著者
長江 弘子 千葉 京子 中村 美鈴 柳澤 尚代
出版者
日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.123-130, 2001-03-01

本研究は,生活障害をもちながら地域で暮らす高齢者の主体的選択である「生活の折り合い」の概念を明らかにすることを目的とした.研究対象は,都内に居住する70〜89歳までの要支援高齢者20名である.データ収業は,個別訪問による半構成的面接を行い,高齢者の言語データをありのままに捉えるBerelsonによる内容分析の技法を用いて分析した.結論として生活障害をもちながら地域で暮らす高齢者の「生活の折り合い」概念は,「身体的機能障害によって変化した日々の生活スタイルを修正し,以前の生活に近い状態,あるいは自分の望む生活を自立的に選択しながら老いの成熟へ向かう過程」と定義された.この概念は,地域看護における新しい看護支援概念であり,「楽しく過ごすが生活信条」「老いに伴う生活調整」「自己尊重感を保障する健康」「生活保障に対する安心感」の4主要因で構成されていた.生活の折り合いの過程では,この主要因が絡み合い,肯定的認識と否定的認識との心的葛藤を伴う高齢者自身の心の仕事として意味をもっている.構成する4主要因は,地域で暮らす高齢者の日々の生活における個別支援への方略を提供するものであると考える.
著者
中村春二 著
出版者
成蹊実務学校
巻号頁・発行日
1914
著者
橋本 哲 寺野 真明 杉浦 敏浩 中村 政治 川瀬 貴晴 近藤 靖史
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.93, pp.67-76, 2004-04-25
被引用文献数
11

室内環境は,オフィスワーカーや学校生徒など建物居住者のプロダクティビティや健康に影響する.近年,室内環境の改善によるプロダクティビティ向上が,費用対効果の高い投資であることを強調する文献が目立ってきている.このような状況の中,筆者らは,この分野の研究や応用商品の開発が国内で活発化する可能性について調査を行ってきた.本稿ではまず,海外の研究動向を紹介する.次に,現在,様々な見解や方法が提案されているプロダクティビティの概念・定義,および,測定方法について,その解釈と今後の方向を考察する.
著者
鈴木 丈一郎 清水 伸宏 千 錫男 曽 振江 藤井 美弥 伊藤 嘉彦 関 規子 渡辺 孝章 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.929-938, 1992-12-28
被引用文献数
16 2

本研究は,代表的な電動歯ブラシ4種と手用歯ブラシ1種のプラーク除去効果とブラッシング圧について比較検討した。実験は,被験者に本学保存科医局員15名を用い,ブラッシングを行わせ,前後のプラークのスコアーを測定し,プラーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を一部改良し測定した。また,術前術後のO'Learyらのプラークスコアーと為害作用などについてのアンケート調査を行い以下の結果を得た。(1)プラーク除去率は,各種歯ブラシ間に統計学的に有意差は認められなかった。(2)ブラッシング圧は,パワーハブラシ^[○!R]とINTERPLAK^[○!R],プロクトレギュラー^[○!R]とINTERPLAK^[○!R]間に,有意差が認められた(P<0.05)。(3)電動歯ブラシでも,隣接面のプラーク除去は不十分であった。(4)振動型の電動歯ブラシに比べ反転型のほうが歯肉に擦過傷を起こし易かった。
著者
峯川 洋己 稲崎 一郎 中村 誠 鈴木 繁 上間 丈司 横田 秀雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.646, pp.2054-2059, 2000-06-25
被引用文献数
4

The cooling lubricants are still widely used for machining operation today to extend the tool life and to improve the quality of the machined surface. However, due to increasingly strict regulation aiming at controlling environmental pollution, the costs of using cooling lubricants are rising. It is, therefore, necessary to reduce the amount of cooling lubricant used in production lines. The logical step which can be taken to avoid the environmental problem is dry machining. But sometimes dry machining is not possible due to manufacturing process aspects, such as extensive tool wear and insufficient surface quality. To solve those problems, this study proposes cutting with minimal quantity lubrication(MQL), which is able to achieve the function of the cooling and lubrication with an extremely low consumption of lubricants and great amount of air flow. In this paper, the mechanism of the MQL system is introduced and by using this system, milling provess on carbon steel and aluminum alloys is tested to see the effectiveness of the MQL method.
著者
福岡 義和 田中 啓一 野口 雅志 酒井 晃 萩中 隆博 中村 武夫 田近 栄司 神田 静人 加藤 正博 長谷川 真常
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.150-157, 1986

