著者
村田 伸 安彦 鉄平 中野 英樹 阪本 昌志 鈴木 景太 川口 道生 松尾 大
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.151-156, 2022-02-28 (Released:2022-03-25)
参考文献数
16

本研究の目的は,母趾外反角(hallux valgus;HV 角)軽減シューズが外反母趾女性の歩行に及ぼす効果を検証することである。外反母趾のある女性12名(平均年齢24.8±11.5歳)を対象に,HV 角軽減シューズと外見が同じコントロールシューズを履いた際の歩行パラメータを比較した。その結果,HV 角軽減シューズを履いて歩くと,歩幅が有意(p<0.05)に広がり,両脚支持時間は有意(p<0.05)に短縮して,歩行速度が有意(p <0.05)に速まった。一方,歩隔,足角,歩行角,立脚時間,遊脚時間の5項目には有意差は認められなかった。有意差が認められた歩幅,両脚支持時間,歩行速度の効果量はΔ=|0.46|~|0.60|の範囲にあり,HV 角軽減シューズが外反母趾女性の歩行に及ぼす一定の効果が示唆された。
著者
浜田 梨沙 武田 征士 岸本 章宏 徐 祥瀚 中野 大樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3N4GS1005, 2022 (Released:2022-07-11)

ケモインフォマティクスにおいて,分子記述子は化合物の構造的な特徴を表現し、物性との関連を評価するQSPR(定量的構造物性相関)において広く利用されている.これまで種々の分子記述子が開発されてきたが,特定の原子や構造を数え上げるという分子の局所的な情報のものが主流である.一方で,化合物の物性は部分構造同士の位置関係に依存する分子内の相互作用に大きく影響を受けることが知られている.そこで本研究では,分子内相互作用を考慮した分子記述子を提案する.本発表では,提案した分子記述子のアルゴリズムと有効性の検証結果について紹介する.
著者
増田 幸泰 中野 壮一郎 小玉 陽子 北村 智之
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101929, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに】 松葉杖は臨床において下肢骨折などにより免荷が必要な患者に多く用いられている歩行補助具の一つである.しかし,松葉杖免荷3点歩行(以下,松葉杖歩行)は不安定な歩行形態であり,臨床においても歩行獲得のための指導に苦慮するケースがみられる.松葉杖歩行には上肢筋力が関与しているとされ,動作解析やエネルギー消費など様々な検討が過去にもなされている.しかし,実際の臨床において松葉杖歩行を可能にするために必要な筋力以外の運動機能についての詳細な検討はあまりみられていない.そこで,本研究では松葉杖歩行に関与すると思われる運動機能として筋力に加えて,バランスや柔軟性,敏捷性などを検討することで,臨床における松葉杖歩行指導の一助とすることを目的とした.【方法】 対象は健常成人女性22名(29.0±5.5歳)とし,過去に松葉杖使用の経験がない者とした. 測定項目は松葉杖歩行,身長,体重,10m快適歩行と最大歩行の他に,筋力の指標として握力,等尺性膝伸展筋力,上体起し,柔軟性の指標として長座位体前屈,敏捷性の指標として棒反応テスト,バランスの指標として閉眼片脚立位時間とした.