著者
中野 嘉邦 鴻巣 健治 加藤 秀雄 末田 章
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.579-584, 1981-05-05
被引用文献数
9

本報では、任意の輪郭をもつ歯車状工作物を加工するためのボブの輪郭を決定する新しい数値計算法を提案している。この方法では、従来の方法のように超越方程式を解く必要がない。本報の方法は、機械加工によって生じる工作物の実体部分の境界輪郭が、所定の加工精度に対応する一定の限度に収束するまで逐次近似計算を繰返す方法である。本報では、さらに、設計したホブの正しさを検証するため、このホブによって創成される工作物の輪郭を計算する方法も提示している。これらの計算方法を用いれば、任意の輪郭をもつ歯車状工作物を加工するためのホブの設計が容易に行われるばかりでなく、ホブ切り中における切れ刃の干渉状態も容易に吟味することができる。
著者
中野 優子 赤澤 昭一 中村 聡江 當時久保 正之 内田 優介 中村 弘毅 牛島 知之 高木 浩史
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.368-373, 2013 (Released:2013-07-09)
参考文献数
12

症例は78歳男性.平成2年に2型糖尿病を発症しメトフォルミンにて内服加療を開始した.平成21年10月頃より,HbA1cの上昇を認め,α-GI投与を開始し,1年後より,腹部膨満感,放屁,軟便と便秘を繰り返すようになった.平成23年3月に臍上部の激痛のため,当院受診した.腹部単純X線検査で大腸の拡張を,腹部CT検査で樹枝状陰影を示す門脈ガスを認めた.α-GI投与による門脈ガス血症(HPVG)と診断し,ボグリボースの内服中止・絶食とし保存的治療を行い,2日後の腹部CT検査で門脈ガスは完全に消失した.本症例ではα-GIの中止によりすみやかにHPVGは消退したが,腸管壊死を伴う場合死亡率はきわめて高率である.HPVGは,腸管粘膜に何らかの損傷があり,ガスなどの貯留などにより腸管内圧が上昇し発症すると考えられる.α-GIの副作用と類似した消化器症状が再出現し,繰り返す場合は,HPVGも念頭に置き,注意深い観察が必要である.
著者
中野 清孝
巻号頁・発行日
2013

Thesis (Ph. D.)--University of Tsukuba, (A), no. 6493, 2013.3.25
著者
中野 玲子 武藤 達也 虎石 顕一 朝倉 俊成
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.705-710, 2008-07-10

To clarify the factors in preference for insulin injectors, 69 subjects (aged 20-49 years) were asked to select 1 of 4 different injectors and then to complete a questionnaire regarding 9 selection factors regarded as important, among them "ease of gripping" and "portability" , before and after instruction on operating the injectors. "Portability" was considered the most important factor for selecting injectors on first impression, i.e. before instruction, and the percentage of subjects choosing "simplicity of operation" increased after instruction. About half of the subjects selected a different injector before and after instruction, so there appeared to be a relationship between injector selection and the evaluation factors. From the results, we made a table which we thought would be helpful in selecting insulin injectors based on factors regarded as important when using them in practice.
著者
長 秀雄 竹本 幹男 西野 秀郎 塚原 祐輔 佐藤 倬暢 佐藤 治道 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.28, pp.41-47, 1996-04-26

レーザー干渉縞の位相速度走査法により励起した弾性表面波を用いて多孔質シリコン層の位相速度分散を30-90 MHz範囲で、また異方性を非破壊・非接触で測定した。音速測定誤差は1%以下と良好であった。位相速度は空孔率の増加とともに低下し、単結晶シリコンの1/2-1/3と極めて低かった。また、音速の伝播方向依存性を測定したところ90度の周期の異方性が測定され、周波数の上昇とともに最大・最小の音速差は小さくなり、空孔率0.500場合60MHzでは約30m/s程度であった。さらに、逆問題解析によって3個の弾性定数(C_<11>,C_<12>,C_<44>)と膜厚を独立した4つの未知数として推定した。その結果,空孔率の大きい多孔質シリコンはほぼ等方性であり、非晶質的であると思われる。
著者
浅野 幸治 中野 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.32, pp.9-16, 2005-03-19
被引用文献数
7

