著者
池上 真平 アトキンソン ウイリアム
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.623-633, 1996-10-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2

最近市場導入された “アドバンストフォトシステム” をユーザー/業界のメリットおよびシステム設計の観点より解説する。アドバンストフォトシステムに特有な特徴をプリントサービス (基本プリントサービス/拡張プリントサービス) およびカメラの点より述べる。技術的な側面よりアドバンストフォトシステムの概略を説明するために以下の点に焦点をあてる。・フィルム先端の出ていないカートリッジの設計思想・磁気層の最適化・フィルム画面サイズの最適化アドバンストフォトシステムは, 既存銀塩写真システムのさらなる拡大とディジタルイメージングシステムのような他のイメージングシステムとの融合により “銀塩写真の変革” のための新たな土俵を提供することが期待される。

1 0 0 0 OA カメラー般

著者
宮部 甫
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.31, no.360, pp.13-18, 1965-01-05 (Released:2009-06-30)
著者
姚 俊学 吉村 和久 栗崎 弘輔 井倉 洋二 高相 徳志郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.785-789, 2011 (Released:2011-11-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

クロモトロープ酸を担持した長さ1 cmの陰イオン交換カラムを用いて,既に報告した微量ホウ素のオンライン吸光光度定量法の改良を行った.pHを3にした試料を流すだけでカラム内での錯生成を促進することができ,その後pHを8に変えて段階溶離を行うことで,ホウ素を安定な錯体として未反応の呈色試薬などから分離できた.その吸光定量を350 nmで行った.試料3.2 cm3を用いたときの分析時間は約12分,検出限界は0.06 μg dm−3であった.既報に比べて,分析時間および感度を大幅に改善できた.本法を琉球列島西表島の天然水中のホウ酸の分析に応用した.降雨および二つの河川水中のホウ素濃度は,それぞれ3.1~40.8,20.3~28.5,14.7~20.9 μg dm−3であった.いずれの場合も,非海塩性由来のホウ素の分率は高く,アジア大陸からの長距離移流によるものであることが示唆された.
著者
市川 泰憲
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.527-540, 2003-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1

カメラにとって “技術革新” というキーワードをあてはめると, カメラ・オブスキュラの時代からフィルムカメラの時代までさまざまな技術進歩があつての今日だが, 昨今のデジタル技術の台頭で, 写真を撮る道具としての「カメラ」は, まさに革新という言葉にふさわしく, 感光材料との連係を断ち切られ, デジタルカメラという過去に例を見ない新たなカメラ分野を急速に形成してしまった. ここでは, 近代カメラへの技術進歩の歴史を中心に振り返って, 最新のデジタルまでの技術革新への流れを見ることにしよう.
著者
野口 仁志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.131-140, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
4

港湾および海岸に設置されている消波ブロックの撤去は,一般には,作業員あるいは潜水士が,消波ブロックの隙間にワイヤーロープを通して玉掛けを行い撤去しているが,足場が不安定で危険な作業である.そのため,無人でブロックを撤去できる網チェーンを用いたブロック移設装置を開発した.種々のブロック視認状況での模型実験を行い作業効率を比較検討した.実際のブロック撤去工事においては,視認可能な水中ブロックの作業効率は5.0分/個と,潜水士による従来方法の6.1分/個を上回った.工事の作業方法を本装置に適した状態とすることで,作業効率は,ブロックが視認状況では,約3分/個,視認不可状況では約4~6分/個,撤去コストは,従来の人力工法の1/3程度に抑えられる試算結果となった.
著者
Danny W. Scott William H. Miller
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.203-209, 2010 (Released:2011-08-26)
参考文献数
25
被引用文献数
5

74例の猫が,猫のざ瘡と診断された。好発年齢,品種または性別などは認められなかった。また本症の病因となる病態を特定することはできなかった。猫の多く(58.1%)が,猫のざ瘡の病勢別分類のうち自覚症状を伴わない非炎症性面皰のステージに属し,何らかの治療は行われていなかった。猫の一部(41.9%)では,ざ瘡に伴い二次的な細菌性毛包炎/せつ腫症が認められた。二次的な細菌感染症は,抗菌薬を用いた治療により良好に管理することができた。82.4%の猫では予後調査が可能であり,調査した全ての猫で面皰のステージが持続して認められた。
著者
石井 龍一
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.332-338, 2003-12-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
7
著者
徐 婷 若林 利男
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.20-29, 2012 (Released:2012-02-15)
参考文献数
8

