著者
中島 直人 関谷 進吾
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.725, pp.1549-1559, 2016
被引用文献数
4

Recently, reinvention of public spaces is receiving academic and practical attentions. The purpose of this paper is to make clear theplanning process of "pedestrian plaza" in Times Square as a result of collaborative efforts by Times Square Alliance, NYC-DOT andother professional organizations. The following four facts are pointed out and discussed as lessons from the process: 1) continuousinitiative by TSA as an area management organization, 2) supports from the professional sector, in particular, non-profitorganizations for remaking the public realm, 3) leaderships by the mayor and the commissioner, 4) connection between localpedestrianization and transformation of the city's structure.
著者
鈴木 昌治 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.439-442, 1984

水田の稲穂にしばしばみられる糸状菌の菌叢「稲麹」を, 昔, 一部の酒造蔵では種麹として使用し米麹を得, これで清酒を仕込んだという記録を古文書から多く見出したので, このことについて検討したところ次のような所見を得た。<BR>1) 福島県, 埼玉県, 東京都の水田から稲麹を採取してきて, そこから糸状菌を純粋分離したところ, 分離された菌の大半は<I>U. virens</I>で, それに混じって<I>Aspergillus</I>属も多数分離された。 この両菌以外の糸状菌はほとんど分離されなかった。<BR>2) 分離した<I>Aspergillus</I>属について, その形態的, 生理的性質の検討を多項目にわたって行ったところ, アニスアルデヒド培地上での胞子の変色, 梗子の形や状態, 頂のうの型, 胞子の大きさ, 菌叢の色調, アフラトキシンの生成などにおいて<I>A. oryzae</I>の性質を示した。
著者
稲葉 幸雄 吉田 智彦
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.219-225, 2006-09-15
参考文献数
27
被引用文献数
2 6

栄養繁殖作物のイチゴでは,限られた育種材料間での交配を繰り返すため近親交配が問題となる.そこで,近年育成されたイチゴ品種の近交係数を計算した.また,近交係数と収量との関係を調べた.近交係数の計算は推論型言語Prologとパーソナルコンピューターを利用した手軽な処理系で計算プログラムを作成した.交雑実生の近交係数と実生の選抜率との間に相関関係は認められなかった.栃木県農業試験場栃木分場の育成系統(3次選抜系統)の近交係数と収量の関係を調べたところ,-0.37(危険率1%)の有意な負の相関が認められた.また,イチゴでは近交係数が0.3程度までであれば,近交弱勢による収量の低下は見られないことが明らかになった.近年育成されたイチゴ品種の近交係数は,一季成り性品種では0.2を超えるものが多く,'とちおとめ','章姫','さがほのか','あまおう','さつまおとめ','ひのしずく','やよいひめ'はそれぞれ0.261, 0.222, 0.257, 0.213, 0.257, 0.247, 0.346であった.一方,四季成り性品種では'サマープリンセス'と'きみのひとみ'の2品種がが0.183と0.195でやや高い値であったが,それ以外はいずれも0.1以下であった.代表的な一季成り性品種15品種の総当たり交配による雑種の近交係数を計算した結果,自殖を除いた近交係数の値は0.067〜0.440で平均は0.210となり,近親交配の程度が高くなることが明らかになった.
著者
間島 信男
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.174-175, 1994-03-25
著者
野口 久美子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.62, pp.111-143, 2009

