と信頼性があることが示された.また,日本語版Ten Item Personality Inventoryとの間には,「コントロール不能感」と「協調性」および「不遇感」と「外向性」に弱いながらも有意な負の相関関係が示された.即時的・回顧的回答および属性による得点差についてダミー変数を用いた重回帰分析によって検討したところ,月経中に比して月経前の方が負担感およびコントロール不能感をより抱くことが示された.本尺度は,月経随伴症状とうまく付き合っていくための心理的アプローチの介入効果を検討する指標となることが期待される.また,本尺度によって女性が月経随伴症状による二次的な負担感を明示することにより,女性の苦痛について,社会の理解を促すことに貢献すると考えられる.
著者
池嵜 寛人 兒玉 成博 畑添 涼
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
熊本保健科学大学研究誌 (ISSN:24335002)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-22, 2021-03

【はじめに】言語聴覚士養成課程の学生が臨床実習で経験する検査の実態を明らかにすることを目的として,本専攻の臨床実習で用いているチェックリストの分析を行った。【方法】評価実習(3週間)と総合実習(8週間)を履修した学生91名を対象とした。実習を通して「見学」,「模倣前期」,「模倣後期」,「実施」のいずれかに記載がある学生は見学以上の経験あり,記載がない学生は未経験として,見学以上の経験ありの割合を算出した。【結果】評価実習および総合実習ともに,半数以上の学生が簡易知能検査,言語評価,構音評価,嚥下評価の主要な検査を経験していた。標準失語症検査に関する学生の経験状況は,総合実習の方が評価実習に比べて,「模倣前期」の割合が少ない傾向を認めた。頸部聴診では,総合実習の方が評価実習に比べて,「実施」の割合が多い傾向を認めた。【考察】学生が臨床実習で経験している現状をふまえ,学内教育のカリキュラムを検討することも必要であると考える。
著者
杉山 智昭 今津 節生 鳥越 俊行 赤田 昌倫
出版者
北海道博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、X線CTスキャナによる資料の非破壊三次元調査を核として、地域に遺されたアイヌ民族生活関連資料を長期にわたって安全に利活用していくための基礎情報の取得と資料内部構造に含まれる歴史情報の抽出、伝統的な工芸技術の復元・継承等を目ざした基礎的な取り組みを行った。その結果、1)アイヌ民族生活関連資料の内部構造、製作技法、製作年代、製作地、劣化状態、修復技法に関連する情報を獲得する上でX線CTスキャナを用いた調査が有効であること、2)データベース化した三次元情報を画像あるいは3Dレプリカの形で利用することにより、アイヌ民族生活関連資料の製作技術の解明・復元が可能となることが示された。
著者
川合 慧
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, 1980-11-15

2 0 0 0 OA 愛知県人士録

出版者
博進社
巻号頁・発行日
1920