松葉杖3点歩行は利き足を免荷した状態での最大歩行を10m歩行路にて2回測定し,速度を算出した.快適・最大歩行速度についても同様に算出した.握力は握力計にて測定し,左右の平均値を体重にて補正した.等尺性膝伸展筋力はハンドヘルドダイナモメーターにて非利き足のみの測定を2回行い,最大値を体重で除した体重比(以下,下肢筋力)として算出した.上体起しは30秒間にできるだけはやく可能な回数を1回測定した.長座位体前屈は2回測定し,最大値を採用した.棒反応テストは5回の測定を実施し,最大と最小の値を除いた3回の平均値を算出した.閉眼片脚立位時間は非利き足が支持脚となるように立たせ,120秒を最大として2回測定し最大値を分析に用いた.統計学的分析にはピアソンの相関分析を用いて各項目の関連について検討をした.有意水準は5%未満とした.【説明と同意】 本研究の実施にあたり,事前に対象者に対して書面にて研究の目的,内容を説明し,同意の署名を得てから測定を実施した.【結果】 各項目の平均値は松葉杖歩行 76.4±22.0m/min,身長157.5±5.7cm,体重 49.2±4.5kg,握力0.6±0.1kg,上体起し16.4± 4.3回,下肢筋力 0.54± 0.14kgf/kg,長座位体前屈35.1±8.9cm,閉眼片脚立位時間55.6±43.5sec,快適歩行速度 83.8± 9.6m/min,最大歩行速度118.5±17.9m/min,棒反応テスト22.8±3.7cmであった.相関分析の結果,松葉杖歩行と握力r=0.59,上体起こしr=0.51,下肢筋力r=0.55,閉眼片脚立位時間r=0.52,最大歩行速度r=0.63の間で有意な正の相関を認めた(p<0.01).年齢r=-0.31,身長r=0.17,体重r=-0.36,長座位体前屈r=0.19,棒反応テストr=-0.33の間では相関を認めなかった.また,最大歩行速度との間では下肢筋力r=0.65,握力r=0.57,上体起こしr=0.54に有意な正の相関を認めた(p<0.01)が,その他の項目においては有意な相関を認めなかった.【考察】 本研究の結果,先行研究と同様に松葉杖歩行と上肢筋力の指標とした握力において有意な正の相関を認めた.また,上体起こしと下肢筋力の間においても有意な正の相関を認め,松葉杖歩行においては歩行に影響するとされる下肢筋力のほかに,体幹筋力の影響も考慮する必要があると考えられた.さらに,バランスの指標とした閉眼片脚立位時間においても松葉杖歩行との間で有意な正の相関を認めた.閉眼片脚立位時間は最大歩行速度との間では有意な相関を認めておらず,このことから,松葉杖歩行を安定してより速く行うためには筋力の他にバランス能力の影響を考慮する必要があると考えられた.これらのことから,松葉杖歩行を指導する前に,閉眼片脚立位時間や筋力の測定を行うことが有用ではないかと考えられた.しかし,今回の結果は健常成人女性のみの検討であり,今後は対象者の拡大や実際の患者での影響を検討していく必要がある.【理学療法学研究としての意義】 松葉杖歩行における筋力以外の運動機能の関係を示唆した結果となり,臨床において松葉杖歩行獲得の指標となる可能性を見出した.
著者
酒井 翠 中野 高志 丸野 由希 岡田 剛 高村 真広 岡本 泰昌 山脇 成人 吉本 潤一郎
雑誌
2018年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018-09-21