犯罪の増加傾向が目立つようになり、「安全安心まちづくり」に対する行政や住民の関心が高まってきた。特に、情報通信技術(ICT)を用いた防犯システムなどに興味が集まるようになった。大阪府は、ひったくりの件数が29年連続で日本一になるなど、防犯に力を入れざるを得ない状況にある。その中で、ICTを活用した「安全安心まちづくり」を目指して動き出し、それに関する研究会、協議会を設立したりしている。同研究会でまとめた資料に登場する16のICTによる防犯関連システムを、5つに分類することができる。こうしたシステムを分析すると、地域向け社会システムをどう構築するのか、構築や運営における主導役を誰が果たすのか--といった「地域ガバナンス」とでも呼ぶべき課題の状況に変化が生じていることがわかる。ウェブ、電子メール、携帯電話といった新しいICTの普及が、社会構造の変化をもたらしている。こうした問題、また、監視社会化への懸念といった問題は、いろいろな主体が胸襟を開いて語り合うことでしか解決できないと思われる。A criminal upward tendency has come to be conspicuous. Then, the concern of administration and residents about "development of secure and peaceful community" has increased. Especially, interest came to gather for the crime prevention system using ICT (Information and Communication Technology). Since the number of cases of snatching in the area became No.1 of Japan for 29 consecutive years, Osaka-fu is in the situation that she must put the power into crime prevention. Osaka-fu began to move aiming at "development of secure and peaceful community" which utilizing ICT. Osaka-fu organized the study group and the council about it. The 16 crime prevention related systems which appears in the document edited by this study group can be classified into five. If we analyze such systems, we can understand that change has arisen in the situation of the subject of "local governance". It relates on the subjects such as "how the social system for areas is built?" or "who plays the role of initiative in construction or management of the system?". The new spread of ICT(s), such as a web, an E-mail, and a cellular phone, has brought about change of social structure. Such a problem and the problem of the concern to surveillance socialization should be unsolvable unless various stake-holders only open the heart of and discuss together.
著者
中野五郎 著
出版者
新太陽社
巻号頁・発行日
1945
著者
宗像 源博 中野 佳央 新中 康史 樋口 雅俊 原田 清
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雜誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.123-127, 2010-07-10

Endogenous bacterial endophtalmitis is a rare but serious condition. It occurs in the eyeball when bacteria cross the blood-ocular barrier. We report a case of endogenous bacterial endopthalmitis arising from severe periodontitis without any noticeable systemic anamnestic.<br>A 53-year-old man was referred to the ophthalmology department in our university hospital complaining of reduced visual acuity in the right eye. His visual acuity was hand movements right and 0.7 left eye, respectively. His right eye showed hypopyon, dense vitreous opacity and retinal hemorrhages. Because of a finding peculiar to infective endocarditis from an echocardiography, we diagnosed the patient with endogenous endophthalmitis that caused infective endocarditis. Although there was no infection impact on his general condition, <i>α-streptococcus</i> was detected in his blood culture examination. Therefore, he was referred to our clinic for oral examination and care. He was diagnosed with chronic periodontitis and severe resorption of alveolar bone and gum swelling by oral examination and X-rays. The <i>α-streptococcus</i> was detected in a bacterial examination of the exudate from the gingival pocket. Fourteen teeth with severe periodontitis were extracted. The visual acuity in the right eye increased up to 0.07 at 6 months after the teeth extraction.<br>Though bacteriological identification was not accomplished completely, the endogenous endophtalmitis in the present case seemed to be affected with mitral regurgitation and vegetation, following infective endocarditis by oral <i>Streptococci</i>.
著者
中野 博明 西岡 善彦 伊藤 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06

物体形状を計測する手法としてスリット投影法, パターン投影法が利用されているが, これらは, 物体表面が石膏表面のように乱反射することを前提条件としており, 鏡面の計測に用いることはできない. 鏡面の場合の計測法として環境パターンから面形状を復元しようとする試みが提案されている. この方法は, 鏡面上の基準点の位置が既知であることを前提としてその隣接点の勾配を求めるという手順を周辺領域に伝搬させていくものである. このため, 各位置での勾配計算にその近傍の正確な位置情報が予め必要である. しかし位置情報は, 位置情報は勾配から算出されるため, 計測誤差が大きく累積されやすいという問題がある. 本研究ではこの問題を解決するために基準点の位置情報が不要で, 面上の各点毎に独立に位置と勾配を算出する新しい計測手法を考案し, 計算機シミュレーションによりその有用性を検討したので報告する.
著者
吉田 修一郎 高橋 智紀 西田 和弘 中野 恵子 鈴木 克拓 小田原 孝治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

有機物連用、酸化還元処理による水田土壌の膨潤収縮量や間隙構造の変動レンジについて不攪乱土壌および調整土壌の分析に基づき解析した。有機物連用により稲麦輪作に伴う酸化還元の変動レンジは拡大するが、高水分領域での膨潤収縮特性への影響は風乾調整試料でのみ認めた。また、湛水等の還元環境のもとでは、水ポテンシャル一定条件下であっても、時間の経過とともに体積比および含水比が増加する粘弾性的な挙動が認めた。還元処理は、間隙径分布を全体的に増加させ、練り返しは、狭い範囲に間隙径分布を収斂させる働きがあることを認めた。酸化還元の影響下にある水田土壌の膨潤収縮特性の解析における粘弾性モデルの有効性を提示した。
著者
中野 平二 河邉 博 梅沢 敏 桃山 和夫 平岡 三登里 井上 潔 大迫 典久
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.135-139, 1994-06-15 (Released:2009-10-26)
参考文献数
4
被引用文献数
46 121

