著者
井上 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.196, 2008 (Released:2009-07-31)

ライフゲームは単純なルールのもとで展開されるにもかかわらず、そのダイナミクスは非常に緻密で複雑なシステムである。 本研究ではその複雑なダイナミクスを利用して、ネット社会では不可欠な電子ファイルの暗号化に応用する方法について検討する。
著者
難波 啓一
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.330-335, 1988-11-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
19

X-ray fiber diffraction method was used to deduce the molecular structure of tobacco mosaic virus. Multi- dimensional multiple isomorphous replacement method was applied to overcome the information loss by the cylindrical average in the fiber diffraction pattern, and some other developments in the analysis made it possible to build the molecular model of the whole virus particle. Protein- protein interaction and protein- RNA interaction found in the molecular structure gave us a clear understanding on the mechanism of self assembly.
著者
川村 淳 竹尾 忠一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.463-467, 1989-06-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
14
被引用文献数
8 31

茶葉より抽出したカテキン遊離型画分〔(-)-エピカテキン, (-)-エピガロカテキン〕である粗カテキンA分画(CF-Aと略),エステル型画分〔(-)-エピカテキンガレート,(-)-エピガロカテキンガレート〕である粗カテキンB分画(CF-Bと略),それらの混合物であるCF-mix,および(-)-エピガロカテキンガレート(EGCg)のS. mutansに対する抗菌作用について試験し,グルコン酸クロルヘキシジンの抗菌作用と比較した.またう蝕予防剤としての利用を前提としたいくつかの試験を行ない,次の結果を得た. (1) 生育阻害最低濃度はCF-Aで400~100μg/ml,CF-Bで100~50μg/ml,CF-mixで200~100μg/ml, EGCgで100-50μg/ml,およびグルコン酸クロルヘキシジンで1.6μg/ml以下であった.(2) 殺菌効果の検定では初菌数3.3×107にCF-Bを(31)川村・竹尾:茶葉カテキンの抗菌作用4675.0×103, 1.0×104μg/mlずつの添加で5.5×105, 3.6×104, 1.0×102にそれぞれ減少し, グルコン酸クロルヘキシジンでは初菌数3.3×107に2.0×103μg/ml添加で3.0×10 3に減少した.(3) カテキンの抗菌作用におよぼす歯磨剤主要成分の影響はラウリル硫酸ナトリウムおよびD-ソルビトーでは影響はみられず,安息香酸ナトリウムは僅かに相乗作用がみられた.
著者
大久保 恒夫
出版者
粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.371-379, 2000-05-10 (Released:2010-04-30)
参考文献数
75
著者
Keiji Ueno Satoru Yokoshima Yuki Sasajima Yojiro Ishiguro Midori Yoshida Norio Shiomi Shuichi Onodera
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
pp.jag.JAG-2014_012, (Released:2015-02-06)
被引用文献数
1 5

Edible burdock (Arctium lappa L.) accumulates an inulin-type fructan. Inulin-type fructan in plant has been hydrolyzed by fructan 1-exohydrolases (1-FEH). We have previously reported on the cloning of aleh1, which encodes a 1-FEH in edible burdock. Here, we describe the cloning of aleh2, which encodes a 1-FEH isozyme in edible burdock, and the functional analysis of the recombinant protein of aleh2 (rAlEH2) that displays properties different from the aleh1 recombinant protein. A cDNA, named aleh2, was obtained by the RACE. The rAlEH2, which was produced by Pichia pastoris, showed 1-FEH activity. Unlike the recombinant protein of aleh1, the rAlEH2 is a 1-FEH enzyme that efficiently hydrolyzes longer-chain fructans than 1-kestose, such as nystose, fructosylnystose and inulin. The expression study in burdock revealed the induction of aleh1 and aleh2 genes by low temperature. These findings indicated that two 1-FEH isoforms were involved in the degradation of the fructan in burdock roots during low-temperature storage.
著者
川崎 孝一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.438-447, 2012 (Released:2012-07-05)
参考文献数
57
被引用文献数
2

麻酔・手術に関連した不整脈の発生率は非常に高く,60%以上の患者で手術中になんらかの不整脈を認めるといわれている.手術中の不整脈の原因は多岐にわたり,麻酔薬もその原因となりえる.特に揮発性麻酔薬はこれまでの研究で不整脈との関連性が明らかにされており,ハロタン麻酔時のアドレナリン誘発性不整脈はよく知られている.一般的に麻酔薬が単独で不整脈を誘発することはほとんどないと考えられるが,多くの麻酔薬は直接的あるいは間接的に心臓の刺激伝導系に作用を及ぼすことから,房室伝導を障害する他の因子が存在する場合には催不整脈性が高まることが示唆される.一方,麻酔薬は抗不整脈作用も有しており,術中に発生する不整脈に対しては麻酔薬との相互作用を十分に考慮して対応することが重要である.
著者
下斗米 貴之 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.319-332, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Recently, many researchers have reported about how children acquire a word meaning. Especially some of them reported that the verb meaning development is delayed to that of noun. In these reports, they used the ANOVA (the ANalysis Of VAriance) for the detection of a difference in the behavioral data. But ANOVA is not a sufficient way of analysis in the sense that we can't know the detailed mechanism of the meaning acquisition in children. So, in this paper, we developed a model based analysis of behavioral data that enable more detailed structure estimation, and analyzed the children's word acquisition data with the method. From the analysis, we found a hierarchical mixture of binomial distribution with three sub-modules is a suitable model for the data. The parameter change in the model indicated that what is changing between three to five years infant is a choice of proper learning action from the recognition of verb/noun situation.
著者
吉田 精作 田口 修三 堀 伸二郎
出版者
室内環境学会
雑誌
室内環境学会誌 (ISSN:21864314)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.7-15, 2004 (Released:2012-10-29)
参考文献数
36

