著者
塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.45, pp.15-20, 2001-05-23
被引用文献数
5

前世紀は,ウォークマンなどの出現により,音楽のモバイル化と同時に音楽の大衆化が進んだ.しかし多くのシステムは機器の利用において一般ユーザは基本的に聴く一方であり,音楽の演奏には参加できない.歌うことについてはカラオケが古くから利用されているが,演奏に関してはまだまだ一般ユーザからの敷居がある.PocketMusicianは,このような演奏の敷居を取り除くとともに,モバイル性を実現することを目的として開発した.PocketMusicianとは宴会などで弾き語りをするための伴奏用楽器プログラムで,ギターやキーボードと違って持ち運ぶのは小型ゲーム機本体(バンダイのワンダースワン)とコード類,小型のスピーカだけですむので,手軽にいつでもどこでも弾き語りが楽しめる.左右の手で押すボタンの組み合わせによって和音名を記号的に指定するため,ギターやピアノを弾く人も,弾かない人も少しの練習で演奏できるようになる.さらにPocketMusicianは,モバイル演奏を楽しむために,演奏録画,自動演奏,演奏採点などさまざまな機能を備える.In the previous century, music became mobile as well as popular. However, usually users enjoy listening to music and there are few people who can enjoy playing it. As for singing, Karaoke gained popularity; but as for playing, there is no popular way for mobile users. PocketMusician is developed for this purpose, i.e., to realize the mobility in playing music. It is a mobile electronic music instrument on which a user can accompany his singing in a cocktail party or other informal or private situations. It can be easily used in such situations since a user carries only a small game machine and a small speaker, which is different from using conventional instruments such as a guitar or a keyboard. PocketMusician employs two-handed input to specify a chord name literally, and therefore it can be easily played by thoes who are noto familiar with music. Furthermore, it provides several additional functions for users to enjoy mobile playing, such as recording, automatic playing, and scoring.
著者
山口 雄輔
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.101-103, 1993-07
著者
佐藤 俊一 川内 聡子 奥田 航 西舘 泉 苗代 弘
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.132-139, 2014

近年,爆弾テロの多発により爆風による頭部外傷(blast-induced traumatic brain injury, bTBI)の受傷者が急増している.しかしbTBI は病態,メカニズムに不明な点が多く,診断・治療技術は確立していない.我々はラット頭部にレーザー誘起衝撃波(laser-induced shock wave, LISW)を適用するモデルを対象に各種リアルタイム診断を行った.その結果,全身性生理学パラメーターに著明な変化が無く,大脳皮質において出血や挫傷がごく限定的な条件においても,拡延性脱分極,持続性の血管収縮,乏血・低酸素血症等が発生することが明らかになった.
著者
Moyer Jack T.
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.76-81, 1987

浮性卵を産む礁魚の多くは, 産卵の際に雌雄が上方へ突進する (spawning rush).この行動は親魚と卵が捕食されないための防衛行動であると考えられているが, 未だ検証されていない.本研究では1981年に三宅島においてニシキベラのグループ産卵を461回観察し, 他魚種による親魚の捕食を定量的に調べた.その結果, 7種の魚が合計206回親魚を襲うのが観察された.この内171回はspawning rush中の魚に対して行われたが, 一度も成功しなかった.spawning rush前のbobbingやmilling中の親魚に対しては35回の攻撃があったが, これにより4尾の親魚が捕食された.すなわち, 全体としての捕食者の成功率は1.9%にすぎなかった.これに対し, 卵は9種のプランクトン食性魚類の捕食を受け, その頻度は213回中90回 (42.3%) に達した.以上の結果から, spawning rushは親魚の捕食者に対する防衛としては有効であるが, 卵の捕食者に対してはほとんど効果のないことが判明した.この他7種の礁魚のspawning rushと卵捕食との関係についても述べた.
著者
肥爪 周二
出版者
訓点語学会 ; 1954-
雑誌
訓点語と訓点資料 (ISSN:04546652)
巻号頁・発行日
vol.132, pp.16-35, 2014-03
著者
木村 久江 大村 省吾
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】日本の伝統的な和食文化である正月料理が現在の食専攻学生のなかでどのように根付いているのかを調査することにより、調理教育の参考に資することを目的とする。【方法】西南女学院短大食専攻84名を調査対象とした。参考として大学3、短期大学1、専門学校3、計7校の食栄養・食生活指導専攻学生560名を比較対象とした。(地域別には、仙台・埼玉・長野・奈良・北九州各1、東京3校)「年末および年始の料理内容」、「正月料理への参画状況」、「おせち料理への関心」「誰から教わり誰と食したか」などの質問内容についてアンケート調査を行った。【結果】当学院生では、年末年始の伝統的な食材である蕎麦、餅(雑煮)を食したと回答した者がそれぞれ62%、60%であった。おせち料理を食べたものは85%(和風67%)と伝統的な食習慣が継承されており、調査全大学の平均79%(和風65%)をやや上回った。おせち料理作りに参画したと答えた者は40%いたが、参画は部分的との回答が9割を占めた。71%がおせち料理に関心のあると回答し、関心のある献立としては、栗きんとん、数の子、黒豆が上位3つを占めた。家族から教わった者46%に対して、39%が授業などからと答え、世代間の伝承が少なくなってきていることが分かった。
著者
時岡 新
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.63, 2003-11

