著者
中野 正昭
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.75-98, 2009 (Released:2018-01-12)

Kokumin Engeki which means the National Theater was a popular concept with journalism, the academy, and the goverment, in Japan under WWII. We associate Kokumin Engeki with Japanese wartime nationalism and fascism. The government promoted the Kokumin Engeki contest from 1941 to 1944, but it is the strangest thing that the some plays of national policy were rejected or defeated. As a matter of fact, the state powers and academic authorities didn't have the distinct concept of Kokumin Engeki. This thesis is about the confusion of the Kokumin Engeki contest as seen in the participating plays of FURUKAWA ROPPA's company and his diary.
著者
岩嵜 正明 竹内 理 中野 隆裕 中原 雅彦 谷口 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.165-178, 2007-05-15
参考文献数
8

従来,我々は,高精度周期スケジューリング機能を実現するOSカーネルTactixを基盤に,実時間通信に不可欠な帯域保証技術を開発してきた.しかしながら,ビデオ会議等への応用で課題となるルータ多段接続時の遅延時間に関しては考慮されていなかった.本論文では,周期送信機能を持ったパケットスケジューラ内部での遅延発生メカニズムを詳細に分析し,帯域保証とともに遅延時間の低減を可能とする改善方式を提案する.また,この改善方式よるルータ多段接続時の遅延時間を実測し,背景トラフィックが混在する多段接続Ethernet環境において,帯域保証リアルタイムストリームに対して,パケットロスト率0を維持しつつ,ルータ1段あたりのパケット転送の最大遅延時間を,送信駆動周期の2倍以内に抑制できることを確認した.In this paper, we propose a real-time packet scheduling method that enables the low latency packet forwarding for the real-time bi-directional continuous media communication on a LAN including cascaded IP routers. The experimental implementation of the packet scheduler can reduce the maximum latency in the single router to be less than twice the period of the isochronous transfer without any packet loss for a real-time stream. The packet scheduler can also reduce the maximum latency of cascaded routers to be less than the period of the isochronous transfer multiplied by the number of hops plus one with heavy background traffic.
著者
藤井 聡 柴山 桂太 中野 剛志
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.85-90, 2012
被引用文献数
1

In this paper, a theoretical hypothesis that public works would have deterrence effects of deflation under the situation that deflation-gap exists was tested empirically. For testing this hypothesis empirically, we used macro-economics data in Japan since 1991 when the huge deflation-gap was brought by the collapse of the babble economy. As a result, we found that 1,000 billions yen's public works increases the GDP deflator by 0.2-0.8 % and increases nominal GDP by about 2,430 billions yen - 4,550 billions yen. This results support the hypothesis that public works would have deterrence effects of deflation under the situation that deflation-gap exists. It was also found that the deflation deterrence effects by the public works was larger than that by the in-crease export.
著者
川嵜 智佑 足立 達朗 中野 伸彦 小山内 康人
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

アーマルコライトは,アポロ11号計画で1969年7月20日月面「静かの海」で発見され,搭乗員のアームストロング(ARMstrong),オルドリン(ALdrin),コリンズ(COLlins) 由来して命名された.この鉱物は低圧高温で低酸素分圧条件で安定であり,1000 &deg;C以下でIlm+Rtに分解する.Fe<sup>3+</sup>に富むアーマルコライトが東南極ナピア岩体リーセルラルセン山に産する珪長質片麻岩から報告された(Miyake Hokada 2013).我々(2013) はアーマルコライト仮像様組織をリュッツホルム岩体スカルビークスハルゼンのザクロ石珪線石片麻岩から見出した.これらは,アーマルコライトが超高温変成作用の新しい指標鉱物となり得ることを示唆している.Fe<sup>3+</sup>に富むアーマルコライトの安定性を超高温変成作用の温度圧力に相当する条件で予察的に調べたので報告する.
著者
中田 行重 小野 真由子 構 美穂 中野 紗樹 並木 崇浩 本田 孝彰 松本 理沙
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
no.6, pp.89-96, 2015-03-15

古典的クライエント中心派の論客Freire, E. による無条件の肯定的配慮についての考え(2001)を紹介し、それについての考察を行った。Freire は、セラピストが自己を出来るだけ脇に置くほどプレゼンスを提供するという彼女独自の理論を基盤に、無条件の肯定的配慮が中核条件のうち最も重要であり、共感的理解と同じであるという、古典的クライエント中心派の考え方を解説している。その他、ここに紹介する論文は2 つの事例を掲載しており、無条件の肯定的配慮を具体的に考える上で刺激となる論文である。
著者
中野 雅子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.4_109-4_121, 2003-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
29