1. 1993年に西日本で発生した養殖クルマエビの大量死に関連してクルマエビ養殖を行っている17県を対象に, その発生状況を調べるとともに, 病エビを用いて感染実験を行った。2. 大量死の発生は中国産種苗の導入と密接に関連していた。3. 死亡率は発生例の約8割が80%以上であり, 死亡エビのサイズは0.01g~22.5gと範囲は広かった。4. 大量死の原因と考えられるような細菌, 真菌, 寄生虫は検出できなかった。5. 自然発症及び実験感染クルマエビの磨砕濾液の筋肉内注射によりクルマエビは容易に死亡し, 死亡エビは自然発症個体と同様の症状を呈した。6. 以上の結果より, 今回の大量死の原因としては濾過性病原体が強く疑われ, それは中国産クルマエビとともに日本に持ち込まれたものと推定された。
著者
桃山 和夫 平岡 三登里 中野 平二 河邉 博 井上 潔 大迫 典久
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.141-148, 1994-06-15 (Released:2009-10-26)
参考文献数
13
被引用文献数
21 54

1. 1993年に西日本で発生した養殖クルマエビの大量死に関連して, 自然発症個体, 実験感染個体および輸入直後の採材個体について病理組織観察を行った。2. 自然発症および実験感染個体の間で症状に差は認められず, 両者は同一の疾病であると判断された。3. 病エビの肉眼的主な異常な体色の赤変ないし褪色と外骨格における大きさ数mm以下の白点の形成であった。4. 白点は基本的には外骨格標本の薄い透明層とその直下の外骨格内のやや厚い不透明層とから構成されていた。5. 本疾病の病理組織像は皮下組織をはじめ, 中・外胚葉起源の様々な組織における種々の細胞の核の肥大と無構造化を伴う細胞の変性によって特徴づけられた。6. 本疾病はクルマエビ属エビ類の新しい疾病であると考えられ, その原因としては濾過性病原体が疑われた。7. 中国から輸入翌日に採材されたクルマエビに本疾病の特徴的病理組織像が明瞭に観察され注目された。
著者
新美 芳二 中野 優 牧 健一郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.919-925, 1996-03-15
被引用文献数
5 11

リーガルユリ (<I>Littttm regale</I>) の強健な性質をヒメサユリ (<I>L. rubellum</I>) に導入することを目的として,両種間で相互交雑を行った.<BR>1.リーガルユリ×ヒメサユリにおいては, 開花当日の柱頭受粉により低率 (3.3%)ながら有胚種子が得られた. しかし, それらの種子はバーミキュライトおよび試験管内に播種しても発芽しなかった. リーガルユリ×ヒメサユリの雑種実生は受粉30~60日後に胚珠培養を行うことにより得られ, その頻度は5.3~6.7%であった.<BR>2.ヒメサユリ×リーガルユリにおいては, 開花当日の柱頭受粉では受粉後に花粉管が花柱内で伸長を停止し, 受精が起こらなかった. しかし, 開花2~5日後に柱頭受粉を行うことにより花粉管伸長が促進され,開花5日後の受粉では胚形成が確認された. 花柱切断受粉は胚形成に効果がなかった. 開花5日後の受粉により得られた胚は, 胚珠培養を行っても救出することができなかった.<BR>3.リーガルユリ×ヒメサユリから得られた個体の雑種性はrDNA分析により確認された. 調査したすべての雑種は二倍体であり, 花粉稔性は3%以下であった. 雑種個体の花色は淡桃色であった. また, 二重咲きの花をもつ雑種も1系統得られた.
著者
吉岡 守正 中野 寿夫
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.938-938, 1971-12-25

東京女子医科大学学会第171回例会 昭和46年10月22日 東京女子医科大学本部講堂
著者
堀之内 茂 大貫 武 吉田 憲司 郭 東潤 徳川 直子 滝沢 実 進藤 重美 町田 茂 村上 義隆 中野 英一郎 高木 正平 柳 良二 坂田 公夫
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-162, 2006-03
被引用文献数
1

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は航空宇宙技術研究所(NAL)の時代から次世代超音速機技術研究開発プロジェクトを開始し、ロケットにより打ち上げる無人の小型超音速実験機(NEXST-1;以下ロケット実験機)の開発と飛行実験を行った。実験機の空力形状はJAXAが開発したCFDコードにより設計されており、飛行実験の目的はその実証にある。基本設計は平成9年度から開始し詳細設計、維持設計を経て平成13年度に実験機システムが完成した。平成14年7月にオーストラリアのウーメラ実験場で第1回飛行実験を実施したが、打上ロケットのオートパイロットの不具合により実験は失敗に終わった。その後、信頼性向上ための改修を行い、平成17年10月10日に第2回飛行実験を成功裏に完了した。本報告書は研究開発プロジェクトの概要と第1回飛行実験にいたる設計の結果、及び地上での確認試験の結果についてまとめたものであり、補足として、第1回飛行実験の状況、その原因調査、及び対策検討の結果にも触れた。改修設計の結果、及び第2回飛行実験のフェーズについては別途報告書がまとめられる予定である。