うつ病に関連する脳の構造的異常についてこれまで様々な報告がなされてきたが、治療効果や環境的要因の影響も大きく、バイオマーカになり得るだけの決定的な結論には未だ至っていない。本研究では、治療効果の影響が少ないと考えられる抑うつエピソード発症早期のうつ病患者群と健常対照群の脳の構造的な差異についてvoxel-based morphometry (VBM)法を用いて解析し、先行研究の再現性を検証した。
著者
保田 洋 木村 弘子 中野 久美子 堀田 浩之 永藤 清子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.236-239, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
5

近年,推し進められている高等教育改革において,学習成果の可視化は重要なキーワードであり,そしてその可視化が多くの高等教育機関において精力的に取り組まれている.しかし,多くの大学で実施されている方法は,ディプロマ・ポリシーに対応するような評価であるとは言い難い.そこで,甲子園短期大学ではディプロマ・ポリシーの内容に基づき,卒業までに学生が身につける12の能力を抽出し,その12の能力をカリキュラムマップと対応させた学習成果の可視化方法について検討を行ったので報告する.
著者
中野 貴文 川村 和章 椎谷 亨 山本 龍生 向井 義晴
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.215-220, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
23

目的:活動性根面齲蝕に類似した象牙質病巣を作製し,ジェルタイプのフッ化物含有知覚過敏治療材の塗布時間の違いによる病巣変化と進行停止効果について,TMR(Transverse microradiography)を用いて検討を行った. 材料と方法:フッ化物含有象牙質知覚過敏治療材として,MSコートHysブロックジェルを使用した.ウシ歯根部象牙質に耐酸性バーニッシュを塗布し,2×3mmの被験面を作製した.実験群はBaseline lesion群,Control群,30s-Tr群,5min-Tr群の4群とした.4群とも脱灰溶液(1.5mM CaCl2,0.9mM KH2PO4,50mM酢酸,0.2ppm F,pH 5.0)を注いで24時間37°Cで基準病巣を作製した後,Baseline lesion群はこの直後にTMR分析を行った.他の3群は各処理を行った後に96時間脱灰を行い,TMR分析を行った.被験面処理方法は,Control群では脱イオン水を30秒間,30 s-Tr群ではHysブロックジェルを30秒間,5min-Tr群ではHysブロックジェルを5分間塗布した.すべての群の試料から薄切片を切り出した後,TMR撮影してミネラルプロファイルから脱灰深度とミネラル喪失量を測定した.統計分析はKruskal-Wallis検定ならびにSteel-Dwassの多重比較検定により,有意水準5%で実施した. 結果:5min-Tr群のミネラルプロファイルはControl群に比較し顕著に高いミネラルvol%を示し,特に表層部は約45vol%であった.各群の病巣深度は,Baseline lesion群で71.5μm,Control群で165.8μm,30 s-Tr群で155.7μm,5min-Tr群で100.1μmであり,ミネラル喪失量は,Baseline lesion群で2,020.0vol%×μm,Control群で4,727.5vol%×μm,30 s-Tr群で3,592.5vol%×μm,5min-Tr群で2,102.5vol%×μmであった.病巣深度およびミネラル喪失量とも,5min-Tr群はControl群および30s-Tr群に比較し有意に小さな値を示した. 結論:表層の再石灰化が乏しい根面脱灰病巣に対し,MSコートHysブロックジェルを規定の塗布時間を超えて5分間処理することにより,効果的な病巣進行停止効果が認められた.

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著者
中野重治 著
出版者
戦旗社
巻号頁・発行日
1930
著者
竹内 友一 小倉 明夫 椎名 亮介 中野 裕喜
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.631-637, 2019 (Released:2019-07-20)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

Recently, many methods are suggested to evaluate spatial resolution in MRI. However, those techniques are not simple and easy. The International Electrotechnical Commission (IEC) recommends a method to evaluate spatial resolution using a periodic pattern image as IEC 62464-1. IEC 62464-1 prescribes specifications and placement of phantom, and a method of analysis, but these details grounds are not clear. A purpose of this study is to examine the effect in each factor of IEC 62464-1 method and define the characteristics of this method. Nine phantoms with different plate thickness were made including prescribed specifications of IEC 62464-1. Imaging was conducted with changing the placement angle of these phantoms. Also, analysis was carried out in region of interest (ROI) of three different size. As a result, the placement angle of the phantom, measurement error was <1% on a condition prescribed by a method of IEC 62464-1. There was not the effect if the transverse diameter for the longitudinal diameter exceeded 100% fort the size of ROI. In specifications of the phantom, there was not the dependence for the thickness of the plate of the phantom in IEC 62464-1 prescribes.
著者
池田 涼音 関根 詩乃 別所 朋香 大月 陽香 柴田 紗希 中野 実紅 佐藤 香枝
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4.5, pp.289-296, 2022-04-05 (Released:2022-06-05)
参考文献数
10
被引用文献数
2

In this study, we developed a cell culture device using gelatin. An appropriate material was sought to be used as a mold for the gelatin gel, and the bonding method between the gelatin gel and the coverslip, which was the cell culture surface, was investigated. The developed device can be used with a high-magnification objective lens. Furthermore, we report that human vascular endothelial cells and fibroblasts were co-cultured in the gelatin device, and a capillary network was successfully constructed.
著者
平沢 隆之 渡辺 翔 須田 義大 吉田 秀範 中野 公彦 水間 毅 長谷川 智紀 竹内 俊裕 栃岡 孝宏 山本 康典 岩下 洋平 藤元 秀樹 東 耕一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.177-182, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
7

車車間通信型ASV の普及スキームの一環として提案した路面電車と自動車の間での通信型ASV プロトタイプサービスを,実証実験への試供が可能となったASV 通信機を用いて構築した.両車両が見通し不良状況にて1 対1 で遭遇する基礎的なシーンを想定し,広島地区第二次ITS 公道実証実験デモに合わせて機能検証データを取得した.その結果,プロトタイプサービスが路面電車運転士の気づき支援に必要な機能を満たすことを確認した.
著者
重政 理香 高野 伸夫 中野 洋子
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.241-248, 2015-12-15 (Released:2015-12-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

