著者
中村 恵子 塚原 加寿子 伊豆 麻子 岩崎 保之 栗林 祐子 大森 悦子 佐藤 美幸 渡邉 文美 石崎 トモイ
出版者
新潟青陵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

養護教諭を対象とした質問紙調査を実施し、どのように養護診断・対応を行っているのかを明らかにした。養護教諭やスクールカウンセラー、生徒指導主事への面接調査を実施し、心の健康問題における連携について分析、記述を行った。スクールソーシャルワーカー(SSW)に面接調査を行い、SSWによる支援について明らかにした。また、養護教諭へのグループインタビューをもとに、保健室来室者記録の改善を図った。さらに、各関係機関を訪問し、連携について調査した。アセスメント・シートや情報提供書を作成するとともに、健康相談活動の進め方や体制づくり、関係機関との連携などについて、研究成果としてまとめた。
著者
竹下 盛重 中村 昌太郎 石塚 賢治 石塚 賢治
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本のEATL(腸管症関連T細胞リンパ腫)では大部分がII型であり、その多くはCD56+, CD8+T細胞リンパ腫であった。その非腫瘍部位の粘膜には、腫瘍性のIEL(上皮内リンパ球)が約70%にみられ、また反応性IELが多くみられる腸管症病変が約50%に認められた。腫瘍細胞はC-METの反応が約80%に、またリン酸化MAPKが90%、C-MYCが約40%、BCL2が70%強に認められた。また、FISH によるC-METの増幅は65%、C-MYCの増幅が71%に認められた。EATLでは、C-MET/MAPK系やC-MYC/BCL2系を介する細胞の増殖維持が腫瘍化に関与していると推測した。
著者
一村 信吾 中村 健 黒河 明 野中 秀彦 村上 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料
巻号頁・発行日
vol.97, no.220, pp.13-18, 1997-08-04

高純度のオゾンを供給できるオゾンビーム発生装置を用いて、極薄シリコン酸化膜の形成におけるオゾンの効果を検討した。加熱清浄化によって得たSi(111)及びSi(100)面をスタート表面として、高純度オゾンによるシリコンの酸化を酸素分子による酸化と比較した。酸化に伴うシリコン表面の変化は、X線光電子分光法(XPS)によるOls強度変化、Si2pの形状変化、ならびに2倍高調波発声法(SHG)の強度変化で調べた。これから、オゾンがシリコン表面で解離して生成する原子状酸素が、高い反応確率でシリコンのバックボンドに挿入し完全性の高いSi-O-Siネットワークを形成するというオゾン酸化の特長を明らかにした。
著者
中村 純一
出版者
一橋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は、1990年代以降の日本経済の長期低迷の原因とも指摘された、いわゆる「ゾンビ企業(金融支援を受けて存続している企業)」の発生・復活の実態とその影響について実証的に分析・考察した。その結果、(1)ゾンビ企業の多くは2000年代前半に復活したが、リストラに依存した縮小均衡であったこと、(2)その傍ら「優良企業」の側の投資行動には、ゾンビ企業の復活後も企業統治要因と関連した過小投資・過大投資の共存など固有の歪みがあったことを示し、それぞれがマクロ経済の本格回復の妨げとなった可能性を指摘した。
著者
大塚 泰介 中村 優介 向井 康夫 岩渕 成紀
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.42-47, 2013-12-31 (Released:2013-12-19)
参考文献数
26

Diatom assemblages in a rice paddy inundated by the 2011 Tohoku Earthquake tsunami were studied. We collected diatom samples from a rice paddy in Sabusawa Island in Miyagi Prefecture on 14 August 2011. The rice paddy was intruded by seawater during the high tide of the spring tide as a result of destruction of the coastal levee and the land subsidence after the earthquake. The salinity of the paddy was slightly higher than that of the coastal seawater, and naturally, rice was not cultivated at that time. In total 117 diatom taxa (including 22 unidentified ones) belonging to 50 genera were observed. The diatom assemblages consisted of fresh, brackish, and marine water species, and moreover, extinct Miocene marine diatoms. The dominant species was Tabularia parva on Zannichellia palustris and in a floating algal floc, and Navicula phylleptsoma on the surface soil. Halamphora luciae was subdominant in all samples. Judging from the past literature, these diatoms all tolerate changes in salinity.
著者
田辺 和裄 平井 誠 本間 一 堀井 俊宏 美田 敏宏 中村 昇太
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では、DNAポリメラーゼδの校正機能を欠損させることによって高頻度に突然変異を発生するネズミマラリア原虫Plasmodiumberghei(ミューテーター原虫)を用い、原虫の進化を予測する進化モデル実験系の構築を目指した。ミューテーター原虫に生じた変異をゲノムワイドに解析した結果、変異率は対照原虫よりも75-100倍上昇していた。また、サルファ剤耐性試験の結果から、ミューテーター原虫は薬剤耐性の予測を可能にする新たな研究手法となり得ることが明らかになった。
著者
中村 良子
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