新しく開発された経口セフェム系抗生剤T-2588 (T-2525として100mg力価) を健常成人4例および種々の程度の腎機能障害者14例に経口投与し, その抗菌活性物質であるT-2525の体内動態を検討した。腎機能の指標としては24時間内因性クレアチニンクリアランス (Ccr) を用い, 薬動力学的解析は吸収に遅れがあるとしたone-compartment open modelを用いた。<BR>T-2525の最高血清中濃度は腎機能に影響されることなく投与後4時間に得られたが, Ccr20~30ml/minの腎機能障害者では正常者に比べ高値を示す傾向がみられた。血清中濃度半減期 (t<SUB>1/2</SUB>) は腎機能正常者で0.83±0.02時間と計算され, 腎機能の低下に伴い延長した。排泄速度定数KelはCcrと良く相関し (r=0.739, p<0.005), 一次回帰式Kel=-0.053+0.0113Cer (Ccr: 20~80) が得られた。<BR>腎機能正常者におけるT-2525の投与後8時間までの尿中回収率は平均22.2±1.9%で, 腎機能の低下に伴い低値を示した。<BR>Ccr40~70ml/minの軽度腎障害者では本剤100mg1日3回の連続投与によってもほとんど体内蓄積の可能性はないが, Ccr20~30ml/minの腎障害者では連続投与によりC<SUB>max∞</SUB>およびC<SUB>min∞</SUB>が上昇することが推定された。
著者
渡辺 勇三 雨宮 宏 中村 良治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.191-204, 1989-03

昭和61年2月1日22時40分00秒に内之浦から打ち上げられた観測ロケットS-310-16号機に搭載された固定バイアス・ラングミュアプロープによって電離層電子密度の高度分布, および, 波長が3mから300mの電子密度のゆらぎが高精度で測定された。ロケット上昇時の高度74kmから93kmの領域のゆらぎのデータを周波数解析した結果, (1)ゆらぎのスペクトル指数は0.9&acd;1.8である, (2)ゆらぎの大きさは1&acd;15%である, (3)ゆらぎの大きさが最大になる高度は88kmであることがわかった。今回, 観測された電離層E層下部領域の電子密度のゆらぎは中性大気乱流の理論で説明することができる。また, プローブがロケットウェイクの端の領域に近づいた時に観測される大きな電子密度ゆらぎの特性が調べられた結果, (1)ロケット上昇時のアンテナ展張直後の低電子密度の領域から現われている, (2)ロケット下降時にはプローブが大小二つの連続した複雑なロケットウェイクの影響を受けている, (3)降下時の低高度領域では電子密度ゆらぎの信号には特にロケットウェイクの影響が認められない様な時でもその周波数解析の結果にはウェイクでの擾乱の特徴が大きく現われることが明らかとなった。ロケット降下時のプローブ観測の結果から電離層のことを検討するのは危険であることがわかる。
著者
中村 英仁 岡本 純也 江頭 満正 金子 史弥
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.173-189, 2010 (Released:2010-11-22)
参考文献数
34
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to explain why the number of participants in the Tour de Okinawa has been increasing during the past twenty years, focusing on the supply-side. Previous research has mainly analyzed participants’ incentives and judgments about the event product’ s overall excellence from the demand-side perspective, which does not clearly explain the marketing effectiveness of the Tour de Okinawa. Because the Tour de Okinawa organizer was not a profit organization, its marketing activities confronted resource constraints that indicated we should consider the effects of the situation. Therefore, we focused upon the marketing activities and methods to overcome the resource constraints. The result shows that the organizer incorporated their organization as a nonprofit corporation, which stabilized their finances so that marketing mixes were improved. The improvement of the marketing mix was also aided by accumulated marketing know-how about the event, which occurred after hiring experts because of the financial stability. These activities by the organizer explain the reason why the number of participants in the event has been increasing.
著者
宮田 康志 青山 秀紀 尾関 基行 中村 裕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.496, pp.19-24, 2007-01-18
被引用文献数
3

