著者
長橋 良隆 吉川 周作 宮川 ちひろ 内山 高 里口 保文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.345-352, 2004-10-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
28
被引用文献数
2 7

火山ガラスの屈折率は,その主要成分化学組成に依存している.そのことを火山ガラスの主要成分含有量と屈折率(n)から,各成分ごとに屈折度(n-1)を算出することにより例示した.また,近畿地方および八ヶ岳山麓に産するテフラ(102試料)のEDS分析結果を用いて,主成分元素の酸化物含有量と屈折率との関係について検討した.SiO2はその含有量が多いことから,屈折率に寄与する割合が大きい.またSiO2量が増加すると,屈折率は低下する.SiO2と負の相関にある成分(TiO2・Al2O3・FeO*・MgO・CaO)は,含有量が増加するにつれて屈折率が高くなる.SiO2と相関のないNa2Oは,含有量と屈折率に相関がない.K2Oは,SiO2-K2O図でK2Oレベルの異なる複数のトレンドがあるが,含有量と屈折率には一続きの相関はない.火山ガラスの屈折率はテフラ同定・対比の際の重要な指標であるが,屈折率が近似する火山ガラスでも,主要成分化学組成は異なる場合がある.
著者
米山 裕 坂口 満宏 山崎 有恒 河原 典史 和泉 真澄 南川 文里 轟 博志 ハヤシ ブライアン・マサル 物部 ひろみ 宮下 敬志 東 栄一郎 清水 さゆり ニイヤ ブライアン
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、北米を中心とした「日系移民史」とアジアにおける「移殖民史」の分断状況の打破を試みるため、環太平洋地域を対象として、(1)各地における日本人社会の形成、(2)国際移動した日本人と様々な国家との関係、(3)環太平洋地域システム形成の分析をすることであった。いずれも達成することができた。さらに、地理学情報システム(GIS)を活用した移動研究の新しい方法論を模索することができた。
著者
長橋 良隆 吉川 周作 宮川 ちひろ 内山 高 井内 美郎
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.15-35, 2004-02-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
59
被引用文献数
43 77

Energy dispersive Xray Spectrometry (EDS) was applied to measure the major element composition of volcanic glass shards. One hundred three analytical tephra samples were collected from the Takashima-oki drilling core sample on Lake Biwa, as well as some representative drilling core samples in the Osaka coastal area and Middle Pleistocene tephra layers at the foot of the Yatsugatake Mountains. The ages of the principal tephra layers were estimated from the correlation between the biostratigraphic horizons from the core samples and the oxygen isotope stratigraphy. The estimated ages of the Kg, K-Ah, U-Oki, AT, Aso-4, K-Tz, Aso-3, BT44, BT51, Ata-Th, Aso-1, Ng-1, Kkt and BT72 tephra layers are 3.1ka, 7.3ka, 10.7ka, 29ka, 87ka, 91ka, 133ka, 203ka, 216ka, 238ka, 249ka, 294ka, 334ka, and 349ka, respectively. These principal tephra ages provide the estimated ages of other tephra layers using the sediment accumulation rates in the Takashima-oki core. Consequently, this study has reconstructed the tephrostratigraphy and chronology during the past 430ky. Furthermore, it is pointed out that caldera forming eruptions have occurred at low sea level periods just before the maximum high sea level.
著者
北川 晃一 早野 ひろ子 斎藤 俊彦 菰田 紀子 田辺 新一
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.42-51, 1996-12

放射冷暖房方式は,従来の対流による空調方式よりも快適で省エネルギー性が期待できるといわれている。床暖房やラジエータを用いた放射暖房方式は数多く実用化されており,研究例も多い。一方,放射冷房は,研究はよく行われているが,日本では結露の問題等から一般に普及していないのが現状である。本研究では,日本の住宅においても使用可能な放射冷暖房システム開発のための基礎研究として,天井放射冷房時における,湿度,微弱気流の体感に及ぼす影響を調べることを目的とし,被験者実験を行い,全身および身体各部位の熱的快適性を分析した。実験は,湿度,気流について数種類の条件に設定した人工気候室において,種々の表面温度にコントロールした放射冷却パネルの下に被験者を座らせ,温熱環境を計測し,温冷感と快不快感に関する申告をさせた。本研究の主な結果として,放射冷房時の全身の温冷感に対する湿度(45%rh, 65%rh, 85%rh)及び気流(0.1m/s: constant, on/off; 0.1〜0.3 m/s: random)の影響を新標準有効温度SET^*を用いると全身の温冷感スケールで±℃1程度の誤差を生じること,微弱気流を放射冷房と併用することにより,全身及び局所的な温冷感が全体的にSET^*の評価より温冷感スケールで1程度涼しい方向にシフトするとともに,快適感が向上する傾向があることを明らかとした。
著者
北島 健 佐藤 ちひろ 山口 芳樹 真行寺 千佳子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

受精における糖鎖の重要性は多数の報告があるが、遺伝子改変動物の解析結果から受精の成立には必ずしも必須ではない場合があることが例証されるなど、現在、糖鎖が関わる受精の分子機構の再評価が課題である。その課題解決のために、我々は糖鎖が集積してタンパク質や脂質とともに形成する分子複合体「細胞膜マイクロドメイン」に着目して研究を行った。本研究では、精子マイクロドメインに局在し糖鎖に富むGPI-アンカー分子が、これまで見出されていたウニと哺乳類以外にも、鳥類、両生類にも存在することを明らかにした。また、これらの分子が糖鎖を介して細胞内Caイオン調節に関わることを証明した。
著者
高久 雅生 寺井 仁 江草 由佳 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.181-188, 2008-05-23 (Released:2008-09-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