The purpose of this study is to clarify public awareness of utilizing nuclear power in China and to determine the effects of the accident of Fukushima Daiichi nuclear power plants. Web online surveys were carried out before and after the accident of Fukushima Daiichi nuclear power plants. The online survey before the accident of Fukushima Daiichi nuclear power plants had 4,255 adult respondents consisting of 1,851 males and 2,404 females. The online survey after the accident had 721 respondents consisting of 406 males and 315 females. The two online surveys about the attitude toward nuclear power plants consisted of 37 items, such as the necessity of nuclear power plants, the reliability of safety, and government confidence. As a result, respondents of the online surveys in China consider that nuclear energy is more important than the anxiety of accident. On the other hand, women have sensation of fear for the accident of Fukushima Daiichi nuclear power plants and radiation.
著者
三根 恵 松本 淳 加藤 卓也 羽山 伸一 野上 貞雄
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.101-104, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
17

2006年~2007年に,神奈川県逗子市および葉山町で捕獲されたアライグマProcyon lotorから直腸便と消化管内容を採取し,消化管内寄生蠕虫相を調査した。検出された寄生蠕虫種は合計8種で,その内訳は,不明線虫が2種,棘口吸虫科の吸虫類が2種,鉤頭虫類がSouthwellina hispida,Porrorchis oti,Sphaerirostris lanceoides,不明鉤頭虫の4種であった。調査地域のアライグマの寄生虫相は比較的単純であり,アライグマの原産地(北アメリカ)で認められる寄生虫種は確認されなかった。
著者
Mineo HAYASAKI Mikako UENO Hiroyasu EJIMA Akira MUNAKATA Yukio TAMURA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.12-0206, (Released:2012-10-15)
被引用文献数
1 2

A dog was suspected of suffering from ectopic Dirofilaria immitis infection, because a large white nematode worm was detected in the anterior chamber of the left eye. A cylinder-shaped fibrin sac in the anterior chamber was found in the eye of the dog by slit lamp microscopy. After successful surgical removal of the worm, the corneal wound produced by the keratotomy healed in a short period. The worm was estimated to be extremely young, 5th-stage-immature male D. immitis, equivalent to a 90–120-day-old worm postinfection, by close morphological measurement and an experimental infection study. Thus, an immature worm can exhibit erratic parasitism in a host’s eye. The fibrin sac was considered to be a trace of the invasion route, and the cornea may have been the port of entry into the anterior chamber of the eye in the erratic migration of D. immitis.
著者
遠藤 健司 駒形 正志 西山 誠 池上 仁志 田中 恵 山本 謙吾
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.115-120, 2005 (Released:2007-12-14)
参考文献数
15

画像診断にて原因不明な腰・下肢痛の中には,脊髄終糸の過緊張によって発症するものも存在する.今回,25例のTight filum terminale(以下TFT)に対して,終糸の切離を行った症例の術後経過を検討した.TFTの診断は,腰痛または下肢痛,膀胱直腸障害,脊椎不橈性,非髄節性神経障害,TFT誘発テストにより臨床診断を行った.手術は,終糸切離をS1高位で行った.術後の症状は全症例中,腰下肢痛の改善が96%に,筋力の回復が68%,知覚異常の改善が68%,膀胱直腸障害の改善は79%,体幹前屈制限の改善は80%で認められた.疼痛の経過は,VAS(Visual Analog Scale)で評価したが,術前の最大疼痛を10とすると,術後平均は3.3(0~7)であった.TFTは腰椎椎間板ヘルニアと鑑別を要するが,膀胱直腸障害の存在,MRI所見,誘発テストが陽性であることが異なる点である.画像診断で神経圧迫症状のない腰痛,下肢痛の鑑別診断としてtight filum terminaleを考慮する必要があると考える.
著者
兼本 浩祐 名取 琢自 松田 芳恵 濱中 淑彦
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.196-204, 1998 (Released:2006-04-26)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