本研究では,作業や生活をさりげなく支援するメディアを実現するために,ロボットなどの人工エージェントを画像認識システムとそれを用いる人間の間に介在させる枠組みを提案する.この枠組みでは,物体や人物動作を認識するための認識モジュールと,さりげないインタラクションによって人間を誘導するエージェントモジュールが協調して動作することによって,支援システムが必要な情報を必要な時に十分な精度で得ることを目的としている.本研究では,そのプロトタイプとして大型ロボット(AIBO)をエージェントとしたシステムを試作し,認識誤りが発生しそうな場合や,より詳細な誰識が必要なタイミングにユーザにその対処方法とともにジェスチャで知らせる機能を実装した.試作システムを用いた予備実験において,エージェントを導入することにより認識率が上がること,および,人間に認識位置・姿勢を直接命令する場合に比べてユーザへの負担が減ることを確誰した.
著者
嵯峨山 茂樹 小野 順貴 西本 卓也 齋藤 大輔 堀 玄 中村 和幸 金子 仁美
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

統計的信号処理と音楽理論の数理モデルを融合して、音楽(および音響・音声)の信号処理と情報処理に多面的に取り組んだ。音声認識分野では音響処理と言語処理の融合がキー技術であったように、音楽においては信号処理と音楽理論の融合が必須である。具体的には、A: 数理モデルと統計学習を軸にした音楽信号の解析・変換・加工・分離・検出、B: 音楽理論の数理的定式化を軸にした音楽信号の和音認識・リズム解析・セグメンテーション・構造解析・ジャンル認識、C: 機械学習と最適化を軸にした自動演奏・自動作曲・自動伴奏・自動編曲などを研究・開発した。
著者
中村 円生 吉山 巖
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.378-380, 1961-10-01

カッパ7型ロケットよりカッパ9L型1号機までに使用された加速度計を第1表に示す.電気回路,作動原理についてはすでに多くの文献に紹介されているので省略する.
著者
田中 延吉 田村 幸生 中村 遊香 三阪 力 橋口 衞 佐藤 剛 兼島 孝 左向 敏紀
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.6-11, 1997-03-20 (Released:2008-05-16)

犬では洗浄する目的によって適したシャンプーの使い分けが要求される。犬の品種の多様化に伴い, 皮毛の性状の違いや, 皮膚病の種類も多彩になっている。動物用シャンプーには抗脂漏性, 抗菌性あるいは保湿性成分などを含んだ製品がある。この報告では過剰皮脂分泌に対応するコールタール, イオウ, サリチル酸などを含有したビルバック社製製品についての臨床試験成績を報告する。動物病院9カ所から無作為に39頭を選び試験に供した。1日1回の割合で1~12回洗浄し, べたつき, 臭い, 毛づや, くし通り, ふけ, 痒みなど9項目を観察した。結果は洗浄効果97%, ふけ・痒み90%, 消臭効果全例, 保湿性97%, 毛づや・潤い84%と良好な効果を得, また泡立ち, 泡切れなどの点でも使用しやすく, 副作用も認めなかった。.
著者
中村 泰人
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.25-30, 1999-12
参考文献数
5

COP3の議定書に定められた二酸化炭素排出削減を達成するためには抜本的なライフスタイルの変更が不可欠である。しかし,それを待たずして,地球環境問題に遠因のある産業構造の変革に伴って,強制的なライフスタイルの変更が始まったとみられる。ライフスタイルの変更は強制されるのでなく,自律的で創造的であるべきだ。そのためには 』 ひの改革が必要である。自然との接触を取り戻し,生活の中に風土性を復活させることによって,みずからのライフスタイルの創出が可能となる。その具体化として,新しいサマータイムを提案した。これは従来のそれとは異なって,昼休み時間が2時間に倍増されている。昼休みの間に身体が日中の暑い外気に触れることを1〜2週間も続けると季節順化が形成され,室内の空調設定温度をこれまでより高く設定できる。労働時間が1時間延長するが,総合すると空調の消費エネルギーが減少し,二酸化炭素排出の削減につながる。