アトピー性皮膚炎患者の皮膚の自己管理を支援する目的で,中等症から重症の男女の患者59名に対し,スキンケア指導を試みた。 さらに指導前と指導後の調査によって,指導の有効性と指導内容の5つの要素 『洗浄回数』 『洗浄時の力の入れ具合』 『石鹸の使用』 『綿タオルの使用』 『洗顔にかける時間』 と皮膚症状改善の関連について分析した。 (1)5つの要素全てが有意に日常生活動作に定着した (p<.001)。 (2)皮膚症状は83%が 「改善」,17%が 「非改善」 であった。 (3) 『力』 と 『時間』 は他の要素より日常生活動作への定着率が低いが,症状改善に有意に関連した。 (4)対象者の76%が指導を受容した。 以上から,スキンケア指導は,口頭での説明で伝わりにくい要素 『力』 『時間』 を伝えることができ,生活の場で再現しやすく患者の自己管理の意識を支えると考えられる。
著者
小野 美咲 中野 修治
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.204-211, 2021-08-01 (Released:2021-10-02)
参考文献数
4

【目的】管理栄養士養成課程の初年次学生に対して,管理栄養士としての将来像を明確化することに重点を置いた導入教育を実施し,導入教育の有効性の検証を行うことを目的とした。【方法】対象はN大学栄養科学科に入学し,授業を受講した学生214名。初年次前期に90分3回,180分1回の計4回実施した。受講前後に目標設定や養成課程における学修の意義の理解,管理栄養士としての就労意欲,目標に対しての努力の実行度などを含む計17項目のアンケートを実施し教育効果を評価した。【結果】すべての教育効果評価項目の受講後の得点は受講前得点よりも有意に高かった。受講初日の将来への目標設定段階の違いにより,向上する教育効果が異なり,進路希望先はあるもののその理由の記述がなかった場合,受講により管理栄養士としての就労意欲が高まった。卒後のビジョンの記述がない場合,受講により管理栄養士資格取得意欲が高まった。対して進路希望理由が明確な場合,および希望する動機付け経験がある場合は,目標に対して実際に努力するという教育効果が向上した。【結論】将来像を明確にすることを主眼とした管理栄養士養成課程初年次学生に対する導入教育としての本プログラムは,受講により教育効果が向上するものであり,さまざまな将来への目標設定段階に対応する教育内容であった。さらなる教育内容の改善が必要ではあるものの,総合的に管理栄養士を目指す気持ちを育む教育の効果があると評価できた。
著者
安田 覚 阪本 清和 中野 秀男
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.58(1990-AL-016), pp.15-21, 1990-07-16

離散最適化問題に用いられる近傍探索法の良さの推定を、近似解を探索している途中で得られるデータから確率的に推定する方法について考察する。本報告では対象とする問題とその近傍探索法として、巡回セールスマン問題とλ最適法を取り上げる。50都市程度の問題例での計算結果から、あらかじめ最適値を予測した上での推定法が近似解の出現頻度推定に有効である事を確かめた。
著者
佐々木 卓士 鳥谷部 一成 渡辺 紀之 中野 克重 笹原 二郎
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.378-382, 1986
被引用文献数
1

北里大学獣医畜産学部附属八雲牧場において維持している, Specific Pathogen-Free (以下SPFと略) 鶏の血清学的ならびに微生物学的検査を行った.<BR>SPF鶏群は1979年に作出し, 6月に最初の血清学的検査を実施した. 1985年4月までに28回, 検査延べ羽数30, 445羽の検査結果は, 鶏伝染性気管支炎, 鶏脳脊髄炎, 鶏伝染性喉頭気管炎 (以下ILTと略), 鶏細網内皮症, マレック病, 伝染性ファブリキウス嚢病, 鶏ウイルス性腱鞘炎, 鶏アデノウイルス感染症 (以下AAVと略), 鶏白血病・肉腫 (A亜群, B亜群), ニューカッスル病, トリイソフルエソザ, トリパライソフルエソザ, 産卵低下症候群-1976, 伝染性コリーザ, ひな白痢 (以下SPと略) ならびにマイコプラズマ症 (<I>M.gallisepticum</I>; MG<I>M.synoviae</I>; MS) の病原体に対する抗体がいずれも検出されなかった. しかし, 20例でILT, AAV, SPあるいはMGの検査において非特異反応が認められた.<BR>微生物学的検査ではマイコプラズマおよびウイルスの分離成績はすべて陰性であった. 細菌検査では<I>Escherichia coli</I>, Proteus spp., Staphylococcus spp. 等が常在菌として主に腸管より分離された.<BR>以上のことから, これらのSPF鶏群は特定の病原体に汚染されていないことが確認された.
著者
北野 聡 中野 繁 井上 幹生 下田 和孝 山本 祥一郎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1837-1843, 1993
被引用文献数
14 17