Objective: There have been many previous reports about the relationships between jaw deformity and articulation disorders, but most of such studies were conducted in cases with mandibular prognathism. In contrast, well-defined studies have not been conducted to date in patients with retrognathia although it is considered that such patients have articulation disorders because of the relationship with tegmentum in the anterior tooth area and association with abnormality of the perioral muscles. We previously reported on the effects of orthognathic surgery on vowel sounds in patients with retrognathia. The purpose of this study was to investigate the influence of orthognathic surgery on poor articulation of Japanese consonants in cases with retrognathia. Materials and Methods: The eight consonant sounds [ka], [ki], [sa], [ɕi], [ta], [tɕi], [pa], [pi] were recorded as speech samples. The investigation was carried out in 11 Japanese female patients with mandibular retrognathia requiring surgery for jaw deformity and malocclusion both at the preoperative and postoperative stages of 3 and 6 months. These subjects were compared with 10 healthy controls. The duration of the consonant sound and the sound pressure level were analyzed. Results: The duration of the consonant sounds [ka], [ki], [ɕi] and [tɕi] was significantly longer in patients with mandibular retrognathia compared with the controls. The duration of the consonant sounds except [pa] and [pi] after the operation was generally shorter than before the operation. Especially, significant shortening was observed in [ki] in the comparison between before and 6 months after the operation. The sound pressure level for [ki] and [tɕi] was significantly smaller. No significant differences were found in the sound pressure level of the consonant sounds between before and after the operation, but the level was getting larger by 6 months after the operation. Conclusion: In patients with mandibular retrognathia, the duration of consonants was extended especially in the alveolar fricative sound, velar plosive, and alveolar affricate; furthermore, the sound pressure level was low. However, the articulation disorders tended to be reduced at 6 months after orthognathic surgery by correcting the occlusion and jaw position.
著者
芹澤(松山) 和世 安田 泰輔 中野 隆志 芹澤 如比古
出版者
富士山科学研究所
雑誌
富士山研究 = Mount Fuji Research (ISSN:18817564)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-18, 2009-03

2007年9月に山中湖で大型藻類の潜水調査を行ったところ、湖北岸東部のママの森地先の水深1-5mと北東端の平野ワンドの水深2mの湖底で、礫上に着生する糸状緑藻を発見した。その外部形態および内部形態の詳細な観察を実体顕微鏡および生物顕微鏡を用いて行なったところ、マリモの特徴と一致し、フジマリモであると判断した。山中湖ではフジマリモの発見以来、その分布に関する調査が数回行われているが、その分布範囲の縮小や生育環境の悪化が懸念されてきた。そして1993年の調査を最後に本湖ではフジマリモは確認されなくなった。今回、わずかではあるが山中湖では絶滅したと思われていたフジマリモが再発見され、本種の保護と回復のための何らかの対策の必要性が感じられた。
著者
早川 和重 三橋 紀夫 岡崎 篤 中野 隆史 玉木 義雄 山川 通隆 伊藤 潤 平岡 成恭 原 富夫 新部 英男
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-24, 1984-02-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
21

From January 1970 to June 1982, among 4, 294 patients with malignant neoplasms, herpes zoster (HZ) occurred in 87 (2.0%) after irradiation. The incidence of HZ infection was rather high in patients with malignant lymphoma (8.3%), epipharyngeal cancer (8.2%), ovarial tumor (4.8%) and testicular tumor (4.2%). Most of these patients received extensive radiation therapy along the spinal cord and/or nerve root.The location of HZ infection was devided as follows : HZ infectious lesion located in the area of (I-A) innervated segment of the irradiated nerve root (74%), (I-B) irradiated dermatome (3%) and (II) not associated with radiation field (23%).In 55 (86%) of 64 patients of I-A, HZ infection occurred within one year, particularly in six months (41 cases (64%)) after the complesion of radiation therapy. This incubation period between completing irradiation and the manifestation of HZ infection was likely to be compatible with the period between radiation therapy and earlier radiation injury. Among 20 patients in Group II, 12 patients (60%) developed HZ infection over a year after irradiation.The cumulative 5-year survival of these patients except for the patients with malignant lymphoma was 42% and HZ infection was considered to have no prognostic significance.In 19 cases treated with 3-Germylopropionic acid sesquioxide (Biositon-8), all were free of severe neuralgia and 11 patients were cured within 2 weeks. Ongoing clinical trial investigating the use of Biositon-8 appears promising against HZ infection.
著者
儀間 裕貴 渡辺 はま 木原 秀樹 中野 尚子 中村 友彦 多賀 厳太郎
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.115-123, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
29
被引用文献数
4