シロアリ防除家屋における有機リン系殺虫剤クロルピリホスと有機塩素系共力剤S-421のヒト曝露の程度についての研究を, 空気および貯蔵米中残留レベルを調査することにより行った。防除処理後5年間の調査結果は既に報告した。今回, 防除処理後5~7年間(家屋B)と5~9年間(家屋F)の空気および貯蔵精白米中クロルピリホスとS-421レベルを報告する。家屋Bリビング空気中のクロルピリホスとS-421濃度はそれぞれ0.005~0.09μg/m3, 0.15~1.03μg/m3の範囲であった。家屋F和室空気中のクロルピリホスとS-421濃度はそれぞれ0.05~0.11μg/m3, 0.01~0.02μg/m3の範囲であった。室内空気中防除剤濃度は季節変動し, 夏期に高く, 冬期に低かった。貯蔵精白米中防除剤濃度は空気中濃度を反映して変動した。家屋Bの室内空気中クロルピリホスとS-421濃度は夏期においては7年間減少せず, 家屋Fにおけるそれらの濃度は防除後9年間で若干の低下傾向を示した。

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出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.312-312, 2012 (Released:2012-11-27)
著者
関 礼子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.461-475, 1997-03-30 (Released:2009-10-13)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

本稿は, 自然を地域社会の「環境世界」と捉えるという視点から, 自然保護運動における運動行為者の「自然」の意味を考察するものである.ここで中心的に見てゆくのは, 地域住民の運動から, 世論を巻き込んだ全国的運動に展開した, 愛媛県今治市の織田が浜埋立反対運動である。この運動を通して, (1) 織田が浜という自然が, 客観的抽象概念としての自然ではなく, 地域社会の行為や文化, 歴史を映し出す具体的なものとして保護運動の対象となっていること, (2) 運動は世論喚起をするなかで新たな運動行為者をリクルートしてゆくのだが, 新たに運動に参与する人々にとっても, 織田が浜は単なる客体ではなく自分史を投影するものとなっていることを明らかにする。住民が自分の地域の自然を守るという態度は, 地域外部の人々にも開かれている。織田が浜を離れた人, 今治や愛媛を離れた人にとって, 織田が浜運動は思い出や郷里を守ることに繋がった。また, 海を汚染や埋立から守るという点で, 同じような経験を持つ人々とも繋がった。地域が自然と育んできた関係性を運動を通して考察することから, 自然保護運動が, 運動行為者の記憶を守る運動, 故郷への精神的紐帯を求める運動でもある点を論じる。そこから, 自然が持つ社会的な意味がより明確に浮かび上がってくると考えるからである。
著者
Yuki Sonoda Akari Hayashi Yasuto Minamida Junko Matsuda Etsuo Akiba
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
pp.141202, (Released:2015-01-27)
被引用文献数
1

Nanostructures of porous carbon materials were controlled with a soft-template method for the purpose of expanding their applications. When 2,6-dihydropyridine hydrochloride, a nitrogen containing compound, was used as a carbon precursor in addition to resorcinol, larger pores over 50 nm appeared besides mesopores. The condition of such large pores being formed was examined in detail, and then acidity was found to a key factor for large pores rather than the presence of nitrogen atoms.
著者
植阪 友理 光嶋 昭善
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.398-411, 2013 (Released:2014-05-21)
参考文献数
12
被引用文献数
3 3

説明文に比べると研究は少ないものの, 文学作品の指導が子どもの表象や認識に及ぼす影響を検討することは, 生涯にわたって文学を楽しむ大人を育成するためにも重要である。文学は読み手が体験を踏まえて再構成する自由度が大きく, 説明文よりも多様な状況モデルを許容する。中でも俳句は最も文字数が少なく, この特徴を強く有している。一方, 現在の俳句指導は解釈が定まっている名句の鑑賞が中心であり, 作句活動や相互の鑑賞活動はあまり行われていない。このため俳句本来の面白さに気づくことが難しい状態である。そこで名句の鑑賞のみならず, 作句活動や相互の鑑賞活動を取り入れた新たな単元構成を提案し, 子どもの認知に及ぼす効果を検討した。また, 鑑賞会では, (1)創作者を匿名とし, 創作者も鑑賞者と一体化して鑑賞させる, (2)鑑賞や創作の技法を明示的に教えるなどの工夫を加えた。ある児童の句に着目してやり取りを分析した結果, 異なる状況モデルを共有することで, 個々の児童の想定を超えたより豊かで新しい状況モデルが生み出されうること, 文学に対する興味が喚起されていることなどが示された。最後に, この指導から得られる新たな心理学研究の可能性を論じた。
著者
三代 康雄
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.107-110, 2006-05-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7
被引用文献数
1