著者らは,大学生11 名を対象として,Web 情報探索行動の理解のためのユーザ実験を行った.情報探索タスクとしてInformational 指向およびTransactional 指向の探索課題を2 つ与え,それぞれ15 分間の課題遂行を行う探索実験を設定した.本稿ではとりわけ,課題遂行中の眼球運動計測装置による視線データの分析手法および予備的な分析結果について述べる.分析手法として,検索結果一覧ページに着目したものと,全探索プロセスに対してのおおまかな注視領域を設定したものとの2 つの方式を採用し,それぞれでの分析結果を報告する.
著者
須田 歩 趙 ひゅん珠 李 宙営 藤井 英二郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.465-470, 2009 (Released:2010-06-24)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

The effects of pair planting of Italian Cypress on the visual characteristics of geometric garden are discussed with the analysis of eye movements of 16 subjects. The distribution of eye fixation and eye movement speed inspecting French Garden from its east end are compared before and after the planting of pair trees which locate symmetrically at the western extension of east and west axe of the garden. The center of eye point distribution tends to concentrate on the central area including flower base after the planting of pair tree. And, the number of eye movement in the upper part of central area significantly increased in the male subjects. Contrarily, the number of eye movement in the lower part of central area significantly increased in the female subjects. Therefore, the characteristics of eye movement mentioned above are considered to indicate that the pair planting has a visual effect to conceive the axe of geometric garden.
著者
岡田 洋子 井上 ひとみ 茎津 智子 菅野 予史季 三田村 保 佐藤 雅子
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究の目的は、死をタブー視し子どもとの会話を避ける傾向が強い日本社会において、命の大切さや生きること、死についてどのように教え学ぶか、その方略の開発と実践・評価である。対象は協力の得られた小学校の低学年78名、高学年80名、中学生112名の合計270名である。方法は各学年用に作成したDeath-Educationプログラムの実施前および実施後に、「命」「生きること」について原稿用紙1枚程度に記載、提出を願った。分析は提出レポートから(1)コード化を行い、データがどのカテゴリーに属するか(2)サブカテゴリー化(仮説設定過程)を推定し、(3)カテゴリー化を試みた帰納的・記述的方法である。Death-Educationプログラムの作成は、小児看護の立場で行なう目的・指針と認知的発達段階を考慮し作成した。低学年は作成した「命」について考える視聴覚アニメを、高学年は生徒に身近で具体性に富む少年の闘病生活ドキュメンタリーを、中学生は先天性疾患で入退院の経験・障害を有する高校1年生自身による体験談と、骨腫瘍の少年の闘病生活ドキュメンタリーを併用した。倫理的配慮は、中学生には成績に一切関係がない、参加するか否か(途中で出ても)自由である、本人および家族から承諾書にサインを頂き実施した。結果は各学年とも実施前より後の方が1)記載内容が増加、2)一般的知識から感情を伴った表現内容に変化、高学年以上ではさらに3)死と対峙する仲間の闘病生活から(1)そういう仲間の存在をしらないで生きていた自分の発見、(2)健康は当たり前なことではなく、とても大切なことの実感、(3)健康・命の大切さと親への感謝の気持ち、と多くの学び(衝撃)を得ていた。さらに4)死の否定的側面ではなく、生きることに目が向けられていることが確認できた(From Death to Life)。
著者
阿部 ちひろ 伊藤 彰則
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-6, 2011-07-20

本稿では,音節数と韻に着目した作詞支援システムを提案する.システムは Ngram 言語モデルをもとに,ユーザの指定した音節数と韻の条件を満たす歌詞候補文を生成し,提示する.ユーザはシステムを辞書のように用い,提示文から主体的に言葉を選び作詞を進めることができる.我々は GUI を備えた作詞補助システムを実装し,提示文とシステムの主観評価実験を行った.In this paper, we propose a lyrics writing support system focused on the number of syllables and rhyme. The system generates candidate sentences that satisfy user-specified conditions based on Ngram, and presents them. A user can use the system like a dictionary, and write lyrics be choosing presented words. We have implemented a system with GUI, and subjective evaluations of the statements and proposed system were conducted.
著者
田口 洋美 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 三浦 慎悟 高橋 満彦 原田 信男 白水 智 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 原田 信男 白水 智 三浦 慎悟 神崎 伸夫 前中 ひろみ 高橋 満彦 岸本 誠司 中川 重年 梶 光一
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究が開始された翌年平成18年度においてクマ類の多発出没が発生し、捕殺数は約5000頭、人身事故も多発した。本研究はこのような大型野生動物の大量出没に対する対策を地域住民の歴史社会的コンテクスト上に構築することを主眼とし、東日本豪雪山岳地域のツキノワグマ生息地域における狩猟システムと動物資源利用を「食べて保全」という市民運動へと展開しているドイツ連邦の実情を調査し、持続的資源利用を含む地域個体群保全管理狩猟システムの社会的位置づけとその可能性を追求した。
著者
木下 ひさし
出版者
東京学芸大学
雑誌
学芸国語国文学 (ISSN:03879135)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.99-106, 1996-03