Diet, foraging behavior, growth, sexual maturity, and spawning site selection were studied in a wild population of exotic rainbow trout <i>Oncorhynchus mykiss </i>in the spring-fed Horonai stream in Hokkaido, Japan. During spring and summer, the rainbow trout ate primarily aquatic and terrestrial invertebrates, but eggs and larvae of river sculpin <i>Cottus nozawae</i> constituted 10% of the diet by number in spring. Rainbow trout typically held focal points in the stream flow and intercepted food items in the drift. Sexually mature individuals caught in late January were ages 1-5<sup>+</sup>. Males ranged 11.0-36.5cm and females 16.8-33.1cm in fork length. Females constructed spawning redds in calm riffles with fine gravel substrate. Our re-sults suggest that introductions of rainbow trout may have detrimental effects on Japanese stream fishes and other aquatic biota through interspecific competition for food and space and/or predation.
著者
増田 幸泰 中野 壮一郎 小玉 陽子 北村 智之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101929, 2013

【はじめに】 松葉杖は臨床において下肢骨折などにより免荷が必要な患者に多く用いられている歩行補助具の一つである.しかし,松葉杖免荷3点歩行(以下,松葉杖歩行)は不安定な歩行形態であり,臨床においても歩行獲得のための指導に苦慮するケースがみられる.松葉杖歩行には上肢筋力が関与しているとされ,動作解析やエネルギー消費など様々な検討が過去にもなされている.しかし,実際の臨床において松葉杖歩行を可能にするために必要な筋力以外の運動機能についての詳細な検討はあまりみられていない.そこで,本研究では松葉杖歩行に関与すると思われる運動機能として筋力に加えて,バランスや柔軟性,敏捷性などを検討することで,臨床における松葉杖歩行指導の一助とすることを目的とした.【方法】 対象は健常成人女性22名(29.0±5.5歳)とし,過去に松葉杖使用の経験がない者とした. 測定項目は松葉杖歩行,身長,体重,10m快適歩行と最大歩行の他に,筋力の指標として握力,等尺性膝伸展筋力,上体起し,柔軟性の指標として長座位体前屈,敏捷性の指標として棒反応テスト,バランスの指標として閉眼片脚立位時間とした.松葉杖3点歩行は利き足を免荷した状態での最大歩行を10m歩行路にて2回測定し,速度を算出した.快適・最大歩行速度についても同様に算出した.握力は握力計にて測定し,左右の平均値を体重にて補正した.等尺性膝伸展筋力はハンドヘルドダイナモメーターにて非利き足のみの測定を2回行い,最大値を体重で除した体重比(以下,下肢筋力)として算出した.上体起しは30秒間にできるだけはやく可能な回数を1回測定した.長座位体前屈は2回測定し,最大値を採用した.棒反応テストは5回の測定を実施し,最大と最小の値を除いた3回の平均値を算出した.閉眼片脚立位時間は非利き足が支持脚となるように立たせ,120秒を最大として2回測定し最大値を分析に用いた.統計学的分析にはピアソンの相関分析を用いて各項目の関連について検討をした.有意水準は5%未満とした.【説明と同意】 本研究の実施にあたり,事前に対象者に対して書面にて研究の目的,内容を説明し,同意の署名を得てから測定を実施した.【結果】 各項目の平均値は松葉杖歩行 76.4±22.0m/min,身長157.5±5.7cm,体重 49.2±4.5kg,握力0.6±0.1kg,上体起し16.4± 4.3回,下肢筋力 0.54± 0.14kgf/kg,長座位体前屈35.1±8.9cm,閉眼片脚立位時間55.6±43.5sec,快適歩行速度 83.8± 9.6m/min,最大歩行速度118.5±17.9m/min,棒反応テスト22.8±3.7cmであった.相関分析の結果,松葉杖歩行と握力r=0.59,上体起こしr=0.51,下肢筋力r=0.55,閉眼片脚立位時間r=0.52,最大歩行速度r=0.63の間で有意な正の相関を認めた(p<0.01).年齢r=-0.31,身長r=0.17,体重r=-0.36,長座位体前屈r=0.19,棒反応テストr=-0.33の間では相関を認めなかった.また,最大歩行速度との間では下肢筋力r=0.65,握力r=0.57,上体起こしr=0.54に有意な正の相関を認めた(p<0.01)が,その他の項目においては有意な相関を認めなかった.【考察】 本研究の結果,先行研究と同様に松葉杖歩行と上肢筋力の指標とした握力において有意な正の相関を認めた.また,上体起こしと下肢筋力の間においても有意な正の相関を認め,松葉杖歩行においては歩行に影響するとされる下肢筋力のほかに,体幹筋力の影響も考慮する必要があると考えられた.さらに,バランスの指標とした閉眼片脚立位時間においても松葉杖歩行との間で有意な正の相関を認めた.閉眼片脚立位時間は最大歩行速度との間では有意な相関を認めておらず,このことから,松葉杖歩行を安定してより速く行うためには筋力の他にバランス能力の影響を考慮する必要があると考えられた.これらのことから,松葉杖歩行を指導する前に,閉眼片脚立位時間や筋力の測定を行うことが有用ではないかと考えられた.しかし,今回の結果は健常成人女性のみの検討であり,今後は対象者の拡大や実際の患者での影響を検討していく必要がある.【理学療法学研究としての意義】 松葉杖歩行における筋力以外の運動機能の関係を示唆した結果となり,臨床において松葉杖歩行獲得の指標となる可能性を見出した.
著者
中野 進
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, 1958