【目的】Fidgety movements(以下,FMs)が出現する修正2~5ヵ月時の自発運動特性を明らかにするため,観察評価と四肢運動指標の関連を検討する。【方法】修正49 ~60 週に撮影した極低出生体重児の自発運動を観察し,Prechtl らによるFMs の観察評定方法で3 群(normal,absent,abnormal)に分類した。また,動画から得た四肢運動座標データより平均速度,運動単位数,尖度,平均曲率,四肢運動の同時性などの運動特性指標を算出し,観察評価と各指標の関連を検討した。【結果】観察評価でFMs なしと判定された群は,FMs 正常と判定された群に比べて下肢の平均曲率が有意に低かった。また,FMs が異常と判定された児の多くは,6 歳時点で何らかの発達障害を認めた。【結論】下肢の平均曲率はFMs の微細な運動特徴を捉える有効な指標であり,FMs が出現する時期の自発運動特性の定量化につながる。
著者
中野 祐司 榎本 嘉範 東 俊行
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.346-354, 2022-06-05 (Released:2022-06-05)
参考文献数
75

80–90年代に加速器施設に建設された原子分子物理用のイオン蓄積リングは,重イオン物理や分子科学において多大な成果をあげてきた.近年,これらのリングの多くが当初の役割を終え,姿を変えて第二の生涯を歩み始めている.その背景には,原子分子物理の研究の場が,高エネルギー(MeV~GeV)の磁場型リングから低エネルギー(keV)の静電型リングへ移り変わってきたことがある.原子分子の反応は素粒子や核物理のように高エネルギーを必要としないのでビームのエネルギーはkeV領域で十分であり,この程度のエネルギーであれば電場で制御することができる.磁場型リングではイオン質量に応じて磁場を強くする必要があったのに対し,静電型リングで必要な電場強度はイオン質量に依存しないため,多様なイオンビームを蓄積することが可能である.さらに電磁石が不要なため装置を実験室サイズに小型化することができる.大型の国際計画へと巨大化していく加速器や宇宙科学とは好対照に,大型加速器から生まれた蓄積リングの技術が多様化と小型化を遂げた結果,世界各所でバラエティ豊かな研究が展開されるようになった.原子,分子に関する基礎研究をはじめ,クラスターや生体分子を対象としたダイナミクス研究,星間分子反応の実験研究など,様々な研究分野にまたがる新しい発見がたくさん得られた.このようななか,電子,振動,回転状態がいずれも基底状態に冷却された「単一量子状態の分子イオン」による新しい物理の探索を目指して次世代リングの検討が始まり,3つの拠点で極低温静電型イオン蓄積リングDESIREE(Stockholm大学),CSR(Max Planck原子核研究所),RICE(理化学研究所)の開発が進められてきた.いずれのリング開発も真空容器そのものを10 K以下にまで冷却することで熱輻射を遮断し,さらに10-10 Pa以下の極高真空を実現して長時間のイオン蓄積を実現しようとする野心的な計画であった.各リングとも5~10年にわたる開発期間を経て,2010年代に入って装置温度10 K以下を達成し,数100秒以上の長時間にわたる分子イオンの安定蓄積に成功した.2017年,極低温リング内での分子の冷却が初めて観測された.DESIREEとCSRのグループは,蓄積したOH-分子イオンの光電子脱離スペクトルから振動回転状態の占有率を見積もり,最大で99%以上もの分子イオンが基底状態に冷却される様子を捉えた.我々の開発した極低温リングRICEでは3原子分子イオンN2O+の高分解能分光によって,孤立分子の状態分布が刻々と変化する過程を追跡することに成功した.極低温リングの登場によってこれまで見ることのできなかった孤立分子の冷却ダイナミクスが明らかになってきたとともに,冷却分子イオンビームを利用した実験研究が現実のものとなった.冷却分子およびその量子制御を利用した研究展開として,RICEでは中性原子ビーム,DESIREEでは負イオンビームとの相互作用を観測するためのセットアップが進行中である.CSRでは冷却分子と電子の衝突実験が行われ,初期宇宙の原子分子過程として重要なHeH+の解離性再結合反応および回転状態依存性が初めて観測されるなど,重要なマイルストーンが達成された.