著者
日高 艶子 宮林 郁子 金山 萬紀子 中村 真紀 吉村 綾子 中島 峰子 戸島 早織 松尾 佐知子 林 由香 小浜 さつき
出版者
聖マリア学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、高次脳機能障害者のセルフケアの再構築を促す看護 介入モデルの試案を検証することにある。本モデルは、注意障害、観念失行、半側空間無視、 自発性の低下に対する介入の順序性と、環境調整と主意的役割の活用という二つの介入方法を 提示し、期待できる効果の程度について示したものである。本研究においては、複数の高次脳 機能障害を呈した 8 名の患者に対して検討した。その結果、介入の順序性においては、まず注 意の集中を維持することで、患者の行動が安定し、それに伴い抑制障害や半側空間無視の改善 を認めた。介入方法においては、視覚・聴覚刺激を減少した個室環境が注意機能の持続や配分 に有効であった。主意的役割を用いた介入は、自発性の低下をきたした 3 事例において有効で あった。さらに、注意障害、半側空間無視、記憶障害の介入としても効果が期待された。今回 は得られたデータに限りがあるため、今後もモデルの検証に向けて研究を継続する必要がある。
著者
中村 寛志
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.137-144, 1980-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
12
被引用文献数
5 10

集合性昆虫の一種であるマツノキハバチの幼虫について集団サイズ別分離飼育を行い集合効果の検証をするとともに,幼虫集団の摂食過程と集合形態の調査を行った。1. 集団サイズ別分離飼育における令期間は1頭区の1, 2令期が他の集団サイズより長くなったが,繭重量に関しては差がみられなかった。また集団サイズと生存率の関係は1, 2, 3, 5頭区で55∼60%,7頭区で77%, 10, 20頭区ではほぼ100%であった。2. 不適な餌による集団サイズ別分離飼育においても10, 20頭区はほとんど死亡がみられず集団サイズが小さくなるにつれて死亡率が高くなった。3. 孵化幼虫はアカマツの枝の先端に集団を形成するが,1令幼虫では1葉につき約8頭の小集団に分かれて摂食した。また脱皮時には葉の基部に多くの個体が集まり密な集団を形成した。4. 以上のことから明らかになった本種幼虫の摂食集団と脱皮集団という2種類の集合形態の生態的意義を考察した。
著者
新原 道信 古城 利明 中島 康予 川原 彰 藤井 達也 田渕 六郎 古城 利明 藤井 逹也 川原 彰 中島 康予 柑本 英雄 石川 文也 田渕 六郎 中村 寛 メルレル アルベルト バストス ジョゼガブリエルペレイラ 鈴木 鉄忠
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本調査研究は、21世紀"共成"システム構築を全体構想として、グローバリゼーションのもとで頻発する異物・異端排除をめぐる諸問題に対して、衝突・混交・混成・重合しつつ共存するヨーロッパの"境界領域"の"共成の智"を明らかにすることを目的として、"境界領域のメタモルフォーゼ"を鍵概念として、地域自治・自立、国際地域間協力、地域住民のアイデンティティの複合性・重合性に関する地域調査・聴き取り調査をおこなった。
著者
中村 涼 吉見 真聡 三木 光範
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.398, pp.129-134, 2012-01-18

近年,画像処理用のハードウェアとして用いられてきたGPUが汎用計算へと利用されるようになり,GPUを用いた多くのソフトウェアの開発や研究が盛んに行われるようになってきている.GPUによる汎用計算向けの開発環境は多数提供されているが,並列計算は高度なプログラミング技術や専門知識を要し,開発コストが高いという課題がある.また,最近では高性能なGPUを提供するホスティングサービスが増えていることから,ネットワーク上の複数のノードのGPUを利用するための枠組みが強く求められている.そこで我々は,GPGPUによる並列プログラミングを容易に実現するため,Rubyを用いたフレームワーク『ParaRuby』を開発した.ParaRubyにより,Rubyプログラム中からGPU向けのプログラムを呼び出し,リモートノード上にて処理を行うことが可能になる.このフレームワークを利用して2つのアプリケーションの実装を行い,フレームワークの性能を評価した.
著者
中村 隆志
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.12-19, 2008-08-01
被引用文献数
3

「ケータイのディスプレイを見る行為」は,ケータイが本来持っている通信機能を越えて,現実空間での非言語的コミュニケーションに様々な役割を果たしている。この役割をさらに明らかにするため,大学生にアンケート調査を行った。公共空間において,連絡すべき用件があるわけでも,着信があるわけでも,すぐに見たいコンテンツがあるわけでもないのに,ケータイを取り出したくなるような経験を思い出してもらい,その理由を尋ねた。得られた回答り,「ケータイのディスプレイを見る行為」は,従来から存在する小物と同じようにケータイを利用する場合と,「誰かとつながっていること」を演出する狙いでケータイを使用する場合との,大きく2通りに分けられた。もうひとつの調査では,公共空間でのケータイあるいは他の小物の利用意向を尋ねた。その結果,被験者は,「誰かとつながっていること」を周囲にアピールする必要性が相対的に高い状況において,ケータイを取り出して操作する傾向にあった。この使用法は,ユーザが多重文脈性を「まとう」かのようにケータイを利用することがあると解釈可能であり,現代の対面的コミュニケーションに影響を与えていると考えられる。
著者
越智 裕之 佐藤 高史 筒井 弘 中村 行宏
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