1928年Flemingのより,最初の抗生物質としてペニシリン(以下ペと略す)が発見され,その卓越した抗菌作用により,多くの伝染性疾患にたいしておどろくべき治療効果を発揮し,従来不良の転帰をとつた疾患も多くは治癒し,その他の疾患にたいしても治療経過をいちじるしく短縮し,ペの普及は広くなつてきた.わが国においても戦後間もなくより少量ながら使用されたが,その後の生産の増加とこれにともなう低廉化により,その使用が広く一般に普及し,さらに注射薬としては水性のほかに油蝋・C油性或は懸濁性のペが製造されるにいたり,その使用法は一層簡単となり,加うるにペ軟膏あるいはペ目薬が出現し,しかもこれら薬剤の副作用は殆ど考慮する必要がない理由により,ペの使用は医師の手を経ず直接患者により使用される場合も多く,ある面においては濫用の傾向もみられるようになつた.まさにこの情勢にたちいたつた1950年頃より,ペによる副作用ともみるべき症状が出現するようになつたが,当初はなお重要視されず,ペの使用は以前にも増して盛んであり,その副作用もしだいに増加し,ついに1954年頃よりペ・アナフィラキシーショックによる死亡例も稀ならずみられ黙過しがたい情勢となつた.これより早く欧米においても,1943年頃よりLongその他によりすでにペの副作用例が報告されており,さらに1945年にはCormiaによりペ副作用中もつとも問題となるペ・アナフィラキシーの症例が,1949年にはWaldbottによりその死亡例が報告されている.以後今日にいたる間のペ副作用に関しては枚挙にいとまがないほどの報告がある.しかしながら,その副作用のゆえに,ペの有するすぐれた治療効果その他の利点を無視して,その使用を中止するがごときは医家としてとるべき態度ではなく,むしろさらにすすんでその副作用防止の措置をこうじた上で使用を続けるべきである.今後ペを使用するかぎりにおいて,その副作用を予防することが不可欠の重要事であり,この問題に関する諸家の検索も急となつてきたが,今なお解明しえない点も少なからずあり,ペ使用に際しての一大課題となつている.著者はこれらの観点から,臨床実験および動物実験により,ペの副作用にたいする薬剤による予防効果を検索し一定の結論をえたのでその他2・3の問題を併せ報告する.