原著論文【目的】本稿の目的は,資料をもとに,これまでの読書指導の実践の推移を明らかにすることである。具体的には,小学校・中学校の教職員の読書指導に関する考え方や実践内容の特徴を分析し,その内容にどのような変化があったかを考察する。【方法】全国学校図書館研究大会は50 年以上の歴史があり,全国から約2,000 ~ 3,000 人が集まる。参加者は,読書指導のベテランから経験の浅い初任者まで,さまざまである。本稿では,全国学校図書館研究大会の参加者による実践報告や議論をまとめた記事を分析の対象とし,彼らが読書指導についてどのように考え,実践してきたかを整理した。【成果】資料をもとにした分析の結果,次のことが明らかになった。読書指導は「みんなで読む」ことと「読書で得た内容や感想を深める」ことから始まった。読書内容の質も追求された。しかし,その方法については賛否両論があった。読書指導のための時間を確保することが難しいという声も多く挙がった。そうした中,各地の実践の積み重ねを経て,「短い時間で実施可能な一斉読書活動」と「読書そのものを楽しむ取り組み」が提案,実践された。大会の参加者が実践してきた読書指導に全体としてどのような変化があったかについては,次の3 点を指摘した。①読書指導の実施は困難であったが,1980 年代の「ゆとりの時間」の活用,1990 年代後半以降の「朝の読書」運動の広まりを通じて,10~20分というわずかな時間を利用すれば,読書指導あるいは読書推進活動を行うことができることが認知されるようになったこと,②従来の読書指導では,読後の活動に重点が置かれたが,1980年代頃を境に「読書の楽しさに触れる」こと,「読書そのものと向き合う」ことが見直されたこと,③全員で同じ本を読むこと,事実上読む本を強要することには賛否両論があり,自由読書が重視されるようになったこと。
著者
中野 詩
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.25, pp.299-317, 2004-03

In recent years, "project-style art" which consists of appreciators' self-directed activities and the process of the activities has become popular. This is a kind of "participation-style art" in which the appreciator is indispensable. This paper focuses on the project-style art which has no definitive purpose at first, like the prosperity of a town, environmental protection etc., but has the reason of necessary expression style for an artist at the on-going process. For example, in the case of Hiroshi Fuji's work "Kaekko" as an operation system (OS), the building of relationships with appreciators, "education for art" and the roll of Fuji at the OS-expression are analyzed. As a result, I found that there are two close sides at the project-style art which are educational and contemporary-artistic.
著者
額田 年 椿 恒城
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.119-122, 1964-09-01

(1) 体型的にみた場合海女の中でも大磯人は他の海女群及び非海女よりも比胸囲・比体重がすぐれている。潜水のための上体の発達から筋肉労働者としての体力作業に耐えうる体型であり他の職業婦人とは有意の差をみた。<BR>(2) 体力, 握力は左右が稍平行している。肺活量は他の海女群に比較して大きく, 止息時間と肺活量の相関は低いが潜水作業者として息こらえが長く出来るためには肺活量が大きい方がよく, 血圧は作業直後 (1~2分) にはさしたる変化はしないが30分後には95%が低下した。又, 年令が進むと共に血圧低下の度が大きい。体力的にすぐれた海女は漁獲高も多い。<BR>(3) 障害: 潜水による水圧との関係から30才以上に57.1%の耳鼻咽喉科的疾患がみられ, 聴力は年令と共に難聴者を増し8, 000cycleの高い音がきこえにくくなる。これ海女の職業病と云つてよい。<BR>(4) 疲労: 客難的主観的な検査からは作業後に疲労の徴こうがあらわれているが翌日には解消している所から正常疲労とみた。好酸球数は5.79%の減少率を示したが自覚疲労がなくとも海女の疲労はないとは云えない。毎日の作業であるから「なれ」が出来作業に苦痛は感じないが潜水そのものには疲労をともなつていると思われる。疲労部位は伊豆・志摩海女の作業形式には特色があるため前者は下肢に後者は上肢にその疲労感をみとめた。<BR>以上の事から海女作業は海女自体から云つた場合には苦痛にたえる様な職業とは云えないが海女作業の健康障害については充分に考慮してその改善をはかるべきである。
著者
村田 充良 宇野 みさえ 永井 陽子 中川 多世 奥西 勲
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.477-482, 2004-09-15
参考文献数
11
被引用文献数
7