映画『アポロ13』がたくみに描くチーム・ワークの妙を思いだした。設備や空間の制約、かぎられた時間のなかで、彼らには何ができるのか。くわだてのすべてを支えたのは、人と人との関係、信頼と協同である。井上氏はISSにおける長期滞在型の …
著者
Timpong Sahaphol 三浦 清一 屋良 航志 山木 正彦
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.435-436, 2004

北海道十勝沖を震源とする2003年十勝沖地震(マグニチュード8.0)の発生により,北海道各地において地盤や構造物に甚大な被害が見られた.特に,火山灰地盤の液状化による大規模な地盤災害が顕著であった.本研究では火山灰地盤の動的変形特性を明確にするために,一連のベンダーエレメント試験と微小ひずみ領域での繰返し三軸試験が実施された.特に,火山灰粗粒土の粒子破砕,間隙比,有効拘束圧及び細粒分含有率がせん断剛性率に及ぼす影響が調べられた.得られた試験結果を基に,種々の火山灰土の実用的な予測式が提案されている.
著者
Hatori Tokutaro
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.97-110, 1981-08-31

Based on tide-gauge records of the USCGS and Japanese data, the magnitude and source area of the Aleutian-Alaska tsunamis during the past 42 years are investigated. According to the author's method based on the attenuation of wave-height with distance, the tsunami magnitude (Imamura-Iida scale) of the 1946 Aleutian and 1964 Alaska tsunamis are estimated to be m=3 and 4 respectively. The magnitudes of the 1957 and 1965 Aleutian tsunamis are m=3. According to the empirical formula, the tsunami magnitude is well correlated with seismic moment, but the seismic moment for the 1946 earthquake is considerably small. Its seismic moment may be 1.5 × 1029 dyne-cm judging from the tsunami magnitude. The source area of the 1946 Aleutian tsunami which inferred from an inverse refraction diagram is especially different from the aftershock area. The source area lies on the steep continental slope extending about 400 km between the Unalaska and Unimak Islands. The source area of the 1957 Aleutian tsunami is the largest The length of tsunami source is 900 km which agrees with the aftershockarea. The western part of the source area overlaps about 200 km of the source area of the 1965 tsunami. In the geographic distribution of the tsunami source in the Aleutian-Alaska region, a remarkable gap of the tsunami source is found between the Unimak and Shumagin Islands. Tnis significant segment of 300-400 km may be considered a region of relatively high tsunami risk having the magnitude m=2-3.最近50年の間に,アリューシャン・アラスカ海域におこった5個の巨大地震に伴った津波について,米国のCGS記録に日本の観測データも加え,津波の規模と波源域を調べ,この海域の津波特性を検討した.まず,各津波の規模(m:今村・飯田スケール)を,震央から島弧にそった沿岸の波高データをもとに,筆者の方法で判定すれば,ハワイに大被害を与えた1946年津波はm=3と格付けされる.この地震のマグニチュードはM=7.4とみなされているが,津波データによれば地震モーメントM0は1.5×1029ダイン・cmと見積もれる.一方これとは対照的に,地震規模が上回った1938年のアラスカ半島沖地震(M=8.3)の津波は,m=2と推定される.そのほか1964年アラスカ津波はm=4,1957年・1965年のアリューシャン津波はm=3と見積もれ,それぞれ地震モーメントに見合った津波であった.各地で観測された津波の伝播時間をもとに,逆伝播図から波源域を推定すると,1964年アラスカ津波の波源域の長さは700kmで,余震域と大体合致する.しかし,1946年津波の波源域は余震域と著しく異なり,ウナラスカ島からウニマク島に至る長さ400kmと推定される.1957年津波の波源域は,余震域とほぼ合致して900kmにもなり,そのほかの津波も日本近海の津波と比べて,波源域は数倍も長い.1964年アラスカ津波では40分の周期が卓越したのに対し,1946年・1957年・1965年津波の周期は10~20分と短かく,波源域が海溝寄りにあったことを暗示している.解析の結果,この50年の間に,各波源域はアッツ島沖からアラスカに至る海域に,島弧にそって並んで分布しているが,アラスカ半島ぞいのウニマク島からシュマーギン島に至る400kmの間に津波の空白域が見出せる.これは,近い将来,この区間にm=2~3クラスの津波発生の可能性が大きいことを考えさせる.
著者
中村 成人
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.634-639,023, 2001

