著者
鈴木 眞一 塩 功貴 松本 佳子 鈴木 聡 中野 恵一 岩舘 学 水沼 廣
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.87-91, 2021 (Released:2021-09-25)
参考文献数
12

甲状腺癌手術における手技のなかで,反回神経,Berry靭帯周囲の操作および副甲状腺の温存について解説した。基本的には被膜剝離法(CD)で行う。True capsuleとfalse capsuleの構造を理解し,この方法で副甲状腺や反回神経がfalse capsule内に温存される。また下甲状腺動脈と反回神経が交差することとそのバリエーションを理解し,その損傷原因も理解しながら手術を行うことが反回神経損傷を防ぐ重要な点である。またBerry靭帯やZuckerkandlの結節も反回神経温存には欠かせない解剖知識である。さらに術中神経モニタリングが多く使用される昨今,モニタリングの使用に有無での利点欠点についても述べた。小切開や内視鏡手術でも基本的に同様の概念で行うが,操作野が小さく甲状腺外背側の牽引,脱転が不十分になりかねず,CDが不十分になりやすいためIONMなどでの確認が必要である。
著者
多賀 優 河野 俊夫 中野 聰志
出版者
日本地学教育学会
雑誌
地学教育 (ISSN:00093831)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-12, 2015-05-31 (Released:2016-07-20)
参考文献数
30
被引用文献数
2

紫色レーザーポインターからの光線(405 nm)を照射することによって蛍光を発するコナラの枝を浸した水(コナラ水と呼ぶ)やウランガラスプリズムをそれぞれ方解石と組み合わせて方解石の複屈折現象を教材化した.本教材では,方解石への入射光路,方解石中の光路,方解石からの出射光路のすべてを紫色レーザー光励起による蛍光の輝線として連続して観察できる.開発したコナラ水やウランガラスプリズムを用いて,高校で光の性質(直進,反射,屈折)を示す演示実験を行った.その結果,光の性質についての認識が深まった.
著者
中野 孝司 藤岡 洋 前田 重一郎 山口 桂 岩橋 徳明 田村 伸介 波田 寿一 東野 一彌
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.327-332, 1990-06-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
16

悪性胸膜中皮腫と肺癌胸水貯留例との鑑別にCEAが役立つか否か検討した. 悪性胸膜中皮腫 (11例) の胸水CEAは低値であり, 結核性胸膜炎 (18例) 及び他の良性疾患 (21例) のそれとに差はなかった. 又, 肺癌各組織型 (腺癌34例, 小細胞癌18例, 扁平上皮癌8例, 大細胞癌5例) 及び転移性悪性胸膜腫瘍 (13例) のそれは中皮腫よりも有意に高値を示していた. 胸水CEAのcut-off valueを5.0ng/mlとすると腺癌でのpositive rateは82.4%, 小細胞癌28.6%, 扁平上皮癌62.5%, 大細胞癌83.3%, 転移性胸膜腫瘍43.8%であったのに比べ, 中皮腫は全例ともにcut-off level以下であった. 又, 悪性胸膜中皮腫の腫瘍組織CEA染色は全例陰性であり, 血清CEAは病期が進行しても全例ともに正常値内にあった. 以上の結果より, 本疾患のCEAは胸水及び血清ともに上昇しないと考えられ, この点が肺癌胸水貯留例, 殊に問題となる肺腺癌との鑑別に役立つと考えられる.
著者
中野 俊
出版者
首都大学東京小笠原研究委員会
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
no.33, pp.31-48, 2008-03

南硫黄島は第四紀後半に形成された火山島であるが、噴火記録や噴気活動はない。追跡できる火砕物層準を基準とし、成層火山体である南硫黄島火山を下位から古期火山噴出物-1、古期火山噴出物-2、南部中期火山噴出物、北部中期火山噴出物および新期火山噴出物に区分した。いずれも陸上噴出した溶岩および火砕岩からなり、広域的に認められる有意な浸食間隙は存在しない。海食崖を貫く岩脈は254本を数えた。その大部分は放射状岩脈である。岩質は溶岩・岩脈ともにすべて玄武岩である。斑晶として斜長石、単斜輝石、かんらん石を含む。最大径1cmに達する大型の斑晶が多く、特徴的に単斜輝石を40-50%程度含む玄武岩も見つかった。
著者
池尻 良平 山本 良太 中野 生子 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.109-112, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
6

本研究では,ICT を利用した,ジグソー法のエキスパート活動における知見の同期的収集が,教師のモニタリングと介入にどのような影響を与えるかを,机間巡視のみの場合と比較して調査した.その結果,内容を含めた俯瞰的なモニタリング,各専門家グループのキーワードのシェア度合いに関する俯瞰的なモニタリングと各グループ内のシェアを促す介入,普段は優先順位の低い上位層のモニタリングを促す可能性が示された.
著者
霜野 慧亮 中野 公彦 鈴木 彰一 岩崎 克康 須田 義大
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.85-89, 2022-02-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
11