作話の質問紙表と三宅式記銘力検査の有関連対を用いて,記銘力検査で出現した誤反応の種類と質問のカテゴリーの関連を検討した。その結果は以下のようであった。すなわち, (1) 記銘力検査の成績は作話の質問紙表の正解率とは相関するが作話発生率とは相関しなかった。 (2) 遠隔記憶に対する質問において生ずる作話は,三宅式記銘力検査のリスト外由来で刺激語と意味的に無関連な誤反応 (semantically unrelated : SUR) の保続と有意に相関した。 (3) SURおよびその保続は,記号素性錯語型の誤反応と有意に相関した。(4) 因子分析において,近時記憶,被暗示性の亢進,周囲の状況の把握力の保持という特徴を持つ因子が抽出され,この因子は痴呆を伴わない健忘症候群を呈する症例群において有意に得点が高かった。以上の結果および文献的考察より,作話には局所性解体としての健忘症候群と親和性を示し,近時記憶を中心として出現する当惑作話型の作話と,痴呆を含む均一性解体と親和性を示し,遠隔記憶に対しても出現する作話があり,後者は意味的枠組みの解体と密接な関連を有することが示唆された。
著者
Danny W. Scott William H. Miller Jr.
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.169-170, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
3
被引用文献数
3

鼻・趾端の特発性角化症は,特有の外観を呈する犬の疾患である。本症では特徴的な病歴を伴うが,皮膚以外には異常は認められない。過去11年間において35例の犬が本症と診断され,その来院頻度は犬の皮膚科症例では0.4%で,犬の外来症例全体では0.1%であった。イングリッシュ・ブルドッグ,ミニチュア・プードル,ミニチュア・シュナウザー,アメリカン・コッカー・スパニエル,ならびにドーベルマンは本症の好発犬種と考えられた。ほとんどの症例(71.4%)では,鼻部のみに病変が認められた。本症は無症候性で病変が永続し,自然寛解に関する報告はこれまでのところない。
著者
朝比奈 良太 千村 直輝 酒井 洋樹 神志那 弘明 前田 貞俊
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-163, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

ダプソンおよびグルココルチコイドに対する反応性が低い角層下膿疱症の疑われた症例に対して,シクロスポリンを用いたところ皮疹が早期に改善した。本症例の病変部皮膚におけるサイトカイン遺伝子転写量を解析したところ,IL-8およびTh17サイトカインの転写量が高値であった。これらの結果より,本症例の病態にはTh17サイトカインが関連している可能性が示された。
著者
Danny W. Scott William H. Miller Jr.
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.165-167, 2012 (Released:2012-10-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1

シュナウツァー面疱症候群は,特有の外観を呈するミニチュア・シュナウツァーの皮膚疾患である。過去11年間において16例の犬が本症と診断され,その来院頻度は犬の皮膚科症例では0.2%で,犬の外来症例全体では0.04%であった。興味深いことに,本症を主訴として来院した症例は2例のみで,12例(75%)の犬のオーナーは来院するまで本症に気づかなかったとのことであった。予後に関する情報は10例(62%)の症例で得られたが,本症の臨床症状は3ヵ月~9年の間変化することはなかった。
著者
小荒井 衛 宇根 寛 西村 卓也 矢来 博司 飛田 幹男 佐藤 浩
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.11, pp.602-614, 2010 (Released:2011-03-02)
参考文献数
49
被引用文献数
2 5

2007年7月16日に発生した「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震(マグニチュード6.8)」について,陸域観測衛星「だいち(ALOS)」に搭載されている合成開口レーダ(PALSAR)による干渉SAR解析を行った.SAR干渉画像は,震源域近くの断層運動による地殻変動のみならず,震源から15 km東に離れた西山丘陵において,活褶曲の向斜軸に沿って幅1.5 km長さ15 kmの帯状隆起域が検出された.筆者らは,これは地震に伴って発生した間欠的な活褶曲の成長を示す直接的な証拠であると考えた.加えてSAR干渉画像は,柏崎市の中心街において,砂丘地盤の液状化や側方流動などの非地震性の地表変動についても検出することが出来た.