機能性成分である6-MSITCの,各種わさび及び加工わさび製品における含量を分析した.本ワサビ5品種の6-MSITC含量を部位別に測定した結果,いずれの品種も根茎における含量が最も高く,次いで根,茎,葉の順であった.一方,西洋ワサビの6-MSITC含量は低かった.本ワサビ根茎の6-MSITC含量が最も高かった品種はみつきであり,最も含量の低かった品種との間には約1.6倍の差があった.みつきは収穫量も高く,優れた品種であることがわかった.<br>加工わさび製品25種類の6-MSITC含量を分析した結果,メーカーや製品の種類によって,大きな差があった.6-MSITC含量には本ワサビ原料,特に根茎の配合率が大きく関与していることが明らかになった.<br>以上のことより,食事の中で効率よく6-MSITCを摂取するためには,本ワサビ根茎を食べるのがもっとも望ましく,また,加工わさび製品でも,本ワサビ根茎が多く配合されている製品を選ぶことが重要であると考えられた.
著者
岩崎 邦彦
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.19-30, 2010-03

今日、消費者のリーフ緑茶に対する需要が低迷し、多くの茶生産者、茶卸売業、茶小売業は停滞もしくは衰退の業況にある。とくに、全国一の茶産地である静岡の茶業界は、厳しい状況にある。茶産地静岡の活力維持のためには、従来の発想にとらわれない戦略的展開が不可欠になっている。そこで本研究では、従来の"静岡の緑茶を売る"という発想から、"緑茶のある静岡を売る"、すなわち、地域をマーケティングするという発想に転換し、緑茶とツーリズムとの融合による茶産地静岡のイノベーションの方向性を検討した。消費者に対する質問紙調査から得られたデータを用いて、緑茶とツーリズムを融合した茶産地マーケティングの方向性を分析した結果、"リラックス型の緑茶ツーリズム"の構築等の有効性が示唆された。緑茶にかかわるツーリズムが定着すれば、消費者の緑茶への愛着向上、茶産地のブランドイメージ向上等によって、緑茶の需要増加、茶産地の活性化が期待できる。
著者
帖佐 浩 戸田 眞佐子 大久保 幸枝 原 征彦 島村 忠勝
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.606-611, 1992
被引用文献数
17

<I>mycoplasma</I>に対する茶エキスおよびカテキンの抗菌・殺菌作用を検討した.緑茶エキスおよび紅茶エキスは<I>Mycoplasma pneumoniae</I>に対して, 抗菌作用を示した.緑茶エキスおよび紅茶エキスは<I>M.pneumoniae</I>と<I>M. orale</I>に対して顕著な殺菌作用を示した.2%紅茶エキスは<I>M. salioarium</I>に対しても殺菌作用を示したが, 緑茶エキスの<I>M. salivarium</I>に対する殺菌作用は弱かった.プアール茶エキスの三菌種に対する殺菌作用は弱かった.緑茶から精製した (-) エピガロカテキンガレート (EGCg) および紅茶から精製したテアフラビンジガレート (TF3) は三菌種に対して殺菌作用を示し, <I>M. pneumoniae</I>に対しては特に強い殺菌作用を示した.以上の結果, 茶およびカテキンは殺マイコプラズマ作用を有することが明らかになった.
著者
甲斐 郷子 中村 順一 吉田 將
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.95, no.27, pp.79-84, 1995-03-09
参考文献数
10
被引用文献数
4

科学技術論文などの論理的文章にとって,論旨展開が明確であること,事実,主張,根拠などがバランスよく述べられていることは重要である.しかし初心者にとってこれらの適切さを認識することは容易ではない.本稿では,このような論文作成の初心者に論文改訂作業を支援するシステムの試作と改訂実験によるシステムの評価について述べる.本プロトタイプシステムでは,表層的な情報を基に改訂対象の文章構造を解析し,その結果を筆者に提示することにより支援を行う.改訂実験により明かになった本プロトタイプシステムの有効性と限界についても論じる.