1. 風力発電の現状<BR>世界的な地球環境への意識の高まりを背景に, 90年代半ば以降欧米先進各国を中心に風力発電に代表されるいわゆる再生可能エネルギーの導入が急速に進んでいる。現在全世界で設置されている風力発電の総容量は約12,500MW, 最大のドイツで4,445MWであるのに対し, 未だ離陸期にある我が国の設置済み容量は100MW程度と推測される。<BR>トーメンは1987年に米国カイリフォルニア州におけるプロジェクトを始めとして, 現在までに欧米, 日本の6ヶ国で合計約700MWの風力発電設備を建設・運営中である。<BR>2.苫前グリンヒルウインドパーク<BR>1999年11月, トーメンは日本で初めて且つ最大規模の集合型風力発電施設 (1MW×20) を, 北海道苫前町に完成し運転を開始した。この施設は通産大臣の新エネルギー事業者としての認定に基づく補助金対象事業であり, 且つ17年に亘り発電電力の全量を北海道電力に売電する我が国初の風力発電による卸電力事業でもある。その特長は下記の4点である。<BR>・大規模化による大幅なコストダウン (風車はデンマーク製を採用)<BR>・複数の運転員を常駐させることによる安全・安定操業の確保<BR>・周辺環境との調和<BR>・地域社会との共生<BR>3.風力発電の将来<BR>欧米各国は政策的支援を含めて, 今後供積極的に風力発電の導入を促進していく方針を明らかにしている。日本においても漸く風力発電を始めとする自然エネルギー導入に関する本格的な関心と議論が高まるところとなって来た。風力発電の本格的且つ大量の導入に当たっては技術的, 経済的な課題もあるが, これらを踏まえて種々の観点から, 国民の一人一人が自分自身の明日のライフスタイルとエネルギーを選択する時期に来ているものと考えるものである。

1 0 0 0 IR 生涯スポーツ

著者
神 文雄
出版者
岡山大学医療技術短期大学部
雑誌
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09174494)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.53-63, 1995-01-31

行政機関による生涯スポーツの推進は、それなりに容認されよう。しかしながら、国民のすべてが、こぞってそれに応えているとしたら、異常である。元来、スポーツは、国民の一人ひとりが、気ままに営むべきものである。それを、スポーツ振興法等に名を借りて、スポーツの機会や条件を提供し、また、国民の健康や体力の増強に与って効力があるからといって、国や地方公共団体の管理に供するということへの、懸念が生じてくる。さらに、関係団体との接触についても懸念がある。巷間、伝わるところの"モスクワ五輪大会への干渉"である。具体的に知る由もないが、結論に至までの過程に重要な要素が含まれていたように思われる。今後も、生涯スポーツの関係団体等に対して、これと類似したケースが生じないとは限らない。公権力の介入も、充分に予想し得る。以下に、生涯スポーツ事業の系譜を纏め、対応への資料として、提供する。The promotion of life-long integrated sports by goverment administration may be acceptable, However, it would be unusual if all citizens accepted this policy by the goverment. Essentially, sports should be played, by the independent will of each person. State and local goverments, may offer people the opportunity and conditions, under the sports Promotion Law, to play sports. Their reason for encouraging people to play sports is obviously because it promotes health and physical fitness. However, this policy may also create the fear that the authorities will control people. I am also anxious about contact between Japanese sports organizations and the goverment. To cite an example, the Japanese goverment interfered, and was, I believe, responsible for the non-participation of Japanese representatives as the Moscow Olympics. I am sure that this decision was affected by the goverment. We cannot guarantee that similar situations involving various sports group. It is possible that this sort of thing will occur again ; that the authorities will intervene in sporting activities. I would like to offer an organization chart regarding life-long integrated sports as follows ; (1) Beginning-after the war. (2) An origin. (3) Adult education. (4) Pre-Olympic-games. (5) Post-Olympic-games.