自動運転の社会実装には,実際の交通環境下で自動運転車両がどのように走行しているのかを,社会に対して適切に伝えることが望ましい.実交通環境下での自動運転車両の走行データ収集は,そのようなコミュニケーションの際に有用な情報をもたらすだけでなく,より高度な自動運転車両の機能開発や運用上の工夫等の観点からも,有益な情報をもたらすと期待される.柏市柏の葉地区では,2019 年11 月から長期間実証実験として自動運転バスが営業走行している.この取り組みは,長期間にわたり自動運転車両が走行していることから,将来的に自動運転車両が実装された際の状況に比較的近い状態にあると考えられる.この自動運転バスにドライビングレコーダを搭載し,運転手による手動介入時の映像データ取得を行い,介入時の周辺交通や道路環境の要因について分析を行う取り組みを開始している.本稿では,この取り組みの概要を紹介する.
著者
木内 望 中野 卓 藤木 亮介 山木 慎介
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.68, pp.442-447, 2022-02-20 (Released:2022-02-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

Recent flood damages in urban areas have increased the need for urban planning and building measures to respond to inundation risks. In this article, in order to obtain suggestions for building and land use management based on inundation risks, floodproof retrofitting plans are examined for two types of existing condominium models in an urban area. Then, the floodproof retrofitting work costs, and the amount of damage reduction due to floodproofing are estimated. Finally, the applicabilities of such floodproofing measures are examined by analyzing the cost-effectiveness of plans under various conditions of inundation probability.
著者
都丸 孝之 中野 冠
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
生産システム部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.127-128, 2015

カーナビゲーション、ゲーム機、複写機などさまざまな民生機器においてハードディスクドライブ(HDD)が搭載されている。HDDの故障率は他の電子デバイスに比べ高く、民生機器メーカーにとってHDDの故障率を如何にして低減させるかが大きな課題である。特に民生機器メーカーや一般顧客で発生したHDDの不具合の半数近くがNot problem found(NPF)、すなわちハードウェア上の故障ではないことから、ソフトウェア上の故障を見極めることが重要である。本論文では、HDDのハードウェアだけでなくソフトウェア上の不具合を検知し、自動修復できるようなHDD故障診断機能を提案する。本診断機能を、複写機やプリンタに導入し、HDDの故障率の効果について検証を行う。
著者
中野 準三
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.11, pp.596-602, 1966-11-01 (Released:2009-11-11)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2
著者
末岡 淳男 劉 孝宏 白水 健次 江村 篤裕 中野 寛
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.70, no.689, pp.38-45, 2004-01-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
5
被引用文献数
4 3

This paper deals with the occurrence mechanism of the squeal and chatter phenomena generated in a bicycle disk brake and their countermeasures. From the results by bench test apparatus, it was made clear that the squeal is in-plane vibration in the direction of rotor surface with frequency 1kHz caused by the frictional characteristics with negative slope with respect to the relative velocity generated in the vibration system including brake components and spokes, and the chatter is another frictional vibration with frequency 500Hz in which the squeal occurring in the in-plane direction of rotor and the out-of-plane vibration of rotor due to Coulomb friction are superimposed through the internal resonance relation caused by temperature increase of rotor during braking. The measures for squeal and chatter were taken on spokes and hub, and the validity was confirmed by using bench test apparatus.
著者
大穀 晃裕 中野 正嗣 谷 良浩 山口 信一 都出 結花利 有田 秀哲 吉岡 孝 藤野 千代
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.74-83, 2006-01-01
被引用文献数
10 3

The magnetic properties of the magnetic steel sheets, which are used for the magnetic cores of motors, vary with stress. This variation affects the characteristics of motors, e.g. the cogging torque of permanent magnet motors. In this paper, a novel, highly precise motor analysis method is proposed, which consists of the combination of structural analysis and electromagnetic field analysis-that is, the electromagnetic field analysis considering the stress distribution in the stator core. The cogging torque, which arises from the stress by shrink fitting of the frame to the core, is estimated using the proposed method. The validity of the proposed method has been verified by comparing the calculated results to the experimental result. Moreover, the better expression of the stress distribution in the coupled analysis is examined, and the result is that the principal stress is suitable rather than the von-Mieses stress. The reason is that the principal stress can distinguish the magnetic properties under compressive stress from the properties under tensile stress, and it can also consider the magnetic anisotropy caused by the stress.
著者
中野 泰河 劉 雪峰
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.362-382, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
20

概要. 本論文ではHypercircle法を用いてPoisson方程式の有限要素解に対する局所事後誤差評価の手法を提案する.当該手法の特徴として,解のH2正則性によらずに関心のある領域における有限要素解の定量的な局所誤差評価を得ることができる.また,2次元および3次元領域で定義されるPoisson方程式に対して数値実験を行って,提案手法の有効性を示した.