宇宙を飛び交っている10^<15.5>eV以下の粒子(宇宙線)は、銀河系内の超新星残骸(SNR)で加速されていると信じられている。しかし、現在見つかっている~TeVまでの加速が行われているSNRは、系内のSNR 270個のうち10個程度しかなく、そのほとんどが爆発からん1000年経った若いSNRとなっている。従って、宇宙線加速とSNRの環境との関係、宇宙線加速の進化、そして宇宙線の主成分である陽子加速については未だ解明されていない。そこで私は加速源の環境と加速の進化を解明するために、(i)爆発から数万年経ったSNRから、電子加速の証拠となるシンクロトロンX線を発見すること、(ii)系内SNRのうちシンクロトロンX線が受かっているサンプルを集め、光度の時間変化を追うことの2点に着目して研究を行った。(i)については、古いSNR W28と、CTBS7Bという2つのSNRがら初めてシンクロトロンX線を発見した。次に、(ii)に述べたサンプルにW28とCTB37Bのデータを加え、光度の時間変化を見た。その結果、年齢の若いSNRはシンクロトロンX線の光度が10^<34>erg/secと明るく、古くなるにつれて光度がさがる傾向が見られた。この傾向を説明するために、我々はSNRの進化に基づいて衝撃波の速度、磁場、電子の最高エネルギーを計算し、シンクロトロンX線の半径に対する光度を求める簡単なモデルを構築した。その結果、プラズマの密度が0.01-1cm^<-3>の時に観測データを良く再現でき、密度が低い環境下にあるSNRほど高いエネルギーまで電子が加速され、加速のタイムスケールも長くなること発見した。同様のモデルを宇宙線の主成分である陽子加速にも適用した。その結果、陽子はSNRの進化の早い時期に一気に~1015eVまで加速されること、また最高到達エネルギーの密度依存性が小さいことがわかった。このように電子加速、陽子加速の進化を追った研究は世界で初めてであり、モデルを構築することによって宇宙線加速と環境の関わりを示唆できたことは、宇宙線加速解明への重要な成果であると言える。
著者
藤井 敦史 原田 晃樹 北島 健一 佐々木 伯朗 清水 洋行 中村 陽一 北島 健一 清水 洋行 佐々木 伯朗 中村 陽一
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本では、社会的企業が、企業の社会貢献との延長線上で捉えられ、制度的・社会的基盤条件を無視した研究が行われてきた。それに対し、我々は、EMESネットワークの社会的企業論を分析枠組の基礎に据え、英国イースト・ロンドンの社会的企業、並びに、障害者雇用領域で活動する日本の社会的企業について調査研究を行った。これらの比較調査から、社会的企業の発展にとっては、(1)委託事業を含む政府(行政)との協働のあり方や(2)地域でセクターを形成しうるインフラストラクチャー組織の存在が極めて重要であることが理解できた。
著者
中村 一博 吉田 知之 鈴木 伸弘 竹之内 剛 岡本 伊作 渡嘉敷 亮二 鈴木 衞
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.298-306, 2006-06-10
被引用文献数
5 2

咽頭食道異物は外来診療において遭遇することの比較的多い疾患である。通常は経口的,経内視鏡的に摘出可能であるが,異物の種類によっては頸部外切開が必要となることもある。今回われわれは外切開による摘出を必要とした下咽頭頸部食道異物の3例を経験したので報告する。<br> 症例1と2は義歯の紛失が主訴であった。CTと単純X線にて下咽頭頸部食道に義歯を認めた。同日,全身麻酔下頸部外切開にて摘出した。<br> 症例3は食事中の突然の顔面頸部腫脹を主訴に当院救命救急部を受診した。初診時のCTにて頸部皮下気腫,縦隔気腫,下咽頭頸部食道異物を認めていたが救命的処置を優先し,第11病日に当科を受診した。同日緊急切開排膿術,異物摘出術を施行した。多量の膿汁と頸部食道粘膜壊死を認め,食道外に蟹の殻が存在していた。第78病日に敗血症で死亡した。<br> 下咽頭頸部食道粘膜は薄く鋭利な物質で容易に穿孔する。誤飲した異物についての詳細な問診が重要である。有鉤義歯の鉤が陥入している場合,無理に抜こうとすると消化管穿孔の原因となる。症例3は皮下気腫から縦隔膿瘍,敗血症となり不幸な転帰をたどった。迅速な診断が重要である。<br> 下咽頭食道異物症例では診断の遅れが致命的になることもある。詳細な問診,迅速な診断,適切な処置が重要である。
著者
仙波 恒雄 萩原 弥四郎 中村 征一郎 吉川 武彦 大塚 明彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.277-283, 1969