長寿命なデジタル記憶システムの実現に向け、長期安定性に優れるマスクROMの実装されたシリコンウエハ全体を完全に絶縁層で封止し、非接触で電源供給や相互通信を行うための構成方式の検討を行った。非接触電源供給技術としてオンチップ太陽電池に注目し、ブーストインターリーブ太陽電池を提案した。非接触相互通信技術としてオンチップダイポールアンテナに注目し、低消費電力な送受信回路を提案した。高集積、超低電圧動作が可能なNAND型マスクROMの特性を明らかにした。これらを総合して恒久保存メディアのアーキテクチャ検討を行い、待機時消費電力を極限まで削減する階層的なパワーゲーティング手法の有用性を示した。
著者
中村 敦雄
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,これまで教科書に印刷された文字教材が学習における中心を成してきた国語科にあって,映像や図表等もテクストとして位置づけ,メディアの技術革新に対応させた「よむ」学習活動を支える理論的基板を解明することを目ざした。そのアプローチとして,戦前から現代にいたる広範な期間における「よむこと」の実態を解明するとともに,周辺関連分野の先行研究を渉猟し,理論的な枠組みを解明した。また,試行的な教育実践等を対象とした参与観察研究として,群馬大学の附属学校において実証実験を行い,国語科としての新しい学習指導のあり方の概容を解明した。
著者
中村継男 著
出版者
税務懇話会
巻号頁・発行日
1936
著者
中村継男 著
出版者
東京税務二課会
巻号頁・発行日
1920
著者
大出 春江 中村 美優 松田 弘美 古川 早苗
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成19年度は過去3年間の研究成果をまとめる形で、定例研究会の実施、学会報告、報告書の作成を行った。また在宅医療をめぐる全国大会が開催され、このうち千葉、東京、岐阜、大阪の大会に参加し、在宅医療にかかわる専門職者らと交流を深めた。以下は、学会発表と報告書の骨子でもある研究成果を担当毎に要約したものである。1)在宅の看取りと家庭看護の歴史(大出):明治期から現代までおよそ100年間の在宅の看取りの変遷について、家庭看護書の記述をもとに明らかにした。1960年代前後から、死にゆく身体への関わりは看護職にゆだねられる経過が示される。2)死後処置からみた看取りの歴史と担い手(古川):明治期の看護職による死後処置が伝染病対策からはじまり、そこに民俗慣習の儀礼が組み込まれていった経過が看護教科書等の文献研究から示される。さらに近年、急速な広がりをみせる〈エンゼルメイク〉のもつ効果と危うさについても触れ、死後処置の行方を論ずる。3)看取りを実践した家族からみた在宅医療と訪問看護(中村):看取りを実践した兵庫県・家族7例に対し、主介護者を対象に実施した半構造化インタビュー調査(2004年12月〜2006年8月実施)結果の分析。看取る家族からみた病院、疾師、訪闇看講師、存宅疾療に必藝た俗源やネットワークの必要性が明らかにされる。4)長野市訪問看護ステーションからみる在宅医療と訪問(松田):長野市内4カ所の訪問ステーションにおける調査をもとに、訪問看講STが病院併設型の場合、病院との円滑なコミュニケーションと情報の共有により、在宅療養の患者および患者家族の<ゆれ>を支える構造的な基磐を提供していることが示きれた。5)在宅医療という経験と運動(大出):長野県、兵庫県、大阪府にそれぞれ在宅医療を実践する無床診療所を開設する医師ヘのインタビュー調査から、2006年度在宅療養支援診療所という新たな制度の導入と受容を医師の視点から捉えている。
著者
中村 妙子
雑誌
ICU日本語教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-21, 2002-03-31

国際キリスト教大学(ICU)の日本語教育を一人の日本語教師の立場から振り返る。ICUの日本語教育を振り返るにあたっては,1.コースのカリキユラム及び教授法,2.使われた教科書,教材リストアップ,3.人的組織,4.全体的な日本語教育の流れ,5.ICUにおける日本語教育に対する関心,6.学生による評価などの点から考察できるであろう。それぞれの項目については資料,考証,関係者の聞き取りが必要であるが,小稿では,これらの項目について,現時点で触れられるものについて述べる。さらに,JLPに関することを点描的にふれる。
著者
中村 めぐみ 朝倉 啓充 成田 干城 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.2, pp.1-8, 2004-01-15

インターネットを利用する際,個人情報漏洩などの不安から,匿名でアクセスをしたいという要求がある.一方サービス提供者は,どのようなユーザがどのように使用しているかといった情報を収集することにより,より良いサービスを提供したいという要求がある.そのため,ユーザが様々なシステムを使用すると,システムが結託することにより同一ユーザが公開した情報を収集されてしまう可能性があるので,ユーザの特徴情報と行動情報の結び付きを秘匿できるような認証方式が提案されてきた.しかし,ただ匿名性を提供するだけの個人情報保護手法では,匿名者が繰り返しアクセスをしても,それぞれが匿名であるために同一ユーザの繰り返しであることが証明できず,アクセス数によるサービスの提供などができない.そこで本稿では,匿名状態のままで匿名者同士がアクセス履歴を証明する手段を提案する.Since there is a possibility that pedrsonal information may be revealed when using the Internet, there is demand of wanting to access using anonymity. On the other hand, those who offer service think that he wants to offer better service by investigating what user is using service how. If a user uses various systems, a user's information is collectable because a system coordinates. Therefore, the system which keeps secret connection of a user's personal information and action information was proposed. However, if anonymity is used, it cannot be shown even if a user accesses a system repeatedly. Then, in this paper, we propose the method of showing the history that anonymity persons accessed.
著者
中村 喜和
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学研究年報. 人文科学研究 (ISSN:04410009)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.3-48, 1991-09-10