われわれは,熱電効果による手掌皮膚血流の測定が精神生理学領城において,情動の指標として用いられる可能性を指摘した。今回は更に本法と指尖容積脈波とを比較し,かつ若干の測定条件に検討を加えた。1.情動負荷刺激により一過性の指尖容積脈波の振幅の減少,指尖容積の減少が,手掌皮膚血流の減少に伴っておこる。また指尖容積の変化は,皮膚血流の消長とほぼ平行する。しかしその特徴は,GSRと同じく指尖容積脈波はon-reactionの判定に便であり,皮膚血流はon-off-reactionを示すので3者をポリグラフ的に記録を行なうことが望ましい。2.四肢の挙上により,皮膚血流の減少,指尖脈波振幅の増大,指尖容積の減少がみられ,垂下により皮膚血流の初期減少,のち増大,指尖脈波振幅の減少,指尖容積の増大を示す。3.各情動負荷により,個人が惹起されるべき皮膚血流の変化は,テストに対する検者の不安,緊張などの構えや,反復による慣れにより影響をうけるので測定時考慮されるべきである。
著者
中村 勇規
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

花粉症では鼻水や鼻閉などの症状が夜から明け方に悪化することが知られている。しかし、「体内時計」が花粉症の病態に関与するか否かについては未だに明らかではない。そこで、動物モデルを用いて「体内時計」が花粉症の病態に関与することを検証した。マウス花粉症モデルを用いて検討した結果、野生型マウスにおける花粉症の症状は日内変動を示し、時計遺伝子Clock変異マウスでは消失することが確認できた。また、体内時計に作用する薬剤を投与することで、花粉症の症状が抑制できること、加えて、マウス慢性時差ぼけモデルではこの日内変動が消失していた。これらの結果から、体内時計が花粉症の病態に関与することが強く示唆された。
著者
平松 祐司 増山 寿 鎌田 泰彦 中村 圭一郎
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

糖尿病は年々増加し,わが国の国民病といっても良い状況にある.血糖を下げるインスリンは妊娠,多嚢胞性卵巣症候群,子宮体癌などの産婦人科疾患では,効かなくなるインスリン抵抗性が出現している.今回はこのインスリン抵抗性がこれら疾患にどのように関係しているかを研究し,そのメカニズムを明らかにし,一部の疾患では予防法の開発を目指した.また胎児期の栄養と将来の糖尿病,肥満の発症についても検討した.
著者
中村 清 宇津井 雄三 前田 忠男
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.540-546, 1967

The authors had given, in their previous paper, the optimum conditions for the decomposition of <I>N</I>-methyl compounds into methyl iodide in hydroiodic acid in the microdetermination of <I>N</I>-methyl group with volumetric finish.<BR>In this paper, more sophisticated methods with gravimetric finishes using solid absorbents were investigated in place of the volumetric finish.<BR>Measurement of the weight increase of the heated silver granules caused by the absorbed iodine, which had been given after the combustion of methyl iodide, was prefered to give satisfactory results in a routine analysis, while that of the molecular sieve 13-X resulted by the absorbed methyl iodide required a further investigation concerning significantly high(+) error with certain compounds.
著者
中村 清 宇津井 雄三 二之宮 靖子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.404-409, 1966-04-25

Examination were made on gas chromatographic detection of approximately sixty kinds of nitrofuran derivatives. With the exception of a few compounds, majority of these derivatives were found to be detectable without decomposition.
著者
中村 精一
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

抗腫瘍性サポニン・シラシロシド類の全合成に向け、CDE環部の立体選択的な合成を行った。分子内O-H挿入反応と続くオレフィン化により生じたジヒドロフランカルボン酸エステルを用いてIreland-Claisen転位を行うと、望みの異性体が立体選択的に得られることを見出した。生成物に対し、分子内1,3-双極付加環化反応によるD環構築、シクロプロパン化を経る核間位へのメチル基導入を行い、目的フラグメントの合成を達成した。また、転位の際の立体化学制御に隣接位の置換様式が重要な役割を果たしていることを明らかにし、酸化型テルペノイド合成に利用可能なキラル合成素子2種を立体選択的に得る方法を確立した。